楯無
「それでは本日のメインイベントを始めま~す♪」
一夏
「………」
前座扱いされた一夏は楯無から舞台袖に追いやられていた
一夏は楯無を睨みつけるがそんな一夏の視線など全く気にせず楯無は進めて行った
楯無
「ではでは八神君どうぞ~♪」
太一&アグモン
「…はぁ…」
楯無に呼ばれたので仕方なく出てきた太一とアグモンだが、その眼は完全にやる気が無かった
楯無
「それでは本日のイベントの大本命との相部屋をかけた勝負ですが…不肖!この生徒会長更識楯無も参加させていただきます!!!」
千冬達の予想通りやはり楯無は自分も参加するつもりだった
自らの参戦を宣言すると楯無は制服を脱ぎ捨てるとどうやって着ていたのか分からないがドレス姿となった
男連中
「オオオオオォォォォォッ!!!」
その姿に観客席にいた男共は喜びの声をあげるが…
太一&アグモン
「ファ~…」
肝心の太一はアグモンと一緒に興味が無いのか全く反応せず欠伸までする程だった
楯無
「ぐっ…」
そんな2人の態度が気に入らない楯無は顔を歪めるがすぐに気を取り直すと…
楯無
「で、では…私と共に挑む挑戦者の方どうぞ!!!」
目元を引く付かせながら進めて行った
一夏の時と同じように参加者を呼び出したが…
楯無
「………あれ?」
先程箒が出て来た場所には誰も立っていなかった
つまり、一夏と違い太一と同室になりたい生徒は仕掛け人の楯無以外は誰もいないという事だった
太一への挑戦者が0と知って…
一夏
「プッ!ククク…」
箒一人だけだったとはいえ参加者が一人いた一夏は舞台袖からほくそ笑みながら優越感に浸っていた
だが、いつもの事のように一夏は目の前の光景だけで全てを結論付けて何故こうなっているのか深く考えていなかった
そしてそれは…
楯無
「ア、アレ?何で誰も来てないの?」
楯無も同じだった
楯無は慌てて客席を見渡すと席に座ってこちらを呆れた目を向けているマドカ達を見つけた
楯無
(どうしてあの子達あそこにいるの!?彼と相部屋になれるなら喜んで飛びついて来る筈なのに!?)
マドカ達5人が参加していない事に困惑していた
だが…
楯無
(ま、まあいいわ!他の参加者がいないのは想定外だったけどそれならそれで私の一人勝ちになるわ!!)
すぐに気を取り直すと自分の思惑が成功したのだと考えた
楯無
「え~っと…他にいないのには驚いたけど…じゃあ八神君!最後も盛り上がらなかったけど一応ルールって事でその王冠頂戴♪」
最後の締め括りとして太一の持っている王冠を貰おうとした
しかし…
太一
「…アンタまだ気づかないのか?」
楯無
「…え?」
今まで黙って事の成り行きを見ていた太一が口を開いた
太一
「何故生徒の誰一人として参加しなかったのか本当に分からないのかと聞いてるんだ。」
楯無
「り、理由?(そんなものがあるの!?)」
太一
「本当に分かって無いのか…」
楯無
「ぐっ!?」
太一
「あのな?お前、
楯無
「…へ?」
ココまで言っても楯無は理由が分からず首を傾げるだけだった
その為…
太一
「ならこうすれば分かるか?」
そう言って太一は持っていた王冠を
楯無
「!?」
それを見て漸く楯無は気付いた
太一の部屋は既に太一とアグモンの2人が使っているので定員オーバーになっているのだ
だが、二学期から学園に来た楯無はアグモンと一番関わりが少なかったせいでアグモンの存在を思考の外に追いやっていた
そのせいで楯無は今の今まで太一の部屋は一人空いていると勘違いしていた
そして、これこそがこのイベントに誰も参加しなかった理由でもあった
楯無
「そう言う事だったのね!?」
?
「そう言う事だ!!!」
楯無
「!?…お、織斑先生!?」
そこに虚を連れた千冬が現れた…
<予告>
アグモンの存在を忘れていた事で企みが失敗した楯無
そんな楯無は千冬に説教され、太一からは全く相手にされなかった
追い詰められた楯無は癇癪を引き起こす
それは色と欲を司る魔王のヒステリーでもあった
次回!!
ISアドベンチャー 聖騎士伝説
妖艶なる魔女!色欲の罪リリスモン!!
今、冒険が進化する!