ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

67 / 133
第063話:福音に潜む影

一夏

「マ…ド…カ…?」

 

 撃墜され海に落ちたマドカを一夏はただ茫然と見つめていた

 だが、何度も言うようだが現在は戦闘中である

 つまり…

 

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)

「La~♪」

 

一夏

「!?」

 

 マドカが倒れた今、【福音】の攻撃目標は一夏一人になる

 それは攻撃の全てが一夏一人に集中するという事に他ならない

 そして放たれる無数の【銀の鐘(シルバー・ベル)】…

 

一夏

「あ、あ…ああ…うわああああああぁぁぁぁぁぁぁ――――――――っ!!!!!」

 

 迫りくる【福音】の攻撃に、一人になってしまった一夏は次は自分がマドカを同じ目に合うと理解した

 迎撃する事も逃げる事も出来ない一夏には恐怖から悲鳴を上げ、目を閉じる事しか出来なかった

 だが…

 

一夏

「………あ、あれ?」

 

 いつまで経っても【福音】の攻撃が当たらない

 それに気付いた一夏が目を開けると…

 

一夏

「た、た…い…ち…」

 

 そこには【アルフォースブイドラモン】を纏った太一がいた

 太一は【アルフォースブイドラモン】の光のバリア《テンセグレートシールド》で【福音】の攻撃から一夏と船を守っていたのだ

 しかも太一の腕には…

 

一夏

「マ、マドカ!?」

 

 海に落ちた筈のマドカの姿があった

 駆け付けた太一は真っ先に海に落ちたマドカを救出していた

 マドカは【銀の鐘(シルバー・ベル)】を受けた影響で意識を失っておりISも強制解除されていたが、太一がすぐに助け出した事で命に別状は無かった

 

一夏

「よ、良かった…」

 

 妹が無事だった事に一夏は安堵した

 一方で太一は意識を失っているマドカに…

 

太一

「…良くやったぞ…マドカ…」

 

 そう言いながら声を掛けた

 

一夏

「………」

 

太一

「お前のお陰で一夏も船の乗員も全員無事だ!仮の兄だがお前の様な妹を持てて俺は嬉しいよ♪」

 

 そう言ってマドカを褒めた

 そして、それが聞こえたのかマドカの口角が僅かに上がった

 

一夏

「………」

 

 そんな二人の姿を一夏はただ見つめる事しか出来なかった

 マドカに守られ、倒される原因を作った一夏には例え血の繋がった実の兄であっても太一のような台詞を言う資格が無かった

 

太一

「さて…」

 

 そして太一はシールドを張ったまま【福音】を睨みつけた

 少しの間、太一と【福音】が睨み合っていると…

 

銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)

「La…」

 

一夏

「え?」

 

 【福音】はその場を去っていった

 だが太一は【福音】を追撃しようとはしなかった

 太一は【福音】が離れたのを確認するとシールドを消した

 しかしそんな太一に…

 

一夏

「太一!!何で追いかけねえんだ!!」

 

 【福音】を追撃しようとしない太一に一夏が異議を言って来た

 だが、そんな一夏に対して…

 

太一

「…本気で言ってるのか?」

 

一夏

「…え?」

 

 逆に問いかけて来た

 

太一

「お前は『目の前の傷付いた妹の治療』よりも『逃げだした敵を倒す方』を優先するのか?」

 

一夏

「!?」

 

 太一の問いかけに一夏は言葉を失った

 今の太一の問いかけは要約すると…

 

 …お前は妹の命よりも手柄が欲しいのか…

 

 そう言っているのだ

 そのまま一夏は放心したように大人しくなった

 2人がそんなやり取りをしている間に…

 

セシリア&鈴

「太一(様)!!!」

 

 セシリアと鈴が合流してきた

 2人は太一と同時に飛び立ったのだが【アルフォースブイドラモン】の速さに置いて行かれて遅れて到着した

 尚、ラウラとシャルロットは封鎖海域に密漁船が侵入していたので他にもいないか警戒に出ていた

 

