鈴と平行世界の一夏達6人は試合を行う事が決まるとそれぞれの陣営は早速準備に取り掛かった
鈴は束から【メガロ・ドラグナー】の調整をして貰っていた
その束の姿を平行世界の束や千冬、一夏達は信じられないものを見るような目で見ていた
自分達の知る束(平行)なら一夏(平行)と箒(平行)のISの調整はしてもそれ以外の人のISを弄るなんて事はまずしないからだ
それはその通りで平行世界の方の束は一夏(平行)と箒(平行)のISしか調整しなかった
他の4人は真耶(平行)に手伝って貰いながら調整を行っていた
そして、互いの準備が終わると…
鈴
「行くわよ!!【メガロ・ドラグナー】!!!」
先ずは鈴がISを展開し飛び上がった
それに続くように平行世界側の6人もISを展開すると飛び上がり、先に上空に上がった鈴と向き合う位置に着いた…
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千冬(平行)
「…それではお互い準備はいいか?」
審判役の千冬(平行)がそう聞くと全員が頷いた
千冬(平行)
「それでは…始め!!!」
千冬(平行)の合図と共に試合が始まった…
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箒(平行)
「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
試合が始まると箒(平行)が飛び出してきた
他の5人はそんな箒(平行)の行動に驚きつつ鈴を取り囲むように移動していた
箒(平行)は【紅椿】の二本の刀…【
ガキン!!
箒(平行)
「何っ!?」
鈴は両腕の《ペンデュラムブレイド》で軽々と受け止めていた
鈴
「…雑な太刀筋ね?」
箒(平行)
「何だと!?」
鈴
「フンッ!!」
ドカッ!
箒(平行)
「グッ!?」
鈴はそのまま箒(平行)の刀を押し返して弾き飛ばすと同時に蹴りを放った
鈴は体勢の崩れた箒に追撃をかけようとするが…
鈴
「ムッ!」
ドンッ!ドガガガガガガッ!
セシリアとシャルロットの左右からの射撃によって邪魔をされた
2人の攻撃を躱すと…
鈴
「!?」
鈴の動きが突然止まった
鈴
「これはAIC…ラウラ(平行)ね…」
そう言う鈴の視線の先には鈴に向かって手の平を翳すラウラ(平行)の姿があった
そしてそこに…
一夏(平行)&鈴(平行)
「はああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
一夏(平行)と鈴(平行)がチャンスとばかりに斬りかかって来た
だが、この6人は鈴にAICが全く効かない事を知らなかった…
その為…
鈴
「ヌンッ!!」
ラウラ(平行)
「何っ!?AICが!?」
ガキキンッ!!
AICを力づくで振り解いた鈴は箒(平行)の時と同じように《ペンデュラムブレイド》で2人の攻撃を受け止めた
一夏(平行)&鈴(平行)
「!?」
そのまま鍔迫り合いとなったが…
鈴(平行)
「な、何よこのパワー!?」
一夏(平行)
「2人がかりで押し負けるだと!?」
2人は次第に押され始めた
【メガロ・ドラグナー】は5体の【Dシリーズ】の中で最も高いパワーを誇るIS…普通のIS程度なら2体がかりでも力負けはしなかった
ラウラ(平行)
「一夏(平行)!鈴(平行)!」
押されている2人を援護する為、ラウラ(平行)が後ろからワイヤーブレードを撃って来た
だが…
鈴
「…《アサルトバランサー!》」
ビュッ!
ドガガガンッ!!
ラウラ(平行)
「なっ!?」
6本のワイヤーブレードの内、3本が《アサルトバランサー》によって斬り裂かれ破壊された
そして、そのまま…
バキバキッ!!
一夏(平行)
「グアアアアアアアァァァァァァァァッ!!」
鈴(平行)
「キャアアアアアアァァァァァァァァッ!!」
《アサルトバランサー》は鈴と押し合いをしている2人を弾き飛ばした
セシリア(平行)&シャルロット(平行)
「はぁっ!!」
セシリア(平行)は4機のビットを切り離し、シャルロット(平行)は新しい射撃武器を展開し狙い撃とうとした
鈴
「…遅いわよ!」
だが、鈴は2人の射撃を全て躱していった
セシリア(平行)
「そんな!?」
シャルロット(平行)
「僕達の攻撃を全部見切ってる!?」
驚く2人を他所に攻撃を躱していった鈴は一端距離を取ろうとした
しかし、そこに…
箒(平行)
「おのれええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
鈴
「ん?」
箒(平行)が再び突っ込んで来た
真正面から向かって来る箒(平行)に対して、鈴は両腕を正面で組んだ
すると、《ペンデュラムブレイド》がエネルギーの刃になり、鈴は両肩のバーニアを点火させ箒(平行)に向かって突撃した
箒(平行)
「!?」
鈴
「《ダブルエッジ!!!》」
バキャァァァァァンッ!!!
