村を救ったと言う事での宴会の次の朝、みんなで朝食。この時ベルは気になったことを聞いた。
「リューさん、昨日何処に行っていたんですか?」
「あっ、それ私も知りたいですね。」とレフィーヤ。
「あの黒い谷の起点を中心に一帯の森を調べていました。」
「何故そんな事を。」とレフィーヤ。
「あの谷の由来で気になることが有ったもので。」
「なんだい、あれはエルフの潔癖症が原因だろう。」とアイシャ。
「気になることですか?」とベル。
「話では、森の中で領域外の場所を聞きそこに軍隊を駐屯したとの事でしたね。」アイシャの混ぜっ返しは無視して言った。
「ラキア側としては一応礼儀にかなっているだろう。」とアイシャ。
「エルフの領域の概念はヒューマンと違います。○○の森の様な言い方が有るように通常森全体を指します。
ヒューマンと比べると大雑把と言えるかもしれません。ですから森の一部だけが領域でない事は普通考えられません。」
「普通じゃない場合?」とベル。
「年月がたって森同士が合体した時なんかですね。ただこの場合は緩衝地帯を作り争いを避けます。」
「何らかの理由で避難してきた時は。また他の人種とはどうなんだい?」とアイシャ。
「避難してきた時は、村で受け入れる。ただ森で養える人数は限りが有るので少人数のみです。
またドワーフ、ヒューマン、小人たちは基本住む世界が異なります。多人数で占拠する事は考えにくい。
獣人は基本家族単位で行動しています。それに常に同じところには住みません。
共存できないと判断すれば村のみんなで追い出します。」
「確かに変ですよね、それで調べて何か分かりましたか?」とベル。
リューは首を横に振った。
「まあこの話もラキア側の物ですから都合のいいように書き換えられているのではないでしょうか。」とレフィーヤ。
アイシャはふんと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
重たい雰囲気を感じたベルがことさら明るく言った。
「そう言えばリューさん、よくあの子の言う事が解りましたね。エルフ語の方言だったみたいですが。」
「私が村を出るために条件の一つだった。」
「村を出るための条件?ですか。」不思議そうにレフィーヤが聞いた。
「私の育った村はエルフにありがちな閉鎖的な所だった。その事に疑問を感じた私は村を出たいと長老に願い出た。
その時出された条件のうちの一つに、自分たち以外のエルフ語つまり方言を覚えることだった。
おそらく長老はほかのエルフの村に行くことを想定していたんだと思う。」
ベルはその辺りの事情を知っているので少し落ち込んだ。それを見てリューが言った。
「習っていたころは無駄だと思っていたが思わぬところで役に立った。何でも学んでみるものだ。」
エイナとレフィーヤはその言葉に感じ入った。
次の日の夜、いつもの様に神様にその日あった事を報告していた。
いつものことだけど神様は聞くだけで自分から何かアドバイスしてくれることは無い。
事実報告の後、その事に何を思い、何を考え、そしてどう行動したかを聞いてくる。
その度に、自分は深く考えずに行動していることを反省する。
そしてこの事は、時間が経ち冷静になって改めて考える機会になっている。
それで胸の奥のもやもやが少しだけ解消している感じだ。
この日もこの後何事もなく終わるはずだったが、突然リューが部屋に入ってきた。
予定していた町の鍛冶屋のイベント、ベル君の剣の修行はカットします。
物語的にココのみであるためです。私の力の無さで物語が長くなり過ぎました。
数少ない読者様、申し訳ありません。処女作もそろそろ再開しないと。