みなさんを説得して入口に立つ。
そして命様の帰ってくるのをじっと待つている。
モンスターが集団で襲ってくる。怪物進呈を一人で受けることになる。
怖い…怖い、怖い、こわいコワイコワイ…
「リリ様、私の魔法は如何しましょうか?」と春姫。
「はい?」思わず聞き返した。
「ですから魔法のタイミングは如何しましょうか?」
「そうですね…レベルブーストは無しで、回復魔法は最短でお願いします。」と頭を下げた。
このやり取りで少し頭が冷えた。
今までのトレーニングを、先日のダンジョンでの経験、それを思い出す。
命様のアドバイスを考えたが初めから攻撃優先で行くことにする。
どうせ問題が有ったなら、ヴェルフ様、命様がなんとかして下さるだろう。
それもあって何とか凌いだ。この階層でも一回で全快する。
階層の影響は感じられない様だ。これで範囲内の数が重要なんだろう事が解った。
後、気になる事はモンスターと対峙している最中は不思議と恐怖を感じない。
これをチャンスとして、出来るだけ繰り返して少しでも経験値を稼ごう。
帰りにナァーザ様の所によって注文していたポーションを受け取る。
ホームへ帰ってヘスティア様に報告。
ステータス更新の結果以前の10倍近いUPになっている。
確実に上がっている。思わず笑みを浮かべ明日の予定を考える。
いまだ19階層以下は制限されているため、今回はあまり秘密に気を付ける必要は無い。
ただ今後は何か考える必要が有るだろう。
翌日リヴィラの町へ、ガネーシャファミリアの彼に会いに行く。
「モダーカ様、今日はよろしくお願いします。」
すると彼が泣き出した。
「ど、どうしましたか?何か失礼なことを言いましたか。」
「こちらの事です。初めてまともに名前を呼んでもらえたんで。」
「はぁ、なんだか判りませんが御約束していたカーゴはどこですか?」
「すみません、こちらです。」と言ってカーゴ置き場へ案内した。
町の外れにずらっと数十台のカーゴが並んでいる。
「ここにある物どれでも良いですよ。」
「ではこれを。」と言って一番大きなものを指差した。
「1台で良いんですか?」
「本当はもっと必要なんですが階層をまたぐ坂を超えるのが難しいですから。」
「19階層なんですよね、だったらお力になれますよ。」
3連のカーゴを引っ張って中央樹へ、そして門番へ声をかけた。
「おーい、ちょっと頼まれて欲しいんだが。」
「なんですか?」と門番。
「彼女らに力を貸してほしい。カーゴの上げ下ろしを頼む。」
「分かりました、おいみんな集まれ。カーゴを降ろすんだ。…帰りには私に声を掛けてください。」
あのルームへ急ぐ。前回と違い19階層内の入り口付近には警備員(ペナルティで動員された)が多数居る。
その為カーゴ有でも比較的楽に到達できた。
約束に時間までまだ有るので今度はヴェルフがやりたがった。
「今度は俺にやらせろ。鍛冶には力も器用も耐久も必要だ。」
命様がスキルを使いモンスターを見つけ、誘導する。
先ずヴェルフにレベルブーストを掛け準備完了。
パンドリーが近いのですぐにモンスターがやってくる。命様が薙刀、私が槍で援護する。
数回繰り返したところで異端児達が来た。今度はリドはおらずレイが代表だ。
今回はヴェルフ様は武器の修理用具一式を持ち込んで修理をしている。
異端児達が持ってくるドロップアイテムは膨大ですぐにカーゴがいっぱいになった。
「ううう、カーゴがもう一杯です。」
「そうデすカ、まだマダたクさンあルんですガ。」
「今度はもっと大きなものを持って来ます。ヴェルフ様の方は如何ですか?」
「修理しちゃぁいるが、やっぱり替えた方が良い物がいくつかあるな。」
「そうですか、ではヴェルフ様それをメモしておいてください。」
「では今回は装備品の修理とポーションでどうですか。」ポーションを渡しながらレイに言った。
「あリがトウござイまス、それデおねガ居しマすネ。」
「交換品は今度持って来ますね。他に何か必要なものは有りますか?」
「新人用ノ装備一式、訓練用ノぽーシょンそれトお酒ですネ。」
「話は終わりましたか、ならあれをやりませんか。」刀に手を掛けて命が言った。
「確かにすることが無いですね、では始めましょうか。レイさん念のため待機していてくれませんか?」
「ワかりマしタ。」
「ヴェルフ様、もう音を抑える必要はありません。」
「応」
命様にレベルブーストを掛けてもらい、私が薙刀で援護する。
レイは興味深げにそれを見ている。
修理の終わったヴェルフと交代しながら時間いっぱい行った。
魔石をレイたちと分け合い(レイは恐縮していた)異端児達に途中まで送ってもらった。
よかったねリリ、10年が1年になったかも。
(冒険者の約半数がレベル2に成れずに生涯を終える。)
リリの物語はもう少し続きます。やっぱり外なのか?