……前回と同じく壊れたが、今度の決め手は何と素手。
……その後はほぼ前座、携行用予備品扱い。
……ボクが、ボクこそが力になるはずなのに。
……ボクの思いは誰も聞いてくれない。
………………。
レフィーヤさんはまだ寝ている。昨日一昨日とベル君との追いかけっこでダウンしたらしい。
必然的に今日はベル君の後をついて行くことは出来ない。
レフィーヤさん、彼女の立場なら仕方が無い事かも知れないけど、何とか誤解を解いてあげたいな。
次にアイシャさん、二つ名の通りすごくきれいな人だけど、戦闘娼婦、典型的なアマゾネス、聞きたい事は有る
(妹分とか、妹分とか、妹分とか)んだけど倫理観なんかが違いすぎるからなー。
(ベル君の周りにそれらしいアマゾネスなんて居たかしら?)
それとリュー(仮)さん、もう(仮)は良いや、謎の人、おそらくエルフの女性だと思う。
リヴェリア様や母と似た感じがする。おそらく森育ち(閉鎖的)だと思う。
私に対して壁を感じる。噂に聞くハーフエルフへの嫌悪感なのかもしれない。
それよりベル君、何かを隠し、何かに悩んでいる。ヘルメス様の言うとおり聞く資格が無いのかもしれないけど。
だけど何とかしてあげたいと言う気持ちは嘘じゃない。
これまでの事で、少しだけ違うベル君を見れたことは良かった。
そういえばベル君の育った場所ってこんな所なのかな?
レフィーヤはベッドで痛む体を気にしながら考えていた。
(不味い、非常に不味いです。ホントならこっそり後をつけて強くなる秘密を暴き出して、
団長から「レフィーヤ、良くやった、お手柄だ。」アイズさんには、抱きしめられながら
「ありがとうレフィーヤ、これで強くなれる。今度は二人だけで一緒に頑張ろう。」「はい、アイズさん一緒に…」
の筈だったのに。)どうしてこうなった。
(これまで観察して分かったんですが、かなり敏感です。観察だけでは秘密にたどり着くのは難しいかもしれない。
かと言って話術に訴えようにも、あのセクハラ紛い{あくまでレフィーヤ視点です}ではロクに話せません。)
(それにしても腹が立つのは、今では全く追いつけなくなってる事です。迷子にならないように配慮されてるのも。
こうなったら魔法で足止めをするしか無いかも知れませんね。でも村で魔法は無理ですから…
今日の午後に町へ行って何か探してきましょう。)
今日は山に入る。ククリは殿のベルの後を適当な距離を開けてついてきている。
なんでも僕がククリを気にしすぎると、観察してる意味が無いんだそう。(自然な状態を見たい?)
午前中は空振りだった。そこで午後は少し山の中に入ることに。
薬草を探しながらしばらく行くと、ベルが小さく言った。
「アイシャさん、います。」「一人で大丈夫かい。」「はい、この程度なら。」
「なら少し先で待機する、なんかあったら呼びな。」村人を連れて先に行く。
一人になったのを感じたのか、ジリジリと包囲網を狭めてくる。
焦ったベルは攻撃を仕掛ける。相手は事前の情報通りアルミラージだ。
細い丸太を振りかざしている。攻撃しようとして、アルルを思い出し手が止まる。
その隙を突かれアルミラージの連携攻撃に、何発か攻撃をもらう。
ベルが思わぬ苦戦を強いられていると、ククリが両手を広げて割って入った。{ベル君をいじめるなーー」
アルミラージがククリに集中する。人体を叩いているとは思えない音を出しながらも、ククリは声を出し続ける。
だがアルミラージはそれにお構いなく攻撃を続ける。
その光景を呆気にとられて見ていたベルだが、不意にククリの姿が消える。
姿が消えるのを目撃したベルにスイッチが入る。瞬く間に周囲のモンスターを斬り伏せる。
周囲に居た何匹かのアルミラージはそれを見て逃げ出した。