ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ
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これからも頑張ります!!



すみません日付の設定を間違えてしまいました。



第033話:交錯する思い

セシリア

「あの…織斑先生…」

 

千冬

「ん?解散と言っただろ?」

 

 解散を言い渡した千冬はアリーナから出ようとしたが、そこにセシリアが呼び止めた

 

セシリア

「はい…それは分かってるのですが一つ聞きたい事が…」

 

千冬

「何だ?」

 

「さっき『タッグ』トーナメントって言いませんでしたか?」

 

 ザワザワ…

 

 鈴の口にした『タッグ』の言葉に観客席にいた生徒達も騒ぎ出した

 

千冬

「ああそれか…まあ後で正式に発表されるが今教えてもいいか…その名の通り来週開かれる学年別トーナメントがタッグ戦に変更になったんだ。」

 

マドカ

「なら組み合わせは?」

 

千冬

「誰と組んでもいいぞ。ただし、八神だけは駄目だがな。」

 

全員

「え?」

 

千冬

「今度のタッグトーナメントを行う際、八神にはハンデとして一人で参加して貰う事が決定した。これは私だけでなく理事長を始めとした教師全員の満場一致の意見だ。」

 

一夏&ラウラ

「なっ!?」

 

マドカ

「…まあ当然と言えば…」

 

セシリア

「当然の決定ですわね…」

 

「…でも二人でかかったくらいであの太一に勝てるとは思わないけど?」

 

千冬

「そこは頑張れとしか言いようが無いな。それともう一つハンデとして八神と対戦するペアは1発でも攻撃を当てれば勝ちにするつもりだ。」

 

セシリア

「その1発がとても難しいんですけど…」

 

マドカ

「そうだな…」

 

 太一に与えられたハンデについて話し合うマドカ達だが…

 

ラウラ

「教官!!」

 

千冬

「ん?」

 

ラウラ

「奴にハンデが与えられるなら私にも同じハンデを与えて下さい!!」

 

 自分にも同じハンデを与えろと言い出すラウラだった

 そしてその後ろでは同じ事を言いたげな顔をした一夏がいた

 

千冬

「…織斑…お前も同じ事が言いたい様だな?」

 

一夏

「!?」

 

千冬

「言っておくがハンデが与えられるのは八神一人だけだ!…そもそもお前達にはハンデが与えられるだけの実力は無いだろ?」

 

一夏&ラウラ

「!?」

 

千冬

「ボーデヴィッヒ…お前ハンデを寄越せと言うが凰に勝てなかったお前がそれ以上の強さを持つ八神と同じハンデが与えられると思ってるのか?」

 

ラウラ

「!?」

 

千冬

「そして織斑…そのボーデヴィッヒに返り討ちに会ったお前にも同じ事が言える。」

 

一夏

「………」

 

千冬

「お前達が何を言おうと勝手だ。だがこの決定は覆る事は無いし、お前達にハンデが与えられる事も無い。」

 

一夏&ラウラ

「くっ!?」

 

千冬

「それからもう一つ付け加えておく。ペアを組まなかった場合は当日にそいつらを集めた抽選でペアを決める。ペアを組みたくなくても強制的に誰かと組んで貰うからそのつもりでいろ。」

 

 千冬は最後にそう言って今度こそアリーナから出て行った

 その後に続くようにマドカ、セシリア、鈴も出て行った

 残った二人は悔し顔をしながら一夏はマドカ達と同じ出口から、ラウラは別の出口からそれぞれアリーナを出て行った

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

千冬

「…しかし…八神の言った通り本当に反発してきたな…」

 

セシリア

「何の事ですか?」

 

 通路を歩きながら千冬は先程のやり取りを思い出しながら呟いた

 それにセシリアが聞いて来た

 

千冬

「ああ、私が八神を呼んだのはハンデの事を話す為なんだが、その時に織斑とボーデヴィッヒがハンデの事を知ったら反発しそうだと言っていてな…それを聞いて私もアイツ等なら言いそうだと思ったんだ。」

 

マドカ&セシリア&鈴

「確かに!」

 

 千冬達が話をしながら歩いていると、通路の先に太一が待っていた

 

「太一♪」

 

太一

「よ!お前の戦い見てたぞ。」

 

「…ど、どうだったかな?」

 

太一

「ああ、冷静に状況を分析していたし、あの馬鹿がバリアを破壊した後の客席の生徒達の事を考えた行動…ボーデヴィッヒの砲弾を自分で受ける事をよく決断した!あの行為こそが『守る』と言う事だ!あの時のお前の【勇気】は立派だったぞ!!」

