ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第051話:決闘!太一VS一夏

 デジモンの存在が公表されてから始まった騒ぎも漸く落ち着きを取り戻し始めたIS学園…

 そんなある日の朝…

 

一夏

「太一!!!俺と戦え!!!」

 

 教室に向かおうと部屋を出た太一を一夏が待ち構えており、開口一番何をトチ狂ったのか太一に喧嘩を売って来た

 

太一

「?…やる理由が無いんだが?」

 

一夏

「俺にはあるんだよ!!お前に…お前に俺の力を認めさせるって言う理由がな!!」

 

太一

「…は?」

 

 喧嘩を売ってきた理由に太一は呆れた

 要するに一夏は自分の見栄を張る為に勝負を挑んで来たのだ

 

一夏

「それにお前の様な卑怯者…俺が一度叩きのめしてやる!!!」

 

太一

「卑怯者?何の事だ?」

 

 さらに卑怯者呼ばわりされる太一だがそう呼ばれる心当たりがなかった

 

一夏

「とぼけるな!!シャルロットの事だ!!手を貸す気が無いって言っておいてお前のやった事は何だ!!」

 

 それはシャルロットの件だった

 確かに一夏の言う通り太一はシャルロットに力を貸す気は無いと言って突き放していた

 にも拘らず太一のお陰でデュノア社は救われ更にシャルロットは解放された

 何も出来ず、する前に全てが終わっていた上に、デュノア社長からは部外者呼ばわりされた一夏からすれば面白くない話だった

 その為、一夏は太一を卑怯者と言ったのだ

 しかし…

 

太一

「やっぱりあの時盗み聞きしていたのはお前だったか…」

 

一夏

「うっ!?」

 

 太一は全く狼狽える事は無く、逆に一夏が盗み聞きしていた事を問い質してきた

 だが…

 

一夏

「お、俺の事よりお前の事だろうが!!」

 

 自分の事を棚に上げて有耶無耶にしてきた

 そんな一夏に太一は内心完全に呆れた

 

太一

(随分勝手な奴だな…それにアイツの件は偶然ああなっただけなんだが、コイツには言っても信じないだろうな…)

 

 更にシャルロットの件は本当に偶然が重なった結果なのだが、一夏にそれを説明したところで信じる筈無かった

 なので…

 

太一

「分かった分かった…相手をすればいいんだろ?」

 

 説明するだけ無駄なので一夏の挑戦を受ける事にした

 

一夏

「そ、そうだ!!見てろ!俺の本当の力を見せてやるからな!!」

 

太一

「…意気込むのは結構だが何処でやるんだ?」

 

一夏

「………え?」

 

 太一がそう聞くと一夏はさっきまでの鼻息を荒くした表情から一転して間の抜けた顔になった

 

一夏

「え、えっと…それは…」

 

 するとその場で考え始めてしまった

 一夏は太一に勝負を挑む事しか考えておらず勝負内容も場所も何一つ考えていなかった

 

太一

「一夏、普通こういうのは勝負を挑む前に場所も内容も全部決めてくるものじゃないのか?」

 

一夏

「ぐっ!?」

 

太一

「はぁ…本当なら断ってもいいんだが…」

 

一夏

「!?…お前!勝負を受けるって言ったじゃねえか!!」

 

太一

「方法すら考えていなかった奴が何言ってるんだ?断られてもお前は文句を言えないんだぞ?」

 

一夏

「ぐっ!!ううっ…」

 

 一夏は何も言い返せなかった

 それは勝負を挑んでおきながら何も考えていなかった一夏の方に否があった

 なので本当に勝負を拒否しても一夏は何も言えないのだが…

 

太一

(…とは言うものの…本当に断ったら確実に騒ぐな…)

 

 しかし、このままでは確実に一夏は駄々を捏ねて騒ぎ出すのが目に見えていた

 

太一

「仕方無い…なら勝負は生身でいいか?」

 

一夏

「…え?」

 

 その為、やむを得ず太一が勝負内容を提案した

 

太一

「何か問題はあるか?それともテストでもやって知恵比べの方がいいか?」

 

