アナザー11   作:諸々

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春姫09

今日は私の魔法の再検証で再びダンジョンに来ている。

いつも通りリリ様が主導だ。ダンジョンの経験がずば抜けている為だが少し悔しい。

有効なスキルが発現したとはいえ何もかもが足りていない。

3階層の奥のルームであの19階層の再現をする様だ。

今度の被験者はリリ様、何かあった時は命様とヴェルフ様がサポートに入る予定。

今日はいつものゴライアスのローブではなくただのローブを着ている。

「ではここは私が行きます、これで階層の影響を検討できます。

命様、この階層では数が揃えにくいでしょうが、モンスターをなるべく多く連れて来てください。

後何かアドバイスが有ればお願いします。」とリリ。

「分かりました。傷が直ぐ治る様なら、致命傷だけを避けて攻撃に専念してください。その方が早く倒せます。」

「ヴェルフ様、春姫さん後はよろしく。」と言って入口に右手に片手剣、左手に短剣を装備して立った。

 

数時間かけて検証は終了した。階層差ではなく範囲内の対象数の影響が大きいみたいです。

リリ様は肩で息をしている。まだまだやりたそうだが武器の整備が必要なようだ。

そんなリリ様を見て、私もと思い交代をお願いする。

だが入口に立つと急に恐怖がこみあげてくる。前回は必死だったことも有りモンスターをよく見ていなかった。

今回は複数回行ったことも有り、怒りの表情で押し寄せるのがハッキリ見えていた。

思わず体が震える。その時リリ様が声をかけてくださった。

「春姫さん、私たちが後ろに控えています。危ないと感じたら逃げてもかまいませんよ。」

この言葉で震えが止まる、そうリリ様は自分よりも小さいのに見事にやってのけている。

こんな自分の魔法を信じてだ。自分も負けていられない。

思い浮かべる英雄を、エルフの大魔道士からドワーフの大戦士に切り替える。

とたんに体の震えが止まる。武装を短槍に切り替えて待ち受ける。

やがて命様が通り過ぎる。後ろにモンスターを引き連れて。

殺到してくるモンスターに思わず怯む。

その時横から後ろから薙刀、大剣、矢が飛んでくる。

逆にモンスターたちが怯む。後ろに皆が居る、それに勇気づけられて槍で突きまくる。

モンスターの爪や牙が傷を生む。実際かなり痛いし辛い、だけどベル様とお別れするのはもっと辛い。

隙をついて魔法を発動する。検証通り傷が全て消える、それと共になぜか気分が高揚してくる。

しばらく戦ってモンスターを殲滅する。自分の時間では一瞬で終わッた気がした。

「命様次、お願いします。」

「春姫殿、マインドは?」と命。

「…すみません。」ポーションを飲む。

「回復魔法は生命線です。マインド切れには細心の注意を。」と魔石を取り出しながらリリは言った。

「すみません、よく分かりました。」

気合を入れなおし、今度は相手を良く見る。すると相手は連携しておらずそこかしこに隙が有る。

なるべく数多く傷つける様に心がける。すると魔法を唱えるたびにバタバタと倒れる。

繰り返す事約10回、武器を整備したリリ様と交代。

終日これを繰り返した。

 

魔石とドロップアイテムでバックがパンパンだ。

結局ヴェルフ様にも持ってもらいホームへ帰った。

ヘスティア様に今日の事を話し、ステータス更新をしてもらう。

「どうやら範囲内なら複数から奪い取っているみたいだね。うまく使えばかなり君たちの力になるだろう。」

「リリ様はそれ程ではなさそうでしたが、モンスターの群れがとても怖かったです。

今でも思い出すと胸がドキドキします。」胸を抑えながら言った。

「うん、この方法は勇気が必要だ。ただそれだけじゃなく冷静さも重要だがね。

それがこの方法を使うための代償だよ。くれぐれも無茶をしないでおくれ。」

 

あすの異端児達との取引に備えてみんな自分の部屋へ戻る。

「あっ、春姫君ちょっと良いかい?」

「はい、何でしょうか?」春姫だけが部屋に残る。

「…今日は経験値の偏った進捗は無いね。スキルの効果は思った通りだったみたいだ。」

「ありがとうございます。この調子で頑張ります。」

「そうキミは『ダンジョン』でこそ輝く、『ダンジョンで』ベル君を助けてくれたまえ。」ダンジョンを強調して言うヘスティア。

「そ、そうでございますか。…」口調が変になる春姫。

「そうだ、これを使えば日常のトレーニングでも、メイドの仕事中でも経験値を得られるかもしれない。

ベル君において行かれない様に、『余計なこと』は考えずに頑張るんだ。」今度は余計なことを強調。

「はい、がんばります。」と言って退出した。

春姫が出て行ってからヘスティアはガッツポーズをした。

 




この章で春姫は終了となります。
正統的に(?)魔法とスキルで強化してみました。
これでこの物語もようやく終わりが見えてきました。
もともとこの物語は前作が行き詰った(原作者様が…)為やむなく書いたものでした。
お気楽な短編でもっと早くに終わる予定でしたが、作者の力の無さでこんなに長くなってしまいました。
読者の方々、もう少しだけお付き合いください。

前作、影響の少なさそうなところは進めるべきなんだろうか?
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