ラナークエスト   作:テンパランス

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#085

 act 23 

 

 折角なので今作オリジナルの生まれながらの異能(タレント)で各種設定を見てみる事にする。

 アルシェが各人を穴が開くまで見つめるような体勢になったので聖王国の一団は異様な雰囲気を感じ取り、一歩下がった。

 

「せっかく出番が来たので皆様、大人しくしてくれるとありがたいです」

 

 鬼気迫るアルシェの様子にケラルトは盾としてネイアを前面に押し出す。

 

「この場所より地下施設で見た方が安全ではないか?」

 

 ナーベラルの提案にアルシェははたと気付き、彼女に一礼する。

 人間以上に冷静な判断ができるところは尊敬に値する、とアルシェは尊敬の念を抱く。

 

「一応、原作では『看破の魔眼』という相手の位階を知る生まれながらの異能(タレント)です」

 

 と、アルシェはあらぬ方向に向かって言った。今作はその発展系としてステータスの一覧のようなものが見える、事になっている。

 備考のような個人情報まではさすがに見る事は出来ない。

 

「そちらの方角に何かあるのか?」

読者……でしょうか?」

 

 レメディオスは素直にアルシェが向いた方に顔を向けたが、何も無いと分かると表情を(けわ)しくする。

 とはいえ、嘘をつくなと激高しなかっただけ子供っぽい事は無かった。

 苦笑しつつアルシェと他の一行は地下に向かう為の準備を整える。

 またも大人数ではイビルアイが困るのでは、と思ったラナーは最初から役割分担を決めた方がいいと提案し、ほぼレメディオスを除いた面々が同意した。

 頭脳労働は妹のケラルトやグスターボに任せているようで文句は出なかった。

 六の宝物庫(ユーノー)の地下一階で整列していく聖騎士団。それ以外はチームごとに並んでいく。

 ドラウディロンは一人だったが隊列に加わった。

 共に努力する仲間という意識で。

 

「では、アルシェ。彼らのステータスを見ていくがいい」

 

 レイナースが代表として命令する。

 ラナーはリーダーであるが部隊に命令することには慣れていなかった。せいぜい号令をかける程度だ。

 名前を呼ばれたアルシェは全員を一望できる位置に移動し、一人ずつ見つめる。

 

 

 ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフのステータス。

 職業(クラス)

 『死刑執行人(エグゼキューショナー)』レベル1

 『王女(プリンセス)』レベル2

 『女優(アクトレス)』レベル2

 HP23

 MP0

 物理攻撃14 物理防御12 素早さ19

 魔法攻撃0 魔法防御16 総合耐性18 特殊23

 

 

 いきなり物騒な職業(クラス)が見えてアルシェは顔を青くする。思わず二度見するほどに。

 にこやかなラナー王女が突然、凶悪犯のような面構えに見えた。

 

「どうかしました?」

 

 貴女がどうかしてますよ、と言いそうになったが賢明に言葉を飲み込む。どの道、チーム内で情報をやりとりすることになる。

 自分のステータスは目を瞑るだけで見る事が出来る。

 他の三人のレベルは増えていなかった。レイナース、ナーベラル、クルシュはステータスにも変化無し。

 勝手に増えるものなのか、何らかの力で変動させるものかは分からない。

 

 

 ドラウディロン・オーリウクルスのステータス。

 種族

 『黒鱗竜(ブラックスケイルドラゴン)』レベル5

 『幼年(ドラコリング)』レベル10

 『若者(ヤング)』レベル10

 『青年(アダルト)』レベル10

 『長老(エルダー)』レベル1

 職業(クラス)

 『女王(クイーン)』レベル2

 『カリスマ』レベル3

 HP533

 MP278

 物理攻撃30 物理防御36 素早さ23

 魔法攻撃31 魔法防御35 総合耐性37 特殊39

 

 

 竜王(ドラゴンロード)は種族ではなく二つ名に近い扱いだ。

 初めて見る種族名にアルシェは少しだけ興味を覚える。おそらく他の人間も珍しい種族や職業(クラス)があるかもしれない。

 これらを自分ひとりで抱え込むと暗殺のおそれがある。

 こういう場合は情報共有が安全策だ。

 請負人(ワーカー)時代は情報一つで命のやり取りをするほど危険な事はよくあった。

 扱いを間違えなければ長生きできる。それは(つちか)った人生が答えを示している。

 

「そうそう。私は異形種だ。それは別に秘匿情報ではないから安心するといい」

 

 と、気が付いたドラウディロン自ら声をかけてきた。

 その一言で寿命がだいぶ延びた気がした。

 

 

 カルカ・ベサーレスのステータス。

 職業(クラス)

 『聖職者(クレリック)』レベル10

 『上級聖職者(ハイ・クレリック)』レベル5

 『女教皇(ハイプリエステス)』レベル5

 『聖人(セイント)』レベル2

 『聖女王(ホーリークイーン)』レベル5

 HP319

 MP258

 物理攻撃18 物理防御27 素早さ14

 魔法攻撃22 魔法防御22 総合耐性26 特殊27

 

