ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第009話:伝説の始まり!出陣!オメガモン!!

 

 あれから1週間が経ち、クラス代表決定戦当日

 ピットには太一と一夏、何故か箒がいた

 

千冬

「…織斑…お前の機体なんだがまだ届いていない。だから先に八神とオルコットの試合を行う。」

 

一夏

「え!?…そうなのか…」

 

千冬

「八神、準備は?」

 

太一

「俺は何時でも出られるが………」

 

千冬

「何だ?」

 

太一

「いや…何で篠ノ之がココにいるのかなと思ってな…」

 

「私は一夏の幼馴染だ!いて何が悪い!!」

 

太一

「は?…何言ってるんだ?なら妹のマドカはどうなんだ?アイツは幼馴染どころか血の繋がった実の妹だぞ?お前以上にココにいる資格があるって事になるぞ?」

 

オータム

「そうだな。オイ篠ノ之!お前出て行け!ココは関係者以外立ち入り禁止だ!幼馴染だからって来ていい場所じゃねえんだよ!」

 

「で、ですが…」

 

オータム

「ですが何だ?妹のマドカだってその辺を分かって観客席にいるんだぞ?」

 

「グッ…」

 

 マドカの名前を出されては何も言えなかった

 マドカはピットではなく観客席で観戦していた

 

オータム

「大体お前、幼馴染って言葉をやたら使ってるが意味分かってんのか?幼馴染ってのはただの呼び方の一つであって免罪符じゃねえんだよ!分かったらとっとと出て行け!!」

 

「…分かり…ました…」

 

 渋々、箒が出て行くとそれと入れ替わるように真耶が入って来た

 

真耶

「お待たせしましたっ!!織斑君の専用機が届きましたよ!織斑君はこちらに来て下さい。」

 

 そこには一つの白いISがあった

 

一夏

「これが俺の…」

 

真耶

「はい!織斑君の専用機【白式】です!」

 

一夏

「【白式】…」

 

千冬

「織斑、すぐに初期化(フォーマット)最適化(フィッティング)を済ませるぞ!さっさと【白式】に乗れ!」

 

一夏

「は、はい!」

 

オータム

「…終わるまでどの位かかる?」

 

千冬

「早くて30分ってところだ。」

 

オータム

「30分か…太一、聞いた通りだ。30分試合をもたせろ。」

 

太一

「分かった。行ってくる。」

 

 太一はそう返事をするとカタパルトからアリーナに出て行った

 

一夏

「あ、あのオータム先生…」

 

オータム

「ん?」

 

一夏

「30分もたせるって…30分逃げ回れって事ですか?」

 

オータム

「あ?何言ってんだ?もたせるってのは対戦相手のオルコットの事だ。アイツは普通に戦うだけでも1分もかからず試合を終わらせられるからな。本気を出せばオルコット程度なら10秒で終わるぞ。」

 

一夏&千冬&真耶

「10秒!?」

 

真耶

「そんな…仮にも相手は代表候補生ですよ!!」

 

オータム

「お前等まだ分かってないのか?言っただろ?アイツからしたら俺もお前等もケツの青いガキなんだよ。」

 

一夏&千冬&真耶

「………」

 

オータム

「信じられないって顔だな?まあその考えもすぐに変わる。アイツの…八神太一の聖騎士の姿を見ればな…」

 

千冬

「聖騎士?」

 

 オータムの口にした『聖騎士』と言う言葉の意味を聞こうとしたが…

 

オータム

「見てれば分かるぜ。…それから織斑、本当ならお前は次の試合を公平にする為にこの試合は見せねえんだが…」

 

一夏

「そ、そんな…」

 

オータム

「まあ、見てもいいぜ。」

 

一夏

「へ?」

 

 オータムはそう言ってピットから管制室に向かった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

千冬

「オータム…自分で公平にする為と言っておきながら何故織斑に試合を見せるんだ?」

 

 管制室に向かう途中、千冬はオータムに何故一夏に試合を見せるのかと聞いて来た

 

