バシュッ!!!
太一
「…ココは…」
【パラレルモン】を倒した事で再び転移した太一達はある島に飛ばされた
全員がエンシェントグレイモンから降りるとそこには小さな家が一軒建っていた
それは…
束
「あ!?束さんのアジトだ!!」
束の隠れ家だった
それを見て…
オータム
「戻って来たのか?」
マドカ
「そうだと思うが…」
スコール
「束、調べて貰える?」
束
「いいよ~♪」
スコール、オータム、マドカは向こうの世界でずっと着けていた仮面を外しながら今の状況を確認していた
そして、束が端末で軽く調べると…
束
「うん!!ココは束さん達の世界だね。日付も同じだし、時間も向こうで過ごした分だけ進んでる。デジモンについての情報もあるから間違いないよ。」
元の世界に戻っていた
自分達が無事に帰還できたと知り、全員が胸を撫で下ろした
千冬
「それにしても平行世界か…」
鈴
「凄い所に行きましたね…」
千冬
「ああ…もう一度行きたいとは思わないがな…」
鈴
「私もです…向こうの世界は私にとって悪夢の光景でしたよ…」
こちらも自分達が体験した事を思い返していた
千冬
「鈴…」
鈴
「…向こうのアイツ等…私みたいにならないといいけど…」
千冬
「そうだな…(それは向こうの一夏の行動次第になるだろうな…)」
束の方は全く気にしていないが、千冬と鈴は自分達が去った後の平行世界の自分が気になっていた
こうして非現実的で激しく濃い1日を終えた太一達はアジトに戻ると全員が死んだように眠る事になるのだった…
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
一方、太一達の去った後の平行世界では…
束(平行)
「うがあああああぁぁぁぁぁっ!!!なんだよアイツ!!この天災の束さんを相手に勝ち逃げしやがってえええええぇぇぇぇぇっ!!!」
太一達の世界に行く事が出来なかった束(平行)は癇癪を起していた
それも仕方なかった
こちらの束が造った鈴の【メガロ・ドラグナー】を相手に【紅椿】を始めとした平行世界のISは数で優っていたのにも拘らず完全敗北し、同じ物は絶対に造れないと断言された
更に自分の造った無人ISは【パラレルモン】相手に手も足も出せずスクラップにされた
束(平行)のプライドはたったの数時間で粉々に砕かれてしまったのだ
そんな束(平行)を見て…
箒(平行)
「…姉さん…」
箒(平行)は姉の暴走を心配していた
だが…
千冬(平行)
「アイツは私が何とかしておく。」
同じ事を考えていた千冬(平行)が抑えに回ってくれた
箒(平行)
「すみません…」
千冬(平行)
「気にするな…これ以上…この世界の恥を晒したくないだけだ…」
箒(平行)
「………ハイ…」
千冬(平行)のその言葉に箒(平行)は頷く事しか出来なかった
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鈴(平行)
「…待つだけ無駄…か…」
一方で平行世界の鈴はこちらの鈴に去り際に言われた事を考えていた
女性陣(平行)
「………」
それは一夏(平行)に想いを寄せる他の女性陣(平行)も同じだった
鈴は全てを話しはしなかったがこちらの一夏の度重なる愚行によって愛想をつかした事だけは伝わっていた
その為、自分達の目の前にいる一夏(平行)が向こうと同じにならないか不安が襲っていた
そして…
一夏(平行)
「…俺は戻れる…」
一夏(平行)の方も鈴に言われた事を考えていた
すると…
一夏(平行)
「向こうの俺…相当酷いんだな…」
千冬(平行)
「そのようだ。」
一夏(平行)
「千冬姉(平行)!?」
いつの間にか隣に千冬(平行)が来ていた
一夏(平行)
「…なあ…千冬姉(平行)は向こうの俺の事を何か聞いてないか?」
千冬(平行)
「…軽くは聞いてるが…」
一夏(平行)の問い掛けに千冬(平行)は口籠んだ
確かに千冬(平行)は鈴から向こうの一夏についてある程度は聞いていたが、聞かされた話だけでも余りにも酷過ぎる内容だったのでそれを教えていいのか悩んでいた
千冬(平行)
「………」
一夏(平行)
「…その態度で向こうの俺が相当酷いってのは分かったよ…向こうの鈴があそこ迄嫌ってるんだ…きっとあっちの俺は鈴を沢山傷つけて来たんだと思う…」
千冬(平行)
「………」
一夏(平行)
「鈴との模擬戦の後に俺がした事…アレは鈴の言う通り俺の八つ当たりだよ…俺は…鈴一人に負けたのが認められなくて…あの八神って奴でウサ晴らしをしようとしちまったんだ…」
千冬(平行)
「…そうだな…アレは私から見ても只の八つ当たりだ…あの時のお前が何を言ってるのか私には理解出来なかったぞ。まあ、それは箒(平行)にも言える話だがな?」
箒(平行)
「うっ!?」
一夏(平行)
「…鈴に罵倒されてから後悔したよ…何であんな事言っちまったんだって…何で…あんな事しちまったんだって…向こうの鈴も…千冬姉も…束さんも…誰も嘘は言って無かったのに…」
千冬(平行)
「確かにな…あの八神と言う男は明らかに格が…次元が違う…私も最初は信じられなかったがデジモンとの戦いを見てアイツ等は嘘を言っていなかったと思い知らされた…」
一夏(平行)
「うん…なのに俺はあんな事をしちまった………俺は…俺は鈴の言う通り…最低な奴だ!!!」
千冬(平行)
「一夏(平行)…」
一夏(平行)
「だから頼む!!教えてくれ!!俺は…俺はこれ以上向こうの俺と同じになりたくないんだ!!」