 

「うん♪」///

 

 太一は鈴とラウラの戦いの感想を言いながら鈴の頭を撫でた

 太一に褒められ、頭を撫でて貰ったのが嬉しいのか鈴は満面の笑みで頷いた

 

千冬

「(『守る』か…鈴は一夏が日頃から言ってる事が出来た…それに引き換えアイツがやった事はその真逆だ…守るどころか生徒達を危険に晒す事しかしていなかった…だが今はいいか…今は鈴を褒めてやらんとな…)鈴、ついでにいい事を教えてやる。八神はお前ならボーデヴィッヒに勝てると言ってたぞ。」

 

 鈴の行動と一夏の行動の余りの違いに内心溜息を吐く千冬だった

 

「え!本当♪」///

 

太一

「ああ、あのくらいの相手に負けるような軟な鍛え方をお前にしてないからな。」

 

「えへへ~♪」///

 

 太一が自分の勝利を信じてくれていたと知って更に喜ぶ鈴だった

 

太一

「まあ一夏じゃ勝てないのは分かってたけどな。」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

一夏

「………どう言う意味だ…」

 

 太一と鈴のやり取りを見て、後からやって来た一夏はその場に混ざる事が出来ず通路の影に隠れて話を聞いていた

 そして太一が最後に呟いたセリフを聞いて眼を見開いた

 

マドカ

『一夏兄さんじゃ勝てないって何でだ?』

 

 太一の言葉の意味を問い質そうと飛び出そうとしたが、その理由をマドカが聞いて来たのでその場に留まった

 

太一

『それはな…鈴がボーデヴィッヒとやり合っている時に織斑先生にも説明したんだが、アイツはお前達3人と違って土台が出来てないんだよ。』

 

マドカ&セシリア&鈴

『土台?』

 

一夏

(何だ土台って?)

 

千冬

『訓練を受ける為に必要な体の事だ。』

 

太一

『セシリアと鈴は代表候補生として訓練していたからその土台が既に出来ている。マドカもオータム達に鍛えられていたから条件は同じだ。』

 

セシリア

『そうですわね。』

 

『うん。』

 

千冬

『お前達3人は土台が出来ていた。そこに化け物の如き強さを持つ八神と実戦さながらの模擬戦を続ける事で実力が一気にハネ上がった訳だ。』

 

太一

『…化け物の如きってなんだ…』

 

千冬

『その通りの意味だ!』

 

太一

『…納得いかないが、まあ今はいいか…話を戻すぞ。要するにお前達と違って一夏はそれがまだ出来てないんだよ。』

 

一夏

「………」

 

セシリア

『確かにそうですわね。』

 

マドカ

『兄さんがISに乗り始めたのはココに入学してからだからな。』

 

『その上、最近まで訓練らしい事もしてないんじゃ土台が出来てる訳無いわよ。』

 

千冬

『ああ、しかもアイツは中学の頃は万年帰宅部で体を鍛える事すらしてないからな。』

 

マドカ

『帰宅部?じゃあその間は何してたんだ?』

 

千冬

『生活費と入学費を稼ぐと言ってバイトしていた。だが、中学生の出来るバイトなんてそもそも大したものも無いから収入は微々たるものだったがな。それでもアイツの気持ちを尊重してバイトくらいなら好きにさせてたんだが…』

 

太一

『それであの体たらくか?…別にバイトをするなとは言わないが、アイツの事だからそれを理由に自分の弱さを正当化してそうだな。』

 

『うわ~、確かにアイツなら胸を張って言いそうね?』

 

太一

『実際はそんなもの言い訳にはならんがな。』

 

一夏

「!?」

 

 太一がそう言った瞬間、一夏は箒とやっていた剣道の訓練を思い出した

 あの時、箒に一方的にやられた一夏は今迄何をしていたと聞かれ…

 

一夏

『生活費を稼ぐ為にバイト三昧だ!3年間帰宅部皆勤賞だ!!』

 

 と、胸を張って答えていた

 太一の言う通り一夏は自分が弱い訳をバイトをしていたからだと正当化していた

 だが、そんなものは言い訳にする事は出来ないのだ

 

太一

『また話が逸れたな。…そう言う訳で俺はアイツの方は体作りをしていたんだよ。』

 

マドカ

『今はどのくらい出来てるんだ?』

 

太一

『まだまだだ。アイツにしている訓練はお前達に比べて遥かに劣る。だが訓練を終えたお前達3人とアイツの疲労度は殆ど同じだ。つまりまだ土台は出来て無いって事だ。』

 

