ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

43 / 133
お気に入りが900を超えました!

1000件まであと少し!

これからも頑張ります!



デジモン紹介に【バルバモン】を追加しました。



第039話:目覚めの時!怠惰の罪ベルフェモン!!

 【バルバモン】を倒した太一は救出したラウラを抱えてウォーグレイモン達の元に戻った

 

マドカ&セシリア&鈴

「太一(様)!!」

 

 マドカ達は太一の勝利に喜び、戻ってきた太一に駆け寄って来た

 その後をウォーグレイモンも続いた

 

ウォーグレイモン

「太一…」

 

太一

「ウォーグレイモン…」

 

ウォーグレイモン

「お疲れ!」

 

太一

「お互いにな!」

 

マドカ&セシリア&鈴

「フフッ♪」

 

 笑顔で言葉を交わす二人にマドカ達も笑みがこぼれていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 その後、太一達はアリーナへとゆっくりと戻っていた

 その途中で…

 

マドカ

「ところで太一兄さん?…何故ボーデヴィッヒは生きてるんだ?」

 

太一

「ん?」

 

 《エクストリーム・ジハード》を【バルバモン】ごと受けたのにも拘らず無事でいるラウラにマドカは疑問に思っていた

 

「確かにそうね…アンタが止めに使った技…《エクストリーム・ジハード》だっけ?あんな凄い威力の技を喰らったのに何でコイツ無事なの?それも傷一つ付いてないわよ?」

 

セシリア

「そうですわね…【バルバモン】が呼び出したあの巨大隕石でさえ跡形も無く消滅させる技ですもの…」

 

 セシリアと鈴もマドカの疑問に同意した

 

太一

「簡単だ。【マグナモン】の《エクストリーム・ジハード》は奇跡の光で闇を消し去る技。その力で闇のデジモンである【バルバモン】()()を消し飛ばしたんだよ。」

 

マドカ&セシリア&鈴

「なるほど!!」

 

太一

「…まぁ、多少賭けでもあったがな…」

 

マドカ&セシリア&鈴

「賭け?」

 

ウォーグレイモン

「太一、賭けとはどういう事だ?」

 

 太一の『賭け』と言う一言にマドカ達だけでなくウォーグレイモンまでもが首を掲げた

 

太一

「俺は《エクストリーム・ジハード》で闇だけを消し飛ばした。だが、ボーデヴィッヒの心に光が無ければ【バルバモン】諸共消滅させていた。」

 

マドカ&セシリア&鈴

「ええっ!?」

 

太一

「…人間は心に光と闇の二つを持っている…心が全てどちらか一方に染まっている人間なんていないとは思うが…万が一と言う事もあったからな…ましてやボーデヴィッヒだったからな…」

 

ウォーグレイモン

「だから賭けだったのか。」

 

太一

「ああ、『()()()()』助けられる保証はなかったからな…まぁ、助けられたからいいが…これを機にコイツも自分の中の光を見つめて欲しいものだ…」

 

「確かに…今迄のコイツを光と闇で言ったら…」

 

セシリア

「絶対に闇ですわ!!」

 

 太一の話を聞いてラウラは闇側の人間だろうと思うセシリアだった

 

マドカ

「そもそも闇の面が強くなければ【七大魔王】に付け込まれたりしないからな。」

 

 グサッ!

 

セシリア&鈴

「ぐはっ!」

 

 マドカのその言葉が心にグサリと突き刺さるセシリアと鈴だった

 同じ【七大魔王】に憑りつかれていたこの二人にもマドカの言葉が当て嵌まるからだ

 

マドカ

「あ!…悪い!流石に言い過ぎた!」

 

セシリア

「…気にしないで下さい…」

 

「…本当の事だもん…」

 

マドカ

「本当にスマン!!」

 

 自分の失言に謝るマドカに二人は気にするなと言うが完全に落ち込んでいた

 

全員

「………」

 

ウォーグレイモン

「と、所で太一?封印された空間ってどんなところだったんだ?」

 

 重くなってしまった雰囲気に全員無言になってしまった

 その空気を変えようとウォーグレイモンが太一の封印された異空間がどんなところだったのか話題を変えて来た

 

太一

「あ、ああ…簡単に言うとだな………」

 

 太一もこのままでは不味いと思ったのか話だした

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 時間は戻り【バルバモン】によって異空間に閉じ込められた太一は周囲の確認を行った

 だが、何処を見渡しても見えるのは闇だけだった

 

太一

「―――――――(なるほど…闇の空間という訳か…ん?)」

 

