ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第035話:黄金の輝き!奇跡のマグナモン!!

千冬

「…【バルバモン】…だと!?」

 

真耶

「アレが…【強欲の魔王】!!って確か【亡国機業(ファントム・タスク)】を壊滅させたのって!?」

 

オータム

「そうだ!!凰に憑りついていた【デーモン】とあの【バルバモン】って言うジジィだ!!だがそんな事は今はどうでもいい!!!」

 

真耶

「は、はい!!」

 

オータム

「クソッ!太一の予想が当たっちまったか!!」

 

 管制室ではラウラを取り込み復活を果たした【バルバモン】に千冬達は戦慄した

 

千冬

「真耶!!すぐに全生徒に避難命令を出せ!!来賓達もだ!!」

 

真耶

「は、はい!!!…え?」

 

 千冬からの避難指示を受けた真耶はすぐに避難勧告を出そうとした

 だが、アリーナの中にいる【バルバモン】を見た瞬間固まってしまった

 

オータム

「何だありゃ!?」

 

千冬

「…魔法陣…」

 

 千冬とオータムも真耶と同じように固まっていた

 何故なら【バルバモン】の周囲には千冬の言ったようにまるで魔法陣のような物が幾つも現れていたからだった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 アリーナでは【バルバモン】が手に持った杖《魔杖デスルアー》を掲げると周囲に複数の魔方陣が現れた

 

バルバモン

『…出でよ…我が眷属共よ!!!』

 

 【バルバモン】がそう言った瞬間、周囲の魔方陣から2種類のデジモンが現れた

 それは成熟期の【デビモン】と【デビドラモン】だった

 

デビモン

『ケケケケッ!!』

 

デビドラモン

『グオオオッ!!』

 

観客

「キャアアアアアアアアァァァァァァァァッ!!!!!」

 

 次々に現れる闇のデジモン達に観客席の生徒達は悲鳴を上げ混乱に包まれた

 そしてそれは各国の来賓も同じだった

 

一夏

「な、何だコイツ等!?」

 

シャルル

「悪魔…」

 

 アリーナの中にいた一夏達も目の前で起っている光景に驚き、困惑していた

 

「一夏!!」

 

 そこに先にリタイアした箒も二人の元にやって来た

 

一夏

「箒!?」

 

シャルル

「ねぇ二人共…早く逃げた方がいいんじゃない?」

 

「何を言ってる!!あんな化け物に背中を向けると言うのか!!」

 

 逃げようと言うシャルルに対して箒はあろう事か逃げないと言い出した

 箒は過去二度の【七大魔王】の襲撃の際は避難する他の生徒達の波に流され一緒に避難していた

 だが、今は周りにいるのは一夏とシャルルだけなのでこの様な事を言いだしたのだ

 

シャルル

「じゃあ君はアレを倒せるの?」

 

「ぐっ!?」

 

 だがシャルルにデジモンを倒せるかと言われ言葉を詰まらせた

 

シャルル

「あんな化け物をISも無しに倒せるの?倒せるって言うなら君一人で戦ってよ。けど僕は逃げるよ。あんなのと戦いたくないからね。」

 

「ぐっ…ぐぅぅっ…」

 

シャルル

「アレと戦えるのは八神君だけなんでしょ?僕も始めて見たけど【SINウイルス】の事は話には聞いていたからね。だから彼の邪魔になる前にココから避難した方がいいよ?」

 

「うっ…うぐぅぅっ…」

 

 呻き声を上げるだけで何も言い返さない箒

 あの様に言ってはいても箒にも本当は分かっていた

 目の前にいるデジモン達にはISを使っても勝てないという事が…

 今迄の【リヴァイアモン】と【デーモン】の戦いで対処出来るのが太一だけだという事が…

 

一夏

「箒…シャルルの言う通りだ…アイツ等が俺達に気付く前に早く避難しよう…」

 

「一夏!!お前まで逃げると言うのか!?お前はそれでいいのか!!」

 

