ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第097話:偽物を斬り裂け!竜騎士ジエスモン!!

 

 

太一

「ハアアアアアアアァァァァァァァァッ!!!」

 

メタモルモン

デスアロー!デスアロー!デスアロー!

 

 【デスモン】へと変身した【メタモルモン】は向かって来る太一に両手の邪眼から《デスアロー》を連射して来た

 

太一

「フンッ!!」

 

 だが、太一は《デスアロー》を巧みに避け、一気に【メタモルモン】に肉薄した

 

太一

「ハアッ!!」

 

メタモルモン

「ギギッ!」

 

 ガキガキンッ!!

 

 接近した太一は両腕の件で斬りかかったが【メタモルモン】はそれを掴んで止めてしまった 

 そして…

 

メタモルモン

エクス…

 

 必殺技の《エクスプロージョンアイ》を至近距離で撃とうとした

 だが…

 

太一

「甘いわあああああぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 ドシュッ!!

 

メタモルモン

「ギギッ!?」

 

 太一は両足の剣で目の前の巨大な眼を突き刺した

 そのショックで【メタモルモン】は太一を離してしまった

 

太一

「もう一発!!」

 

 目を潰され苦しむ【メタモルモン】に太一は追い打ちをかけようとしたが…

 

 ブゥンッ!

 

太一

「!?」

 

 【メタモルモン】の姿が揺らぎだした

 【メタモルモン】が他のデジモンへ変身しようとしている事に気付いた太一は攻撃を止め、一端距離を置いた

 そして、変身を終えた【メタモルモン】は…

 

太一

「…今度はそいつか!!」

 

メタモルモン

『破壊!破壊!破壊!』

 

 足の無い上半身が人型になっている黄金の竜のデジモンへと変身していた

 それは…

 

太一

「【ゴッドドラモン】!!」

 

 【メギドラモン】と同じ【四大竜】の一体【ゴッドドラモン】だった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「嘘っ!?アレって【ゴッドドラモン】じゃない!?」

 

鈴(平行)

「【ゴッドドラモン】!?」

 

 【ゴッドドラモン】の姿に真っ先に反応したのは鈴だった

 鈴の【メギド・ドラグーン】は【ゴッドドラモン】と同じ【四大竜】の1体【メギドラモン】がモデルの為、鈴はデジモンの勢力の中で特に【四大竜】を注目していた

 【ゴッドドラモン】の姿に千冬達は表情を険しくしていた

 

千冬

「よりにもよって【四大竜】の1体とは…あんな強力なデジモンまでコピーしていたのか!?」

 

千冬(平行)

「そんなに凄いデジモンなのか?」

 

「はい、【ゴッドドラモン】は【四大竜】と呼ばれるデジモンの1体です。さっきの【デスモン】よりも恐らく強いと思います。」

 

千冬(平行)

「あの目玉の奴以上だと!?」

 

 【ゴッドドラモン】が【デスモン】以上と聞いて…

 

一夏(平行)

「だったら俺も加勢するぞ!!!」

 

 一夏(平行)が参戦すると言い出した

 だが…

 

「加勢してどうするの?」

 

一夏(平行)

「…え?」

 

「アンタが参戦して何の役に立つのって聞いてるのよ。6人がかりで私1人にボロ負けした挙句つまらない言い訳をする奴に何が出来るの?」

 

一夏(平行)

「うっ!?」

 

 鈴はそんな一夏(平行)の言葉を切り捨てた

 

「大体、アンタが加勢して太一とウォーグレイモンが優位に立つなら私とアルファがとっくに飛び出してるわよ。」

 

一夏(平行)

「…じゃあ何でお前達は何もしねえんだよ…」

 

「してるわよ?」

 

一夏(平行)

「え?」

 

「私もアルファも行けば邪魔にしかならないって分かってる。だから何もせず見守る事が私達に出来る精一杯の援護なのよ。」

 

一夏(平行)

「何もしない事が…助けになるだと!?」

 

「そうよ、太一が言ってたわ…『戦う事だけが戦いじゃない』ってね。」

 

一夏(平行)

「え?」

 

