ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第072話:空中決戦!白き飛竜デュナスモン!!

ルーチェモンSM

『グルオアアアアアアアァァァァァァァァァッ!!!!!』

 

代表候補生達

「!?」

 

 一夏とナターシャを連れて旅館に戻る途中のセシリア、鈴、ラウラ、シャルロットの4人は後方から突然聞こえた雄叫びに振り向いた

 

セシリア

「何ですの今の声!?」

 

シャルロット

「分からない…太一とウォーグレイモンの声じゃなかったし【ルーチェモン】とも違った…」

 

ラウラ

「教官聞こえますか!!何があったか分かりますか!!」

 

 突然聞こえた雄叫びが誰のものか分からずラウラは指令室の千冬達に通信を送った

 すると返ってきた答えは…

 

千冬

『アレは…【ルーチェモン】の声だ…』

 

代表候補生達

「【ルーチェモン】!?」

 

 声の主が【ルーチェモン】と知り4人は驚愕の声をあげた

 

「アレが【ルーチェモン】ってどういう事ですか!!怪物の声にしか聞こえませんでしたよ!!」

 

千冬

『お前の言う通りだ…【ルーチェモン】は『怪物』になった…』

 

代表候補生達

「怪物!?」

 

ラウラ

「怪物とはどういう意味ですか!?」

 

千冬

『そのままの意味だ…奴は八神に止めを刺される寸前のところまで追い詰められた…だが突然【デジタマ】に戻ると巨大な『竜』の姿で現れたんだ…』

 

代表候補生達

「竜!?」

 

 千冬は現在の状況を搔い摘んで説明した

 だが、話が飛び過ぎてしまい4人の理解が追いついて行かなかった

 

千冬

『お前達!こっちに戻っているなら急げ!!恐らく戦いは今まで以上に激しくなるぞ!!その場所も安全か分からん!!』

 

代表候補生達

「りょ、了解!!」

 

 現状に追い付いて行けない4人を千冬は一喝し、すぐに戻るように指示を出した

 4人も気を取り直すと旅館に向かって全速力で移動を再開したのだった…

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

ルーチェモンSM

『グルオアアアアアアアァァァァァァァァァッ!!!!!』

 

太一&ウォーグレイモン

「………」

 

 一方、太一とウォーグレイモンは【サタンモード】となった【ルーチェモン】と対峙していた

 だが【ルーチェモン】には【フォールダウンモード】の時と違い、理性と呼べる物が感じられなかった

 しかし…

 

ルーチェモンSM

『グルアアアアアァァァァァッ!!!!!』

 

太一&ウォーグレイモン

「!?」

 

 【ルーチェモン】は目の前にいる太一とウォーグレイモンに襲い掛かって来た

 

太一

「チッ!やはり理性を無くしているな!」

 

ウォーグレイモン

「ああ!目につくもの全てを破壊すると言った感じだ!!」

 

 2人も今の【ルーチェモン】の現状を理解していた

 今の【ルーチェモン】にはスカルグレイモンの様な破壊本能しかなかった

 

太一

「行くぞ!!!」

 

ウォーグレイモン

「オウ!!!」

 

 こうして太一とウォーグレイモンは【ルーチェモン】との最後の決着を付ける為に飛び出した

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 現在、指令室のある【月花荘】では先程の【ルーチェモン】の咆哮がこの旅館にまで響いていた事で、教師や生徒達、更には旅館の従業員に至るまで全員がパニックを起こしていた

 その為、現在は真耶とオータムが説明の為に指令室を離れていた

 そんな混乱の中…

 

千冬

「束!!あの化け物のデータは無いのか!!」

 

「今調べてるよ!!!」

 

 束は【ルーチェモン】について調べていた

 束は以前太一から【デジヴァイス】にあるデジモノ図鑑の全データを貰っていた

 だが、全てのデジモンのデータともなればその量は膨大で束の持つ端末でも【デジヴァイス】程の検索速度を持っていなかった

 その為、デジモン1体の情報を引き出すだけでも多少の時間を必要としていた

 そんな中…

 

セシリア

「戻りました!!!」

 

 出撃していた4人が戻って来た

 

千冬

「戻ったか!!全員無事だな!!」

 

シャルロット

「はい!ナターシャさんと一夏はマドカの治療に当たっている先生に預けてきましたけど…」

 

「何ですかこの騒ぎ?」

 

 戻って来た4人は最初は旅館内がパニックになっている事に首を傾げていたのだが…

 

ラウラ

「…もしかして…」

 