一夏

「いい訳無いだろ!!」

 

「一夏…」

 

一夏

「出来るなら俺がアイツ等を倒してえよ!でも、行ってもすぐに千冬姉に止められる…太一の邪魔をするなって言うに決まってんだ!………クソッ!何で太一なんだ!俺にだって【白式】があるんだ!…戦う力があるのに…何で千冬姉もマドカも信じてくれないんだ!!俺にだってアイツ等を倒せるんだ!!!」

 

 以前鈴に言った事と似たような事を言う一夏

 これを聞いた鈴は一夏に対して見切りをつけてしまったが…

 

「そうだ!私にもISが…専用機があれば!!」

 

 鈴と違い箒は一夏に賛同し、同じような事を言いだした

 

シャルル

「あのさ~そういう話は後にしなよ?早くしないと一夏の言う通りアイツ等が僕達に気付いて襲って来るよ?」

 

 そんな二人に早く避難しようと言うシャルルは…

 

シャルル

「逃げないなら僕は先に避難するからね。」

 

 2人に付き合いきれず一人でアリーナの出口に向かいだした

 

一夏

「あ!シャルル!!…!?」

 

 シャルルを追いかけようとした一夏だが、突然【バルバモン】が呼び出したデジモン達の声が聞こえなくなった

 それに気付いた一夏は上を見上げた

 箒とシャルルもそれに気付き視線を上に向けると、【バルバモン】を始めとしたデジモン達が全て同じ方向に視線を向けていた

 一夏達も視線の先を追うとそこにいたのは…

 

一夏

「…太一!!」

 

 カタパルトからアリーナに入ってきた太一だった

 そしてその横にはアグモンが立っていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 太一がアグモンとアリーナに現れる少し前…

 【バルバモン】がデジモンを呼び出している頃、太一はピットに到着しマドカ達と合流していた

 

マドカ&セシリア&鈴

「太一(兄さん)(様)!!」

 

太一

「全員いるな?」

 

マドカ

「ああ!兄さん…アイツは一体?」

 

セシリア

「【七大魔王】はデュノアさんに宿っていたのではないのですか!?」

 

太一

「ああ、だがボーデヴィッヒにも憑りついていたようだ…俺もさっき気付いて急いで来たんだが…間に合わなかった…」

 

「気付いたって…どうやって!?」

 

太一

「お前達にも説明したがこの試合は仕組まれた物だ…【七大魔王】の仕業だとしたらデュノアに憑りついた【魔王】がそんな面倒な事をするとは思えなかった…」

 

マドカ

「だから他にも【魔王】がいる事に気付いたのか!!」

 

太一

「そうだ…だが、まさか【バルバモン】が他のデジモン達を呼び出すとはな!!」

 

 太一はピットから見える【デビモン】と【デビドラモン】を見て表情を険しくした

 

セシリア

「やはりアレもデジモンなのですね!」

 

太一

「ああ、奴等は堕天使型の【デビモン】と邪竜型の【デビドラモン】…どちらも成熟期だ…」

 

「【デビモン】と【デビドラモン】…」

 

太一

「それにしてもこの状況…【イグドラシル】の予想が当たったか…」

 

マドカ&セシリア&鈴

「え?」

 

太一

「…俺がこの世界に来る時に【イグドラシル】に言われたんだよ…【七大魔王】が他のデジモンを呼び出すかもしれないってな…俺の【デジヴァイス】の図鑑機能はその時にすぐに調べられる様にする為の物だ。」

 

マドカ

「あの機能はその為にあったのか!」

 

太一

「そう言う事だ…さて…アグモン!」

 

 太一は【デジヴァイス】を取り出すとアグモンを呼び出した

 

アグモン

「うん!」

 

太一

「今回の【魔王】は物量戦で来た。以前の戦いよりきついぞ!」

 

アグモン

「望む所だよ!」

 

 アグモンのその言葉を聞くと太一は笑った

 

太一

「よし行くぞ!!」

 

