一夏
「…それでは…えっと…今度開催する『学園祭』の出し物を考えたいと…思います…」
一夏が簪に完全拒絶された日から数日後…
1年1組では一夏主導の下、1時間目から話し合いが行われていた
その内容は今度IS学園で行われる『学園祭』だった
IS学園の学園祭は所謂『お嬢様学校』と呼ばれる学校と同じで誰でも入れる訳では無く、学園が招待した相手と各生徒一人に1枚配布される『招待券』を持つ人間だけしか入れないものだった
しかし、入場制限が厳しいだけで後は普通の学園祭と同じなので各クラスはこうしてそれぞれの出し物を企画していた
そして、忘れているかもしれないが一夏は1組の『クラス代表』なのでこういった時はクラス委員のような仕事をしなければならなかった
一夏
「何かありませんか?」
一夏が意見を聞くと…
生徒1
「ハイ!!アグモンちゃんとのツイスターゲーム!!」
アグモン
「…え?」
生徒2
「アグモンちゃんとのポッキーゲーム!!」
アグモン
「…何それ?」
生徒達は思い思いの意見を出すがその全てはアグモンを使ったものだった
だが、こんな意見ばかり出て…
太一
「お前達…アグモンを見世物にする気か?」
全員
「!?」
太一が黙っている筈無かった
しかし…
生徒1
「ま、待ってよ!!アグモンちゃんもこのクラスの一員なのよ!!」
生徒2
「そ、そうよ!!だから出し物に参加する義務はある筈よ!!」
他の生徒達も負けじと反論した
確かに彼女達の言う事も筋は通っているのだが…
太一
「お前達の言う事も尤もだ…だが…それならそれで『全員』でやるものにすべきだろ?お前達の出した案だと『アグモン一人』を働かせるものばかりだが?」
全員
「うぐっ!?」
太一の方が正論で優っているので押し黙った
太一
「もっとちゃんとしたのを考えろ。」
全員
「…はい…」
その結果、改めて出し物を考える事になった
新しい意見が飛び交う中、やはりアグモンを前面に出す意見が多く見られた
すると…
太一
「お前達…最初に比べれば随分マシになったがやはりアグモンを客寄せパンダにするような意見が多いな?」
全員
「うっ…」
太一
「宣伝だったら別にアグモンに拘らなくても俺と一夏でも十分だろ?」
一夏
「!?」
どうしてもアグモン中心になってしまう意見に太一が再び口を挟んだ
しかし、太一としてはどうしてアグモンをそこまで前面に出すのか分からなかった
このクラスには世界でも2人しかいない『男のIS操縦者』の太一と一夏の二人もいるので客寄せ目的ならこの2人でも十分出来る筈だからだ
太一がそう言うと何故か一夏が過敏に反応した
しかし…
生徒1
「確かにそうかもしれないけど…男の操縦者ってそこまで重要なのかな?」
一夏
「…え?」
生徒の1人の答えに一夏は目を見開いた
更に…
生徒2
「篠ノ之博士が男女両方使えるISを作るって言うならその内他の男の人もISを使えるようになるんだよね?だったらそこまで二人に拘る必要って無いと思うんだけど…」
一夏
「なっ!?」
…一夏に拘る必要は無い…
それは先日楯無に言われた事と同じ事だった
世界各国が一夏に興味を失い始めたように学園の生徒達も自然と一夏を特別な人間として見なくなってきていたのだ
楯無に突き付けられたこの世界の現状を今度は身近な人間達から一夏は身をもって知ったのだった
一夏
「………」
クラスメイト達の自分への関心の低さに一夏は唇をかみしめ、拳を握り締めながら必死に溢れ出す感情を抑えていた
それと同時に全員の興味を引いているアグモンを睨みつけていた
太一
「………」
オータム
(完全に逆恨みだな…)
千冬
(情けない…)
そんな一夏の様子を太一と千冬、オータムは半ば呆れ果てていた
その後…
一夏
「…では…1組の出し物は…『メイド喫茶』を…やります…」
全員
「は~い♪」
一夏
「………」
ラウラの提案で『メイド喫茶』をやる事になった
その間も一夏は我慢をしていたが、太一達以外誰も一夏の心情に気付く事は無かった
それはそれだけ一夏への関心が薄い事を意味していた
こうして学園祭の出し物も決まり準備を始めたのだった…
<予告>
メイド喫茶をやる事になった1年1組
その一方で善からぬ事を企む楯無
一体楯無は学園祭で何をしようとするのか
次回!!
ISアドベンチャー 聖騎士伝説
生徒会長の企み
今、冒険が進化する!