ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第120話:男の中の漢!五反田弾!!

 

 

「…アイツ…明らかに不満だって顔してるわね?」

 

セシリア

「ええ…どうやらまだ分かってなかったみたいですわね?」

 

シャルロット

「うん、この学園で彼に特別な感情を持ってる人なんて篠ノ之さんくらいしかいないと思うけどな?」

 

ラウラ

「同感だ。今更アイツのルックスなんて何の役にも立たんし、奴が口先だけの男だと言うのも大概の連中が知っている事だ。」

 

 一夏の結果を客席から見ていた鈴、セシリア、ラウラ、シャルロットは思い思いの感想を言っていた

 

マドカ

「…兄さん…」

 

 そんな事を言われている一夏を見てマドカは何とも言えない表情をしていた

 

シャルロット

「コッチ見渡してたけど…他にも来ると思ってるのかな?」

 

ラウラ

「私はごめんだ。あんな男と同室になるくらいなら寮を出て野宿暮らしをした方が100倍マシだ。」

 

マドカ

「…そこまで言わなくてもいいだろ?」

 

 等と言い合っていると…

 

「…アイツ…本当に碌でも無い事ばっかやってんだな…」

 

「………」

 

 5人の横にいた五反田兄妹は落ち込んでいた

 特に妹の蘭のショックは特に大きかった様子であった

 この2人はそれぞれ一夏と鈴から招待を受けて学園祭に来ていた

 

「アレがアイツの本当の素顔みたいよ。自分がチヤホヤされるのが当たり前だと思ってる甘ったれだったみたいね。」

 

「はぁ…あの馬鹿…」

 

「………」

 

「それで蘭?アンタ来年どうするの?あの朴念仁を追いかけてココに入学する気?」

 

「………」

 

 鈴のこの言葉に蘭は俯いた

 蘭は高校受験を控えており、第一志望をこのIS学園にしていた

 その事を聞いていた鈴は蘭が自分と同じように一夏を追いかけて入学してくるのではないかと心配していた

 

「アンタが純粋にISの勉強がしたいって言うなら止めはしないし歓迎するわ。でもね?私みたいに男の尻を追いかけてくるって言うならやめなさい!!そんな理由で来てもいい事なんて一つも無いわよ!!実際私はアイツを追いかけてココに来たけどアイツと再会していい事なんて一つも無かったわ!!」

 

「………」

 

 鈴の忠告を受けて蘭は決心が鈍り始めていた

 一夏の醜態は以前鈴から聞かされていたが、実際に舞台の上で自分の結果に不満な顔をしている一夏を見て鈴は嘘を言っていなかったのだと理解した

 それと同時に自分の知っている一夏とあまりにも違い過ぎる事に動揺していた

 そんな蘭に…

 

「…蘭…お前には悪いが鈴の言う通りアイツを追いかけてココに入るって言うならやめとけ。」

 

「お兄!?」

 

 兄の弾も鈴の言う事に賛同した

 驚いた蘭は顔を上げると隣にいる弾を見た

 だが、弾の表情は何時ものへらへらした顔ではなく真剣な表情で見つめていた

 

「お前もアイツに好意を持ってた子がどうなったか知ってるだろ?今迄と違ってお前も鈴と同じ結果になるのが目に見えている!!」

 

「………」

 

 弾の言葉に蘭は何も言えなかった

 要約すると弾は『今の一夏を追いかけてもフラれて泣くだけだからやめろ』と妹を止めようとしていた

 それは蘭にもしっかりと伝わっていた

 

「お前の人生はお前だけのものだ…だから俺はお前が誰を好きになろうと止めるつもりは今まで無かった…でもな?」

 

「…でも?」

 

「今の一夏にお前を幸せに出来るとは思えない…俺はお前の悲しむ姿を見たくない…それだけは…分かってくれ…」

 

「…お兄…でも…一夏さんをこのままには…」

 

 だが、一夏をこのままにしておく訳にもいかないと言う考えも蘭にはあった

 

「それも分かってる!アイツの性根は俺が何とかして叩き直す!!それがアイツの幼馴染で親友の俺の役目だ!!!」

 

「………」

 

 それは弾も同じだった

 その為、弾は一夏とは時間を見つけてあの甘ったれた性根を叩き直そうと決意していた

 

「2学期に入ってお前も真剣に進路を考えねえといけない時期だ…時間は余りねえけどよく考えろ…後悔だけはすんなよ…」

 

「………ありがとう…お兄…私…初めから考え直してみる…」

 

「気にすんな!俺達は兄妹なんだからよ!」

 

「………うん…」

 

 弾の言葉に蘭は自分がこれからどうするのか改めて考える事にした

 そんな五反田兄妹のやり取りを見て…

 

シャルロット

「いいお兄さんだね…」

 

セシリア

「ですわね…人としても…男性としても…大きな方ですわ…」

 

ラウラ

「私も兄がいるならああいう男がいいな!!」

 

 妹を思いやり、友達を見捨てないその姿に感心していた

 

「アイツは昔っから自分の事より他人を優先する奴だったからね…何で私…弾じゃなくてあっちに惚れたんだろ?こんなにいい男がすぐ傍にいたのにな~…」

 

 鈴に至っては一夏ではなく弾に惚れればよかったと後悔するほどだった

 こうして弾の評価が上がり、一夏の評価が更に下がって行く中…

 

楯無

『それでは本日のメインイベントを始めま~す♪』

 

 舞台の上では楯無が演劇を進めて行った

 だが、マドカ、セシリア、鈴、ラウラ、シャルロットの5人はそれを聞いて司会を進める楯無を憐れみを込めた目で見るのだった…

 

 





 <予告>

 楯無の悪だくみイベントは遂に太一の番となった

 だが、ここまで来て楯無は未だに理解していない事があった

 それがこの演劇にどのように作用するのか



 次回!!

 ISアドベンチャー 聖騎士伝説

 大誤算の演劇

 今、冒険が進化する!


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