 アグモンと一緒にアリーナに出ようとした時…

 

マドカ

「兄さん私達も!!」

 

太一

「お前達は生徒達の避難をしろ。」

 

 自分達も戦うと言う3人だが、太一は避難活動をしろと言って来た

 

セシリア

「あの数をアグモンさんと二人で戦うつもりですか!」

 

「それ以前にアグモンを人前に出すつもり!?」

 

太一

「…俺も出来ればアグモンを衆人に晒したくはない…だが、いくら【ロイヤルナイツ】でも俺一人で【バルバモン】と戦いながらあの数を相手にするのはキツイ…」

 

「だったら私達が…「お前達にデジモンを殺せるのか?」…え?」

 

太一

「あいつ等は敵とは言えデジモンだ。俺達人間と同じ知的生命体だ。お前達はそいつ等を殺せるのか?」

 

マドカ

「だ、だが奴等は闇のデジモンだ!殺したって…「マドカ!」…!?」

 

太一

「お前が今言おうとした事は人間とデジモンの違いがあるだけで、人間の犯罪者なら殺しても構わないと言っているのと同じ事だ。」

 

マドカ

「あ…」

 

太一

「ならこれなら分かるか?…お前達は()()()()()()()()()()()

 

マドカ&セシリア&鈴

「!?」

 

 太一の問いに3人は言葉を失った

 目の前にいるアグモンを殺せるかと聞かれれば彼女達には出来る筈が無いからだ

 

太一

「それを踏まえた上でもう一度聞く…お前達はデジモンを殺せるのか?」

 

マドカ&セシリア&鈴

「………」

 

 3人は答えられなかった

 それを見た太一は口元を緩めた

 

太一

「それでいいんだ…お前達は俺と違ってそれが必要とされる状況じゃない…殺す為だけに命を奪う…それは本来やってはいけない事なんだ。」

 

マドカ&セシリア&鈴

「………」

 

 その言葉に3人は何も言えなかった

 【デジタルワールド】に飛ばされ、生きる為に…与えられた使命の為に…デジモンの命を奪い戦ってきた太一と違い、マドカ達は無闇にデジモンの命を奪う必要は無いのだ

 

太一

「それにアグモンの事も気にするな。いつかはバレる事だ。アグモンも既に覚悟している。」

 

アグモン

「そうだよ!僕の事がバレるのが今って言うだけだよ!」

 

マドカ&セシリア&鈴

「………」

 

太一

「…皆の避難を頼んだぞ。」

 

 太一はそう言いながら微笑むとアグモンと共にカタパルトからアリーナに出て行った

 残されたマドカ達はその姿を見つめる事しか出来なかった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 こうして太一とアグモンはアリーナに現れた

 

 ザワザワ…

 

 そして案の定、太一の隣にいるアグモンの存在に観客席にいた生徒達は反応していた

 だが、太一もアグモンもそんな事を気にしていなかった

 太一は【デジヴァイス】をアグモンに向けると…

 

太一

「やるぞアグモン!!!」

 

アグモン

「うん!」

 

太一

「アグモン…進化だ!!!」

 

 [BGM:brave heart]

 

 【デジヴァイス】から放たれた光がアグモンを包み込んだ

 

アグモン

「アグモン!ワープ進化―――っ!………ウォ――グレイモ――ンッ!!!

 

 そして光から現れたのは太一のパートナーデジモン…ウォーグレイモンだった

 

観客

「!?」

 

 ザワザワザワザワ…

 

 ウォーグレイモンの姿に観客席の生徒や来賓達は更に騒めきだした

 

太一

「行けっ!ウォーグレイモン!!」

 

ウォーグレイモン

「オオォゥッ!!!」

 

 太一の指示を受けたウォーグレイモンは【デビモン】【デビドラモン】軍団に突撃していった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

一夏

「な、何だアイツは!?」

 

「あんな生き物見た事無いぞ!!」

 

 アリーナにまだ残っていた一夏達は太一が進化させたウォーグレイモンを見て目を見開いて驚いていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 そして管制室では…

