ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第071話:最終形態!黙示録の竜(サタンモード)降臨!!

全員

「………」

 

 指令室では【Bウォーグレイモン】の最期に全員が言葉を失っていた

 

「…ねぇ?」

 

 暫くして束が口を開いた

 

「彼は…【Bウォーグレイモン】は…デジモンだよね?デジモンとして…死んだんだよね?」

 

 束の問いに全員が頷いた

 

オータム

「ああ!アイツはデジモンだ!道具でも人形でもねえ…生きたデジモンだ!!」

 

千冬

「そうだ!アイツは友の為に自分の命を犠牲にした誇り高い男だ!!」

 

 口々に【Bウォーグレイモン】を称賛していた

 【Bウォーグレイモン】の姿は彼女達の心に深く刻まれたのだった…

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

ウォーグレイモン

「………」

 

 一方、海上のウォーグレイモンは【Bウォーグレイモン】の消えた空間を見つめていた

 

セシリア

「…ウォーグレイモンさん…」

 

ウォーグレイモン

「………」

 

 セシリアが呼びかけるがウォーグレイモンからの返事は無かった

 

セシリア&鈴&ラウラ&シャルロット

「………」

 

 セシリアも他の3人も返事が無い以上はこれ以上は何も言わない方がいいと判断した 

 だが、その時…

 

 パァ~…

 

セシリア&鈴&ラウラ&シャルロット

「!?」

 

 ウォーグレイモンの目の前が光輝いた

 光が収まるとそこには黒い光の球体が浮かんでいた

 それが一体何なのか…ウォーグレイモンには一目で分かった

 何故ならそれは…

 

ウォーグレイモン

「【Bウォーグレイモン】…」

 

セシリア&鈴&ラウラ&シャルロット

「えっ!?」

 

 【Bウォーグレイモン】の僅かに残った残留データだった

 

ウォーグレイモン

「…ああ…一緒に行こう…」

 

 ウォーグレイモンはそのデータを手に取ると自分の中に取り込んだ

 それは【Bウォーグレイモン】のもう一つの願い…

 『生きたい』と願う心が僅かなデータとして残ったものだった

 その願いをウォーグレイモンは一目で分かった

 だからこそ迷う事無くそのデータを自分の中に取り込んだのだ

 

「だ、大丈夫?」

 

 そしてそんな事をしたので心配になった鈴が今度は声を掛けた

 

ウォーグレイモン

「ああ…もう大丈夫だ…心配をかけたな…」

 

 すると今度は返事をした

 

ラウラ

「い、いや、お前が問題無いならそれでいいんだ…」

 

ウォーグレイモン

「スマナイな…俺は今から太一の援護に向かう。お前達はその2人を連れて下がれ。いいな?」

 

セシリア&鈴&ラウラ&シャルロット

「………はい…」

 

 4人は下がる様に言われ何かを言おうとした

 だが、事前に太一から一夏とナターシャを回収したら下がる様に言われていたので何も言えなかった

 

シャルロット

「じゃあ僕達は行くね。」

 

セシリア

「ウォーグレイモンさん、必ずや太一様と勝利を掴んで帰ってきて下さい!」

 

ウォーグレイモン

「任せろ!!」

 

 そう答えるとウォーグレイモンは太一の元に向かった

 残ったセシリア達も互いに頷き合うと【月花荘】へと戻って行った

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 時間を少し戻って【Bウォーグレイモン】が倒れた直後、別の場所で太一と戦っていた【ルーチェモン】は…

 

ルーチェモンFD

『ん?…チッ!役立たずが…』

 

 【Bウォーグレイモン】が倒れた事に気付き、舌打ちをして毒吐いた

 

太一

「何?」

 

 それに太一は反応した

 

ルーチェモンFD

『おや?聞こえたのかい?なら教えてあげよう。あの役立たずの人形は君のパートナーに始末されたよ。』

 

太一

「役立たずだと!?」

 

ルーチェモンFD

『その通りだろ?態々復活させたと言うのに消したはずの心は取り戻すは、私の命令に逆らうは、そんな物は役立たずで十分だ。』

 

 【Bウォーグレイモン】を侮辱する言葉を続ける【ルーチェモン】に太一の怒りは更に高まって行った

 

太一

「【ルーチェモン】…貴様…どれだけ【Bウォーグレイモン】を侮辱すれば…」

 

ルーチェモンFD

『フッ…役立たずを役立たずと言って何が悪い?』

 

 一切悪びれずに言う【ルーチェモン】に太一の怒りが遂に爆発した

 

太一

「【ルーチェモォォォォォン】!!!」

 

 怒りのまま【ルーチェモン】に向かって行く太一

 一方の【ルーチェモン】はそんな太一を見てほくそ笑んでいた

 

太一

「ウオオオオオオオォォォォォォォォッ!!!」

 

 ガキィン!

