ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第105話:イグニッションプラン開幕!登場!量産型第3世代!!

 

 パン!パン!パパン!!

 

 ココはとある会場…

 現在、会場内は熱気に包まれていた…

 会場内には各国のブースが立ち並び、それぞれの国のISが展示されていた…

 

アナウンス

「それではこれより【イグニッションプラン】を開催します!!」

 

 そう、ココはヨーロッパの次期主力機を選定する一大イベント…【イグニッションプラン】の会場だった

 【イグニッションプラン】が始まり参加国がそれぞれのISをプレゼンする中、特に人気が高いのがイギリスとドイツの2国だった

 この2国は初めから【イグニッションプラン】への参加を認められていたのだがデジモンの出現によりそれぞれの国の代表候補生であるセシリアとラウラが魔王の依り代となり、2人のISを篠ノ之束が直々に手を加えた事で開催前から注目を集めていた

 まずイギリスだが、出展しているのは【ブルー・ドレイク】では無かった

 【ブルー・ドレイク】は束の手掛けた特殊な機体の為、【イグニッションプラン】には展示する事しか出来ず広告塔として使われていた

 その為、イギリスは【ブルー・ティアーズ】の2号機【サイレント・ゼフィルス】を出展していた

 それはラウラの【ワー・フェンリル】も同様でドイツの広告塔となっていた

 束の造りあげた新型【Dシリーズ】を持つ2国は他の国に比べて人気が高いのだがどんな時にも大番狂わせと言うものが起きるのだった…

 

 

 

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セシリア

「…やはり出てきましたか…」

 

 そう言うのは【イグニッションプラン】に参加していたセシリアだった

 セシリアが気にしているのは先日、急遽参加を認められたフランスの事だった

 フランスの偵察に来たセシリアの視線の先には赤い炎のデザインがあしらわれたISが『3体』並べられていた

 

セシリア

「…アレが博士の提供されたデータで造られた『量産型第3世代』…【フレイ・ドラグーン】…まさか【Dシリーズ】の量産機とは思いませんでしたわね…」

 

 セシリアの言う通り、この3体こそ以前束がデュノア社と契約する際の条件として出した量産型第3世代のISだった

 デュノア社は社内の掃除が終わると早速束から送られてきたデータを元に機体の制作に取り掛かった

 それと同時にデュノア社長は新型の設計コンセプトと【イグニッションプラン】におけるプレゼン内容をフランス政府に説明し、交渉の末に政府が管理している予備のISコアをいくつか借り受けていた

 そして、【イグニッションプラン】当日、参加を認められたフランスは『量産機』と言う所を前面に押す方法として同じ機体を3機用意すると言うプレゼンを行った

 その作戦は見事に成功し、現在フランスのブースは各国からの見学者がひっきりなしにやって来ていた

 しかもこの量産機はこれまでの5体の【Dシリーズ】のデータを元に設計されており、【フレイ・ドラグーン】はアーマー体デジモンの1体【フレイドラモン】をモデルにした【Dシリーズ】の量産機でもあったので、そこも集客を上げる要因となっていた

 ただし、セシリア達5人の【Dシリーズ】と違いコアは通常の物を使用しているので本家【Dシリーズ】には性能が劣っており、単一仕様(ワンオフ・アビリティー)も使えなかった

 それでも従来の量産機である【打鉄】や【ラファール】とは一線を画す性能を持っていた

 セシリアがフランスのブースを眺めていると…

 

ラウラ

「セシリア!?」

 

セシリア

「ハイ?ラウラさん!?」

 

 そこにラウラも現れた

 

セシリア

「ラウラさんも偵察ですか?」

 

ラウラ

「まあな…凄い人気だな…」

 

セシリア

「ええ、来場者数の優に3分の1がココに集まっていると小耳に挟みましたわ。」

 

ラウラ

「3分の1か…そこまでとは思わなかったな…」

 

セシリア

「わたくしもですわ…少し前まではわたくしのイギリスとラウラさんのドイツが人気を争っていたのですが一気に逆転されましたわね…」

 

ラウラ

「仕方あるまい…第3世代の量産機なんてどこの国も考えてはいなかっただろうからな…」

 

セシリア

「ですわね…(実は知ってたんです…何て言えませんわね…)」

 

 セシリアは束とデュノア社の関係を知っているのでラウラの言う事に空返事で返すしか出来なかった

 そんな感じで2人が話していると…

 

シャルロット

「ラウラ!!セシリア!!」

 

セシリア&ラウラ

「シャルロット(さん)!?」

 

 人ごみの中からシャルロットが出て来た

 

シャルロット

「久しぶり♪2人共うちの偵察?」

 

ラウラ

「誤魔化す程でもないか…その通りだ。お前の会社がとんでもない物を出したお陰で我がドイツは閑古鳥が鳴いているよ…まあ、他にも理由があるがな…」

 

 ラウラは自嘲しながらそう答えた

 ドイツは【VTシステム】の事が原因で各国から非難を浴びていた

 あれから多少は落ち着いて来たのだがこの【イグニッションプラン】と言う一大イベントではやはりあの件はドイツにとってマイナスとなっており、イギリスはともかくドイツの人気は低迷していたのだ

 その為、ラウラの言う閑古鳥が鳴くほど大げさな話では無いがドイツの来客数は当初の予定を大きく下回っていた

 

セシリア&シャルロット

「………」

 

ラウラ

「お前達が気にする事じゃない。あれはドイツの自業自得だ、これは当然の結果なんだ。」

 

 ラウラがそう言う以上、2人はこれ以上何も言えなかった

 こうして【イグニッションプラン】は恙なく進んでいった…

 

 

 

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 ちなみに…

 太一達が飛ばされた平行世界の【イグニッションプラン】ではこちら側では【七大魔王】に滅ぼされた【亡国機業(ファントム・タスク)】の襲撃を受けイギリスの【サイレント・ゼフィルス】が奪われると言う事件が起きた

 そして、奪われた【サイレント・ゼフィルス】は平行世界のマドカが使用する事になるのだった

 

 デジモンの介入…

 

 それにより世界はココまで変化が起きていたのだった…

 

 




 <予告>

 七大魔王の侵略…

 それを止める太一とアグモンの来訪…

 異なる世界からの来訪者により世界は急激に変化して行く…

 夏休みの終わりが近づく中、各国はどう動くのか…



 次回!!

 ISアドベンチャー 聖騎士伝説

 変わりゆく世界

 今、冒険が進化する!


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