 

千冬

「ウォーグレイモン!?…八神の奴…アグモンを出したのか!!」

 

オータム

「この状況じゃしょうがねえ!【バルバモン】だけならともかく、あれだけのデジモンを太一だけで相手にするのは厳しいからな!!」

 

 太一がアグモンと現れた事に千冬は驚いていたが、オータムは現状を考えると当然の判断と考えていた

 

千冬

「…それは…確かにそうだが…」

 

真耶

「ですがこれでアグモンさんの存在が生徒や各国に知られてしまいましたよ!?」

 

オータム

「んなこた分かってんだよ!!…いよいよ覚悟を決めねえといけねえな…」

 

千冬&真耶

「え?」

 

オータム

「…デジモンの存在を開示する時が来たって事だ…」

 

千冬&真耶

「あ!」

 

 オータムの言葉に二人も気づいた

 現在、太一の正体とアグモン、そして【七大魔王】を始めとするデジモンの存在を学園内で知っているのは太一の仲間であるマドカとオータム、教師の千冬と真耶、轡木理事長に【魔王】の依り代となったセシリアと鈴の7人しかおらず、学園の外でも束、クロエ、スコールの3人のみ、世界でも僅か10人しかいないからだ

 それを今回の一件で他の教師や生徒達、更には各国にも全てとは言わなくてもある程度は説明しなければならなくなったのだ

 

オータム

「アグモンだけなら太一のISの支援機とでも言えば誤魔化す事も出来た!だが【バルバモン】があんなにデジモンを呼び出しちまったらそれも出来ねえ!」

 

千冬

「…確かにな…それでどうする?」

 

オータム

「…一先ずこの戦いが終わったら太一と理事長も交えて相談する必要があるな…束にも連絡しとかねえと…」

 

千冬

「そうだな…」

 

オータム

「クソッ!…バレるにしてもまだ先だと思ったんだが…せめて大会以外の時なら何とか出来たってのに…ボーデヴィッヒの野郎!本当に碌な事しねえな!!太一が助け出したらタップリ説教してやる!!!」

 

千冬

「私もアイツには言いたい事があるから付き合うぞ。…ところで真耶?」

 

真耶

「何ですか?」

 

千冬

「早く避難命令を出せ!!」

 

真耶

「は、はい!!」

 

 こうして教師陣は今後の事を話し合うと今度こそ避難命令を発した

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 そして現在アリーナではウォーグレイモンと【デビモン】【デビドラモン】軍団の戦いが行われていた

 だが成熟期の【デビモン】達の攻撃では究極体のウォーグレイモンには殆ど効かず《ドラモンキラー》で近接攻撃を仕掛けられ次々に倒されていた

 この戦いを挟んで太一と【バルバモン】は互いに睨み合っていた

 一方、観客席にいる生徒や教師、賓客達は避難命令が出ているにも拘らずその戦いに見入ってしまっていた

 その時…

 

ウォーグレイモン

「しまった!?」

 

 強さでは敵わなくても数で勝る闇のデジモン達に対して一人で戦っていたウォーグレイモンの隙をついて3体の【デビモン】がすり抜けた

 向かう先は当然後ろにいる太一…

 

デビモン達

『ケケケケッ!シネエエエェェェッ!!』

 

太一

「………」

 

 襲い来る【デビモン】に対し、太一は【デジヴァイス】を掲げると…

 

 [BGM:Break up!]

 

太一

「<デジタル・セレクト>…【モード:マグナモン】!!!

 

 カッ!!