 この騒ぎの理由に心当たりがあった

 

千冬

「ああ、お前達の聞いた【ルーチェモン】の声はココまで届いていた…そのせいでパニックが起きてしまった…恐らくこの一帯の住民全てが同じ状況だろう…」

 

ラウラ

「やはり…しかし、ココまで聞こえていたとは…」

 

千冬

「一先ず真耶とオータムには旅館内の全員を落ち着かせて貰っている。」

 

「だからいないんですね…」

 

セシリア

「それで織斑先生…通信で仰っていた『竜』と言うのは?」

 

千冬

「ああ、コイツの事だ…」

 

 そう言って千冬は太一とウォーグレイモンの戦闘を4人に見せた

 

代表候補生達

「!?」

 

 【サタンモード】となった【ルーチェモン】の姿に4人は絶句した

 

「な、何よあの化け物!?」

 

シャルロット

「なんて禍々しい姿…」

 

セシリア

「アレが【ルーチェモン】!?」

 

ラウラ

「信じられん…」

 

 4人は【サタンモード】を見て思い思いの事を口にしていると…

 

「出た!!」

 

全員

「!?」

 

 検索をかけていたデータが表示された

 

「皆!あのデジモンの詳細が分かったよ!」

 

 束がそう言うと全員がその場に集まった

 そして表示されたデータを見て…

 

千冬

「【ルーチェモン…サタンモード】!?…やはり究極体だったのか!?」

 

シャルロット

「【サタンモード】…魔王の姿…でもアレじゃ…」

 

「魔王って言うより『魔竜』よ!!」

 

ラウラ

「鈴の言う通りだな…」

 

セシリア

「はい…しかも究極体へ進化した事で魔王型から魔神型へと変わっています…恐らくその力は今迄の比ではありませんわね…」

 

「…たっくん…アッくん…」

 

 【ルーチェモンSM】のデータと現在の映像を見ながら全員が二人の勝利と無事な帰還を祈るのだった…

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

太一&ウォーグレイモン

「ウオオオオオオオォォォォォォォォッ!!!」

 

ルーチェモンSM

『グラアアアアアアァァァァァァァァッ!!!』

 

 ズドォォォンッ!ドゴォォォンッ!バゴォォォンッ!

 

 海上では太一とウォーグレイモンが【ルーチェモン】と激しい戦いを繰り広げていた

 

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………

 

 更に互いに激突するたびに凄まじい衝撃が起こり、海に巨大な波紋が何度も出来ていた

 

ウォーグレイモン

《ガイアフォ―――ス!!!》

 

 ドカァァァァァンッ!!

 

 そんな中、ウォーグレイモンの《ガイアフォース》が【ルーチェモン】に直撃した

 そこに…

 

 ガキョン!

 

太一

《ア―――ジェントフィア―――ッ!!!》

 

 ドゴォォォォォンッ!!

 

 太一が《アージェントフィアー》を撃ち込んだ

 しかし…

 

ルーチェモンSM

『グラアアアアアアァァァァァァァァッ!!!』

 

太一&ウォーグレイモン

「チィッ!!」

 

 【ルーチェモン】は2人の攻撃を受けながらもピンピンしていた

 しかも受けたダメージも今までと同じように一瞬で回復してしまった

 

太一

「クソッ…」

 

 ピシッ!

 

太一

「パイルバンカーが!?」

 

 その時、右腕のパイルバンカーがひび割れた

 

ウォーグレイモン

「太一!?」

 

太一

「…限界か…いや、今まで持った方か…」

 

 【ロードナイトモン】は既に限界が来ていた

 今まで【フォールダウンモード】の【ルーチェモン】と戦い続けていた上に【ルーチェモン】の《デッド・オア・アライブ》を砕くと言う無茶をした為だった

 その為太一は…

 

 [BGM:The Last Element]

 

太一

「《デジタルセレクト》!!【モード:デュナスモン】!!!

 

 新しい聖騎士に切り替えた

 【アルフォースブイドラモン】と同じ竜の頭部…

 白い鎧を纏い、紫の竜の翼を羽ばたかせた聖騎士…

 【ロイヤルナイツ・デュナスモン】の姿があった

 

太一

「行くぞウォーグレイモン!!ここからが本番だ!!」

 

ウォーグレイモン

「オウ!!!」

 

 2人は気を引き締め直し再び【ルーチェモン】へと向かって行った

 

太一

「《ドラゴンズロア!!!》

 

 ズガァァァァァンッ!!