『まあそうよね。いくらアンタが鍛えてるからって1年近く訓練してきた私達に1、2週間で追いつける訳無いわよ。アイツが1を知って10を知る天才だって言うなら分からないけどアイツにはそこまでの才能無いしね。』

 

一夏

「………」

 

 太一の話を聞いて一夏は今迄の訓練を思い出した

 訓練を終えたマドカ達はいつも歩くのが精一杯の状態になっている

 そして一夏も同じような状態で何時も終わっている

 互いに同じような疲労状態…それはつまり今の一夏がマドカ達と同じ事をすれば早々に歩く事すら出来ない状態になってしまうのが目に見えていた

 

太一

『尤も暫くはISを使った訓練自体出来なくなったがな。』

 

千冬

『それはアイツの自業自得だ。』

 

一夏

「くっ!!」

 

 一夏は太一達の話に我慢できず走り去っていった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

太一

「………。今のを聞いて少しは自分って奴が分かればいいんだがな。」

 

 太一の言葉を聞いてマドカ、セシリア、鈴は頷いた

 実は太一達は一夏が立ち聞きしている事に気付いていた

 

千冬

「そうだな…(しかしアイツ…あそこまで考え無しの馬鹿だったか?鈴にフラれた時も八神に悪態を吐いていたそうだし…【嫉妬】しているにしても物分かりが悪すぎる…【嫉妬】を司る【リヴァイアモン】はオルコットに憑りついていたし、既に八神が倒しているから【七大魔王】が原因では無い筈だが…)」

 

 そんな中、千冬は今迄の言動や行動から最近の一夏に違和感を感じ始めていた

 

千冬

(…それとも私の気のせいなのか?)

 

太一

「………。さて、今日の訓練だがこんな状況じゃもう無理だ。…その代わり誰とタッグを組むか考えるといいぞ。」

 

マドカ

「そうだな。」

 

「私はさっさと反省文書かないといけないしね。」

 

セシリア

「10枚でしたらすぐに終わりますわ。」

 

太一

「じゃあコレで解散にしよう。」

 

マドカ&セシリア&鈴

「はい!」

 

 太一がそう言うとマドカ達は其々の部屋に戻り、千冬も残りの仕事を片付けに向かった

 残った太一は暫くふら付いてから部屋に戻ろうと歩き出した

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 太一達の場所から離れた場所まで走った一夏は足を止めた

 そして…

 

一夏

「…クソッ…俺は鈴を助けようとしただけなのに…何で…何で俺ばかりこんな目に会うんだ!」

 

 自分の今の状況に悪態を吐き出した

 しかし、何度も言うがこれはこの男の自業自得である

 丁度そこに…

 

シャルル

「アレ一夏?」

 

一夏

「…シャルル…」

 

 シャルルがやって来た

 

シャルル

「何でこんな所にいるの?」

 

一夏

「いや、何でもないんだ…」

 

シャルル

「そ。」

 

一夏

「………なあシャルル…俺がやった事って間違いだったのかな?」

 

シャルル

「やった事って…バリアを斬って乱入した事?」

 

一夏

「…ああ…」

 

シャルル

「そうだね~…確かに織斑先生の言う通りあの場所には八神さんとオルコットさんがいたから一夏がバリアを壊してまで中に入る必要は無かったね。」

 

一夏

「!?…お前もそう思うのかよ…」

 

シャルル

「何言ってるのさ?僕が止めるのも聞かずにバリア壊したのは一夏じゃないか。」

 

一夏

「あっ!?…そう、だったな…悪い…折角止めてくれたのに…」

 

 一夏はシャルルも自分の行為が間違いだと言われショックを受けたが、シャルルは一夏が突入するのを止めようとしていた

 その為、シャルルに対しては何も言えなかった

 

シャルル

「僕は別に気にしてないからいいよ。(僕自身が面倒事に巻き込まれなかったらそれでいいからね~…)」

 

一夏

「………」

 

 シャルルの心情など知らずに何も言えない一夏は更に落ち込んでいた

 だがそこに…

 

生徒達

「織斑く~ん!!デュノアく~ん!!」

 

一夏&シャルル

「ん?」

 

 大勢の生徒が二人に向かって来た

 

一夏

「な、何だ!?」

 

生徒1

「織斑君!一緒にペアを組も!!」

 

生徒2

「デュノア君!私と組んでください!!」

 

一夏&シャルル

「え?」

 

 彼女達は今度のタッグトーナメントで一夏かシャルルのどちらかとペアを組もうとやって来たのだった

 

