書くことも最近は訛ってきているのでご指摘があったらお願いします。遅筆になりがちですが、可能な限り書いていこうと思います。
なお、物語に置いて月光竜牙までのカードを今の段階で使用します。
カードファイト!ヴァンガード。それは、世界に数億と言われるプレイ人口を誇るカードゲーム。
人々は熱狂し、夢中になり、のめり込んでいった。
これはそんな世界に住むあある少女の物語である。
「ねえ、こんな所に呼び出されてまで頼む理由ってこんなことなの?」
私は今、普通だったら絶対にこないであろう場所に呼び出され、あまつさえ普段なら絶対にやらないであろう事までやっている。
「いやー、今日手伝ってくれる友達が急用で来れなくなっちゃって。それで頼めるのがサヨだけだったんだよ」
手伝ってくれて助かったと笑いながら作業をする私の数少ない友人の一人、鳴神ライカ。人に好かれやすいといえばいいのか、活発的な子と言えばいいのかどちらともとも言える数少ない中学からの友人。
そんな友人に頼まれ普段来ることはないカード&カフェ三毛三郎という何処ぞの青い猫型ロボットによく似た赤い猫のマスコットキャラを看板に出しているお店で、私、柊サヨはカードのパックを開封する手伝いをしていた。
「それに、サヨもちゃんと手伝いに来てくれたってことは今日は暇だったんでしょ?」
「別に…。高校に上がったばかりで友達もまだ居ないし、やることもなかっただけで」
「あいも変わらずサヨは人付き合い苦手なんだから。そのおかげで手伝って貰ってるけど…げ、クロノスコマンド」
これ使わないのになぁ…と横に置きながら新しいパックを手に取って開封を始めるライカ。
時空超越。今開封しているパックの名前だ。じくうちょうえつと読まず、ストライドジェナレーションとルビが振られているが、カナ文字読みの商品はこれだけである。次のパックは風華天翔とそのまま読むのにこれだけがカナ文字読みが付いているのは謎の商品。私に取っては寧ろ何故カナ文字なのかが気になって仕方のない商品だ。
「いつも誘ってるけどなんでサヨはヴァンガード始めないの?」
「それは…」
そう、私は今開封してるカードゲーム、ヴァンガードをやっていない。やってみようと手に取って見たが何を見ても心惹かれなかったからだ。いや、違う。何を見てもこれじゃないと思ってしまうのだ。だから、最近はテレビでプロの試合を見たりなどに留めていた。
「まあいいけどね。何見ても使いたいって言うのが無いんじゃ楽しめないしね」
私もそうだったしと続けて開封を続けるライカ。
「わかってくれてありがと」
私は礼を言いながら手に持っていたパックを開封し、中身を取り出しし、一番最後にあるカードを見た。
「え?」
荒野。そうとしか言い表せない光景が、目の前に広がっていた。さっきまで店に座って開封していただけなのにいつの間にか私はこの荒野に立っている。
(なに、いったいどうなってるの…?)
よく見れば、自分の姿は半透明のようにうっすらとしている。意味が分からない。自分の姿がどうしてこうなっているのか分からず、周りを見渡してみれば遠くに現実にはあり得ない光景が広がっていた。
(嘘でしょ?あんなの…現実にいるはずが…)
そこには、龍を模した、または動きやすい服装をした戦士たちと、地球には絶対にいないはずの龍が存在していた。
特徴的な剣―――中国の青龍刀だろうか―――を持った龍が先頭に立ち、果敢に敵と思わしき騎士たちへ向かっていきそして―――
「あ、あれ?」
「どうしたの、サヨ?」
私の目の前に広がっていた荒野ではなく、ライカが前に座っている普通の光景だった。
「ああ、いや何でもない」
あの光景は何だったのかと思いながら開けていたパックの最後のカードを見る。そこには、あの龍がいた。
「ドラゴニック・ブレードマスター…?」
あの青竜刀を持った龍の名前だったのであろう。その名前を見た時ああ、確かにその名が似合うとしっくりきた。
ブレードマスター。剣の達人を冠する龍とはよく似合う名前だ。
青竜刀を構えて飛んでいるであろう姿は正しく達人。
「どうしたのって、ブレマスのSPかぁ…ちょっと微妙かなぁ」
「微妙って?」
手に持っていたカードを見て微妙そうな顔をするライカ。
書いてあることは充分強そうであるのだから弱くないとは思うのだけど。