 

 太一は【デュナスモン】の両手の手の平から放つエネルギー弾《ドラゴンズロア》を撃ち込んだ

 

ルーチェモンSM

『ガアアアアアアアァァァァァァァァァッ!!!』

 

 《ドラゴンズロア》を撃ち込まれ【ルーチェモン】は僅かだが怯んだ

 そこに…

 

ウォーグレイモン

《ブレイブトルネ―――ド!!!》

 

 ウォーグレイモンが《ブレイブトルネード》で突っ込んでいった

 だが…

 

ルーチェモンSM

『グラアアアァァァッ!!!』

 

 バキィンッ!!

 

ウォーグレイモン

「ぐあああああぁぁぁぁぁっ!!」

 

 【ルーチェモン】は尻尾で突っ込んでくるウォーグレイモンを叩き落とした

 

太一

「ウォーグレイモン!?」

 

ウォーグレイモン

「グッ…ググッ…(俺の力じゃ…もう魔王には通じないのか!!)」

 

 ウォーグレイモンは自分の力が通用しない事に悲観していた

 その時…

 

太一

「ウォーグレイモン!!!」

 

ウォーグレイモン

「…え?」

 

 太一の呼びかけにウォーグレイモンは顔をあげた

 そこには…

 

ルーチェモンSM

『グルルルル…』

 

 ウォーグレイモンに向かって口を開けた【ルーチェモン】がいた

 そして…

 

ウォーグレイモン

「しまっ…」

 

《パーガトリアルフレイム!!!》

 

 口から全てを浄化する破壊の炎…《パーガトリアルフレイム》を撃って来た

 僅かに気を逸らしていた為、ウォーグレイモンは反応出来ずに躱す事が出来なかった

 その為…

 

ウォーグレイモン

《ブレイブシ―――ルド!!!》

 

 バゴォォォォォ…

 

 咄嗟に《ブレイブシールド》で防ごうとした

 しかし…

 

ウォーグレイモン

「グッ…ググッ…うあああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

太一

「ウォーグレイモン!?」

 

 《ブレイブシールド》では防ぎきれずそのまま《ブレイブシールド》が破壊されウォーグレイモンは《パーガトリアルフレイム》に呑み込まれた

 

 ドゴォォォォォンッ!!

 

 ウォーグレイモンを呑み込んだ《パーガトリアルフレイム》が海に着弾すると巨大な爆発が起きた

 海水は一瞬の内に蒸発してしまい海の底が露わとなりそこには巨大なクレーターが出来上がっていた

 そしてその中心には成長期に戻ったアグモンが倒れていた

 

太一

「アグモン!!!」

 

 太一はすぐにアグモンの元に向かった

 

アグモン

「ううっ…た、太一…」

 

太一

「アグモン…良かった…」

 

 傷だらけにはなっていたがアグモンが無事だった事に太一は安堵した

 しかし…

 

アグモン

「ゴメン…僕が弱いばっかりに…」

 

太一

「何を言い出すんだ!?」

 

 アグモンは突然謝り出し、自分を卑下しだした

 これには流石の太一も慌てた

 

アグモン

「僕は…太一を守らないといけないのに…こっちに来てから僕はあんまり役に立ってない…魔王も全部太一が倒してる…」

 

 これまでの戦いは太一が魔王を倒してきた

 そしてアグモンはどちらかと言えばサポートに回っていた

 その事をアグモンは気にしていた

 だが、そうなっても仕方なかった

 太一のIS…【ロイヤルナイツ】は【イグドラシル】が本物の【ロイヤルナイツ】と同じ能力を持たせて造った物だった

 その為、いくら長い年月を太一と共に戦い続けたウォーグレイモンでも力の差を感じてしまうのは仕方の無い事だった

 

太一

「アグモン………むっ!?」

 

アグモン

「え…」

 

 太一は突然アグモンを抱えた

 突然の太一の行動にアグモンは驚くがすぐにその理由が分かった

 今は【ルーチェモン】との戦闘中だった

 理性を無くしている今の【ルーチェモン】が2人の話が終わるのを待つ筈も無く襲い掛かって来たのだ

 

ルーチェモンSM

『グラアアアアアアァァァァァァァァッ!!!』

 

太一

「チッ!《ドラゴンズロア!!!》

 

 咄嗟に太一は地面に向かって《ドラゴンズロア》を撃ち込んだ

 《ドラゴンズロア》の爆発で周囲に粉塵が巻き起こり二人の姿を【ルーチェモン】から隠した

 

ルーチェモンSM

『ガル?』

 

