起きたら八雲だったけど、姓が貰えないんだが…   作:柱の男の娘

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難しい…
小説って難しいなぁ…

ニヤニヤ出来るものが書きたかったのに、難しいなぁ…


妖怪神社とその巫女

ㅤ有無を言わさず賽銭をさせられた黒無は博麗神社の縁側でお茶を啜っていた。

 

「煎餠あるんだけど食べるか?」

 

「あら、気が利くじゃない。 じゃあこの器に出して」

 

ㅤ黒無はリュックの中でスキマを展開し、中をゴソゴソと掻き回しながら目的の者を探し当てる。取り出した煎餅は箱に入っており、開けると数種類あると分かる。黒無は霊夢に差し出された菓子器に並べる。

 

「それで、アンタはなんで此処に来たの? お賽銭やらお煎餠やらくれたから、話くらいは聞いてあげてもいいわ」

 

ㅤ黒無は出した煎餅を噛み砕きながら思考する。口の中に醤油の風味と煎餅本来の甘味が絶妙にマッチする幸福感を得ながら、どこまで話すかを考える。塩っぽくなった口に熱いお茶を流し込み、芳醇な香りと甘味に包まれ、リフレッシュさせる。

 

ㅤ横目で霊夢を見ると同じ様にお茶を飲んでおり、待っているのが伺えた。

 

「俺は幻想郷を回るために旅をしているんだ。 此処に来たのもそのためだな。 神社なのに妖怪が挙って集まると聞いてね、気になって来たんだ」

 

「アンタの様な妖怪が増えたから、そんな不名誉なレッテルを貼られているのよ。 妖怪神社とか…本当に迷惑もいいとこ」

 

ㅤ霊夢は心底迷惑だと言った感じで独りごちる。黒無も眉を落とし、困った笑みを浮かべる他無かった。

 

「それで、その妖怪神社に足を踏み入れちゃったアンタは、これからどうするの?」

 

「う〜ん…どうすっかなぁ」

 

ㅤもう少し此処に留まっていてもいいと黒無は思った。だが、そんな美味しい選択肢に食いつかない意思たちではない。

 

『巫女を押し倒せ!』

『巫女の脇を舐めな!』

『巫女を撫でるんだ! 早くしろ!!』

 

(いつも使えない下の選択肢が働いた!? と言うかなんだこのどうしようもない選択肢は…)

 

ㅤそれもこういう時だけ働く強制力。いつも異常な選択肢しか与えない下の者がマトモな選択肢を出した。結局どの行動を取っても詰みな気がしてならない。

 

ㅤしかし、選ばなければどういう事になるのか分からない黒無は、異常な選択肢から比較的マトモな下の選択肢を選ぶ他なかった。

 

ㅤ選択肢は時に強制力を生み、行動を起こさずには居られなくなる。しかし、選択肢を決めた後ならば、最終的に撫でるという行為を行うと誓約した時に限り、過程を作ることを許される。

 

(つまり、頭を撫でても自然なシチュエーションにすればいい!)

 

「じゃあもう少し此処に居ようかな」

 

「あっそ、まぁ良いんじゃない。 私は別に気にしないし、アイツら以外の話し相手っていうのも悪くないでしょ」

 

「何か聞きたいことでも?」

 

ㅤ霊夢は唇に指を当て、「うーん」と唸りながら考え込む。何も知らない、初対面な妖怪に聞きたいことはあまり思いつかないらしい。

黒無はその姿を見て、何処か艶めかしいとズレたことを考えながらも、目的である『頭を撫でる』という行為をどう自然に持っていくかを考えていた。

 

「アレ、そういえば私、アンタの名前って聞いてないわ」

 

「そうだったな。 遅れたが名乗らせてもらおう、黒無だ。 姓はまだ無い。 よろしくな霊夢」

 

「クロナね、うん覚えた。 それでクロナはなんの妖怪なの?」

 

ㅤ黒無は悩む、自分は一体なんの妖怪なのだろうかと。黒無はスキマ妖怪、八雲紫の痕跡が人型をなし、そこに様々な意志が混入して成り立った妖怪だ。故にスキマ妖怪であり、そうでないのである。

 

ㅤそもそも、スキマ妖怪は1人1種族である。更に言ってしまうとスキマ妖怪と言う種族は本来存在せず、便宜上スキマ妖怪と呼称しているだけなのである。

 

ㅤスキマ妖怪だと名乗ったら要らぬ混乱を招くだけだろうと黒無は考え、近い存在を名乗ることにした。

 

「付喪神だよ」

 

「ふぅん…。 そのナリでね」

 

「間違っちゃいないと思うんだけどなぁ」

 

ㅤ霊夢はググッと黒無に近付き、目を覗き込んでくる。黒無は仰け反る形となり、態勢としてはかなり厳しい。

 

「なに? どうしたんだ霊夢」

 

「アンタ、危ういわね…。 力は有るのに、器が歪、 少し押せば忽ち崩れ落ちる。そんな感じ…… 」

 

「そんなのは分かってるよ。 誰が見たってこの状況は危ういし」

 

「アンタの在り方についてなんだけど…。 まぁいいわ」

 

ㅤ黒無はハッと自身の目的を思い出し、そっとその小さな手を押し出す。そして、霊夢の頭を髪が傷まないように、撫でていく。

霊夢の髪は絹糸の様にサラサラと心地良いと黒無は思った。

 

「霊夢は優しいな。 今日初めて会うのに心配してくれるなんて」

 

「ちょっ、バッ! なに撫でて、それに心配って言うか。 ただお賽銭してくれたのにその後…。 それに知り合いにも似てたからそれだけ!」

 

「心配とは何が違うのか、俺には分からないなぁ」

 

「っ…。 勝手にしなさい!」

 

「じゃあ勝手にする」

 

ㅤ霊夢は撫で続ける黒無の手を叩き落とそうとはしなかった。何処か安心できたからだ。

 

ㅤ対する黒無は達成感を感じていた。今回の選択肢を無事燃焼出来たからだ。

 

(何事も無く終わった…。 有無を言わさず夢想封印は本当に勘弁して欲しいからな! 御札も嫌だけど)

 

ㅤそこにに来訪者が訪れた。

 

「霊夢、お嬢様の使いで来たのだけれど…。 お邪魔だった?」

 

ㅤ紅魔館のメイド長だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次はニヤニヤ出来るものが書ければいいなぁ…
甘さが足りない!

次回紅魔館、期待せず待っててくれよな…
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