箒(平行)
「グアアアアアアアァァァァァァァァッ!!」
ただ突っ込んで来た箒(平行)では鈴の《ダブルエッジ》に敵う筈も無く箒(平行)は派手に吹っ飛ばされた
一夏達(平行)
「箒(平行)!?」
一夏達(平行)はこのままでは不味いと考え、飛ばされた箒(平行)の下に一端集まった
だが、これは完全な失策だった
何故なら…
鈴
「《アトミック!!!》」
一夏達(平行)
「!?」
鈴
「《ブラスタ―――――ッ!!!》」
一か所に集まった事で【メガロ・ドラグナー】最強の火力兵装《アトミックブラスター》で一掃出来るからだ
ドガアアアアアァァァァァンッ!!!
6人は躱す事が出来ず《アトミックブラスター》の直撃により大爆発が起きた
普通に見れば今の一撃で6人纏めて倒されたように見えるのだが鈴は全く油断していなかった
千冬(平行)から終了の合図が出ない以上、鈴は気を抜く事はせず、爆発の煙を見つめていた
すると…
鈴
「!?」
ドンッ!
煙の中から一筋の光が鈴に向かって放たれた
だが、警戒を怠っていなかった鈴はそれを簡単に躱した
そして、煙が晴れると…
鈴
「………」
そこには《アトミックブラスター》の直撃を受けたのにも拘らず無傷の6人がいた
そして、セシリア(平行)が【スターライト】を向けている事から今の砲撃はセシリア(平行)が撃ったものの様だった
だが、そんな事よりも…
鈴
「…変ね?《アトミックブラスター》を喰らって全員無事なんて…少なくても《ダブルエッジ》を喰らった箒(平行)は確実にリタイアする筈なんだけど………ん?」
全員が無事な事に疑問を持っていた
すると鈴はある事に気付いた
それは前に出ている一夏(平行)だった
鈴
「…あの左手…そう言えばこっちのアイツのIS…【白式】と違ってたわね?でも【雪片】を持ってるし…【零落白夜】を使ってるって事は…もしかして【白式】が
ラウラ(平行)がAICを使用する時の様に左手を鈴に向けて広げている一夏(平行)を見て鈴はあの左手に秘密があると考えた
更によく見ると一夏(平行)のISが【白式】に似た機体だったのに今更ながら気づいた
鈴
「もし
鈴の予想通り、あの左手は
一夏(平行)はこの【雪羅】のシールドで《アトミックブラスター》を防いでいた
だが…
一夏(平行)
「あ、危なかった…【雪羅】のシールドが間に合わなかったらやられてた…」
セシリア(平行)
「助かりましたわ…」
鈴(平行)
「一体何よあの砲撃!?【龍咆】の何十倍も威力があるわよ!?」
一夏(平行)
「ああ、もう一発同じのを撃たれたら今度は【雪羅】でも防げないぞ!!」
シャルロット(平行)
「ええっ!?な、何でなの!?」
一夏(平行)
「コイツのシールドは【白式】のSEを使うんだ…今の砲撃を防いだだけでSEの半分以上を持っていかれちまった!【零落白夜】も使えて後1回だ!」
専用機持ち(平行)
「ええっ!?」
【雪羅】にも弱点はあった
【雪羅】のシールドは【零落白夜】と同じで【白式】のSEを消費して発動出来る
しかし、今の鈴の《アトミックブラスター》1発で【白式】のSEは残り半分を切ってしまっていたのだ
だが、それを聞いて…
箒(平行)
「なら私に任せろ!!