一夏

「い、いや、それでいいけど…」

 

太一

「何だ?」

 

一夏

「ア、ISの勝負じゃなくていいのか?」

 

 太一の提案に一夏は困惑していた

 生身の勝負に知恵比べと太一はISを持ち出さなかったからだ

 だがそれには理由があった

 

太一

「ISでやってもいいが…それだとお前は必ず文句を言うだろ?」

 

一夏

「何だと!!」

 

 これが理由だった

 一夏はともかく、太一の使えるISは【ロイヤルナイツ】だけだからだ

 なので二人がISで勝負する場合、太一はどうしても【ロイヤルナイツ】を使う事になってしまう

 そしてISで勝負をすれば100%太一が勝利する

 そうなると負けた一夏はまず間違いなくなんだかんだと理由を付けて自分の敗北を認めようとはしない事を太一は分かっていた

 だから太一は勝負にISを出さなかった

 

太一

「どうせお前の事だ…自分が負けても性能のせいだ何だと難癖付けるだけだろ?」

 

一夏

「お、俺がそんな事するか!!」

 

太一

「そうか?今迄のお前を見ていれば言いそうなんだがな?」

 

一夏

「ぐっ!!」

 

 否定する一夏だが太一は信じていなかった

 そんな太一に一夏は何も言えずただ睨みつける事しか出来なかった

 

太一

「それでお前はどの勝負がいいんだ?俺は何でもいいぞ?文句を言わないと言うならISでも構わんぞ?ただし、俺の使えるISは【ロイヤルナイツ】だけだからな?」

 

一夏

「………生身で勝負だ…」

 

 太一に聞かれ勝負内容を決める一夏だがそこにはさっきまでの勢いはなかった

 だがこれは何も考えなかった一夏の行動の結果だったので太一に文句を言う事も出来なかった

 

太一

「分かった、なら織斑先生に頼んで剣道場を借りるか…許可が下りたら連絡する。」

 

 そう言って太一は教室に向かって行った

 そして一人残った一夏は体を震わせながら…

 

一夏

「………くっ、くそぉぉぉっ!!!」

 

 悔しさから雄叫びをあげた

 太一に勝負を挑みに行ったのに、いつの間にか話の主導権を奪われ、自分の失敗を指摘されてしまったのだ

 だがそれも結局はこの男の自業自得であったのは言うまでも無い

 ちなみにこの後一夏が遅刻して千冬に出席簿チョップを喰らったのも言うまでも無かった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 その日の翌日、夜も更けた就寝時間を過ぎた剣道場では…

 

太一

「………」

 

一夏

「………」

 

 太一と一夏が対峙していた

 太一は自分で言った通り、千冬に事情を説明し、剣道場の使用許可を貰っていた

 事情を聞いた千冬は一夏が喧嘩を売る事しか考えておらず、それ以外は何も考えていなかったと知り頭を抱えたのだった

 尚、この二人の勝負は千冬も立ち会い、他にも話を聞いたマドカとオータム、セシリア、鈴にラウラとシャルロット、そして箒もいた

 ちなみに研究室にいる束もオータムに持たせたカメラで観戦していた

 

千冬

「では審判は私が行う。織斑、八神、準備はいいか?」

 

太一

「ああ。」

 

一夏

「…おい太一…お前何のつもりだ!そのままでやる気か!!」

 

太一

「そのつもりだが?」

 

 勝負を始める前に確認を取る千冬に太一は大丈夫だと言うが一夏は太一の姿に文句を言って来た

 それは今の太一の姿が原因だった

 一夏は面以外の剣道の防具を身に着け竹刀を持っていた

 だが太一は防具も竹刀もないジャージ姿だった

 

一夏

「!?…俺を舐めてるのか!!」

 

 太一の姿に手を抜く気でいるのかと一夏は思ったのだ

 

太一

「そんなつもりは無いんだがな?」

 

 だが太一にはそんなつもりが無く単にこの方が戦いやすいと言うだけだった

 そこに…

 

「八神!!貴様!剣道の勝負を素手でやるとは一夏を侮辱するのも大概にしろ!!」

 

