アナザー11   作:諸々

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エイナはギルドに戻ると上司にこの様に報告した。

「クラネル氏側の準備が間に合わない様です。それで出発を明後日の朝にしたいとの事です。」

上司は顔を顰めたが、あの資料の内容なら仕方がないかと思い言った。「それでロキファミリアの方には?」

「連絡済です。」エイナはミイシャの机から指令書を取って上司に言った。

「これから2~3日休ませてもらいます。」「それはちょっと困るんだが…」

「こうでもしないとさらに遅れそうなんです。ミイシャには私から伝えておきます。」「…分かった。」

 

レフィーヤはギルドから帰るとリヴェリアに聞いた。

「アイズさんはどちらに?」「ダンジョンに行くと言って出て行った。レフィーヤ明日は頼むぞ。」

「その事でお話が有ります。明日は朝からいろいろ有りそうです、ですから早朝からダンジョンに籠り魔法の特訓をしたいのですが。

ラウルさんには直接届けようと思っています。」

リヴェリアは少し考えてから言った。「その方が良いか、警護の者には言っておこう。」

レフィーヤは心の中で嘘をついたことを謝り、『必ず奴の秘密を暴いてやる』、と心に誓った。

 

豊饒の女主人では、リューが朝からそわそわして、いつもはしない小さなミスを繰り返していた。

他の店員が小声で噂し合う中、ミアは『そのうち戻る』と言って取り合わなかった。

昼前そろそろ忙しくなろうとしている時に、神ヘルメスが入ってきて言った。「ミアさん居るかい。」

「何の用だい、これから忙しくなるんだから面倒事はごめんだよ。」

ヘルメスは声をひそめて言った。「フレイヤ様に渡りをつけてほしいんだが。」

「あんた何かやらかしたろう。取り次ぐなってお達しが有ってね、諦めな。」

「ベル君の事なんだが。」ヘルメスが言いかけると、シルが寄ってきて言った。

「今『ベル』さんって言いましたか?」どこかで皿が割れる音がした。

「やあシルちゃん今日も綺麗だね。」「お世辞は良いですから、いったいベルさんに何するつもりなんですか?」

「心外だなーーシルちゃん」「御託は良いですから何する気なんですか?」ヘルメスは肩を竦めて言った。

「俺はベル君の仕事を引き受けることにしたんだ。」「じゃあ出て行かなくても良くなるんですね。」シルははしゃいで言った。

「それはちょっと違うよ、オラリオは少しの間出てもらう事になる。彼は悪目立ちしたから、いろんな神々に目をつけられているんだ。

悪いことにイシュタルの娼館が壊滅したばかりだ、娯楽に飢えた連中が大勢いる、しばらく離れてほとぼりを冷ます必要がある。」

暗に旧イシュタル派の神々が動くことを示唆する。「どのくらいの間ですか?」シルが勢いよく聞いた。

「噂が収まる3か月ぐらいで考えている。普通にベル君だけなら数年かかるだろう、ほとぼりが冷めた頃こっそり戻すつもりだよ。」

ミアは黙りこんだシルを見て、ため息をつき言った。「そう言う事なら仕方がないね、伝えておくよ。」

ヘルメスはここで後片付けをしているリューをちらっと見て言った。「そうかそれはありがたい、ついでに頼みが有るんだが。」

ミアはヘルメスの視線をたどりさらに盛大にため息をつき言った。「リュー、チョッとこっちにおいで。」

リューはあわてて割れた皿を片付けミアの元に来ていった。「何でしょうミア母さん」

ヘルメスが言った。「リューちゃん、ベル君の事でまた頼みたいんだが。」

「神ヘルメス、前にも言いましたが私は便利屋ではありませんよ。」

「リューお願い」シルが頼み込んできた。「ですが…」ミアをちらっみてリューは言い淀んだ。

それを聞いてヘルメスが言った。「俺の所のメンバーは、本人のたっての希望でアイシャなんだがね。」

「あのバーベラですか…ミア母さん」リューがミアを振り返ってなにかを言いかけた。

ミアは腕を組みリューの言葉を遮って言った。「リューあんた首だよ。」リューは固まった。

「リュー、やりたい事が見つかったんだろう。店の事は気にせず行ってきな。ほら退職金だ。」と言ってミアは重い袋を投げ渡した。

「ミア母さん……」「もしもやる事が無くなったらまたここへ戻ってくればいいさ。美人な店員は歓迎だよ。」

「明日朝午前6時北門集合だ。分かっていると思うけどギルド職員が付くから気を付けて頼むよ。

書類なんかは俺がなんとかするからその点は心配無用だ、詳しいことはアイシャに聞いてくれ。」

「分かりました。これから準備します、ミア母さんそれでは行ってきます。」

ヘルメスはほっと息を吐いた。ミアが言った。「あんたの頼みごとを聞いてやったんだ。私のも聞いてもらうよ。」

 

真夜中、レフィーヤは魔石灯を持って、がらくた部屋もとい武器庫に一人入っていた。

いつもの武器、森のティアードロップは、オラリオ外では整備ができないと気づいたためだった。

「外はそんなに強い敵はいないから魔法石を使っていない杖が有れば良いんだけど、ただ出来れば魔法が掛った物が良いんだけど。」

がさごそと探していると、なんとか条件に合った杖を見つけた。それ程の魔力は感じないが贅沢は言っていられない。

ただその杖には紙が付けてあったが、夜でもありレフィーヤは見過ごした。それには「アマゾネス専用」と書いてあった。

 




ミアの頼みとは……、アスフィーがんばれ、超がんばれ。
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