楯無
「さ~皆さんお待たせしました~♪」
体育館に集まった観客に向かって楯無は説明を始めた
だが、楯無がいるのは壇上の上にいつの間にか作られたお城のセットの上だった
更に舞台袖には執事服姿の太一とアグモンと王子様の格好をした一夏がいた
太一&アグモン
(…帰りたい…)
一夏
(…何で俺がこんな格好を…)
太一とアグモンは初めからやる気が無く無視しようとしたのだが楯無の手配した生徒達によって無理矢理連れて来られたのだが、そこには先に連行された一夏がいた
一夏も太一とアグモン同様執事服の筈であったが、連れて来られた後、無理矢理着替えさせられていた
楯無
「これより二人の相部屋の権利をかけて演劇を行いま~す♪」
太一&アグモン&一夏
「………」
楯無
「その演目とは…『シンデレラ』です!!!」
太一&アグモン&一夏
「…シンデレラ?」
楯無がやろうとしている演目の内容を聞いて3人は首を傾げた
シンデレラでどうやって部屋割りを決めるのか分からなかった
楯無
「只のシンデレラでは面白味がありません!!ですので趣向を変えて行います!!」
だが、一応楯無もその辺りは考えているようであったがそれは同時に『普通』のシンデレラでは無い事を意味していた
楯無
「ルールは簡単!!シンデレラに扮した生徒が王子様の被っている『王冠』を手に入れる事が出来れば会長権限で同室にしてあげま~す♪」
このルールを聞いて…
太一&アグモン
(それの何処がシンデレラだ?)
シンデレラとは名ばかりのバトルロイヤルに太一とアグモンは呆れ果てていた
だが…
楯無
「それでは先ずは織斑君の方をパパッと片付けちゃいま~す♪」
一夏
「か、片付ける!?」
呆れている太一とアグモンに気付かず楯無は進めて行った
2人同時に行わずにまずは一夏の方から始めたのだが進行役の楯無は無理矢理連れて来た一夏に対してとても雑な扱いをしていた
妹の簪の一件もあって一夏に全く興味の無い楯無は自分の目的を早くする為一夏を前座扱いにして手早く終わらせようとしていた
一夏
「…ぐっ…ぐうっ…」
そんな楯無の思惑が分かった一夏は楯無を睨みつけていたが、一夏の存在自体眼中に無い楯無は全く気付いていなかった
楯無
「それでは織斑君への挑戦者の皆さん!!どうぞ~♪」
そして楯無の悪だくみが始まった
まずは前座となった一夏からだが…
一夏
「………え?」
楯無の合図で現れた一夏への挑戦者は…
箒
「………」
楯無
「あら?一人だけ?」
箒一人しか出てこなかった
その事に一夏だけでなく仕掛け人である楯無まで驚いていた
実はこの企画は楯無が事前に放送で参加したい生徒を集めていたのだが、誰がどれだけ集まったのかは楯無も知らなかった
楯無からすればついででしかない一夏への参加者はそもそも興味が無く、太一の側に集まった生徒も自ら蹴散らしてやるつもりだったので知る必要が無いと判断していた
だが、まさか一夏への挑戦者が一人しか来なかったと言うのは楯無にも予想外であった
楯無
「何よつまんないわね~…これじゃ余興にもならないじゃない!!」
一夏
「つ、つまらない!?」
つまらないと吐き捨てる楯無に一夏は奥歯を噛み締めた
一夏
(何で箒だけなんだよ!!もう少し居てくれてもいいじゃねえか!!!)
自分への挑戦者が箒一人しかいない事に不満を募らせていた
本人としてはルールを聞いた時には最低でも5人くらいは来ていると思っていたのだが一夏はまだ完全に理解していなかった
度重なる問題行動の結果、殆どの生徒は一夏を『特別な人間』として見なくなっていた
それはつまり態々こんなゲームに参加してまで一夏と同じ部屋になろうと考える生徒はもはや箒一人しか残っていないと言う現状にまでなっていたのだ
その事に一夏は気付いていなかった
楯無
「は~…もういいや…織斑君…さっさと王冠を篠ノ之さんに渡しちゃって。次始めるからさ。」
一夏
「ぐっ…」
前座にすらならなかった一夏を楯無はつまらなそうに見ながらそう言った
それに一夏は顔を顰めると観客席を見渡した
だが、どれだけ見渡しても舞台に上がろうと動く生徒は一人もいなかった
楯無
「何してんの?もう誰も来ないわよ。さっさとしてよ。」
一夏
「うっ…」
楯無からこれ以上待っていた所で飛び入りが現れる事も無いと断言された一夏は渋々被っていた王冠を箒に渡した
箒
「…一夏…その…またよろしく頼む…」
一夏
「…ああ…」
こうして一夏の王冠を手に入れた箒は再び一夏と同じ部屋になった
その一方で…
楯無
「フフ…フフフフフフ…」
楯無は怪しい笑みを浮かべていた…
<予告>
何も盛り上がる事無く一夏の演劇は終わった
そんな一夏の姿を鈴達と見ていた五反田兄妹
二人は今の一夏の姿に何を想うのか
次回!!
ISアドベンチャー 聖騎士伝説
男の中の漢!五反田弾!!
今、冒険が進化する!