太一

「セシリア、鈴、来て早々悪いがそこの船を港まで牽引してくれ。織斑先生が手配をしてくれているだろうから乗員は警察に引き渡しておいてくれ。」

 

セシリア&鈴

「了解!!!」

 

太一

「頼んだぞ!…一夏…お前も戻れ…いいな!」

 

 セシリアと鈴に船の事を任せると太一は未だに呆然としている一夏にそう言って先に戻って行った

 一方、一夏は太一に言われた事が効いたのか【福音】を追撃しようとはせず放心したように旅館に向けて移動を始めた

 そんな一夏の姿を鈴は軽蔑する目で睨んでいた…

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 【月花荘】に戻った太一を千冬達が待っていた

 そこには担架を持った教師もおり、太一がマドカを担架に乗せるとすぐに運ばれていった

 太一と真耶も付き添って行ったのだがその際、束が『治療用ナノマシン』入りのカプセルを真耶に渡し、マドカが目を覚ましたら飲ませる様に頼んでいた

 マドカが運ばれた後、その場に残ったのは千冬、束、オータムの3人だけとなった

 そして暫くすると…

 

一夏

「………」

 

 一夏が戻って来た

 一夏がISを解除すると…

 

千冬

「はぁ…」

 

 千冬は一息吐き…

 

千冬

「一夏………歯を食いしばれ!!!」

 

 バキッ!

 

一夏

「がっ!」

 

 一夏を力一杯ぶん殴った

 

一夏

「ち、千冬姉…」

 

千冬

「何故殴られたか分かるか?」

 

一夏

「………」

 

千冬

「お前が一人で突っ込んで返り討ちに会うならいい…作戦は失敗…撤退を進言したマドカの意見を聞こうとはしなかった…良くは無いが、それは想定内だからいい…だが、戦闘海域に入り込んでいた船をお前は密漁船だからと言う理由で見捨てた…そんなお前と船を守ってマドカは重傷を負う事になった…その結果がコレだ!!最悪と言っていい結果だ!!!」

 

一夏

「ううっ…」

 

 当然の事ながら千冬達は密漁船の事もその時の一夏の発言も知っていた

 太一がマドカにかけた言葉や鈴の視線は知っているからこその物だった

 

千冬

「私の判断ミスだ…お前に現実の厳しさを教えようと思って行かせたが…それがこんな結末になるとは…やはりお前に任せるべきではなかった…」

 

一夏

「………」

 

 千冬は作戦会議の時、一夏に任せる作戦に変更した事を心底後悔した

 初めから太一に任せておけばよかったと思うのだがもはや後の祭りだった

 

千冬

「一夏!!お前は自室で謹慎だ!!許可が出るまで部屋から一歩も出るな!!」

 

 だが、こうなってしまった以上、これ以上の被害を出す訳にもいかないので千冬はすぐに頭を切り替えた

 まずはこれ以上いても邪魔にしかならない一夏を謹慎扱いにしたのだか…

 

一夏

「!?…そ、そんな!?待ってくれ千冬姉!!俺にやらせてくれ!!俺はまだやれる!マドカの仇を討たせてくれ!!」

 

 この男はまだ自分がやるとぬかしていた

 

千冬

「マドカは死んどらんわ!!お前、あれだけの事を仕出かしておいてまだ分からないのか!!」

 

一夏

「うっ…」

 

千冬

「お前何時も言っていたな!『皆を守る』と!!コレがお前の言う『守る』事なのか!!」

 

一夏

「!?」

 

 千冬の言う通りだった

 一夏は口を開けば『皆を守る』と言っていた

 以前のバリアを破壊した時は曲がりなりにも『鈴を助ける』と言う理由があった

 だが、今回の一夏の行動にはそう言った理由すら無い…自分の言葉を完全に否定する行為だった

 

千冬

「そんなお前にこれ以上関わられても被害者が増えるだけだ!!分かったらさっさと部屋に戻って大人しくしていろ!!!ハッキリ言って今のお前は邪魔以外の何者でも無い!!!とっとと部屋に戻れ!!!」

 

一夏

「………」

 