 

 【ロイヤルナイツ】を起動し、アリーナは黄金の眩い光に包まれた

 

デビモン達

『ギヤアアアアアァァァァァッ!!!』

 

 その光を浴びた闇のデジモン達は苦しみだし、太一に迫っていた3体の【デビモン】は至近距離で光を浴びた為なのかそのまま消滅してしまった

 そして、黄金の光が収まると…

 

観客

「!?」

 

 そこには青い肌に眩いばかりの輝きを放つ黄金の鎧を纏った【ロイヤルナイツ】第5の聖騎士が立っていた

 この聖騎士こそ【ロイヤルナイツ】の中で唯一のアーマー体であり、『奇跡』を司ると言われる黄金の聖騎士【マグナモン】の姿だった

 

観客

「………」

 

 観客席の人々は【マグナモン】の黄金の輝きに目を奪われてしまっていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

千冬

「あの聖騎士は!?」

 

オータム

「【マグナモン】…『奇跡』をもたらす黄金の聖騎士だ!!」

 

千冬

「【黄金の…マグナモン】…」

 

真耶

「なんて綺麗な光なんでしょう…」

 

千冬

「…正しくその通りだな…」

 

 管制室の千冬と真耶も【マグナモン】の黄金の輝きに心を奪われていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 そしてピットにいるマドカ、セシリア、鈴の3人も…

 

「何よあの姿…」

 

マドカ

「アレが『奇跡』を呼ぶ聖騎士【マグナモン】だ!!」

 

セシリア

「…【奇跡のマグナモン】…あのような黄金の美しさは初めて見ましたわ…」

 

マドカ

「本当にな…正に『奇跡』だ!!」

 

 【マグナモン】の姿に見惚れていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 周囲が【マグナモン】の輝きに見惚れている中、太一はカタパルトから飛び上がるとウォーグレイモンの隣に移動した

 

太一

「すまないな…先に一人で戦わせて…」

 

ウォーグレイモン

「気にしなくていい!【バルバモン】の出方を伺ってたんだろ?」

 

太一

「あぁ…恐らくだが、俺たちを分断させるつもりだろう…」

 

 ウォーグレイモンは太一が先に戦わなかった理由が分かっていた

 太一はデジモンを呼び出すだけでそれ以外何もしない【バルバモン】の様子を見る為にウォーグレイモンを先に戦わせていた

 そんな太一の思惑をウォーグレイモンは読んでいた

 これが何十年と苦楽を共にしてきた二人の姿だった

 

ウォーグレイモン

「分断か…ならその通りにしてみるか?」

 

 太一の推測を聞いてその通りにしようとウォーグレイモンが言い出すと…

 

太一

「そうだな!それでいくか!」

 

 太一もその案に乗った

 そして…

 

太一

「俺たちを分断したところで…」

 

ウォーグレイモン

「勝てると思うな!!」

 

 二人はそう言うと太一は【バルバモン】に、ウォーグレイモンは闇のデジモン軍団に突撃した

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 ウォーグレイモンは再び《ドラモンキラー》で近接戦を仕掛けた

 だが、【デビモン】も【デビドラモン】も【マグナモン】の黄金の光を受けたせいで力が半減していた

 おかげでウォーグレイモンは最初よりも戦いやすくなっていた

 だが…

 

ウォーグレイモン

「チッ!数だけは多いな!!」

 

 やはり数が多い上に【バルバモン】が展開した魔法陣から新しいデジモンが呼び出され続けているので全ての敵を倒して太一の応援に向かうと言う事が出来そうにはなかった

 

ウォーグレイモン

「…《ガイアフォース》が使えればいいけど…この場所じゃ無理か…」

 

 その上、まだアリーナの中にいるので必殺技も使えないという状態だった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 そして、【バルバモン】に向かっていく太一は…

 

太一

「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!《マグナムパンチ》!!!

 

 黄金の拳《マグナムパンチ》を繰り出すが…

 

 バチンッ!!

 

 【バルバモン】が《魔杖デスルアー》を太一に向けると先端から魔法陣が展開され太一の拳を防いでいた

 しかもその衝撃でアリーナのバリアがまたもや粉々に消し飛ばされてしまった

 

観客

「きゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――っ!!!!」

 

 だが、そのおかげで【マグナモン】に見惚れていた生徒達は漸く正気に戻り悲鳴を上げた

 そしてそのまま避難し始めた

 バリアが壊れた事で太一とウォーグレイモンは【バルバモン】達とアリーナから飛び出し、より戦闘は激しくなっていった

 

バルバモン

『なかなかの拳じゃな…では今度はこちらの番じゃ!』

 

 【バルバモン】は再び《デスルアー》を太一に向けると複数の魔方陣を同時に展開した

 

 ドドドドドドドドンッ!!!!