「ブレマスは書いてあることは弱くない…弱くないんだけどこれまでのかげろうのメインを張っていたオバロ…ドラゴニック・オーバーロードとかと比べちゃうとね、どうしても弱いんだよね…」
せめてクリティカル上昇の条件がもうちょっと緩かったら評価が違うんだろうけどなぁと本音をいうライカ。
聞くだけではこのカードは弱いと思われているらしい。どう考えたって使うべきではない、いや、、寧ろ使う人など酔狂な人間とすら思われるだろう。
だけれど。
私は感じてしまった。今までどんなカードを見たってこれじゃないって感じていたのにだ。
それに、さっきみた光景がもしこのカードを見て起こったことだとするのならば、私はこのカードに導かれたのかもしれない。それともただの私の妄想で私がただの痛い人なのかもしれない。
でも、そうだとしても思ったのだ。
コイツが私の相棒だ、と。
「ライカ、お願いがあるんだけど」
「なになに、サヨがお願いなんて珍しい」
「このカード、よかったら私に譲ってくれない?」
「え?」
一瞬ぽかんとした顔をしてライカは私に食って掛かってきた。
「そ、それってヴァンガードを始めるってことだよね!?そのブレマスを使ってデッキを組んでヴァンガードを始めるってことだよね!そういうことなんだよね!?」
「う、うん。そういうことだけど」
「おお…おぉ…おおおおおおおおおおおおお!やったぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁ!!」
突然花も恥じらう十代少女とは思えない雄叫びを上げ始めるライカ。
「ちょ、ちょっとどうしたのよ」
「どうしたもこうしたもないよ!ずっと誘っても始めてくれなかったサヨが…サヨが遂にヴァンガードを始めてくれるんだよ!喜びでつい叫んじゃったよ!さあデッキを組もう!」
そういいながら開け終わったボックスの中から使えそうなカードを探し始めるライカ。
「そういえば他にもパックにあるよね…」
そう思って席を立ち、カードの写真が貼られてあるバインダーが置いてある場所に行き、時空超越以降のバインダーを手に取り、かげろうを探していく。
(風華天翔には入ってなくて覇道竜星には入ってるのね。でも、覇道竜星以降のパック…最新弾の月煌竜牙に至るまでかげろうの追加はないっと。これじゃ足りなさそうね…じゃあ時空超越とあとは…あのかげろうって書かれたバインダーを持って席に戻ろう)
かげろうとかかられたラベルの貼ってあるバインダーを抜き取り、ライカの座る席に戻る。
「おお!バインダー持ってきてたんだ。丁度こっちも使えそうなのを纏め終わったところだよ」
時空超越のカードの中から使えそうなカードが山になっているのが見える。
「悪いんだけどストライドコストは私のチームメイトも欲しがってるから渡せないし、完全ガードGのプロテクトオーブ・ドラゴンもちょっと無理。だからそれらなしで組まないといけないからバインダー持ってきてもらえたのは助かったよ」
「完全ガード…G?」
一通りの能力は知っているだけに後ろに来たGという意味が分からない。
「ああ、わかりやすく言うと昔の完全ガードにちょっとした効果がついた所謂後期型の完全ガードことよ」
「なるほど、納得した」
つまり新しくなった完全ガードということだろう。
「ブレマスをメインにするなら―」
ライカの話が遠くなっていく。
何を使えばいいか、どうすればいいかはわからないのに必要なものをどんどん選び、手に取って買って組み込んでいく。
これが正しいと思うものを入れていく。
流石にお金が足りないから一番古いバリィを採用したりもした。
そしてついに完成した。
「ねえ、ホントに初めてなの?私の話も途中素通りしてたし」
「いや、無我夢中で作ってたんだけど…自分でも不思議」
軽く齧ったくらいの知識であったけれど、自分で選ぶという行為がここまで楽しいなんて思っていなかった。
「まあいっか。じゃあ、サヨの初めてのファイト、行ってみようか」
にぃっと笑いながら一つのデッキケースを取り出すライカ。
「ええ、よろしくお願いするよ」
私はそれに笑いながら応えるのだ。
次はティーチングファイト!
サヨは相棒を手に入れ、ライカに挑む!
ライカの使用クラン…お楽しみにしていてください!