「避難活動…人命救助…情報収集…そう言ったのも戦いなのよ。だから私達は自分に出来る戦い方をしているのよ。」

 

一夏(平行)

「その答えが…何もしない事なのかよ…それがお前の戦いなのかよ!!」

 

「ええそうよ!そもそも…アンタ加勢するって言うけど『アレ』の事もう忘れたの?」

 

一夏(平行)

「アレ?」

 

 鈴がそう言って指差したのは【パラレルモン】に破壊された【ゴーレム】の残骸だった

 

一夏(平行)

「!?」

 

「あんな風になりたいの?言っとくけどアイツ等は相手が人間だからって手加減なんて一切しないわよ。私も以前敵の完全体のデジモンと戦ったけど殺さかけたからね。」

 

一夏(平行)

「こ、殺されかけた!?」

 

「そうよ、アンタ達に圧勝した私の【メガロ・ドラグナー】でも完全体相手には手も足も出なかったのよ。運よく単一仕様(ワンオフ・アビリティー)が発動したお陰でギリギリ勝てたけど完全には倒しきれなかったわ…分かる?もう一度言うけどアンタ達が手も足も出なかった【メギド・ドラグーン】でも倒しきれなかったのよ?」

 

全員(平行)

「!?」

 

 最後のその一言に平行世界の全員が戦慄した

 鈴の【メギド・ドラグーン】は現在のISの中で頂点に立つ一機…

 それ程のISの力でも完全には倒せなかった…辛うじて勝てた…鈴はそう言っているのだ

 

「デジモンってのはそれだけ強い生物なのよ。しかも今太一達が戦ってるのは私が手古摺った完全体の更に上の究極体よ。ISなんて何の役にも立たないわ。」

 

一夏(平行)

「………」

 

「それ以前にあの戦いを見てよく加勢に行くなんて言えたわね?自殺願望でもあるのアンタ?」

 

一夏(平行)

「うっ!?」

 

 鈴は最後に上空で戦う太一達を指差しながらそう聞いて来た

 すると一夏(平行)は口籠んでしまった

 上空で繰り広げられている戦いは誰がどう見てもIS程度では手出しの出来ない戦いだった

 

「フンッ!大方、さっき皆の前で大恥かいたから恰好良い所でも見せようと思ったんでしょ?」

 

一夏(平行)

「!?…ち、違う!!」

 

「どうだか…アンタって『プライドだけ』は無駄に大きいもんね?アンタはその無駄にデカいだけのプライドを守りたいだけじゃ無いの?」

 

一夏(平行)

「む、無駄にデカい…プライド!?」

 

「それにアンタって『口だけはよく回る』もんね?」

 

一夏(平行)

「く、口だけ!?俺が…口先だけの男だって言うのかよ!!」

 

「何言ってんの?アンタ今『デジモンの戦いに参戦する』とか寝言ほざいてたじゃない。出来もしない事を出来るって言う奴を口先だけの男って言わずに何て言うのよ?」

 

 否定する一夏(平行)だが鈴は全く信じていなかった

 出会った当初は鈴も自分の知る一夏と平行世界の一夏は違うと考えていた

 だが、さっきの一件でやっぱり一夏は一夏なのだと認識したのだった

 

一夏(平行)

「ぐっ…ううっ…」

 

 そんな鈴に一夏(平行)は何も言い返せなかった

 反論しても逆に言い負かされて余計に追い詰められてしまうからだ

 実際はその通りで一夏(平行)の言い訳程度なら今まで太一の説教を見てきた鈴でも論破出来るようになっていたのだ

 

「フンッ!分かったら小者は小者らしく大人しくしてる事ね!!そいつ等の前で恰好つけたいなら私達が帰った後にやってよね!!これ以上アンタの戯言なんて聞くに耐えない雑音なのよ!!」

 

一夏(平行)

「!?…小者…恰好つけたいだけ…雑音…」

 

 鈴に小者呼ばわりされた一夏(平行)は打ちひしがれてしまっていた

 それ以降、鈴が一夏(平行)に振り替えることは無かった

 あれだけ言えば余計な手出しはしないだろうと判断したからだ

 尤も、それでも邪魔をする気ならその時は完膚なきまでに叩き潰すつもりの鈴だった…

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 地上で鈴が一夏(平行)を言葉で叩きのめしている頃、空中で戦う太一は…

 

太一

「これ以上は出し惜しみ出来んか…ならば…来い!!アト!!ルネ!!ポル!!