 何故か箒までも文句を言って来た

 それも何故か二人の勝負を『剣道』と勘違いしていた

 

千冬

「お前何言ってるんだ?」

 

「え?」

 

千冬

「ココが剣道場だからと言って剣道で勝負する訳では無いぞ?」

 

「!?」

 

千冬

「織斑、お前も同じだ。私は八神からココの使用許可を頼まれた時、お前と『生身で勝負する』としか聞いてないぞ?剣道でやるなんて一言も聞いてないぞ?」

 

一夏

「うっ…」

 

千冬

「八神が竹刀も防具も持っていないのは私の時と同じように無手でやる為だ。まさかお前も篠ノ之と同じ勘違いをしていたのか?」

 

一夏

「………」

 

 一夏は何も言えなかった

 一夏も箒と同じで場所が剣道場という事で勝負を剣でつけるものだと思い込んでしまっていた

 だが、太一が提案したのは『生身』で勝負するという事のみ

 戦い方までは指定していないのでお互いがやり易いスタイルでやればいいのだ

 もし一夏が剣で勝負をしたいのなら太一に喧嘩を売った時にそう言えばよかった

 もしくは太一が提案した時でもよかったのだがこの男はそこまで頭が回っていなかった

 

千冬

「分かったら始めるぞ?お前の準備もいいな?」

 

一夏

「は、はい…」

 

千冬

「それからお前達、観戦するのは構わないが口出しはするなよ?特に篠ノ之、お前が一番騒ぎそうだからな、勝負の邪魔をするなら追い出すからそのつもりでいろ!」

 

 始める前に千冬はマドカ達に静かにしておくように言っておいた

 その中でも箒には念入りに釘を刺しておいた

 

「!?…わ、私が騒ぐって言うんですか!!」

 

千冬

「今も八神の格好だけで騒いでいただろうが?」

 

「ぐっ…」

 

 千冬がそう言うと箒は黙り込んだ

 千冬の言う通り箒は太一の格好だけで文句を言って来た

 一夏が劣勢になれば騒ぐ姿が千冬だけでなく一夏を除く全員が容易に想像出来た

 なので騒いだらとっとと道場から追い出そうと千冬は考えるのだった

 

千冬

「さて、それではいい加減始めるか、これ以上無駄話をしても明日に響くだけだからな。…では、両者構えろ!」

 

一夏

「!!」

 

太一

「………」

 

 千冬がそう言うと一夏は表情を引き締め竹刀を構えた

 対する太一は構えも何もせずただ立っているだけの姿勢だった

 

一夏

(アイツ!何処まで俺を馬鹿にすれば気がすむんだ!!)

 

 そんな太一の姿勢に一夏はまたも自分を馬鹿にしていると思った

 だがそれは、半分当たっていると言えた

 太一は別に一夏を馬鹿にする気は毛頭ないのだが、単純に一夏に対して脅威を感じていなかった

 更に言えば、太一は以前千冬と勝負したが、その時の千冬と比べても明らかに弱い一夏相手では構えを取る必要など無いと判断しただけだった

 そして…

 

千冬

「…では…始め!!」

 

一夏

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 千冬の合図と共に一夏は太一に向かって駆けだした

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

(一夏!!そんな奴さっさと倒してお前の力を見せつけてやれ!!)

 

 騒ぐと追い出すと言われた箒は心の中で一夏の応援をしていた

 だが、箒は分かってはいなかった

 一夏が誰に喧嘩を売ったのかを…

 千冬でさえ手も足も出せず手玉に取る太一の実力を箒は分かっていなかった…

 それは相対している一夏も同じだった…

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

一夏

「はぁぁぁっ!!」

 

 千冬の合図とともに一夏は太一に向かって竹刀を振り下ろした

 だが…

 

太一

「………」

 

 太一は体を軽く捻るだけでアッサリ躱した

 

一夏

「くっ!うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

 その後も一夏は連続で仕掛けるが太一はその全てを最小限の動きで躱していた

 それもその筈…

 

太一

(…遅すぎる…千冬の半分…いや、これはそれ以下だぞ…)

 

 一夏の繰り出す攻撃は千冬と比べて余りにも遅すぎた

 その為、太一は千冬とやった時以上に軽く躱せていた

 その上…

 

太一

(…剣筋も単純すぎる…以前ISで勝負した時から何も変わって無いぞコイツ?)