一夏(平行)が必死に懇願すると…
千冬(平行)
「…分かった…」
千冬(平行)は観念して話す事にした
千冬(平行)
「だが覚悟しておけよ?向こうのお前は私でさえドン引きするほど酷い。立ち直れなくなっても私は知らんからな?」
一夏(平行)
「う、うん…」
最後にもう一度念を押すと千冬(平行)は話しだした
とは言っても千冬が聞いているのは臨海学校での出来事のみだった
だが、それだけでも十分だった…
まず、【福音】の暴走事件ではこれまでの事から一夏では【福音】を止めるのは無理だろうと周りが判断したのだが、自分が止めると言って聞かなかった一夏は仕方なくマドカ…こちらではアルファと【福音】の迎撃に出たのだが平行世界の箒がした事と同じ事をして失敗…
その為、千冬から謹慎を言い渡されたのだが、手柄欲しさに無断出撃すると言う命令違反を犯した…
その後、後から来た太一達の制止を聞かず復活した魔王【ルーチェモン】にアッサリ返り討ちに会い【雪片】はへし折られ【白式】はスクラップにされた…
一夏(平行)
「俺…そんな事を…」
千冬(平行)
「まだ続くぞ。」
一夏(平行)
「続き!?」
他にもあると聞かされ一夏(平行)は目を見開いた
そのまま千冬(平行)は話を続けた…
太一とアグモンが【ルーチェモン】を倒した後、謹慎を言い渡されながら無断出撃した一夏にはこれまでの問題行動と合わせて学園から数々の処罰が与えられた
学園に戻り次第懲罰房で反省文500枚を書く事になり、大破した【白式】は修理も兼ねて没収され、必要な時以外は所持する事が禁止されてしまった
更に、夏休みの半分は補習となってしまった
そして、臨海学校が終わった後に待っている期末テストで赤点を出してしまい夏休みの残り半分も補習で潰されてしまい、実質夏休みの全てが補習で消えてしまった
その為、今も向こうの世界で朝から晩まで補習漬けとなっていた
千冬(平行)
「…コレが私の聞いた向こうのお前だ。」
一夏(平行)
「………」
予め千冬(平行)から覚悟する様に言われていた一夏(平行)だったが、自分の想像以上の内容に青褪め、言葉を失っていた
それは後ろで話を聞いていた箒達(平行)も同じだった
一夏(平行)
「…千冬姉(平行)…俺…向こうの俺みたいに絶対にならないように頑張るよ…」
そして、改めてこちらの一夏の様にはならないと決意するのだが…
千冬(平行)
「私もそうあって欲しいが…本当に出来るのか?」
一夏(平行)
「…え?」
千冬(平行)は不安だった
学業の類は何とかなるがそれ以上に問題なのは一夏(平行)の鈍感さだった
こちらでは太一によって自分にしか興味が無い結果ああなったと結論付けられているがだからと言ってこちらの一夏(平行)も同じかは分からないのであの時、鈴も千冬もその事は何も言わなかった
その為、一夏(平行)は自分の鈍感さ自覚して直さなければ結局はこちらの鈴の様に愛想をつかされるだけだった
千冬(平行)
「…余り言いたくないが…お前はもっと人の言葉を理解しろ!!相手の気持ちを察してやれ!!」
一夏(平行)
「…分かってるつもりなんだけど…」
千冬(平行)
「アホ!!!分かって無いから向こうの鈴はお前に愛想をつかしたんだ!!これだけは言っておくぞ!!こっちと向こうのお前は『そこ』は全く同じだ!!!」
一夏(平行)
「!?…お、同じ!?」
向こうの自分と既に同じ所がある…
それも鈴に嫌われた原因が同じと言われ一夏(平行)はショックを受けた
だが、一夏(平行)の鈍さについてはその通りなので後ろで話を聞いている箒達(平行)は頷いていた
千冬(平行)
「成績よりもまずはそっちを考えろ!!いいな!!!」
一夏(平行)
「…ハイ…」
こうして一夏(平行)はキチンと理解したかは未だ不安が残っているが自分の鈍感さを考える様になった
太一達との出会いはこの平行世界にも少なからず影響を与えた…
それが果たして世界をより良い方向へと進ませるのか…
滅びへと加速させたのか…
それは誰にも分からない…
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ちなみに…
シャルロット(平行)
「ねえ一夏(平行)…実は向こうの鈴に言われたんだけどさ?」
一夏(平行)
「え?」
シャルロット(平行)は鈴から聞かされた事を話した
特記21条が役に立たない事…
一夏(平行)の提案が実はシャルロット(平行)を学園に監禁する事と同じだった事…
自分の言った事はただの問題の先送りだった事…
その結果、シャルロット(平行)は学園にいても安全でも何でもない事…
鈴から聞かされた事を全て話した
一夏(平行)
「そ、そんな!?」
シャルロット(平行)
「…気付かなかったのは僕も同じだけど…どうするの?何とかしてくれるんだよね?」
一夏(平行)
「そ、それは…えっと…(ど、どうすりゃいいんだ!?)」
こうして一夏(平行)は鈴の置き土産により自分の無責任発言の責任を取る事になるのだった…
尚、シャルロット(平行)は向こうの自分が既に救われている事も話したが、その方法がこちらではほぼ不可能な事も話した
その結果、一夏(平行)は頭を悩ませる日々を始めるのだった…
<予告>
太一達が平行世界に飛ばされる傍ら
フランスに帰国したシャルロットは父と対面する
次回!!
ISアドベンチャー 聖騎士伝説
再会の親子
今、冒険が進化する!