 ココまで言って漸く一夏は館内に戻って行った

 一夏が戻るのを確認すると千冬と束、オータムの3人は指令室に戻った

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

千冬

「束!すぐに【福音】の現在位置を調べろ!!分かり次第八神を向かわせてケリをつけるぞ!!」

 

 指令室に到着して早々千冬は束にそう指示を出した

 

「あ~い!」

 

 気の抜ける返事で返す束だが、その表情は真剣そのものであり、言われた通り大急ぎで調べ始めた

 その時…

 

真耶

「織斑先生!!篠ノ之博士にお客人が来てます!!」

 

 マドカに付き添っていた真耶が慌てて入って来た

 しかも束に客が来たと言うのだ

 現在この【月花荘】では束が情報規制をかけ、束の在住は外に漏れていない筈なのだがその客は束がいる事を見抜いていた

 

千冬

「束の客だと!?今は忙しい!!放っておけ!!」

 

 だが、現在作戦中であり、その対応に追われている千冬はその不自然さに気付かなかった

 その為、相手にしなかったのだが…

 

「ちょっと待ってよちーちゃん!オイメガネっ子!束さんのお客ってもしかしてクーちゃん?」

 

 束が千冬を落ち着かされると誰か聞いて来た

 

真耶

「えっと…そのクーちゃんかどうかは分かりませんが以前オルコットさん達のISを届けてくれたクロニクルさんです…後、金髪の女性も一緒です…」

 

オータム

「金髪の女?スコールも来たのか!?」

 

 束の客とはクロエとスコールの2人だった

 この2人なら束の現在位置を知っていても不思議ではなかった

 

千冬&真耶

「スコール?」

 

オータム

「お前等は知らなかったか?簡単に言えば前の職場で俺の上司だった奴だ。」

 

千冬

「何!?ではそいつも【亡国機業(ファントム・タスク)】の…」

 

オータム

「ああ、幹部の1人だった奴だ。ついでに言や、マドカを拾ったのもスコールだ。」

 

千冬

「マドカを!?…そうか…分かった…真耶、2人を案内してくれ。」

 

真耶

「はい!」

 

 2人が束の味方だと分かり千冬は指令室に連れてくるように真耶に頼んだ

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

クロエ

「束様!!何時まで遊んでるんですか!!」

 

 少しするとクロエが怒りながら入って来た

 そんなクロエの後ろを苦笑いしているスコールが続いていた

 2人は中々帰って来ない束を迎えに来たのだ

 

「お、落ち着いてよクーちゃん!?これには事情があるんだよ!!」

 

クロエ

「事情ですか?」

 

 束は慌てて現状を説明した

 最初は怒った表情をしていたクロエだったが話が進むにつれその表情は崩れていき、話が終わる頃には怒りが収まっていた

 束が帰って来なかった理由にスコール共々納得したからだった

 

スコール

「それでマドカの容体は?」

 

真耶

「現在治療中ですが命に別状はありません…」

 

スコール

「そう…生きているならそれでいいわ…」

 

 最悪の事態には陥っていないと知りスコールもクロエも安心した

 その時…

 

千冬

「失礼…スコール…と言ったか?」

 

 千冬がスコールに話しかけて来た

 

スコール

「ええ、初めまして織斑千冬さん。私はスコール・ミューゼル…元【亡国機業(ファントム・タスク)】の幹部だった女よ。」

 

千冬

「織斑千冬だ………スコール…ありがとう!!」

 

全員

「え?」

 

 千冬とスコールが自己紹介を終えると千冬がいきなりお礼を言って頭を下げた

 突然の千冬の行動に全員が固まってしまった

 

スコール

「い、行き成りどうしたのよ?」

 

千冬

「マドカの事だ…あの子を拾ってくれた事に礼を言わせてくれ!!」

 

スコール

「そう言う事…でも私はあの国際テロ組織だった【亡国機業(ファントム・タスク)】にあの子を入れたのよ?それでも感謝してるの?」

 