 太一は今の状況を声に出した

 だが、自分で口にした声が何も聞こえなかった

 さらに…

 

太一

「―――――――(声が聞こえない?…それに…自分の姿すら見えないのか…)」

 

 今、太一は自分の両腕を目の前に持ってきていた

 だが、目の前にあるはずの自分の腕が全く見えなかった

 

太一

(そう言う事か…音も光も無い完全な闇の空間…確かにこんな所に閉じ込められたら普通の人間なら10分としない内に発狂するだろうな…)

 

 現状から太一は自分のいる空間だどう言うものなのかが分かった

 確かに太一の考えの通り並の人間ならすぐに気がおかしくなる場所だった

 

太一

(…フンッ…こんな所に閉じ込めたくらいで俺が潰れるとでも思ったのか?)

 

 だが、今ここにいるのは並の人間ではない太一だった

 

太一

(恐らく今頃はウォーグレイモンが一人で戦ってるな…早くここから出ないと…)

 

 太一は外で戦っているであろう相棒の心配をしながら出口を探して飛び回っていた

 

太一

(………出口が無いな…いや、それ以前に自分が動いている感覚も無いな…【バルバモン】め…面倒な所に閉じ込めやがって…)

 

 太一がこの空間に閉じ込められて既に20分以上経過していた

 普通の人間なら既に精神崩壊を起こしているが太一は平然としていた

 ちなみに外ではマドカ達3人が完全体達との戦いに追い詰められている頃だった

 

太一

(………こうなったらココを破壊するしかないか…)

 

 太一はこれ以上時間をかける訳にはいかないと感じこの空間そのものを破壊する事にした

 

太一

(【マグナモン】の力…今こそ見せてやる!!)

 

 すると太一【マグナモン】の力を解放した

 【マグナモン】から黄金の光が溢れ出し、闇の空間を包みだした

 

太一

「………チッ!存外しぶとい空間だな………ん?声が聞こえる様にはなったか…」

 

 【マグナモン】の光が闇を押しのけたおかげで太一の声は聞こえる様になり、姿が見える様になった

 だが、太一のいる異空間は中々破壊する事が出来ずにいた

 

太一

「…これ以上時間をかけると外のウォーグレイモンもやばいかもな…仕方が無い…一気にケリをつける!!!」

 

 太一は【マグナモン】の更なる力を解放する事にした

 

 [BGM:Break up!]

 

太一

「【マグナモン】!!…モ―――ドチェンジ!!」

 

 黄金の光が更に輝きだし闇の空間を完全に呑み込んだ

 

太一

「【マグナモンXモ―――ド】!!!!!」

 

 Xモードへと姿を変えた【マグナモン】は青い体はより筋肉質になり黄金の鎧は更に巨大に鋭角的になっていた

 

太一

「…こんな空間…破壊してくれる!!」

 

 【マグナモンX】となった太一は黄金の光を更に強く輝かせた

 そして周囲の光のエネルギーを両手に集め、それを圧縮し…

 

太一

「《(シャイニング)ゴールドソーラースト――――ムッ》!!!」

 

 前方に向かて放つのだった

 

 ピシッ!!…バリイイイイイィィィィィ―――――ンッ!!!

 

 すると《シャイニングゴールドソーラーストーム》を放った先がひび割れ、異空間は粉々に砕け散るのだった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

太一

「………と言った場所だった。」

 

マドカ&セシリア&鈴

「………」

 

 太一から異空間の話を聞いて落ち込んでいた3人は別の意味で言葉を失った

 

マドカ

「…自分の声も聞こえず、姿も見えない、動いている感覚すらない空間…」

 

「…私だったら10分所か1分もしないで発狂するわよ…」

 

セシリア

「…わたくしもです…いえ、誰だってそうなりますわ…」

 

「ホントよ…そんな空間に30分以上いて平気だなんて…どんな精神力してるのよ!?」

 

セシリア

「流石は太一様ですわ!!」

 

 太一の話を聞いていつの間にか立ち直った3人は改めて太一の人並み外れた強さに感心するのだった

 それとほぼ同時に5人はアリーナに到着し地上に降りた

 そこには一夏と箒、シャルルがいた

 

一夏&箒&シャルル

「………」

 

 だが3人の視線は太一達ではなくウォーグレイモンに向けられていた

 

ウォーグレイモン

「ん?…何だ?」

 

一夏&箒&シャルル

「!?」

 

マドカ

「ウォーグレイモン…兄さんたちはお前を初めて見たんだ。気になるのは仕方ないだろ?」

 

ウォーグレイモン

「そう言えばそうだったな。」

 

一夏

「マ、マドカ…」

 

