ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第096話:変幻自在!デジモンキラーメタモルモン!!

 

 

太一

「ハァッ!」

 

 【メタモルモン】に向かって太一は剣で斬りかかった

 だが、【メタモルモン】は太一の攻撃を躱すと…

 

メタモルモン

レーザートランスレーション!!!

 

太一

「!?」

 

 謎の光を太一に向かって放った

 だが…

 

太一

「………」

 

 太一には何のダメージも無かった

 すると…

 

メタモルモン

『…対象外…対象外…』

 

 【メタモルモン】が意味不明な事を言いだした

 自分の放った技が太一に効果が無いと判断すると…

 

メタモルモン

レーザートランスレーション!!!

 

 【メタモルモン】は今度は【パラレルモン】と戦っているウォーグレイモンに同じ技を放った

 

ウォーグレイモン

「!?」

 

 【メタモルモン】の放った光がウォーグレイモンに命中した

 だが、太一と同じ様にウォーグレイモンもダメージも変化も無かった

 しかし、太一の時と違い、今度は【メタモルモン】に変化が起きた

 

 ブゥンッ!

 

太一

「チッ!!」

 

 なんと、太一の目の前で【メタモルモン】の姿が()()()()()()()()()()()()()のだ

 

メタモルモン

『我、全テヲ破壊スル!!』

 

 ウォーグレイモンに姿を変えた【メタモルモン】は太一に襲い掛かった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

マドカ

「ウォーグレイモンに変わった!?どう言う事だ!!!」

 

 地上では姿の変わった【メタモルモン】に全員が混乱していた

 

「アレが【メタモルモン】の恐るべき能力…『変身能力』だよ!!!」

 

全員

「変身能力!?」

 

「そう、【メタモルモン】がさっき使った《レーザートランスレーション》っていう技はデジモンをスキャンする技なんだよ…」

 

クロエ

「デジモンをスキャン…あっ!?だから【メタモルモン】は太一様からウォーグレイモン様に狙いを変えたんですね!!」

 

「うん、たっくんのIS【ロイヤルナイツ】は本物の【ロイヤルナイツ】と全く同じ能力を持ってはいるけどデジモンじゃなくてISだからね…【メタモルモン】もコピー出来なかったんだ。」

 

スコール

「…束…【メタモルモン】のあの変身能力…ただ姿形を真似るだけじゃないでしょ?」

 

「…そうだよ…【メタモルモン】は変身したデジモンの武装、技、戦闘能力、その全てをコピー出来る…それも…」

 

千冬

「それも…何だ?」

 

「変身したデジモンの能力に()()()()()()()()()()()()()…」

 

全員

「…え?」

 

 束のその一言に全員が固まった

 束が何を言っているのか理解が追いつかなかったのだ

 

千冬

「束…お前今…何て言った?」

 

 一早く再起動した千冬が再度確認して来た

 

「【メタモルモン】は変身したデジモンの能力に自分の戦闘力を上乗せするって言ったんだよ。」

 

千冬(平行)

「オ、オイ…ちょっと待て!?それじゃ【メタモルモン】は…」

 

千冬

「相手より…『()()()()()()()()』」

 

 2人の千冬が出した結論に束は静かに頷き、それが正解だと肯定した

 それに他の者達も再び言葉を失ってしまった

 

 …相手より必ず強くなる…

 

 つまり1対1では誰にも負けないという事だった

 それこそが突然変異により生まれた【メタモルモン】の持つ恐るべき力だった

 

「そうか…だから太一が【メタモルモン】の相手をしているのね…」

 

クロエ

「コピー能力を封じるだけでは無かったんですね…それに…」

 

スコール

「ええ、アグモンをエンシェントグレイモンではなくウォーグレイモンに進化させたのもこれで頷けるわ…」

 

「そう言う事だよ…【メタモルモン】がエンシェントグレイモンをコピーしたらそれこそ手が付けられない!!誰にも倒す事の出来ないデジモンが誕生する事になる!!!」

 

 束の言う通り【メタモルモン】がエンシェントグレイモンをコピーすればその強大な力でこの平行世界はあっと言う間に焼き尽くされてしまう

 世界を守る為に戦う伝説の竜が世界を滅ぼす破壊の竜へと変わってしまうのだ

 

全員

「………」

 

 束のその言葉に全員の表情が青褪め、同時に理解した

 何故太一がアグモンをエンシェントグレイモンではなくウォーグレイモンに進化させたのか…

 太一が【メタモルモン】の相手を務めているのか…

 それは全て【メタモルモン】への最善の対策だったのだと、全員が分かったのだった…

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

太一

「オオオオオオオォォォォォッ!!!」

 

メタモルモン

『破壊!破壊!破壊!』

 

 ガキンッ!バキン!ギャリンッ!