 レメディオス・カストディオのステータス。

 職業(クラス)

 『聖戦士(クルセイダー)』レベル6

 『剣豪(ウォーブレイド)』レベル7

 『聖騎士(パラディン)』レベル10

 『清浄騎士(ホーリーナイト)』レベル5

 『邪殺し(イビルスレイヤー)』レベル5

 HP354

 MP121

 物理攻撃36 物理防御34 素早さ28

 魔法攻撃17 魔法防御27 総合耐性31 特殊34

 

 ケラルト・カストディオのステータス。

 職業(クラス)

 『聖職者(クレリック)』レベル10

 『上級聖職者(ハイ・クレリック)』レベル6

 『女教皇(ハイプリエステス)』レベル5

 『司教(ビショップ)』レベル4

 『軍師(ウォーロード)』レベル3

 HP262

 MP220

 物理攻撃16 物理防御23 素早さ15

 魔法攻撃21 魔法防御28 総合耐性27 特殊28

 

 

 残りの聖騎士達のステータスは一様に似通っていたがカルカ達の高いステータスに興味を覚える。

 特に普段ならば一生見る事が出来ないであろう聖王女職業(クラス)に。

 聖王女なのに聖女王(ホーリークイーン)という職業(クラス)は少しだけ混乱する。

 王女だとプリンセス。つまりカルカは国では女王という立場という事か、と。

 役職は色々と難しい理屈があるのかもしれない、と思いつつアルシェは見るだけではなく、一応メモしていった。

 数値に関してはどういう根拠があるのか、それがどの程度の強弱があるのかは分からない。

 ステータスは見る事が出来るのだが『経験値』は分からなかった。

 別の生まれながらの異能(タレント)が必要なのかもしれない。

 

 

 ネイア・バラハのステータス。

 職業(クラス)

 『従者(サーヴァント)』レベル3

 『弓兵(アーチャー)』レベル2

 HP38

 MP22

 物理攻撃10 物理防御12 素早さ11

 魔法攻撃3 魔法防御8 総合耐性9 特殊11

 

 

 聖騎士団員全てが素晴らしい能力を持っているとは限らない。そんな中で庶民的な数値が出るとアルシェとしては少し安心した。

 自分に無い才能というものは嫉妬の対象になりがちだ。だからといって自分より下だからとバカにはしない。

 とはいえ、今は強制的にレベルが5までいきなり落ちてしまったので、ひとまず元のステータスまで戻したい。だが、これがなかなかの難物だった。

 弱いモンスターとはいえ結構な数を倒しているし、魔法も使っている。それなのに一向に向上している気配が無い。

 それはつまりレベルというものが固定化されたのではないかと危惧したものだ。

 ラナー王女がその中でレベルアップなる強化を果たしているので、自分達も数値のようなものが増えるはずだ。

 

 

 雪音クリスのステータス。

 職業(クラス)

 『弓兵(アーチャー)』レベル2

 『射手(シューター)』レベル2

 『銃使い(ガンスリンガー)』レベル3

 『砲兵(ガンナー)』レベル3

 『吟遊詩人(バード)』レベル3

 『装者(シンフォギア)』レベル3

 HP25

 MP12

 物理攻撃8 物理防御7 素早さ7

 魔法攻撃4 魔法防御4 総合耐性7 特殊8

 

 レオンミシェリ・ガレット・デ・ロワのステータス。

 種族

 『猫獣人(ガレット)』レベル8

 『猫獣人王(ガレット・ロード)』レベル3

 職業(クラス)

 『王女(プリンセス)』レベル3

 『大貴族(ハイ・ノーブル)』レベル3

 『百獣王騎士(ビーストキング・ナイト)』レベル3

 『重戦士(ヘビーナイト)』レベル3

 『軍師(ウォーロード)』レベル2

 『将軍(ジェネラル)』レベル1

 HP236

 MP79

 物理攻撃24 物理防御13 素早さ21

 魔法攻撃23 魔法防御26 総合耐性22 特殊24

 

 

 雪音クリスのステータスが想定していたものよりも低いのは変身していないからかなとアルシェは疑問に思った。

 普段の姿なら一般人並みでも不思議は無いが職業(クラス)レベルの高さに見合っていない低さには疑問がある。

 試しに変身してもらった。

 敵が居なければ駄目だ、という制限は無いようで快く引き受けてくれた。

 

 

 雪音クリスのステータス。

 職業(クラス)

 『弓兵(アーチャー)』レベル2

 『射手(シューター)』レベル2

 『銃使い(ガンスリンガー)』レベル3

 『砲兵(ガンナー)』レベル3

 『吟遊詩人(バード)』レベル3

 『装者(シンフォギア)』レベル3

 HP251

 MP95

 物理攻撃25 物理防御25 素早さ17

 魔法攻撃21 魔法防御24 総合耐性27 特殊25

 