 

 【ガンクゥモン】で勝負した時の一夏の剣筋が全く変わっていなかったのだ

 これでは避ける事など太一にとっては容易い事だった

 だが、太一は一夏の攻撃を軽々と躱し続けているが…

 

一夏

「く、くそぉぉぉっ!!何で当たらねえんだ!!!」

 

 自分の攻撃がまるで当たらない一夏は太一に躱される度にイラついて行った

 しかし、当たらなくて当然、一夏の剣は全て見切られているから当たる筈は無かった

 だが、その事に一夏は気付いていなかった

 そんな攻防を続けていると…

 

「八神!!貴様!!男なら避けてばかりいないで戦え!!卑怯者!!!」

 

 あれだけ千冬に忠告されたのにも拘らず箒は口を出してしまった

 その結果…

 

千冬

「お前達少し待て!」

 

 千冬は勝負を一時中断し、箒の前まで行った

 

千冬

「…篠ノ之…あれだけ騒ぐなと言ったのに貴様と言う奴は…」

 

「あ!?ま、待って下さい…こ、これは…」

 

 千冬は箒の言い訳に耳を貸さずそのまま首根っこを掴むと道場の外に放り投げ、扉に鍵をかけてしまった

 

『ち、千冬さん!入れて下さい!!』

 

 中に入れて貰おうと外で騒ぐが千冬は元より太一も他の観戦しているメンバーも誰も扉を開けようとはしなかった

 入れてもまた騒ぐだけだと分かっていたからだった

 

千冬

「さて、あの馬鹿のせいで中断してしまったが…続けるか?」

 

一夏

「や、やるに決まってんだろ!!」

 

 肩で息をしながら一夏はまだやるつもりだった

 だが、それを聞いて千冬は内心溜息を吐いた

 

千冬

「(コイツ…アレだけ躱されれば自分の剣が完全に見切られているって普通は分かるぞ?まだそれが分からないのか?)…分かった…では続けろ!」

 

一夏

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 再び千冬が合図を出すと一夏は太一に向かって行った

 だが、その後も一夏は太一に掠らせる事も出来なかった

 それから暫くして…

 

太一

(…眠い…これ以上やると本当に朝に響くな…終わらせるか…)

 

 太一は勝負を終わらせる事にした

 そして…

 

一夏

「ぐあっ!?」

 

 太一は一夏の足を引っ掛け転ばせた

 

一夏

「く、くそ…舐めやがってぇぇぇっ!!」

 

 起き上がった一夏はそのまま太一に叫びながら向かって突っ込んで来た

 そのまま竹刀を振り下ろすが…

 

太一

「ふんっ!」

 

一夏

「なっ!?」

 

 太一は腕を掴みそのまま投げ飛ばした

 そして仰向けになった一夏の顔の上に足を持ってくると…

 

一夏

「!?」

 

 ドンッ!!

 

 足を一夏の顔目がけて踏み下ろした

 

太一

「………まだやるか?」

 

一夏

「ぐっ…ぐぅぅぅぅっ…」

 

 太一の足は以前の千冬の時と同じく一夏の顔のすぐ横に合った

 勝負を続けるかと聞く太一だがそれは誰が見ても決着がついたようにしか見えなかった

 姉弟揃って同じ方法で倒されてしまったのだ

 だが、一夏は自分の敗北を口にしようとはしなかった

 

太一

「………」

 

 すると…

 

千冬

「この勝負…八神の勝ちとする!!」

 

 このままでは自分の負けを認めないと判断した千冬は太一の勝ちを宣言した

 千冬の判定が下りると太一は足を退け、下がったのだが…

 

一夏

「ま、待ってくれ千冬姉!!俺は…俺はまだ負けてねえ!!」

 

