ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

120 / 133
第116話:生徒会長の企み

 1組の出し物がメイド喫茶に決まると次は誰がどのポジションにつくかが話し合われた

 太一は当初、裏方作業を希望したのだがクラスの全員が聞く耳を持たなかった

 それはアグモンに対しても同じであり、寧ろアグモンは接客だけして欲しいと言う程であったがそれは流石に千冬達教師陣が止めに入った

 その為、給仕、裏方、休憩をローテーションで回す事に決まった

 だが、今度はアグモンと同じシフトを巡った争いが勃発してしまい、幾度も話し合いやジャンケン、クジ引き等が行われる事になった

 そんな中…

 

一夏

「………」

 

 アグモンと同じシフトを争うクラスメイトを一夏は苦々しく見ていた

 クラスメイト達は太一とアグモンと組めると大喜びしていたのだが、その反面、一夏と組めても何の反応も起こさず、率先して組もうと動くのは箒くらいしかいなかった

 全く相手にされなくなった一夏は全員の人気を集めているアグモンを恨みがましい眼で睨みつけていた

 

千冬

「………ハァ…」

 

 そんな一夏の姿に千冬は溜め息しか出ないのだった…

 その後、全員で着るメイド服のデザインが考えられるが、太一と一夏は男なので適当な執事服を発注する流れになった

 但し、アグモンはそもそも人間では無いので採寸からデザインまで全て特注の執事服が用意される事になった

 だが、クラスメイトの何人かはアグモンのサイズだけでなくウォーグレイモンの服も用意しようとしていたがそれは太一に止められた

 こうして1年1組は学園祭に向けて準備を進めて行った…

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 学園内が学園祭の準備で賑わう中…

 

楯無

「…フフフ…コレでいいわね…」

 

「………」

 

楯無

「見てなさい!!今度こそ私に振り向かせて見せるわ!!!」

 

「お嬢様…本気でこんなイベントをやる気ですか?」

 

 生徒会室でも楯無が何かの催し物を考えていた

 だが、その内容に虚は若干引いていた

 

楯無

「あったり前でしょ!!!」

 

 やる気満々の楯無と違って虚は乗り気ではなかった

 それと言うのも…

 

「…彼とした『約束』をもう破るんですか?」

 

 楯無がやろうとしている事は以前の決闘でした太一との約束を反故にする内容だったからだ

 しかし…

 

楯無

「何言ってるの虚ちゃん?私は約束を破ってなんかいないわよ?」

 

「何処がですか!?」

 

 楯無は完全に開き直っていた

 そんな楯無に詰め寄る虚だが…

 

楯無

「私は生徒会の企画したイベントに彼とついでにもう1人と一緒に参加して欲しいだけよ?学園祭のイベントに出て貰う事が下らない事じゃないでしょ?」

 

「それは…そうかもしれませんが…それならこの企画の事をお二人には伝えてあるんですね?」

 

楯無

「何で?」

 

「何でって…参加して貰うなら話を通しておかないと…」

 

楯無

「それじゃあ面白くないでしょ~?こう言うのは直前に教えるのが楽しいんじゃな~い♪」

 

「なっ!?」

 

 楯無の言い分にとうとう虚は言葉を失った

 本人は太一との約束を破っていないと言い張っているが傍から見れば誰がどう考えても楯無が屁理屈を捏ねているだけにしか見えなかった

 しかもこの企画は太一と一夏に参加して貰うと言いながら楯無本人は一夏をついで扱いしてまるで眼中に無かった

 そんな楯無を見て…

 

(…先日の決闘からお嬢様の様子がおかしい…元々『変人』でしたが最近はそれに輪をかけておかしくなってますね…)

 

 かなり失礼な物言いだが虚は楯無の変化に気付いていた

 

楯無

「フフフフ…」

 

「………(やっぱりおかしくなってますね…変な物でも食べたんでしょうか?)」

 

 不気味に笑う楯無の瞳は怪しい光を放っていた…

 

 





 <予告>

 遂に始まった学園祭

 1年1組はアグモンのお陰で開始早々大反響だった

 そんな中、遂にあの生徒会長が動き出した



 次回!!

 ISアドベンチャー 聖騎士伝説

 開催!暗雲渦巻く学園祭!!

 今、冒険が進化する!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。