アナザー11   作:諸々

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……体はもらった。

……心はある。

……だが何をすればいいのかわからない。

 

 

エイナの悲鳴にレフィーヤが駆け込んできた。エイナの無事を確認しほっとするも、視線を辿り硬直。

みるみる顔を真っ赤にして叫ぶ。「貴男って人はーー」その言葉にベルは反射的に飛び起き部屋を飛び出す。

すかさずレフィーヤは追撃する。外から「待ちなさいーー」と言う声が聞こえてきた。

ここで「男の生理現象だ、大目に見てやっては如何だい。」と言いながらアイシャが、リュー(仮)は若干顔を赤らめながら入ってきた。

だがそこに広がる光景は、アイシャの想像外の物であった。

ベルのベットに黒髪の少女が裸で俯せに寝ていた。騒ぎに気が付きゆっくり起き上がる。長い髪がはらりと別れ背中が露わになる。

ゆっくり辺りを見回して叫んだ。「ベル君が居ない。ボクを置いて行かないで。」同時に背中に光る模様が浮かび上がる。

そして突然倒れ込んだ。あまりの事に誰もが動けない中しばらくすると、レフィーヤが気絶したベルを引きずってきた。

無造作にベットの空きスペース放り投げると、そのショックでベルが目を覚ます。女の子にはシーツがかぶせられた。

エイナが冷たい口調で聞いた。「ベル君、その女(ひと)誰?」

ベルはゆっくり辺りを見回して彼女を見つける。顔を見てハッとする、同時に彼女ががばっと起きベルに抱きついいた。

エイナとレフィーヤの氷点下の視線の中、リュー(仮)が聞いた。「クラネルさん、あのナイフはどうしました。」

視線の圧力に冷や汗を流しながら指さした。だがそこには鞘しかなかった。「ベル君よかったよー」と少女が言っている。

皆の視線が逸れたことでベルの硬直が緩み声が出た。「神様」

今度は少女に視線が集まるが、皆はベルが何を言っているか分からない。「ベル君何を…」とエイナが言った。

ベルは少女の髪を指で二つに結わえ、ツインテールにした。

アイシャとリュー(仮)は驚いた顔をした。レフィーヤは依然不明そうだった。そしてエイナは言った。「神ヘスティア。」

少女の顔はヘスティアそっくりだ。ベルの言葉を理解したものの、みんなの混乱は余計にひどくなった。

ちなみに顔が瓜二つなのに直ぐに判らなかったのは、ヘスティア2大特徴がないためだ。

尾文字はAの方ほどではないが慎ましやかだった。(エルフっぽい?)

 

そこへリュー(仮)と同じ覆面をした神が入ってきてベットの少女に言った。

「そんな姿になったのかい。」「うん、ありがとうここの神様。」

「調子はどうだい。」「いきなりベル君が居なくなってて、ビックリしたけど大丈夫だよ。」

神はうんうんと頷いて言った。「彼はどこにも行かないさ。ここでしばらく大人しくしてなさい。」「はい神様。」

神様はみんなに言った。「もうすぐ朝食だよ、昨日言った通りその後村長を交えて話そうかね。」

その言葉に一同納得して朝食を済ませた。ちなみに覆面組とその他で別れて食事を摂った。

 

朝食後、村長を交え神様の御神託が下った。

「さてベル、そなたへのクエストだが、先ずいつも世話になっている村長の話を聞いてほしい。

今村は少々困ったことになっておるんじゃ。」

リュー(仮)が先回りして聞いた。「例年いるはずの商人の姿が無いのと関係あるのですか?」

村長が言った。「その通りです。例年この時期に作られる薬を求めて商人たちが来るのですが、

今年は山にモンスターが現れて薬草を取りに行くことができません。

この村はほぼ自給自足の暮らしで、現金収入は唯一この薬です。その為冒険者を雇うことも出来ません。」

エイナが聞いた。「この村はオラリオに知られていませんね、地図にも載ってない、何故ですか?」

ベルが尋ねた。「何故そんなことを?」

「もし地図に載ってるならオラリオにクエストが出せるわ、そしてクエストが出ていれば少々予算不足でもOKな場合が有るの。

問題が複数の村に関連する場合や、ついでがある場合なんかね。具体的にはベル君が当事者のシュリーム砦の件ね。」

ここでアイシャが口を挿んだ。「ああ、あそこは盗賊の住処になってたんだったね。」

「そうあの砦には、複数の町や村から討伐依頼が有ったわ。それでも予算が足りなくて放置されてたんだけど、

結局ベル君達の戦争遊戯のついでに討伐された。そう言う事もあるから依頼していないのが不思議だったの。」

村長が言った。「あなたはオラリオギルドに詳しい方なのですね。分かりましたお話ししましょう、この村の事を。

この村は、オラリオとたびたび戦争しているラキア王国の難民が作ったんです。」

アイシャが首を傾げて言った。

「ラキアと言えば一国が一ファミリアのとこだろ、それにこの前も攻めてきたばかりだ、難民なんておかしくないかい?」

「今を基準にするとおかしく思われるのでしょうが、以前のラキアは広大な領土を有していました。」

ベルが聞いた。「それは魔剣を使用していた頃の事ですか?」

「お若いのに良くご存じた。その頃のラキアは多くの国を併合し人口も多く、ファルナを受けていない人が大半でした。

その後、いろいろあって他の神々のファルナを受けた冒険者たちによって、王国は解体されてしまいました。」

エイナが言った。「その時に出来た村なんですね。分かりました。」

ベル達はそれを聞いて黙り込んだ。この雰囲気を何とかしようとベルは気になっていたことを聞いた。

「村長さんあのドアの所の壊れた武器は何なんですか?」

「ここに初めて来られる方もおいでのようですね、良い機会ですからお話します。あれは戒めとして置いてあります。」

「戒めですか?」

「そうです。こんな田舎に来る商人たちは、気性の荒い者たちばかりです、それで時々商人同士で刃傷沙汰が起きます。

あれらはその戒めとしてあそこに置いています。ちなみに武器はその時の置き土産です。」

「修理すれば使えそうな物も有りそうなんだが。」とアイシャ。

「おいて行かれた方たちはその後お見かけしませんね。おそらくですが帰り道でモンスターにでも襲われたんでしょう。」

直接答えなかった村長にベルたちは黙りこみ、それぞれに思うところが有るようだった。

「話を元に戻します。クエストは薬草取りの護衛をお願いしたい。何方が担当されるのですか?」

ベルとアイシャが手を挙げた。なぜか村長が明らかにほっとして言った。

「それではこちらの準備もあります。明日の朝からお願いしますね。それとここはしばらく自由に使って構いません。

夕食に関してはは昼までに連絡してください。」




こっちの物語はレフィーヤが追っかけです。原作を読むと欲しくなりますよね。
ヘラのやんデレ追っかけは、どこかで書いてくれるのだろうか?(00章の前)
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