箒(平行)が【紅椿】の
鈴
「…何してんの?」
箒(平行)が
束(平行)が造ったISならそのくらい出来そうなものだからだ
だが、何故このタイミングで使って来たのかに首を傾げていた
その理由はすぐに分かった
何故なら…
箒(平行)
「受け取れ一夏!!」
一夏(平行)
「サンキュー!!…良し!!SE全回復だぜ!!」
鈴
「!?」
半分以下になっていた【白式】のSEが回復したからだ
コレが第4世代として平行世界の束が造った【紅椿】の力だった
【紅椿】の【絢爛舞踏】は自身のSEを回復させ、更には他のISに渡す事が出来るのだ
ただし、【紅椿】を使いこなせていない今の箒(平行)ではこの回復能力を使える回数はそれほど多くは無かった
使いこなせれば【紅椿】は文字通り無限のSEを供給し続ける事も出来るのだが今の箒(平行)ではまだそこまでの事は出来ず、箒自身(平行)もその事に気付いていなかった
一夏(平行)
「コレで仕切り直しだぜ!!」
そして箒(平行)によって他の4人のSEも全回復した
尤も、5人分もの回復をしたので【絢爛舞踏】は打ち止めになっていた
鈴
「………(仕切り直し、ねえ…)」
仕切り直しと一夏(平行)は言うが実際はそうではなかった
鈴の《アトミックブラスター》には強力過ぎる為に幾つかの欠点があった
それが連続使用が出来ない事と再使用出来るようになるまで衝撃砲すら使えなくなってしまう事だった
なので《アトミックブラスター》を使った直後の今の状況は鈴が不利になっていると言えるのだが…
鈴
(まあいいか…)
《アトミックブラスター》が使えなくなっても鈴は全く気にしていなかった
そして、鈴は《ペンデュラムブレイド》を構えて飛び出そうとした時…
束
『聞こえる鈴ちゃん?
鈴
「博士?急にどうしたんですか?」
突然、束から通信が入って来た
束
『もう
鈴
「え!?いいんですか?」
試合を終わらせろと言う束の理由が飽きたからと言うとんでもない理由だった
束
『いいよ、向こうも
一夏達(平行)
「!?」
鈴と束の会話は一夏達(平行)の方にも聞こえていた
束が飽きた原因が自分達だと言われ6人は目を見開いた
一夏(平行)
「つ、つまらない!?束さん!!どう言う意味ですか!?」
束
「あ、聞こえてたの?そのままの意味だよ。鈴ちゃん1人を相手に6人がかりで未だにダメージ一つ与えられない試合なんて見ててもつまんないよ。そもそもそっちは6人もいるのに連携が殆ど出来てないじゃん。中でも箒ちゃん(平行)は1人で突っ走って誰とも協力しようとしてないでしょ?そんなバラバラな集団戦見る価値無いよ。」
一夏達(平行)
「………」
束が飽きた理由に一夏達(平行)は何も言えなかった
特に束からダメ出しを受けた箒(平行)は唇をかみしめていた
鈴1人を相手にこの6人は未だに掠り傷一つ与えていないのだ
面白くないと言えばその通りとも言えた
そして、試合を終わらせろと言われた鈴は…
鈴
「分かりました!!
一夏達(平行)
「何っ!?」
鈴
「【エヴォリューションプログラム】発動!!!」
《E・V・O・L・U・T・I・O・N》
【メガロ・ドラグナー】の
【エヴォリューションプログラム】の発動と同時に【メガロ・ドラグナー】は光に包まれた
一夏(平行)
「エヴォ…リューション?」
[BGM:One Vision]
鈴
「【メガロ・ドラグナー】超進化!!!」
光に包まれた鈴の姿を6人はただ見つめている事しか出来なかった
そして…
鈴
「【メギド・ドラグ―――――ン】!!!」
一夏達(平行)
「なっ!?」
光の中から進化を終えた【メギド・ドラグーン】が現れた
姿の変わった【メギド・ドラグーン】の姿に一夏達(平行)だけでなく地上にいる千冬達(平行)も驚きの余り言葉を失った
そして、ココから『真紅の煉獄竜』…【メギド・ドラグーン】による第2ラウンドが始まるのだった…
<予告>
だが、驚くのはまだ早かった
平行世界の人々はこれからメギド・ドラグーンの力を思い知る事になるのだった
次回!!
ISアドベンチャー 聖騎士伝説
圧倒せよ!
今、冒険が進化する!