 

 【ゴッドドラモン】となった【メタモルモン】に対抗する為、太一も【ジエスモン】後から解き放った

 太一の呼びかけに応える様に太一の周囲に鎧のマスクに左右に剣を取り付けたようなエネルギー状の物体が3体現れた

 この3体はそれぞれ《アト》《ルネ》《ポル》と言い、【ガンクゥモン】の《ヒヌカムイ》と同じ性質を持っていた

 ただし、【ガンクゥモン】と繋がっている《ヒヌカムイ》と違い、この3体は本体である【ジエスモン】から独立して動く事が出来た

 その代わり《ヒヌカムイ》程の攻撃力、防御力は無いが高い機動力を有していた

 

太一

「行くぞ!!!」

 

 そして太一は【メタモルモン】へと向かって行った

 対する【メタモルモン】は…

 

メタモルモン

ゴッドフレイム!!

 

 【ゴッドドラモン】の必殺技…黄金の炎《ゴッドフレイム》を撃って来た

 《ゴッドフレイム》に対して太一は…

 

太一

アト!!ルネ!!ポル!!

 

 3体に指示を出し赤いマントに包まった

 そして、《アト》《ルネ》《ポル》の3体は太一の前面に三角錐のバリアを展開した

 

 ドガアアアアアァァァァァンッ!!!

 

 《ゴッドフレイム》が直撃したが…

 

太一

「ハァッ!!」

 

 太一は無傷だった

 太一はそのまま【メタモルモン】に肉薄すると《アト》《ルネ》《ポル》と共に多方向から攻撃を仕掛けた

 

 ガキィンッ!!キンッキンッ!!ギャリィンッ!!

 

 対する【メタモルモン】も応戦するが手が足りず防戦となって行った

 激しい攻防を繰り広げていると…

 

 キィィィンッ!!

 

メタモルモン

『!?』

 

 太一の繰り出した剣が【メタモルモン】を仰け反らせた

 そして、その隙を見逃す太一ではなかった

 

太一

轍剣成敗!!!

 

 ザシュッ!!!

 

 高速移動しながら一瞬で斬り裂く《轍剣成敗》が【メタモルモン】を一閃した

 

メタモルモン

『!?!?!?!?!?』

 

 今の《轍剣成敗》で斬られた【メタモルモン】はかなりのダメージを受けていた

 

太一

「トドメだ!!轍剣…

 

 トドメの《轍剣成敗》を放とうとした

 だが、その時…

 

メタモルモン

『ギギッ!!!』

 

太一

「!?」

 

 【メタモルモン】の身体がまたもや揺らぎだした

 

太一

「チッ!!」

 

 【メタモルモン】が姿を変えようとしている事に気付いた太一は一端攻撃の手を止め下がった

 

 ブンッ!!

 

 そして、【メタモルモン】が次に変身したデジモンは…

 

太一

「そいつは!?」

 

メタモルモン

『グルルル…』

 

 それは青い肌に黒金の鎧、赤い翼、白いたてがみ…

 エンシェントグレイモン並の巨体を持つ四足歩行の竜…

 そのデジモンの名は…

 

太一

「【インペリアルドラモン】!!!」

 

 太一の後輩『本宮大輔』と『一乗寺賢』のパートナーデジモンがジョグレス進化した【パイルドラモン】が究極進化したデジモン

 『無敵の皇帝竜』の異名を持つ【インペリアルドラモン:ドラゴンモード】の姿だった

 

メタモルモン

『我、全テヲ破壊スル!!!』

 

 




 <予告>

 生前の太一と共に戦った事もあるデジモン…インペリアルドラモン

 インペリアルドラモンに姿を変えたメタモルモンはその強大な力で猛威を振るう

 果たして太一はインペリアルドラモンに勝つ事が出来るのか



 次回!!

 ISアドベンチャー 聖騎士伝説

 強敵!インペリアルドラモンを倒せ!!

 今、冒険が進化する!


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