千冬

「…それを言われると何とも言えんのだが…それでも貴方が拾わなければマドカはどうなっていたか分からん…下手をすれば野垂れ死んでいたかもしれないんだ…そう考えると私は貴方に礼が言いたいんだ!!」

 

 そう言って千冬は再び頭を下げた

 

スコール

「そう…ならそのお礼は素直に受け取っておくわ♪」

 

千冬

「感謝する…」

 

 2人はそのまま握手を交わした

 千冬とスコールが打ち解けた事に周りの束たちも温かい目で見ていた

 

スコール

「…それでその【福音】って言うISは何処にいるの?」

 

 だが、すぐに現状を思い出し表情を険しくさせた

 

「今束さんが調べてるよ!」

 

クロエ

「では私もお手伝いします!」

 

「お願いね~♪」

 

 そして束はクロエと【福音】を探し始めた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「いた!!!」

 

 暫くすると束が見つけ出した

 束とクロエは軍の監視衛星にハッキングを行い、それを使って探していたのだ

 

千冬

「何処にいる?」

 

「えっと…マドちゃんといっくんが戦っていた場所から…アレ?北に20Kmぐらいしか離れて無いよ?もっと離れたと思ったのに…」

 

クロエ

「そうですね…しかも今はどう言う訳か動きを止めてますよ?」

 

千冬

「動いてないのか?」

 

「うん。」

 

千冬

「………それなら束…【福音】にアクセスして暴走を止める事は出来ないか?」

 

 千冬は【福音】が動きを止め、今ここに束がいるという事から内側から止められないかと聞いて来た

 千冬の提案に束は頷くと早速作業を始めたのだが…

 

「………アレ?」

 

スコール

「どうしたの?」

 

「…コアにアクセス出来ない…」

 

全員

「何!?」

 

 ISの生みの親である束が自分で造ったコアにアクセス出来ないと言って来た

 それは本来ならあり得ない事だった

 

千冬

「どう言う事だ!お前がアクセス出来ないなんて!?」

 

「分からないよ!!束さんのアクセスを拒否するって何なのこのコア!?………まさか!?」

 

 癇癪を起しかけた束だが、その時ある事に気付いた

 

千冬

「どうした?」

 

「…この世界に束さん以上に電子関係が強い『人間』はいない…でもさ…束さん以上の『存在』はいるよね?」

 

オータム

「何言ってんだ?お前以上に電脳関係が得意な奴なんて………電脳?…オイ…まさか…」

 

千冬

「デジモンの仕業だと言うのか!?」

 

 そして千冬達も気づいた

 束以上に電子関係に強い存在…

 それは電子生命体…『デジモン』だった

 

「可能性は十分にあるよ!ううん、むしろ束さんからのアクセスを拒否出来るようにするなんてデジモンにしか出来ないよ!!」

 

クロエ

「ですがデジモンの仕業だとして何故こんな事をしたんですか?」

 

 束の推測通り今回の暴走事件がデジモンの仕業の場合、その動機が思い当たらなかった

 だが…

 

千冬

「………餌?」

 

クロエ

「え?」

 

 千冬がその理由を思い付いた

 

千冬

「…もし…【福音】が何かの餌として暴走させられたとしたら…獲物は…」

 

「間違いなくたっくんとアッくんだね!そしてそんな事をするデジモンは【七大魔王】しかいないよ!!」

 

オータム

「つまり太一達を誘き出す為に【福音】の暴走事件を起こしたってのか?今回の魔王は随分派手にやるな?」

 

 オータムの言葉に全員が頷いた

 これまでの4体の中で復活するまでに外部に影響を与えていたのはシャルロットに憑りついていた【ベルフェモン】だけだった

 それも宿主のシャルロットを怠け者にすると言うだけだった

 もしこれが【七大魔王】の仕業だとすれば今回は今迄とは比べ物にならない事だった

 宿主に影響を与えるだけでなく、他所の国まで巻き込んだ行動だからだ

 

千冬

「だとしたら余計にナターシャが危険だな…束!何とかナターシャに連絡は取れないか?」

 

 千冬に言われ束はもう一度アクセスを試みたが…

 