 

 魔法陣から炎や雷と言った魔法弾が太一に向かって放たれた

 

太一

「《プラズマシュ―――トッ》!!!」

 

 【バルバモン】の攻撃に対して太一は【マグナモン】の両肩と両腰の装甲からそれぞれ2発ずつ、計8発のプラズマミサイル《プラズマシュート》を撃ち出した

 

 チュドドドドドドドドォォ――ンッ!!!!

 

 太一の撃った《プラズマシュート》は【バルバモン】の魔法弾に全て命中し互いに相殺しあった

 

バルバモン

『やるではないか!…ではこれはどうする!!』

 

 すると【バルバモン】は今度は《デスルアー》を真上に向け巨大な魔方陣を展開した

 そして中から出てきたのは…

 

太一

「隕石だと!!」

 

 そう、【バルバモン】は隕石を召還し太一とウォーグレイモン、そして下にあるIS学園に落とそうとしたのだ

 その直径は約100m以上はあった

 太一とウォーグレイモンなら躱す事も簡単だったが学園が下にある以上それも出来ない…と言うより地上に落ちたら間違いなく学園とその周囲は粉々に吹き飛び巨大なクレーターを作る破壊力があるからだ

 その為、破壊するしか方法が無かった

 

太一

「(まさか隕石を呼び出すとは…《プラズマシュート》で破壊しても破片が降り注ぐだけか…)ならば!!」

 

 太一は隕石の落下コースに入ると…

 

太一

「《エクストリ――――ム・ジハ――――ドッ》!!!!」

 

 黄金の鎧から放つ闇を消し去る光…【マグナモン】の必殺技…《エクストリーム・ジハード》で隕石を消し飛ばした

 

生徒達

「嘘おおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 避難していた生徒達は【バルバモン】の呼び出した隕石に恐怖し身動きが取れなくなっていたがその隕石を太一が一撃で完全消滅させた事に驚愕の声を上げた

 だが、太一は隕石の破壊に意識を集中させてしまった

 

バルバモン

「フォッフォッフォッ!…隙アリじゃ!!」

 

 その隙を【バルバモン】が見逃す筈がなかった

 

太一

「何ッ!?」

 

 【バルバモン】が《デスルアー》を太一に向けると太一の後ろの空間が歪み巨大な穴となった

 

太一

「しまったっ!?」

 

 その瞬間、太一は穴の中に吸い込まれてしまった

 

バルバモン

『永遠の闇の狭間に消えるがいい!!』

 

 太一を吸い込むと穴はすぐに閉じられてしまう

 

観客

「!?」

 

バルバモン

『フォッフォッフォッ…フォ―――ッフォッフォッフォッ!!!』

 

ウォーグレイモン

「た、太一ぃぃぃ―――っ!!!」

 

 【バルバモン】の笑い声とウォーグレイモンの太一を呼ぶ声が周囲に響き渡った

 

 

 




 <予告>

 バルバモンによって異空間に閉じ込められた太一

 太一を封印した事で勝利の笑いを上げるバルバモンに学園の人々は恐怖に襲われた

 だが、ウォーグレイモンはそんなバルバモンに太一は帰ってくると言って笑い返す

 するとバルバモンはウォーグレイモンを倒す為に3体の完全体と1体の究極体を呼び出した

 追い詰められていくウォーグレイモンの元に3人の少女が覚悟を持って駆け付けるのだった



 次回!《ISアドベンチャー 聖騎士伝説》

 覚悟の出撃!!インフィニット・ストラトスVS闇の完全体

 今、冒険が進化する!


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