オータム

「見た所で太一に勝てる訳ねえからだよ。」

 

真耶

「え?」

 

オータム

「コレは俺からのハンデだ。アイツは自分にハンデが与えられたなんて気付いてもいないだろうがな。」

 

真耶

「な、何でそんな事を!?」

 

オータム

「世の中にはな?どれだけハンデを貰っても勝てねえ奴がいるんだよ!」

 

千冬

「…それが八神だと言うのか…」

 

オータム

「ああ、以前も言ったがこの世界に太一以上の強さを持つ人間はいない。それもただ力が強いだけじゃねえ、アイツは心の方も強い。」

 

千冬

「心…か…そうだな…」

 

オータム

「千冬…お前じゃ太一のいる高みには手が出せねえぞ。」

 

千冬

「…高み…」

 

オータム

「アイツのいる場所にお前は行く事が出来ない。その理由は分かってるだろ?」

 

千冬

「………ああ…」

 

真耶

「先輩?」

 

千冬

「…何でもない…(私には八神のいる高みには行けない、か…いや、私には行ける資格が無いんだ…私は10年も前にその資格を自分で捨てているんだからな…)」

 

 千冬は太一に負けた時から自分が【白騎士事件】を起こしてしまった事の罪の意識を持つようになっていた

 その為、千冬はオータムの言う高みに上る為の資格が無い事が分かっていた

 

 

 

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 一方、カタパルトからアリーナに出てきた太一をすでにアリーナに出ていたセシリアが上空で見下ろしていた

 

セシリア

「あら、怖気ずに出てきましたの?てっきり逃げ出したのかと思いましたわ。」

 

 セシリアの言葉を無視して、太一は【デジヴァイス】を取り出すとアグモンが話しかけてきた

 

アグモン

『太一、どれで行くの?』

 

太一

「もう決めてる。やっぱり最初はアレで行くよ。」

 

アグモン

『そうだね!やっぱり太一にはアレが一番似合うよね!!』

 

太一

「フッ…そうだな!」

 

セシリア

「何を先程から独り言をブツブツ言ってますの!ISを纏いもしないで出て来るなんて試合をする気がありますの!?」

 

太一

「ああスマナイ…今見せる…」

 

 太一はそう言うと【デジヴァイス】を掲げた

 すると【デジヴァイス】が輝きだし、太一の周りに13個のウインドウが現れ、ゆっくりと太一の周りを回っていた

 

 [BGM:brave heart]

 

太一

「いくぞ!!デジタルセレクト!!【モード:オメガモン】!!!

 

セシリア

「!?」

 

 太一が叫ぶとウインドウの一つが太一の前で止まり、13のウインドウは太一を包み込む光の柱となった

 そして、光の中からISを纏った太一が現れた

 

 ザワザワ…

 

 会場の観客たちも太一のISの姿に騒めいていた

 

セシリア

「な、何ですの…コレは!?」

 

 セシリアの前に現れたのは…左腕が黄色い竜の頭…右腕は青い狼の頭…表が白、裏地が赤のマントを羽織った白い聖騎士が彼女の目の前にいた

 太一は上空に飛び上がると両腕を広げマントを靡かせながら自分の名を名乗った

 

太一

「…我が名は…【ロイヤルナイツ・オメガモン】!!!

 

 それは最強の聖騎士が降臨した瞬間だった

 今この時から…太一とアグモンの新たな冒険…伝説が始まったのだ!!!

 




 <予告>

 オメガモンの圧倒的な力に成す術の無いセシリア

 その時、セシリアに起きる突然の異変

 それは、太一の真の戦いの幕開けだった

 遂に姿を現した嫉妬を司る魔王

 その巨大な顎は世界の全てを吞み込んでしまうのか



 次回!《ISアドベンチャー 聖騎士伝説》

 悪魔獣咆哮!嫉妬の罪リヴァイアモン!!

 今、冒険が進化する!



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