シャルル

「あ!今度のタッグトーナメントの事か~…」

 

一夏

「わ、悪いけど俺はシャルルと組むよ!」

 

シャルル

「え?僕と?」

 

 自分と組めと言う彼女達に迫られながらそう答える一夏

 それを聞いた生徒達は…

 

生徒1

「まぁ、それなら…」

 

生徒2

「他の娘と組まれるよりはいいか…」

 

生徒3

「男同士も絵になるし…」

 

 一夏の案に納得し帰って行った

 

シャルル

「一夏…僕と組むの?」

 

一夏

「あ、ああ…悪いシャルル…ああでも言わないと収まりがつきそうになかったから…」

 

シャルル

「まあ確かにそうだね…僕の正体の事もあるしその方がいいか…ありがとね一夏。」

 

一夏

「いや…気にしないでくれ…」

 

シャルル

「うん、じゃあ僕は部屋に戻るけど一夏はどうする?」

 

一夏

「俺は…後で戻るよ…」

 

シャルル

「分かったよ。じゃあね。」

 

 そう言ってシャルルは一夏と別れた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 一夏と別れ部屋に戻る途中、シャルルは…

 

シャルル

「それにしてもタッグ戦か~…面倒だな~…」

 

 …そんな事を呟いていた

 

シャルル

「…風邪でも引いて棄権したいな~…あ~~~やだなやだな~…家からの命令も面倒臭いな~…もう何もしたくないな~…ゴロゴロしたいな~…」

 

 更に怠けるような事を口にしていた

 シャルルがそんな事を言いながら歩いているのを…

 

太一

「………」

 

 太一が物陰から聞いていた

 そしてシャルルが遠ざかると【デジヴァイス】を取り出しアグモンに話しかけた

 

太一

「アグモン…アイツどう思う?」

 

アグモン

『何か変だね。…もしかしてあの子…』

 

太一

「ああ…恐らくな…」

 

 太一は今迄のシャルルの行動と言動からある結論を出していた

 

アグモン

『それでどうするの?』

 

太一

「千冬達にも話してアイツを監視する。あの状態…何時目覚めるか分からないからな。」

 

アグモン

『そうだね!』

 

 そう言って太一は自分の部屋に戻った

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 そしてその日の夜、太一はマドカ、セシリア、鈴、千冬、オータム、真耶の6人を部屋に呼び事情を話した

 その内容とは…

 

千冬

「デュノアが【七大魔王】だと!?確かなのか?」

 

太一

「ああ、ここ最近のアイツを見る限りまず間違いない。」

 

 シャルルが3体目の【七大魔王】を宿す人間と言うものだった

 

「今度はどの【大罪】なの?」

 

太一

「今迄のアイツを見る限り恐らく………」

 

 これまでのシャルルの行動から太一はどの【七大魔王】を宿しているかも見当が付いていた

 それを全員に説明すると…

 

セシリア

「…確かにその通りですわね…」

 

マドカ

「あぁ、それしか当て嵌まらんな。」

 

 全員が納得していた

 

「じゃあすぐに倒して…」

 

オータム

「待て!タッグトーナメントも間近だ!奴と戦うにしても大会が終わってからの方がいいんじゃねえか?」

 

真耶

「そうですね!それにタッグトーナメントには世界各国から要人や企業の重役が沢山来ます。大会前に八神さんが【七大魔王】と戦えば確実に大会にも影響してしまいますよ。」

 

セシリア

「では、大会までの間は?」

 

マドカ

「私たち全員でアイツを監視するしかないな。」

 

太一

「ああ…だが奴の影響は日に日に大きくなっているみたいだ。正直何時目覚めるか分からん。大会前に目覚める可能性もある。その時は俺とアグモンは可能な限り奴を学園から遠ざける様にする。その間に皆は学園の生徒達の避難を頼む。」

 

全員

「はい!」

 

 今後の対策を立てると、この日は解散した

 そして翌日から太一達はシャルルの監視を始めた

 だが、太一達はまだ気づいていなかった…

 この学園には…【七大魔王】がもう1体いる事に…

 

 




 <予告>

 遂に始まったタッグトーナメント

 各国の要人たちが見守る中、1回戦はなんと一夏・シャルル対ラウラ・箒だった

 試合が進む中、追い詰められたラウラに聞こえてきた謎の声

 それは欲深き魔王の囁きだった



 次回!《ISアドベンチャー 聖騎士伝説》

 悪魔の囁き!強欲の罪バルバモン!!

 今、冒険が進化する!


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