「………クッ…駄目だね…アクセス出来ないんじゃ連絡も取れないよ…でも何とか生きているのは確認出来たよ!」

 

千冬

「そうか…ナターシャが無事と分かっただけでもありがたいな…」

 

 やはり束でも今の【福音】にアクセス出来なかった

 しかし、ナターシャの安否だけは確認出来たので全員が安堵した

 そして、すぐに表情を引き締めると…

 

千冬

「すぐに八神を呼べ!!」

 

真耶

「はい!!!」

 

 真耶に太一を呼びに行かせた

 急いで部屋を出た真耶だが、その傍に人影があった事に真耶は勿論、部屋の中にいた千冬達の誰も気づいていなかった…

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

一夏

「………クソッ!!…何で…何でこんな事になったんだ!!」

 

 一方、自室で謹慎を言い渡された一夏は今の自分の状況を整理できず混乱していた

 出撃前の一夏は自分が【福音】を倒し、パイロットを無事に救出して、堂々と凱旋する

 そして帰還した後は千冬から称賛され、そんな自分に鈴や他の生徒達も見直すだろうと思っていた

 だが現実は違った

 一夏は【福音】の前に手も足も出ず、突如現れた密漁船を見捨てた事で妹から軽蔑された

 しかも、その妹は兄の自分だけでなく密漁船までも体を張って守り抜いた

 そのせいで妹は重傷を負い、【福音】も逃げてしまった

 更に、戻れば姉に褒められるどころか、殴り飛ばされ謹慎処分を言い渡されてしまった

 自分の思い描いていた未来と真逆の結果となってしまったのだ

 その現実と妄想の違いが受け入れられず困惑していた

 その結果…

 

一夏

「…今度こそ…【福音】を倒す!!」

 

 千冬の指示を無視し再び【福音】に挑もうとしていた

 今度こそ自分の妄想通りにしようとしたのだが、今の一夏の頭には【福音】を『倒す』事しかなく、搭乗者の『救出』が抜け落ちてしまっていた

 そして一夏は先ずは【白式】の補給をしようと考えたのだが…

 

一夏

(…クソッ…部屋の前に見張りがいるな!だったら!)

 

 千冬の手配で教師の1人が一夏の部屋の前に張り付いていた

 なので一夏は窓から外に出て屋根伝いに移動し始めた

 するとその途中で…

 

一夏

「あれは………箒?」

 

 ISスーツを着た箒を見かけた

 しかも箒の向かった先は…

 

一夏

「あっちには確か…学園から持ってきたISが…まさか!?」

 

 そう、箒の向かった先には今回の実習の為に持ってきた【打鉄】と【ラファール】が置いてある倉庫があった

 それに気付いた一夏はすぐに箒の後を追った

 元々【白式】の補給の為、一夏もそこに行くつもりだった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

一夏

「箒!!!」

 

 遅れてやってきた一夏が倉庫に入ると入れ違いで【打鉄】を纏った箒は飛び出したところだった

 それを見て一夏は…

 

一夏

「…もしかして箒の奴…【福音】の場所を知ってるのか?だったら俺も!」

 

 箒が【福音】の現在位置を知っていると思い、急いで補給を始めた

 そしてそれは正解だった

 箒は他の生徒達同様、部屋で待機する様に言われていたのだが、それを無視し指令室の会話を盗み聞きしていたのだ

 そして補給を終えた一夏は…

 

一夏

「準備よし!待ってろよ【福音】!!今度こそ俺の手で倒してやるからな!!」

 

 命令違反を犯して飛び出した

 だが、その胸中にあるのは今度こそ自分の思い描いた結果にすると言う自己満足しかなかった…

 

 




 <予告>

 福音の暴走の裏にデジモンの存在を見つけた太一達

 その直後に飛び出す箒と追いかける一夏

 箒の突然の行動に太一達は魔王の存在を確信した

 そして二人を追う為、太一は新たな聖騎士を纏うのだが… 



 次回!!

 ISアドベンチャー 聖騎士伝説

 本命の第2陣!ロードナイトモン出撃!!

 今、冒険が進化する!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。