 

 帯刀を手に斬りかかった太一だが【ルーチェモン】はそれを軽々と受け止めた

 

ルーチェモンFD

(フッ…あの役立たずも少しは役に立ったか…今までと違い怒りで動きが単調になっているな…)

 

 【ルーチェモン】は内心そんな事を考えていた

 【ルーチェモン】が【Bウォーグレイモン】を蘇生させたのも自分の道具として使う他にもこういう理由があった

 怒りや憎しみは正常な判断を鈍らせ力を低下させる…

 この為でもあった

 現に今の太一は怒りで無駄な動きが多くなっていた

 【ルーチェモン】の狙い通りの展開になっていたのだ

 

太一

「オオオオオォォォォォッ!!!」

 

ルーチェモンFD

『クククッ…』

 

 それから太一と【ルーチェモン】は数度打ち合った

 

太一

「ドリャアッ!!」

 

 そして、太一が大振りとなり大きな隙が出来た

 

ルーチェモンFD

『そこだ!』

 

 その瞬間を狙って【ルーチェモン】は拳を繰り出した

 だが…

 

 パシッ!

 

ルーチェモンFD

『何っ!?』

 

太一

「オラァァァッ!」

 

 バキッ!

 

ルーチェモンFD

『ゲフッ!?』

 

 太一はそれを受け止め逆に【ルーチェモン】の顔面に拳を叩きこんだ

 

ルーチェモンFD

『ば、馬鹿な…』

 

 太一に一撃を入れられた事を【ルーチェモン】は信じられないもの物を見るような目で見ていた

 今の太一の動きは先程までの怒り任せの単純な物ではなく冷静に相手の動きを読んだ上での一撃だった

 

ルーチェモンFD

『ど、どう言う事だ!?』

 

 そんな太一に【ルーチェモン】は動揺していた

 

太一

「俺が怒りで我を忘れているとでも思ったのか?」

 

ルーチェモンFD

『な、何だと!?まさか貴様!?』

 

太一

「【Bウォーグレイモン】の事で怒り心頭なのは本当だ…だがな、人間ってのは怒りが限界を超えると逆に物事を冷静に見る事が出来るみたいなんだよ…」

 

ルーチェモンFD

『何っ!?』

 

 太一の話に【ルーチェモン】は驚愕した

 【Bウォーグレイモン】の事で太一は心は怒りで染まっていた

 だが、【ルーチェモン】は太一を怒らせすぎたのだ

 そのせいで太一の頭は逆に冷えてしまっており、冷静に状況を分析出来ていたのだ

 その為、太一は怒りを貯め込みながら【ルーチェモン】に溜め込んだ怒りの一撃を喰らわせる為の芝居をしていたのだ

 

ルーチェモンFD

『この私が…騙されたと言うのか!?』

 

太一

「そうなるな?」

 

ルーチェモンFD

『人間如きにこの私が…許さんぞおおおおおぉぉぉぉぉっ!!!』

 

太一

「それはこっちの台詞だあああああぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 自分が騙されたと聞き今度は【ルーチェモン】がキレた

 【傲慢】を司るだけあって自分の思い通りにいかなかった事が【ルーチェモン】の琴線に触れたからだった

 

ルーチェモンFD

『《パラダイスロスト》!!!』

 

 そのまま太一に《パラダイスロスト》を仕掛けた

 だが…

 

太一

「《スパイラルマスカレ―――ド》!!!」

 

 バキキキキキキキキキキキキキキキキキッ!!!!!

 

 太一は4本の帯刀による連続切り…《スパイラルマスカレード》で【ルーチェモン】の乱撃を迎え撃った

 

ルーチェモンFD

『何ぃっ!?』

 

太一

「ドラァッ!!」

 

 ボガッ!!

 

ルーチェモン

『ゴハッ!?』

 

 《パラダイスロスト》が破られた隙をついて太一は鳩尾に一撃を入れた

 

ルーチェモンFD

『グッ…ググッ…この私が…最強の魔王たるこの【ルーチェモン】が…人間如きに追い詰められていると言うのか…』

 

 《パラダイスロスト》が破られ二度も綺麗に一撃を喰らった【ルーチェモン】は自分で言う通り追い詰められていた

 

ルーチェモンFD

『そのような事…あってたまるかあああああぁぁぁぁぁっ!!!』

 

 【ルーチェモン】は今度は右手に光、左手に闇の球体を作り出すと…

 

ルーチェモンFD

『《デッド・オア・アライブ》!!!』

 

 2つを太一に向かって投げつけた

 光と闇の光球は太一の眼前でぶつかると球体型の魔方陣となって太一に向かって行った

 これが【ルーチェモン】のもう一つの必殺技…魔法陣の中に閉じ込めた相手を2分の1の確率で完全に消滅させるか大ダメージを受けるかのどちらかになる文字通り『生きるか死ぬか』を与える技…《デッド・オア・アライブ》だった

 向かって来る《デッド・オア・アライブ》に対して太一は…

 

 ジャキンッ!

 

 右腕のパイルバンカーを構え…

 

太一

「《アージェントフィア―――ッ》!!!」

 

 バゴォォォンッ!!

 

 魔方陣に向かってパイルバンカーを撃ち込んだ

 

 バチバチッ!!

