ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第125話:色に魅入られし乱入者

 

 

太一&ウォーグレイモン

「オオオオオオオォォォォォッ!!!」

 

リリスモンX

『シャアアアアアァァァァァッ!!!』

 

 ドゴォォォンッ!!バゴォォォンッ!!

 

 互いにX体となった太一の【ドゥフトモンX】と【リリスモンX】の戦いは激しさを増していった

 

 ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!

 

 そして、一際巨大な爆発が起こると互いに距離を取った

 爆煙で互いの視界が覆われ動きを止めた時…

 

リリスモンX

『…あら?誰かしら?』

 

 【リリスモン】は自分に近づいて来る気配に気づいた

 だが、それは太一でもウォーグレイモンでも無かったのでさほど警戒はしていなかった

 そして、煙から現れた人物を見て…

 

リリスモンX

『ウフフ♪丁度良い所に来てくれたわね~♪』

 

 【リリスモン】は妖艶な笑みを浮かべた

 微笑む【リリスモン】を見て…

 

「………」

 

 その人物は何も答えなかった

 ただ、緩んだ表情で【リリスモン】から目を放さず見つめ続けていた…

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

太一

「………」

 

ウォーグレイモン

「…静かだな…」

 

太一

「ああ…不気味だ…」

 

 周囲が煙に包まれる中、全く動く気配の無い【リリスモン】に2人は不気味さを感じていた

 だが、次の瞬間…

 

 ブワッ!!

 

太一&ウォーグレイモン

「!?」

 

 煙の中から二人に向かって来るものが現れた

 二人はすぐに迎撃しようとしたが…

 

太一&ウォーグレイモン

「何っ!?」

 

 ガキィンッ!

 

 相手を見て2人はすぐに攻撃を止めると振り下ろされた剣をウォーグレイモンが《ドラモンキラー》で受け止めた

 何故なら二人に襲い掛かって来たのは…

 

太一&ウォーグレイモン

「一夏!?」

 

 【打鉄】を纏った一夏だった

 

太一

「何のつもりだ一夏!!今の状況が分からないのか!!」

 

一夏

「………」

 

 太一の問い掛けに一夏は何も答えなかった

 だが…

 

一夏

「………ス……ン…さ………」

 

太一&ウォーグレイモン

「?」

 

 一夏が口を開いた

 声が小さく聞き取りづらかったが次第に大きくなっていった

 それは…

 

一夏

「…リ…スモ…さ…ま………【リリスモン】様ぁぁぁぁぁっ!!!

 

 【リリスモン】の名前だった

 しかも【リリスモン】を様付けし大声で叫んでいた

 

一夏

「【リリスモン】様ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 【リリスモン】の名前を連呼する一夏の表情は頬を赤く染めただらしない顔をしており、目の焦点が合って無かった

 それは誰がどう見ても真面な状態とは言えない姿だった

 

一夏

「【リリスモン】様~~~♥」

 

 刀を振り回しながら【リリスモン】の名前を呼び続ける一夏はもはや正気とは言えなかった

 それを見て…

 

太一

「コイツ…【リリスモン】に『魅了』されてやがる!?」

 

ウォーグレイモン

「本当に懲りん奴だ!!乱入して敵の手に堕ちるとか一番酷い展開だぞ!?」

 

一夏

「【リ~リスモン】様~~~♥アヒャヒャヒャヒャヒャ♥」

 

 完全に正気を失っている一夏を見て太一とウォーグレイモンは何故一夏が【打鉄】を纏っているのか、何故ココにいるのか、何故自分達に襲い掛かって来たのか、その全てを一瞬で理解した

 それはその通りで一夏は今回も乱入しようとした

 自分への周囲の評価が低迷し、更には各国からも相手にされなくなってきている事を知った一夏はアレだけ千冬達から邪魔になるから手を出すなと言われていた【七大魔王】を自らの手で倒す事で自分の評判回復を図ろうとした

 だが、今の一夏は【白式】を千冬に没収されているので臨海学校で箒がしたのと同じように訓練用の【打鉄】を持ち出し、この場にやって来たのだ

 しかも一夏は【リリスモン】が人間と殆ど同じ姿をしている事からこれまでの【魔王】よりも弱いのだろうと何の根拠も無い自分の都合のいい考えで【リリスモン】に挑んだ

 だが、『X体』となる事で【色欲】の力も増大した【リリスモンX】を一目見た瞬間、一夏は【リリスモン】の虜となってしまった

 戦っていた太一とウォーグレイモンは【リリスモン】の『魅了』をその精神力ではねのけていたが自分の都合のいい現実しか見ようとしない一夏の惰弱な精神力では【リリスモン】の力に抗える筈も無く、アッサリと堕ちてしまったのだ

 

一夏

「【リリスモン】様~~~♥」

 

 そんな一夏の相手をしていると【リリスモン】が現れた

 

リリスモンX

『ウフフ♥いい玩具が手に入ったわ~♪』

 

太一&ウォーグレイモン

「【リリスモン】!!!」

 

リリスモンX

『さあ、行きなさいボウヤ…アイツ等を倒せたらた~っぷり可愛がってあ・げ・る♥』

 

一夏

「可愛がる!?お任せ下さ~い♥」

 

 【リリスモン】の命令に素直に従う一夏…

 その鼻の下を伸ばしただらしない顔を見て…

 

太一&ウォーグレイモン

「ゲ~…」

 

 二人はドン引きしていた…

 

一夏

「【リリスモン】様~~~~~♥アヒャヒャヒャヒャヒャ♥」

 

 





 <予告>

 リリスモンの傀儡となって太一とウォーグレイモンに襲い掛かる一夏

 そんな一夏に千冬達は頭を悩ませる

 果たして一夏をどうするのだろうか?



 次回!!

 ISアドベンチャー 聖騎士伝説

 織斑一夏捕縛作戦

 今、冒険が進化する!


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