千冬(平行)&束(平行)&真耶(平行)
「………」
地上では進化した鈴の【メギド・ドラグーン】の姿に平行世界の千冬、束、真耶の3人は言葉を失っていた
千冬(平行)
「【メ、メギド…ドラグーン】だと…」
真耶(平行)
「な、何ですかアレは!?
千冬
「違う、アレは【メガロ・ドラグナー】が
千冬(平行)
「ば、馬鹿な!?
その中でも…
束(平行)
「お前どうやってあんなIS造ったんだ!!教えろ!!」
ISの生みの親である束(平行)が一番驚いていた
それもその筈、平行世界の束が造り上げた最新のISが箒(平行)の【紅椿】なのだ
だが、こちら側の束が造りだした鈴の【メガロ・ドラグナー】は【紅椿】を完全に圧倒し、更には
平行世界の束からすれば気に入らない事だった
束
「別に難しい事はしてないよ?アレはたっくんから提供して貰ったデジモンのデータをモデルにして造ったんだよ。」
束(平行)
「デジモンの!?」
束
「そしたら
千冬(平行)
「全部だと!?」
束
「うん、どう言う訳か鈴ちゃんとセシリアちゃん、アルファちゃんの3人の【Dシリーズ】が全く同じ能力を発現させちゃってね、まあ進化後の姿はそれぞれ違うんだけどね。」
束(平行)
「じゃ、じゃあ…デジモンのデータを使うって事は…」
束
「たっくんの協力を得られないこっちの世界で【Dシリーズ】を造る事は『不可能』だよ。」
千冬(平行)&束(平行)&真耶(平行)
「!?」
太一の協力がなければ【Dシリーズ】は造れない…
束から断言されたこの答えは当然だった
そもそも【Dシリーズ】はデジモンの詳細な情報があって初めて束が造り上げる事が出来たISなのだ
今は太一が平行世界にいるがだからと言ってこちら側の束(平行)に対して太一が協力するかと言えば『否』であった
この平行世界に長居するつもりが無い太一にとって余計な混乱を起こしかねないデジモンのデータを渡す気はなかった
更に【Dシリーズ】には『デジモンに取り込まれたISコア』と言う特殊なコアも使用しなければ造る事が出来ないのだが、束はそこまで教える気が無かった
教えた所で太一からの情報以上に手に入れる事が『不可能』な代物なので言うだけ無駄と考えた為だった
束(平行)
「グッ…グググッ…」
自分では同じ物は造れないと教えられた束(平行)は悔しさから呻き声を上げる事しか出来なかった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
一夏達(平行)
「………」
一方で地上と同じように進化した鈴の【メギド・ドラグーン】と相対している平行世界の6人も言葉を失っていた
そんな中…
鈴
「それじゃあ改めて仕切り直しと行くわよ。」
先程の一夏(平行)と同じ事を言って鈴は両腕の《クリムゾンブレイド》を構えた
すると…
箒(平行)
「フ、フン!そんな見掛け倒しに騙されるものかあああああぁぁぁぁぁっ!!!」
またもや箒(平行)が一人で突っ込んで来た
鈴
(コイツ正面から突っ込む事しか知らないのかしら?ついさっき博士にその事を指摘されたばかリだって言うのに、学習してないの?この辺もこっちのアイツにそっくりね。)
束に指摘された事を何も学習してない箒(平行)を見て鈴は溜め息を吐いた
そして、斬りかかって来た箒(平行)の刀を…
パシ!パシ!
箒(平行)
「なっ!?」
鈴は《クリムゾンブレイド》で受け止めるのを止め、そのまま掴んで止めてしまった
箒(平行)
「く、くそ!!放せ!!」
刀を引き抜こうとするが鈴の掴んでいる2本の刀はビクともしなかった
そして…
鈴
「フン!!」
バキン!バキン!
箒(平行)
「!?」
鈴は刀を力任せに握り潰してしまった
箒(平行)
「そ、そんな…私の【
鈴
「呆けてる暇なんて無いわよ?」
箒(平行)
「!?」
ボガッ!!
箒
「ゲハッ!?」
刀が折られたショックで呆然としている箒(平行)の鳩尾に鈴は拳を叩きこんだ
一夏達(平行)
「箒(平行)!?」
殴り飛ばされた箒を5人は慌てて受け止めた
一夏(平行)
「大丈夫か!?」
箒(平行)
「な、何てパワーだ!?さっき喰らった一撃より重い…」
鈴(平行)
「嘘でしょ!?」
ただ殴っただけで《ダブルエッジ》以上の威力があると言われ全員が目を見開いて驚いていた
だが…
鈴
「アンタ達もボケッとしてる暇は無いわよ!!」
一夏達(平行)
「!?」
今はまだ戦闘中なので鈴は集まっている6人に向かって行った
そして…
鈴
「《クリムゾンブレイド!!!》」
両腕に装備された炎を模った刃…《クリムゾンブレイド》で斬りかかった
一夏(平行)
「【せ、雪羅】!!シールドモードだ!!」
咄嗟に一夏(平行)は【雪羅】のシールドで鈴の攻撃を防ごうとした
だが…
鈴
「ハァッ!!」
ザシュッ!!
バリィィィィィンッ!!
一夏(平行)
「な、何ぃっ!?」
《クリムゾンブレイド》は【雪羅】のシールドをアッサリと斬り裂いてしまった
《アトミックブラスター》さえ防いだシールドも【メギド・ドラグーン】の力の前には役に立たなかった
ラウラ(平行)
「ち、散れ!!奴の前で一か所に固まるな!?」
ラウラ(平行)の咄嗟の指示で全員が一斉に散らばった
だが、すでに遅かった
何故なら…
鈴
「…終わらせろって言われてるからさっさと片付けるわよ…」
バサッ!!
鈴は既に【メギド・ドラグーン】の巨大な翼を広げていたからだ
鈴
「《ヘル・ハウリング!!!》」
翼の羽ばたきによって衝撃波を発生させて敵を吹っ飛ばす《ヘル・ハウリング》を放った
広範囲攻撃である《ヘル・ハウリング》を今回鈴は全方位に拡散させて放った
全方位に向けたため威力も拡散してしまうが、そのお陰で一夏達(平行)は躱す事が出来ず…
ドゴォォォォォンッ!!!
一夏(平行)
「グアアアアアアアァァァァァァァァッ!!!」
女性陣(平行)
「キャアアアアアアァァァァァァァァッ!!!」
威力が下がった《ヘル・ハウリング》でも通常のISには充分な威力であったので一夏達(平行)は吹っ飛ばされそのまま海へと落ちて行った
鈴
「………つまらないわね…」
海へと沈んだ6人を見て鈴はそう呟いていた…
<予告>
圧倒的な力で勝負を決めた鈴
だが、そんな鈴に難癖をつける者がいた
やはり、世界が変わっても根本的な所は変わらないのだろうか?
次回!!
ISアドベンチャー 聖騎士伝説
変わらない本質
今、冒険が進化する!