アナザー11   作:諸々

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オラリオへ

アイシャの言葉通り数日後、神ヘルメスから帰還命令が出た。

村のみんなにお別れを告げてオラリオへ帰る。

あのエルフたちは今までのお礼に村でしばらく面倒を見てくれるらしい。

行きと同じく背中にエイナを乗せて行く。ベルの背中でエイナは何だかハイテンションだ。

指定の日付に合わせて比較的のんびり旅をする。

最後の行程は街道を使った。門を通過するのに余計なトラブルを避けるためだ。

だだし周囲に旅人の姿はない。

見るからに異様な女だらけの高レベルパーティ、旅人たちからはしっかり距離を取られていた。

漸く遠くにオラリオの門が見えてきた。

このタイミングでアイシャはベルをいきなり抱きしめた。

豊満な胸の感覚にベルは赤面するが、リューが鋭く打ち込んでくる。

アイシャはベルごと飛びすさって言った。

「あたし達はここで暫しのお別れだ。リュー、あんたの通門手続きは別に用意してある。」

アイシャとリューはわき道にそれて行った。

アマゾネスの過激な別れの挨拶が終わり、そしていきなり離されたククリはもう離されまいとベルの左手に腕を絡ませた。

これらを見ていたレフィーヤが近づいてきて耳元で囁く。

「この旅での事はすべて忘れなさい。」と、とびっきりの笑顔で鋭く脅迫してきた。

ベルは硬直し、真顔で何度も頷く。

その後、エイナにほっぺをつつかれたりして一連の事をからかわれていた。

門にたどり着くと2組出迎えがいる。

1組は言うまでもなくヘスティアファミリアだ。

一番最初に気づいたリリがベルのもとへ駆け込んでくる。

それを見てエイナがレフィーヤを連れて緊急離脱する。

「ベル君、私は通門手続きをしてくるわね。」と言い残して。

「ベル様、そのアマゾネスとはどういう関係でしょうか。」

ククリは皮のビキニを着ている。ボリューム不足だが恰好から見るとアマゾネスだ。

春姫と命も頷いている。ヴェルフは少々あきれ顔だ。

女性陣の迫力にタジタジになっているとヘスティアがようやく追いついてきた。

しばらく息を整えていたがククリを指さして言った。

「ベル君、それは何だい。またまた変なものを拾って来たのかい?」

他のみんなは唖然とする中、ベルはマントをかけてククリの体を隠し、指で髪をツインテールにした。

それを見た女性陣は言葉が出ない、しばらくしてヴェルフがようやくつぶやいた。

「ヘスティア様?」

このタイミングを見計らったかの様にエイナが来て言った。

「手続きが終わりました。さあオラリオに入りましょう。」

ちなみにヘスティアは、『僕の認識は胸とツインテールなのかい。』とつぶやいていた。

 

もう一組、それはロキファミリア。具体的にはリヴェリアとアイズだ。

レフィーヤは気が付いていないが共にレベル6、さっきのベルたちのじゃれ合いは、ばっちり目撃されている。

「ほほう。アマゾネスに抱きつかれるとは。

また別のアマゾネスか。子供のくせにやるな。

ん、あれはレフィーヤか?ずいぶん仲良くなったと見える。

これなら彼と繋ぎは出来たと見て良いのかな。最低限は確保したか。」とリヴェリアはつぶやいた。

当然ながら状況が見えるだけで声は聞こえない。

アイズはそれを静かに見ていた。同行する条件に大人しくする事と釘を刺されたからだ。

レフィーヤが無事なのをほっとするも、ベルには次々と女性が絡んでいる。

なんだか心がもやもやする。本来ならあっちに居たはずだからなおさらそう思うんだろう。

レフィーヤはゆっくりと近づいてくる。

「レフィーヤ、話は帰ってからゆっくりと聞こう。まずは良く無事に帰ってきた。」

「お帰り、レフィーヤ。」

「ただいまです、アイズさん。」ばつの悪そうな表情でレフィーヤは言った。

 

一行がオラリオに入るとそこには神ロキがいた。

つかつかとベルに近づいてきた。思わずヘスティア以外はベルを残して距離を取った。

ベルに話しかけるとヘスティアと口論になり、二柱で近くの路地裏へ消えて行った。

「アイズ、ロキの事は頼んだ。我々は先に帰る。」と言ってリヴェリア達はホームへ帰っていった。

そのタイミングを見計らった様に神ヘルメスがベルに近づいた。

「やあ、ベル君元気そうで何よりだ。…どうかしたのかい?」

ロキとの会話でダイダロス通りでの事を思い出したベルは、うつむいて何も答えない。

「じゃあ俺とダイダロス通りへ行ってみないかい。現状を知るのは必要だと思うぜ。」すべてを見透かした様に言う。

「…はい、お願いします。」

「それじゃベル君を借りてくよ。後でホームへ送り届けるから。」ヘルメスはベルを連れて歩き出した。

知らないそして非常に癖のありそうな二柱の神の相次ぐ登場で、エイナの後ろに隠れていたククリはベルについていく。

「ベル様、その子について聞きたい事が…」とリリ。

「ごめんリリ、エイナさんに聞いて。」

「えー、ベル君私を都合のいい女にしないで~。」

実際の所、ずっとベルはアイズの視線を感じていた。

だけど何を話せばいいのか分からなかったし、話しかけても来なかった。

アイシャさんの別れの挨拶も見られているんだろう。

状況を知らないと痴話げんかのように見える内容。

そして『都合のいい女』発言に強まる視線、どうか誤解しませんようにベルは祈った。

 




いよいよアナザー11へ、私の思いは伝わるのか?
それ以前に読者は付いて来ているんだろうか?(爆)
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