 千冬のジャッジに納得いっていない一夏は太一が退くと慌てて立ち上がり、まだ負けていないと言い出した

 それを聞いた千冬は呆れ果てた

 今迄の攻防で太一の方が実力が遥かに上だと分かる事なのにこの男はそれを未だに認めず、更にあそこまで逆転する事が出来ない状況に追い込まれて尚、負けていないと言ってるのだ

 そんな一夏に千冬だけでなくマドカ達も同様に呆れ果てていた

 

千冬

「………はぁ…お前の負けだ…どう見ても逆転など出来ん…」

 

一夏

「そ、そんな事無い!!ココから巻き返して「動きが完全に見切られているお前がか?」え?」

 

千冬

「やはり気付いていなかったか…お前の動きは全て八神に見切られている。そうでなければあそこまで面白いように躱される訳無いだろ?」

 

一夏

「なっ…」

 

千冬

「そんなお前がどうやって逆転するんだ?そもそも八神は私でさえ手も足も出なかったんだ。そんな相手に動きを見切られたお前がどうやって勝てるんだと聞いてるんだ?」

 

一夏

「ぐっ…ううっ…」

 

 一夏では太一に勝てない…

 実の姉からハッキリとそう言われながらもまだ何か言おうとする一夏に…

 

太一

「今のお前じゃ誰にも勝てんよ…」

 

一夏

「!?」

 

太一

「お前はその悪癖を治さない限り誰にも勝てないし何も成長する事は無い…」

 

一夏

「悪癖だと!?俺にそんなものがあるか!!」

 

 一夏は太一から悪癖があると言われたがそれを認めなかった

 一夏にはその自覚が無かったからだった

 

太一

「…そうだった…お前はそう言う人間だったな…」

 

一夏

「何!!」

 

 太一は溜め息を一つ吐くと入り口に向かって歩き出した

 そして扉の前で止まると…

 

太一

「…お前が認めたくなくてもお前には悪癖がある。それを自覚し、治さなければお前は前に進めはしない。」

 

一夏

「!?」

 

太一

「一夏、現実を見ろ。今までお前がしてきた事をよく思い出すんだ。自分の視点としてではない、第三者の視点としてだ…そうすれば少しは分かる筈だ。(コイツにそれが出来るかどうか怪しいが…今はこれくらいしか言いようが無いな…ハッキリ言うにしても少し時期が悪い…)」

 

 そう言うと太一は道場から出て行った

 だが外に出ると千冬に追い出された箒が待ち構えており、行き成り太一に木刀で襲い掛かって来たのだが…

 

太一

「………」

 

「がっ!!」

 

 一夏の時のように簡単に投げ飛ばされてしまった

 太一は箒を投げ飛ばすとそのまま寮に戻って行った

 起き上がった箒は太一を追いかけようとしたが後から出て来たオータムに捕まり、引きずられながら連行されていった

 その後、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラも寮に戻って行き、道場に残ったのは織斑姉弟のみとなった

 一夏は千冬とマドカに太一の言葉を否定して貰おうとしたが…

 

千冬

「…八神の言う通りだ。お前のその悪癖は早く治さないと取り返しのつかない事になるぞ。」

 

一夏

「!?」

 

 一夏が何か言う前に千冬は太一の言う事が正しいと言って道場から出て行った

 ショックを受けた一夏は最後に残った妹のマドカを見たが…

 

マドカ

「………」

 

 マドカは何も言わず道場を出て行った

 それは千冬の言う事に同意すると言うマドカの返事だった

 そしてこの時ばかりは鈍感な一夏にもそれは伝わった

 一人残された一夏は…

 

一夏

「悪癖だと…ふざけるな!!俺に…俺にそんな物あるかあああああぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 太一の言葉を否定し叫んでいた

 残念な事に太一の言葉は一夏に届いてはいない様だった…

 

 




 <予告>

 一夏との勝負から翌日、束に呼び出された太一達

 マドカ達のDシリーズの調査を終えた束はその説明を始める

 それは従来のISの能力を逸脱したものだった



 次回!《ISアドベンチャー 聖騎士伝説》

 エヴォリューションプログラムの謎

 今、冒険が進化する!


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