リヴィラの問題は解決したがまた新たなものが。
武術の修行は順調、その場で回転しても目を回さずに済むようになった。
大戦斧でキラーアントもスパッと切れる。タケミカヅチ様々だ。
ステータスも順調に伸びて平均がCになった。
だがここへきて急に伸びなくなってきた。よく言われる頭打ちという現象の様だ。
通常ならここでじっくり待って偉業の欠片を集めてランクアップを目指すことになる。
だけどリリにはその時間がない。仕方なくヘスティア様にお伺いを立てることに。
神様によると偉業、上位の経験値がリリは全くと言っていいほど溜まっていなかったらしい。
考えてみるとソーマ時代には困難に立ち向かうのではなく人をだましてきた。
これでは偉業どころではない、むしろマイナスだろう。
ヘスティア様の話しだと、後1年ぐらいがんばればなんとかなるかもしれないとの事。
「ベル君を基準に考えてるのかもしれないが、ランクアップはそんな簡単な物じゃないよ。
ボクはベル君しか知らないけど、それでも色々あったよ。決してミノタウロスを倒しただけじゃない。
君を助けた事だって十分に偉業だよ。オークの群れと一人で対等に戦い、キラーアントの大群を全滅させたんだから。」
「そうでした。」あの時を思い出して言った。
今のリリでも誰のサポートも無しにオークの群れを蹴散らす事は難しいだろう。
冒険者の半数がレベル1のまま生涯を終えることを思うと仕方が無いのかも知れないが、その言葉に落胆した。
何気なく部屋を見渡すとしばらく前にはなかった箱の存在に気が付く。
異端児との取引で財政は問題ないが、無駄遣いなら諫めるべきだろう。
「ヘスティア様その箱はどうしたんですか?」
「ああそれかい、フェルズ君が置いて行ったんだよ。不測の事態に対応するためだとか言ってたよ。
何かあったらその箱が開いてその中の物を使って助けてほしいそうだよ。」
「まだそんな事を」
「ヴィーネ君がらみの件だよ。彼女はいまだに目覚めていないんだ。
だから目覚めたとき状況がわからず逃げ出すかもしれないと言っていたよ。
探し物なら人数が多いほうが有利だ。いまだにダイダロス通りには大勢の冒険者がいるよ。
それに時々見に行っている春姫君からのお願いでもあるんだよ。」
「そうですか。では彼等の現状は分かっているんですか?」
「見つかっていないのはアルミラージのアルル、ヘルハウンドのヘルガ、あと最後の黒いやつだね。
今残っているのは大半が飛行ができる物たちだね。後はダンジョンへ帰ったよ。」
「あれから2か月が経っていますが、今でも生きているんですか?」
「ダイダロス通りのごみ箱は荒らされているのが当たり前らしい。
鼻のいいヘルハウンドなら食料には困らない様だよ。
ただあの黒いのはかなりの傷を負ったから彼らでも絶望視しているね。」
「いつまで探す気なんですか?」
「人間に対して否定的な物が今残っているんだが、死体の一部だけでも見つけるまでは、って頑張っているね。」
「フェルズ様は何をしてらっしゃるんですか?」
「ダンジョンに戻った異端児たちと協力してクノッソスを監視しているよ。
密猟者の生き残りを倒して鍵を奪う事を考えているみたいだ。ただ奴らはあれから出てきていないみたいだね。」
「何をしているんでしょうか?」
「あの黒いのが敵のボスを倒したらしいからもう残っていないのかも知れないね。
もうしばらく監視は続けるみたいだ。そういえば異端児との取引はどうだい?」
「順調です。むしろ順調すぎてお互い取引するものが不足しだしています。
ダンジョンも規制が取り払われて秘匿するのが難しくなってきましたし、しばらく取りやめるべきかもしれません。」
「そういう事なら無理してやることは無いんじゃないかい。代わりにギルドのクエストを受けてみてはどうだろう。」
「確かにしばらく受けていませんでしたね。明日ギルドに言って探してみます。」
ヘスティア様が異端児を物と表現していますが、神々の創造物を者として区別しています。
Upを間違って申し訳ありませんでした。
お詫びも込めてパスする予定だったフィンさんのエピソードを書くことにします。