 ウォーグレイモンと普通に会話をしている妹を見て一夏は動揺を隠せないでいた

 

太一

「(どうせ後で全員に話す事になるだろうし…ココで説明するのも面倒だな…それに…)そう言えばお前達のIS…その姿は一体何なんだ?」

 

 動揺する一夏達を放っておいて太一はマドカ達のISに話題を変えた

 

セシリア

「これですか?単一仕様(ワンオフ・アビリティー)が発動したらこうなってしまいました。」

 

太一

単一仕様(ワンオフ・アビリティー)?…確かISの特殊能力だったよな?」

 

 ウォーグレイモンと同じような事を聞く太一だった

 

マドカ

「そうなんだが、何故か私達3人は同じ能力が発現してしまったんだ。」

 

ウォーグレイモン

「それの何処がおかしいんだ?」

 

「大ありよ!アンタ達二人は知らないだろうけど単一仕様(ワンオフ・アビリティー)って言うのはね?ISによって発現する能力が全く違うのよ。」

 

太一

「そうなのか?………だが織斑姉弟は同じ能力が発動しているぞ?それにお前達も?」

 

マドカ

「だから驚いてるんだ。一夏兄さんとアイツが同じ能力を使えるだけでも異例中の異例なんだ。それを私達は3人で同じ能力が発動したんだ。」

 

 マドカ達3人が同じ能力を発動した事に驚いているのを見て太一とウォーグレイモンの二人は首を傾けた

 元々別の世界から来た2人はISに関する知識は束達と学園の授業で教えられた事しかなかった

 その中でも単一仕様(ワンオフ・アビリティー)は本来二次移行(セカンドシフト)したISに発現する能力である為、束達もそこまで詳しく教えてはいなかった

 その為、太一もウォーグレイモンも単一仕様(ワンオフ・アビリティー)はISが使う特殊な能力程度にしか考えていなかったのだ

 

太一

「確かにそう言われるとそうだな?…それなら後で束に調べて貰うか?」

 

マドカ

「やっぱりそれが一番いいか…」

 

 太一達は一先ずマドカ達のISに関しては束に調べて貰う事にした

 そして太一は観客席を見渡し残りの生徒の数を確認すると…

 

太一

「…後は大体10数人ってところか…これなら避難もすぐに終わるな…なら、このままもう一体も始末するか…」

 

全員

「え?」

 

 太一のその一言に全員が声を上げた

 だが、その反応は2つに分かれていた

 

ウォーグレイモン

「ココで奴も倒すのか?」

 

太一

「ああ、このままでもどのみち数日後には奴は目覚めるだろうからな。それならココで叩き起こして始末した方が二次被害も少なくて済む。」

 

「確かにそうかもしれないけど…」

 

マドカ

「太一兄さんとウォーグレイモンは大丈夫なのか?」

 

セシリア

「そうです!お二人はずっと戦い通しではないですか!!」

 

 太一の言った事の意味を理解しているマドカ達は太一とウォーグレイモンが連戦する事に不安を感じていた

 

太一

「俺は問題無い。…ウォーグレイモンは?」

 

ウォーグレイモン

「俺もまだいける!」

 

太一

「という訳だ。心配しなくても大丈夫だ。お前達は今度こそ避難活動に専念してくれ。いいな?」

 

マドカ&セシリア&鈴

「………はい…」

 

 3人が頷くと太一は今迄蚊帳の外になっていた一夏達に向き直ると…

 

太一

「一夏…コイツを頼む。」

 

一夏

「え?」

 

 そう言って太一は抱えていたラウラを一夏に渡した

 

太一

「…一夏、篠ノ之…お前達はそいつを連れてマドカ達とすぐに避難しろ。」

 

一夏

「!?…まだ戦うのかよ!」

 

 今迄の会話から太一がまだ戦うという事は流石の一夏でも分かっていた

 

太一

「そうだ。分かったらさっさと行け。いても邪魔だ。」

 

「何だと!?」

 

 戦いの邪魔になるから避難しろと言う太一に喰ってかかる箒だが…

 

シャルル

「ま~ま~篠ノ之さん…ココは八神君の言う通り避難しようよ?それに、これ以上ココに居ると織斑先生に何を言われるか分からないよ?」

 

「ぐっ!」

 

 窘めるシャルルの言葉に箒は言葉を詰まらせた

 観客席ならまだしもアリーナにいる一夏と箒、シャルルの3人は【バルバモン】が現れた時からなんだかんだ言って未だに避難していなかった

 これ以上アリーナにいれば千冬からどんな処罰をされるか分からないのだ

 