 2人を見失った【ルーチェモン】は周りを見渡していた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 《ドラゴンズロア》の爆発を利用して【ルーチェモン】の目から逃れた2人はさっきまで戦っていた海域から少し離れた場所にある小島に移動していた

 尤も離れたとは言ってもまだ【ルーチェモン】が肉眼で見える位置だった

 

太一

「…コレで少しは時間が出来たか…」

 

 そう言って太一はISを解除した

 

アグモン

「太一…」

 

 僅かではあるが時間が出来安堵した太一と違いアグモンは俯いたままだった

 

太一

「…なあアグモン…俺な…こっちの世界に来て【リヴァイアモン】と戦った時…凄く嬉しかったんだ…」

 

アグモン

「え…嬉しい?」

 

 突然の太一の言葉にアグモンは顔を上げた

 アグモンのみた太一は笑みを浮かべていた

 

太一

「ああ、やっと…お前と本当の意味で肩を並べて戦う事が出来たんだからな…」

 

アグモン

「僕と…肩を並べる?」

 

太一

「ああ、俺達の戦いは何時も俺達人間がお前達パートナーを進化させて戦って貰っていた…いつも…傷ついていたのはお前達デジモンだった…」

 

アグモン

「太一!それは!!」

 

太一

「分かってるさ…それが俺達の…人間とデジモンのコンビの戦い方だって言うのは…でもな…アグモンだけを戦わせて俺は安全な場所で見ている…それが…本当は嫌だったんだ…」

 

 アグモンがこのIS世界で自分の力不足を嘆いていた様に太一もまた生前からこのような思いを持っていた

 如何に太一と言えど本当にアグモンの隣に立って戦うという事は出来なかった

 むしろそんな事が出来る人間がいるとしたら太一の知る限り一人しか思い浮かばなかった

 異世界で出会った自分と同じくアグモンをパートナーにしていた男…『日本一の喧嘩番長』と名乗っていた『大門大』だけだった

 聖騎士も魔王も神すらも()()()()()()()『大門大』の様な事は太一でも出来なかった

 だが、そんな『大門大』を太一は羨ましく感じていたのだ

 

太一

「でも【イグドラシル】からこのISを貰った時…コレでお前の横に立てるんだって…一緒に戦えるんだって…そう思うと本当に嬉しかったんだ!!」

 

 そう言いながら太一は再び笑った

 

アグモン

「太一…ゴメン!太一の気持ちも知らないでこんな事言って…」

 

 太一の本心を知りアグモンも再び謝った

 だが、太一は首を横に振るだけだった

 

太一

「いいんだ…俺の方こそアグモンの気持ちに気付かなくてゴメンな…」

 

 そして太一も謝った

 

太一&アグモン

「フフフフッ…」

 

 互いに謝ると自然と2人は笑い合った

 だが…

 

ルーチェモンSM

『グラアアアアアアァァァァァァァァッ!!!』

 

太一&アグモン

「!?」

 

 【ルーチェモン】が2人に気付いた

 

太一

「アグモン…一つ言っておく…俺は一度だって…ただの一瞬だって…お前を邪魔に思った事は無い!!お前は…俺のたった一人のパートナー…大切な家族だからだ!!!」

 

アグモン

「…太一…」

 

 太一はアグモンにそう伝えると【デジヴァイス】を掲げ再び【デュナスモン】を纏った

 

アグモン

「太一!!!」

 

太一

「ん?」

 

 【デュナスモン】となって飛び立とうとした太一をアグモンが呼び止めた

 

アグモン

「太一!僕も同じだよ!!太一は僕の一番のパートナーで家族だ!!!」

 

太一

「ああ!!」

 

 アグモンの言葉に太一は笑みを浮かべて頷いた

 

太一

「行って来る!!」

 

アグモン

「うん!!頑張って!!」

 

太一

「オウ!!!」

 

 アグモンの激励を受け、太一は【ルーチェモン】に向かって飛び立った

 

 




 <予告>

 デュナスモンとなった太一とルーチェモンの空中戦は激しさを増していく

 そんな中、傷つき太一の戦いを見守る事しか出来ないアグモン

 その時、アグモンの前に現れたBウォーグレイモン

 アグモンとBウォーグレイモンの心が一つになる時、それは新たな進化の時だった

 今ここに不滅の炎を纏いし伝説の竜が降臨する!!



 次回!!

 ISアドベンチャー 聖騎士伝説

 蘇る伝説!爆誕!エンシェントグレイモン!!

 今、冒険が進化する!

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