 

太一

「グッ…ヌゥッ…」

 

 《アージェントフィアー》と《デッド・オア・アライブ》…互いの必殺技が押し合う中…

 

ルーチェモンFD

『今度こそくたばれぇぇぇっ!!!』

 

太一

「ぬぅぅぅっ…」

 

 次第に太一が押されてきた

 だがその時…

 

太一

「…アグ…モン…【Bウォー…グレイモン】…」

 

 太一の脳裏に【ルーチェモン】によって無理矢理戦わされている2人の姿が浮かんだ

 

太一

「…あんな…事…もう…あっては…いけない…その為にも…コイツを倒す!!!」

 

 すると太一は《デッド・オア・アライブ》を押し返し始めた

 

ルーチェモンFD

『な、何!?』

 

太一

「オオオオォォォォッ!!!《アージェントフィア―――ッ》!!!

 

 ガキョンッ!!

 

 太一は《デッド・オア・アライブ》を押しながら2発目の《アージェントフィアー》を撃ち込んだ

 

 バコォォォォォンッ!!!

 

 その結果《デッド・オア・アライブ》の魔方陣が破壊された

 

ルーチェモンFD

『ば、馬鹿なぁぁぁぁぁっ!!!』

 

 太一はそのままの勢いで動揺する【ルーチェモン】に接近すると…

 

太一

「《スパイラルマスカレ――――――ッ》!!!」

 

ルーチェモンFD

『グアアアアアアアァァァァァァァァッ!!!』

 

 【ルーチェモン】の全身を切り刻んだ

 

ルーチェモンFD

『うっ…ぐっ…』

 

 全身を滅多切りにされた【ルーチェモン】は満身創痍となっていた

 

太一

「…このまま止めと行きたいが…お前の腹の中には篠ノ之がいるからな…まずはアイツを引き摺り出す!!」

 

 そう言って帯刀で斬りかかった

 だが…

 

 ガシッ!

 

太一

「むっ!?」

 

 【ルーチェモン】が帯刀を掴んで止めた

 

ルーチェモンFD

『だ、誰がこの依り代を…渡すものか…』

 

太一

「しぶといな…」

 

ルーチェモンFD

『フッ…フヒヒッ…まだだ…まだ…依り代よ!!…この【傲慢の魔王】に選ばれた人間よ!!その命尽きるまで我が力の贄となれ!!!』

 

 カッ!!

 

太一

「な、何だ!?」

 

 【ルーチェモン】が叫んだ瞬間、掴んでいた帯刀が引き千切られ全身から凄まじい黒い光が溢れ出し周囲を覆いつくした

 

太一

「…これは…」

 

ウォーグレイモン

「太一!!!」

 

 その時、ウォーグレイモンが合流した

 

太一

「ウォーグレイモン…大丈夫か?」

 

ウォーグレイモン

「俺は大丈夫だ!だがこれは一体…」

 

太一

「分からん…篠ノ之を引き摺り出そうとしたら行き成りああなった…」

 

ウォーグレイモン

「そうか………ん?」

 

太一

「アレは…」

 

 光が消えるとそこには…

 

太一&ウォーグレイモン

「【デジタマ】!?」

 

 巨大な【デジタマ】があった

 そのサイズは【リヴァイアモン】の【デジタマ】並の大きさがあった

 

太一

「コレは…」

 

ウォーグレイモン

「太一、まさかコイツは!?」

 

太一

「恐らくな…篠ノ之箒…【ルーチェモン】が選んだだけの事はあるという事か…これ程の【傲慢】な心を持っていたのか…」

 

 2人は目の前の【デジタマ】の中にどんなデジモンがいるのかに気付いた

 そして、そのデジモンの力となった箒の【傲慢】の力に驚愕していた

 その時…

 

 ピシッ…

 

太一&ウォーグレイモン

「!?」

 

 ピシピシッ…

 

 【デジタマ】がひび割れて行った

 そして…

 

 バリィィィィィンッ!!!

 

 【デジタマ】が割れた

 しかし、そこから現れたのは…

 

『グルオアアアアアアアアァァァァァァァァッ!!!!!』

 

 黒紫の巨大な竜…

 頭上には【七つの大罪】の紋章が浮かび上がっており、手には巨大な暗黒球体《地獄(ゲヘナ)》を持っていた…

 2人は現れたデジモンを見て…

 

ウォーグレイモン

「やはり貴様だったか!!」

 

太一

「【ルーチェモン…サタンモード】!!!」

 

 予想していた通りのデジモンだった

 このデジモンこそ完全体の【ルーチェモンFD】が究極体へと進化した黙示録の竜…【ルーチェモン:サタンモード】(以後、ルーチェモンSM)の姿だった

 

ルーチェモンSM

『グルオアアアアアアアアァァァァァァァァッ!!!!!』

 

 黙示録の竜となった【ルーチェモン】の咆哮が響き渡るのだった…

 




 <予告>

 黙示録の竜…サタンモードへと姿を変えたルーチェモン

 その圧倒的な力にウォーグレイモンは倒されてしまう

 ルーチェモンに対抗する為、太一はその姿を天駆ける竜騎士へと変え決戦に挑むのだった



 次回!!

 ISアドベンチャー 聖騎士伝説

 空中決戦!白き飛竜デュナスモン!!

 今、冒険が進化する!


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