シャルル

「ほら行くよ~。」

 

 一夏と箒を連れてアリーナを出て行こうとするシャルル

 だがそんなシャルルに…

 

太一

「待てデュノア…何処に行く?」

 

一夏&箒

「え?」

 

シャルル

「………」

 

 後ろから太一が呼び止めた

 

シャルル

「何処って避難するんだよ~?八神君が避難しろって言ったんでしょ~?」

 

太一

「ああそうだ…だがなデュノア?…俺は()()()()()()に避難しろとは言ったが()()も避難しろとは言って無いぞ?」

 

一夏&箒

「え?」

 

シャルル

「………」

 

一夏

「な、何言ってるんだよ?何でシャルルだけココに残すんだよ?」

 

 シャルルは避難をするなと言う太一に一夏はその意味が分からずにいた

 

マドカ&セシリア&鈴

「………」

 

 そしてマドカ達は目の前にいるシャルルに警戒を強め、それぞれの武器を構えていた

 

一夏

「ど、どうしたんだよマドカ?鈴とオルコットも…何でシャルルを睨むんだよ?」

 

 マドカ達の態度に更に困惑する一夏だった

 

太一

「デュノア…いい加減怠けるのも大概にしたらどうだ?」

 

シャルル

「…何の事かな~?」

 

 混乱する一夏を放っておいて、太一はシャルルに宿るものに呼びかけた

 

太一

「いい加減起きろと言ってるんだ!!…シャルロット・デュノア…いや…【怠惰の魔王ベルフェモン】!!!」

 

一夏

「え?」

 

 太一がそう言った瞬間、シャルルの額に青い紋章が浮かび上がった

 そしてそのまま紋章から青と黒の光が溢れ出しシャルルを呑み込み【デジタマ】となった

 

一夏

「そ、そんな!?…シャルル…お前まで…」

 

 動揺する一夏を他所に【デジタマ】は膨らんでいった

 その大きさは【リヴァイアモン】の時ほどでは無いが【デーモン】や【バルバモン】の時以上にまで膨らんだ【デジタマ】は…

 

 ピシッ!…バリイイイィィィ―――ン!!!

 

 割れて中から【七大魔王】の1体【ベルフェモン】が現れたのだが…

 

一夏

「………え?」

 

「…何だ?…コイツ?」

 

 現れた【ベルフェモン】に一夏と箒は困惑の声を上げた

 何故なら…

 

ベルフェモン

『Z~Z~Z~…』

 

 現れた【ベルフェモン】は眠っているからだ

 しかもその外見は今まで現れた3体の【七大魔王】と明らかに違っていた

 2等身の体に胴体を鎖で縛られ、首元には時計らしき物が付いており、その顔はまるでぬいぐるみの様な顔だった

 この姿こそ【ベルフェモン:スリープモード】だった

 

セシリア

「ア、アレが【怠惰の魔王】ですの!?」///

 

「何て言うか…可愛い…」///

 

 セシリアと鈴は【ベルフェモン】の今の姿に頬を赤らめていた

 

マドカ

「………」

 

 だが、マドカだけは【ベルフェモン】を見ても警戒を解く事は無かった

 

マドカ

「セシリア!鈴!アイツはあんな姿でも【七大魔王】の1体だ!!」

 

セシリア&鈴

「!?…そ、そうでしたわ(だった)!!」

 

 マドカがそう言うと二人は気を引き締め直したのだが…

 

生徒達

「キャアアアアアァァァァァッ♪カワイイイイイイイィィィィィィッ♪」//////

 

 観客席で避難中だった僅かに残っていた生徒達が【ベルフェモン】を見て黄色い声を上げるのだった

 

太一&ウォーグレイモン

「………は?」

 

 それを聞いた二人は間の抜けた声を上げた

 だがこの時…

 

一夏

「…寝てる………アイツなら俺でも…」

 

 この一夏のつぶやきは周りの声に掻き消され太一達の耳には届かなかった

 

 




 <予告>

 スリープモードで目覚めたベルフェモンの姿に女子生徒は歓喜の声を上げる

 そんなベルフェモンに攻撃を仕掛ける太一に生徒達はブーイングを浴びせていた

 だが、そんなもの一切気にしない太一はベルフェモンが本当の目覚めた時に備えマグナモンから新たな聖騎士へと切り替える

 全ての竜型デジモンの頂点に君臨する赤き聖騎士が大空へと羽ばたく



 次回!《ISアドベンチャー 聖騎士伝説》

 赤き竜帝!エグザモン飛翔!!

 今、冒険が進化する!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。