楯無との出会いから一夜明け、太一はその日の訓練を終え部屋に戻った
流石に昨日の今日で懲りずにやって来る事は無く部屋には誰にもいなかった
その後、太一の部屋ではマドカ、鈴、シャルロットとISの勉強をしていたのだが…
コンコン…
太一
「ん?誰だ?」
ノックが聞こえたので太一が出るとそこにいたのは…
楯無
「やっ♪」
楯無がいた
バタンッ!ガチャッ!
太一は楯無の姿を見るとすぐに扉を閉め鍵をかけた
マドカ
「誰だったんだ?」
太一
「気のせいだ。誰もいなかった。」
と、太一は楯無がいた事をはぐらかしたのだが…
ドンドンドンドン!
楯無
「ちょっと今日は違うのよ!少し話がしたいのよ!」
楯無が今度は扉を叩きだした
鈴
「って言ってるけど?」
太一
「幻聴だ!」
あくまで部屋の前には誰もいないと言い張る太一だった
ドンドンドンドン!
シャルロット
「幻聴って…扉が思いっきり叩かれてるんだけど?」
太一
「チッ!仕方無い…」
太一は舌打ちすると扉を開けた
ただし、扉にチェーンをかけて中に楯無を入れない様にしてだ
太一
「何の用だ?生徒会の仕事はどうしたんだ?」
楯無
「うっ!…そ、それは…まだ残ってるけど…ってそうじゃないわよ!私は話をしに来たんだけど…中に入れてくれない?」
太一
「入れると思うのか?」
楯無
「ぐっ…」
太一
「さっさと用件を言え。」
楯無
「…分かったわよ………コレを渡しに来たの。」
楯無が差し出したのは手紙だった
太一
「手紙?直接口で言えばいいだろ?」
楯無
「よく見て。」
太一はそう言われ手紙を裏返してみた
するとそこに書かれていたのは…
太一
「…『果たし状』?」
マドカ&鈴&シャルロット
「え!?」
つまり楯無は太一に決闘を申し込みに来たのだ
楯無
「確かに渡したわよ!時間と場所はそれに書いてあるわ!待ってるわよ!」
楯無は最後にそう言って帰って行った
太一は扉を閉めるとマドカ達の元に戻ったのだが…
太一
「何で俺がこんな物を渡されるんだ?」
渡された果たし状を見てそんな事を呟いていた
鈴
「アンタさっきの人に何したのよ?」
シャルロット
「それ以前に今の人誰なの?」
太一
「この学園の生徒会長だ。」
マドカ&鈴&シャルロット
「生徒会長!?」
マドカ
「兄さん!生徒会長に目を付けられるような事したのか!!」
太一
「う~む…やはり昨日の事が原因か?」
鈴
「昨日何があったのよ!生徒会長が果たし状なんか渡しに来る様な事したの!!」
太一
「いや、どっちかって言うと俺は被害者何だが…まあ言ってもいいか…実はな………」
こうして太一は3人に昨日この部屋での出来事を話した
鈴
「馬っ鹿じゃないのあの人?人の部屋に不法侵入するなんて普通に犯罪よ?」
マドカ
「確かに、明らかにプライバシーの侵害だな。そんな事をされたら兄さんじゃなくても部屋に入れたくないぞ。」
シャルロット
「しかも水着エプロンで色仕掛けなんて…そんなもの太一に通じないのに(通じるなら僕達がとっくにやってるよ!)…あ!そう言えば!」
マドカ
「ん?どうした?」
シャルロット
「二人は知らない?昨日織斑先生に廊下で正座させられて説教されてた変な格好の生徒がいたって話?」
鈴
「そう言えばそんな話聞いたわね…って、あれ生徒会長の事だったの!?」
どうやらこの3人は昨日の楯無の説教された場面には出くわさなかったようだ
マドカ
「それでその果し合い受けるのか?」
太一
「どうするかな…相手が【七大魔王】ならやるが…コレは俺には受ける必要が無い事だし…相手は変態とは言えロシアの国家代表だからな…」
太一の中で楯無は『変態』と認識されてしまっていた
シャルロット
「え!候補生じゃなくて国家代表なの!?」
マドカ
「だとしても変態を代表にするとは…ロシアの連中は何を考えてるんだ?」
太一
「さあな?」
鈴
「でもさ?相手が国家代表だろうとアンタの敵じゃないでしょ?」
鈴の言葉にマドカとシャルロットも頷いた
太一
「俺としては試合や訓練以外では戦いたくないんだがな…面倒だし…」
シャルロット
「そっちが本音でしょ?」
太一
「まあな…」
マドカ
「そう言えば果し合いは何時なんだ?」
太一
「ん?え~っと…」
太一はマドカに言われ果たし状を開いた
中に入っていた手紙を読むと…
太一
「『明日の放課後…午後5時…第4アリーナにて待つ…更識楯無』…だそうだ…」
鈴
「明日なの?」
太一
「本当にどうするかな…」
またもや面倒な奴に目を付けられたと思う太一だった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
太一
「はぁ~~~…」
一夜明け、1組の教室に来た太一は盛大な溜息を吐いていた
シャルロット
「まだ悩んでるの?」
ラウラ
「何の事だ?」
