ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第078話:ブラックウォーグレイモンの夢

 

 最後は有耶無耶になってしまったがデジモンの説明会も終わったので、太一とコロモンは今は浜辺に来ていた

 

太一

「…今回は色々大変だったな…」

 

コロモン

「うん…こっちに来て一番激しい戦いだったよ…」

 

 2人は今回の【ルーチェモン】との戦いを振り返っていた

 

太一

「残りの魔王は【暴食】と【色欲】の2体か…」

 

コロモン

「問題は誰に憑りついてるかだね?」

 

太一

「ああ、だが残りの2体も()()()()()()()()()()()()()()()()()()…」

 

コロモン

「うん…ここまで来るとそうなるだろうね…」

 

 そのまま残りの魔王の事へと話が変わっていた

 2人の間では既にIS学園に【七大魔王】を引き付ける何かがあるという事はほぼ確定していた

 今回の【ルーチェモン】に憑りつかれていた箒を合わせて5人目もIS学園の生徒…つまり関係者だったからだ

 同じ様に束や千冬もすでにそう結論付けていた

 だが、一体何が原因で【七大魔王】がIS学園に集まるのか…その理由は未だに分からずにいた

 その事が2人にとって一番不安な事だった

 

太一

「もうすぐ一学期も終わるし…夏休みに入ったら一度束達とその辺りを詳しく話し合うか…」

 

コロモン

「それがいいね…」

 

太一

「ああ…」

 

 そのまま2人は夏休みの予定も決めたのだった

 それから暫く話していると…

 

コロモン

「…ねえ太一…」

 

太一

「ん?」

 

コロモン

「実はね…Bウォーグレイモンの事なんだけど…」

 

太一

「…ああ…この戦い…アイツのお陰で勝てたようなものだ…」

 

コロモン

「そうだね…彼のお陰で僕は新しい力を手に入れる事が出来た…」

 

 コロモンがBウォーグレイモンの名前を出した

 太一もBウォーグレイモンの話をしようと思っていたのだ

 

太一

「…もっと…話したかったな…」

 

コロモン

「うん…話したい事が沢山あった………それでね太一…あの時、Bウォーグレイモンが現れた理由なんだけど…」

 

 そしてコロモンは何故あの場面でコロモンの手で倒した筈のBウォーグレイモンが現れたのか、その理由を話した

 太一はその理由をまだ知らなかったからだ

 

太一

「…そうか…アイツの残留データを…」

 

コロモン

「うん…それでね?そのデータなんだけど…僕を進化させるのに使ったみたいで残っているのはいくつかの『画像データ』だけなんだよ…」

 

太一

「画像データ?どんなものだったんだ?」

 

コロモン

「太一と見ようと思ったからまだ見て無いよ。」

 

太一

「そうか…じゃあ今から見るか?」

 

コロモン

「うん!データは【デジヴァイス】を通して見る事が出来るよ。」

 

太一

「分かった。」

 

 太一は【デジヴァイス】を取り出し、早速その画像データを開いた

 そしてそれを見て…

 

太一&コロモン

「!?」

 

 2人は言葉を失った…

 そのまま2人は体を震わせていた

 コロモンに至っては目から涙を溢れさせていた

 何故なら、そこに映っていたのは…

 

 …太一とアグモン、そしてBウォーグレイモンの3人が一緒に歩いている姿…

 

 …【デジヴァイス】を構えた太一とその前に並び立つウォーグレイモンとBウォーグレイモン…

 

 …小高い丘で遠くの景色を見つめる3人…

 

 …そして、楽しそうに笑う3人の笑顔…

 

コロモン

「…B…ウォーグレイモン…」

 

太一

「…アイツ…」

 

 それは…Bウォーグレイモンの『夢』…そのものだった…

 Bウォーグレイモンが最後に語った『冒険』と言う夢が込められたデータだったのだ

 

太一

「………」

 

 太一はそのままコロモンを抱きしめた

 その頬を一筋の涙が流れたのだった…

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 太一とコロモンがデータを見ている頃…

 

シャルロット

「何を見てるんだろ?」

 

ラウラ

「…見に行くか?」

 

「行ける雰囲気じゃないわよ…」

 

セシリア

「ですわね…」

 

 セシリア、ラウラ、シャルロットは立ち直った鈴と一緒に離れた所から2人の様子を窺っていた

 4人は悪いと思いながらもISのハイパーセンサーを使い2人の会話をコッソリ聞いていた

 その中で4人もコロモンがBウォーグレイモンの残留データを取り込んだ事は知っていたのでそのBウォーグレイモンの残した画像データを見たいと思ったのだが2人から漂う雰囲気から出て行きづらかった

 

セシリア

「………戻りましょうか?」

 

鈴&ラウラ&シャルロット

「…うん…」

 

 戻ろうと言うセシリアに3人も同意した

 今は2人だけにした方がいいと4人は空気を呼んだのだ

 だが、その時…

 

シャルロット

「あ…」

 

ラウラ

「どうした?」

 

 シャルロットが何かに気付いた

 

シャルロット

「アレ…」

 

 シャルロットが指さした方向…

 3人がそこに視線を向けるとそこには…

 

「げっ!?」

 

 一夏がいた

 その一夏は太一とコロモンのいる場所に向かっていた

 しかもその表情は明らかに不機嫌と言う様な顔をしていた

 4人はそんな一夏を見てまた太一に絡もうとしているのだとすぐに理解した

 だが、それ以上に…

 

セシリア&鈴&ラウラ&シャルロット

(空気を読めえええええぇぇぇぇぇっ!!!)

 

 空気を読まない一夏に心の中で叫んだのだった…

 

 





 <予告>

 Bウォーグレイモンを想う太一とコロモンの前にやってきた一夏

 今迄と同じように自分勝手な事を言う一夏に呆れる2人

 そんな一夏に太一は何を言うのか?



 次回!!

 ISアドベンチャー 聖騎士伝説

 『守る』と言う意味

 今、冒険が進化する!


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