 

 職業(クラス)レベルに変動は無いが身体的な数値は飛躍的に増加した。

 どういう身体の構造をしているのか、と首を傾げるアルシェ。

 

「これで絶唱やらエクスドライブを使えばもっと増えるかもな」

 

 それはつまり戦闘中に更なる身体的向上が図れる特殊技術(スキル)を持っているということになる。

 さすがにそこまで確認はしないが、目の前で変動する数値は驚きだった。

 雪音は命を削るような事は無理だが一つ見てもらおうとマイク型に変形したアームドギアのトリガーたるペンダントのスイッチを押す。

 

「抜剣っ!」

「ダインスレイブ」

 

 と、マイク型から機械の音声が流れた。

 首から離れたマイクは大きく変形し、中心部分から鋭い針のようなエネルギー体が飛び出て来た。それが容赦なく雪音の胸に突き刺さる。

 はた目から見ると大きなダメージを受けているように見える。実際、苦しむ様子が窺えた。

 刺さった部分から黒い何かがあふれ出し、雪音の身体全体に広がっていく。

 暴走による負のエルネギーを意識したまま制御するダインスレイブ

 制限時間付きだが、従来のシンフォギアの能力を格段に向上させる。更に三段階のセーフティを解除することにより、絶唱に匹敵する力を得る事が出来る。

 制限時間になれば自動的に解除されるがシンフォギアは維持されたままだ。

 

「あんま多用は出来ねーけどな」

 

 能力の向上と引き換えに身体に多大な負荷をかける。

 それはシンフォギアをまとっていても感じる苦痛だ。

 

 

 雪音クリスのステータス。

 職業(クラス)

 『弓兵(アーチャー)』レベル2

 『射手(シューター)』レベル2

 『銃使い(ガンスリンガー)』レベル3

 『砲兵(ガンナー)』レベル3

 『吟遊詩人(バード)』レベル3

 『装者(シンフォギア)』レベル3

 HP663

 MP350

 物理攻撃47 物理防御42 素早さ24

 魔法攻撃39 魔法防御37 総合耐性36 特殊45

 

 

 元々の職業(クラス)レベルが低いせいもあるがステータスは格段に上がった。

 強さ的には表現しにくいがレメディオスより強くなった、気がする。

 これで身体的なステータスというか基本的な肉体能力を上げれば更なる強化も不可能ではない、気がする。

 もちろん、あくまでアルシェの私見だ。

 低レベルでは破格の数値と思える。

 これよりも更なる切り札というものを使えばどうなるのか、知るのが怖い反面、知りたいという欲求が生まれる。

 

          

 

 規定時間になり、ダインスレイブが解除されると何もしていないのに額からたくさんの汗が滲み出る雪音。

 変身を維持するだけで精一杯という風に見えた。

 

「すごい上がってました」

「そ、そうか。何も無かったら訓練やめようとか思ったけど……。上がってたんたなら……、素直に喜んでおくよ」

 

 二段変身のようなものは職業(クラス)レベルではなく、身体能力のみに影響を与えるもの。という理解をするアルシェ。

 魔法的な肉体強化に似ているのかもしれない。

 変身が解けると元のステータスに戻っていた。

 

「……見慣れない装備だが……。マジックアイテムなのか?」

「似たようなもんだ」

 

 中世ファンタジーの世界に住む現地の人間からすれば雪音の装備品は正しく異様な存在だ。

 変身する女の子が珍しくない世界から来たわけではないけれど、奇異の目は仕方がないと思っている。

 ステータス確認を終える頃にイビルアイが地下に通じる階段から現れた。

 昨日の白いローブではなく赤黒い薄汚れたものになっていた。それと仮面の薔薇模様が無くなっているので取り替えたものだと思われる。

 

「既にモンスターは用意してあるが……。聖王国(かた)は無闇に討伐しないように」

「な、何故だ」

「一人で多くを倒しすぎている。身体を慣らす意味でも全員に均等に当たらなければ意味が無い」

 

 一人で討伐しても仲間が物凄く強くなるわけではないので。

 注意事項や荷物点検の後に四の宝物庫(ウェスタ)に向かう。

 下準備が整えられている為に真新しさがそこかしこから感じる。

 誰も使っていない無人の施設から血の通ったものへと変化したような新鮮さのようなもの。

 三の宝物庫(ネプトゥヌス)である大浴場も心なしか綺麗に見える。

 現場に到着した後、粗末な装備に変更したり、普通の武器を選んだりする。

 もちろん、着替えの為の小屋が設営されていた。

 

「元々の能力が高い者はあちら。低位の者は昨日と同じく槍使いに挑め。小娘(ラナー)達は……、山羊の亜人を討伐しておけ」

 

 山羊以外にも居るけれど、クルシュが居るので蜥蜴人(リザードマン)は使えそうにない。

 兎人(ラビットマン)とかも追加しようかな、と脳裏に色々と計画を記載していくイビルアイ。

 

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