そこに事情を知るシャルロットがラウラと一緒に話しかけて来た
シャルロット
「ちょっとあってね。太一…生徒会長に目を付けられちゃったんだ…」
全員
「え?」
シャルロットの言葉にクラスの全員が反応した
ラウラ
「生徒会長だと?目を付けられたって一体何をしたんだ?」
シャルロット
「それは…「何を騒いでいる?」…あ!」
理由を話そうとした時、千冬達教師3人がやって来た
ラウラ
「実は教官、何でも太一が生徒会長に目を付けられたそうなんです。」
千冬
「生徒会長だと?八神、あの馬鹿昨日もお前の所に来たのか?」
太一
「…果たし状を渡されましたよ…」
全員
「果たし状!!!」
太一のその言葉に全員が驚いた
千冬
「お前に決闘を挑むとは…あれだけ釘を刺しておいたのに…懲りて無いのかアイツ?」
太一
「ただ、何故俺がそこまでされないといけないのかが分からないんだが?…俺はアイツを部屋から追い出しただけだし…それも向こうが原因な訳だしな…キツイ言い方はしたがここまでされる程の事では無いと思うんだが…カメラも織斑先生に渡したしな…」
千冬
「………」
千冬はそれを聞いた瞬間黙り込んだ
太一の話を聞いて何故楯無が果たし状を突き付けたのか何となく分かってしまったからだ
オータム
「………千冬…お前理由を知ってるな?」
千冬
「ギクッ!」
太一
「………そう言えば昨日シャルロットから聞いたが、一昨日変な格好をした生徒が廊下で正座させられて織斑先生に説教されていたと聞いたが?」
千冬
「ギクギクッ!!」
オータム
「なあ千冬…素直にゲロっちまいな?誤魔化すのは勝手だがその分太一からの説教が増えるぞ?」
千冬
「うっ………じ、実は廊下での説教の後なんだが………」
観念した千冬は廊下での説教を終えた後の楯無の部屋での事を話した
楯無の正体や目的以外を…
太一
「つまり何か?織斑先生…アンタはあの生徒会長と俺を比べて俺の方が上と言い続けていたと?」
千冬
「は、はい…」
太一
「そう言う事か…だからあの生徒会長、俺に果たし状なんか持ってきたのか…アンタの言った事が本当か確かめる為に…」
千冬
「…え、えっと…その………す、すみませんでした―――――っ!!!」
太一に睨まれた千冬は縮こまってしまい最後は大声で謝った
太一
「はぁ~…まぁ済んだ事をこれ以上とやかく言うつもりは無いが…これどうしたらいいんだ?」
太一は果たし状を見ながらそう呟いた
オータム
「やりたくねえなら行かなきゃいいだろ?」
本音
「でも相手はたっちゃんさんだから行かなかったら余計に絡んできますよ~?」
すると突然本音が話に割り込んで来た
オータム
「ん?布仏、お前生徒会長を知ってんのか?」
本音
「はい♪昔から家同士の付き合いがある幼馴染ですからよく知ってますよ~♪」
オータム
「ほぉ…ならお前から見たそいつはどんな奴なんだ?」
本音
「プライドが凄く高いですね~…後~人をからかう事が大好きで、仕事をすぐにサボるサボり魔ですよ~♪」
オータム
「………何でそんな奴が生徒会長なんかやってんだ?この学園大丈夫か?」
生徒一同
「ウンウン!」
オータムの言葉に全員が頷いた
真耶
「それなんですけど…実はこのIS学園の生徒会長は他の学校とは決まり方が違うんですよ…」
オータム
「他と違う?じゃあ何を基準に決めてんだ?」
真耶
「強さです…」
オータム
「強さだと?」
真耶
「はい…IS学園の生徒会長は代々学園最強の生徒がなる事になってるんです…」
オータム
「学園最強?いくら何でも人選の仕方が滅茶苦茶すぎないか?」
太一
「あぁ、強さが一番って事はそいつの人間性は二の次って事だろ?」
真耶
「うっ!…そ、そう…なります…か?」
太一
「なるんじゃないのか?あの生徒会長だって一昨日の俺の部屋でやった事を考えると人として色々と問題があると思うぞ?と言うかアレは終わってるぞ?」
マドカ&シャルロット
「ウンウン!」
太一から一昨日の事を聞いているマドカとシャルロットは同意していた
真耶
「………一昨日何したんですか…あの人?」
それを見た真耶は楯無が何をしたのか気になるのだが…
太一
「
真耶
「…いえ、彼女の体面の為にも言わないで下さい…」
楯無の為に聞くのを我慢した
だが…
全員
「えええええぇぇぇぇぇ―――――っ!!!」
生徒達が不満の声を上げた
太一
「………はぁ…行くしかないか…」
周りが騒ぐ中、太一は本音の話を聞いて楯無との決闘に行く事にするのだった
太一
「さっさと終わらせるか…」
<予告>
楯無の決闘を受ける事にした太一
生徒達が見守る中、国家代表としての力を太一に見せつけようとする
だが、太一の強さを知らない楯無はその身をもって力の差を知る事になるのだった
次回!!
ISアドベンチャー 聖騎士伝説
最強決定戦!!ジエスモンVS
今、冒険が進化する!