 

 太一とウォーグレイモンに変身した【メタモルモン】はそれぞれを武器で接近戦を繰り広げていた

 その戦いの中…

 

太一

(チッ!!確かにコイツの強さはウォーグレイモン以上のウォーグレイモンだ!!)

 

 ウォーグレイモンの強さを誰よりも知っている太一は改めて【メタモルモン】の能力を再確認していた

 

メタモルモン

ガイアフォース!!

 

 その時、【メタモルモン】が《ガイアフォース》を撃って来た

 

太一

「セイヤァッ!!」

 

 ザシュッ!!

 

 ドガァァァァァンッ!!

 

 だが、太一は向かって来た火球を斬り裂いた

 それを見て…

 

メタモルモン

『………』

 

 ブンッ!

 

 突然、【メタモルモン】の姿が揺らぎだした

 

太一

「!?」

 

 そして次の瞬間には…

 

メタモルモン

『破壊!破壊!破壊!』

 

 ウォーグレイモンでも【メタモルモン】でも無い全く別のデジモンに代わっていた

 一つ目の巨大なデジモン…

 それは…

 

太一

「【デスモン】か!?」

 

 以前【バルバモン】が呼び出した【デスモン】だった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

千冬

「アレは確か…【デスモン】!?」

 

全員(平行)

「【デスモン】!?」

 

 地上から太一達の戦いを見守っていた束達だったが【メタモルモン】がこの場にいないデジモンに姿を変えた事で困惑していた

 

千冬

「どう言う事だ!?何故【デスモン】になれるんだ!?奴はこの場にはいないんだぞ!?」

 

「コレは…そう言う事か!?」

 

マドカ

「何か分かったのか!!」

 

 【デスモン】に変身したのを見て束は【メタモルモン】のデータを洗い直していた

 その結果、『変身能力』の更なる恐るべき能力が分かった

 

「【メタモルモン】の『変身能力』の全貌が明らかになったよ!!」

 

全員

「全貌!?」

 

オータム

「全貌って…アレで全部じゃなかったのか!?」

 

「うん…【メタモルモン】は一度でもスキャンすればそのデジモンのデータを記録する『メモリ能力』もあるんだよ!!」

 

全員

「メモリ能力!?」

 

 その言葉を聞いた瞬間、全員の目が見開いた

 

クロエ

「つまり【メタモルモン】は事前に保存しておいた【デスモン】のデータを使って変身したって事ですか?」

 

スコール

「そうなると【メタモルモン】は他にも強力なデジモンのデータを持っている可能性が高いわね…」

 

「そうだね…でも、【メタモルモン】の変身には後一つ能力が隠されてるんだよ…」

 

オータム

「これ以上に何があるってんだ!?」

 

「それは【メタモルモン】は一度変身するとそれまで受けたダメージがリセットされるんだよ…つまり回復するって事…」

 

全員

「はぁっ!?」

 

 【メタモルモン】の能力の全貌…

 その全てが明らかになると全員が言葉を失った

 つまり【メタモルモン】は相手より必ず強くなるだけでなく、相手や状況に合わせてこれまでコピーしたデジモンの中から最適のデジモンを選べるのだ

 それもオリジナルよりも強いデジモンとなって

 そして、どれだけダメージを負っても変身し直せばすぐに完全回復してしまうのだ

 これ以上に厄介な存在を束達は知らなかった

 

「【メタモルモン】…どんなデジモンにも勝てるアイツは…言うなれば『デジモンキラー』!!」

 

千冬

「デジモン…キラー…」

 

 束のつけたその二つ名に誰も反論はしなかった…

 『デジモンキラー』…正にそう呼ぶにふさわしいデジモンだったからだ…

 

 




 <予告>

 メタモルモンが持つ恐るべき力…変身能力

 その力で強力なデジモンへと姿を変え襲い掛かって来た

 果たして太一はジエスモンの力で切り抜けられるのか



 次回!!

 ISアドベンチャー 聖騎士伝説

 偽物を斬り裂け!竜騎士ジエスモン!!

 今、冒険が進化する!


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