時刻は深夜。時計が時を刻む音だけが聞こえる。
薄暗い地下室、そして時計を持つ少女の姿。
少女は時計と目の前の地面を何度も交互に確認している。
どこかの西洋の屋敷でワインセラーにでも使われていそうな地下室。
しかし、少女の視線の先の地面、そこには不思議な図形があった。
大きな円の中に星型、そして文字のようなものが描かれている。
それはまさに魔法陣と呼べるようなものだった。
少女は一度大きく深呼吸をした。
「――――告げる。」
少女の口から呪文が発せられる。
「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。」
一言発するごとに、魔法陣が光輝く。
「聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。」
さらに光は強くなってゆく。
「誓いを此処に。」
輝きは止まらない。
「我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。」
暗い闇はかき消され、部屋に光が満ちてゆく。
「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
その瞬間、光が爆発したように見えた。
「やった・・・! この手ごたえ間違いなくセイバーのサーヴァント!」
視界を遮るほどだった光が少しずつ消えていく。
少女は思わずガッツポーズをしていた。
光が完全に消え元の魔法陣が描かれた地面が見えた。
「・・・え」
そこに少女の期待していたものは無かった。
代わりに、どおん、と言う爆音が上から聞こえた。
呆然としていた少女は、はっと我に返り走って地下室から飛び出た。
そこには、八割ほど崩壊したおそらく屋敷だったものと、その瓦礫の山の頂上で仁王立を
する、おかしなデザインのシャツの上に白い学ランを羽織り、頭に鉢巻を巻いた男の姿があった。
「根性だっ!!」
男がポーズを決めて叫ぶと同時に、その背後で赤青黄色のカラフルな煙を伴う謎の爆発が発生した。
少女、遠坂凛は激怒した。その原因は三つ。
一つは『ここぞという時にミスを犯す』という遠坂の血筋。次に念入りに準備をしてきたのにそれを台無しにしてしまった自分。最後に目の前の瓦礫の上で叫ぶ根性男。
その根性男が凛に気がついて近づいてきた。
「お前が俺のマスターか!」
凛はその男の言葉を無視して瓦礫の中に落ちていた箒を投げつけた。
「うおお! なんだこれは! 箒か!」
あらぬ方向に飛んでいった箒を男が追いかける。
「・・・片付けなさい」
「ん? なんか言ったか?」
「片付けろって言ってんのよ!」
男はまるで初めて気がついたかのように周りの瓦礫を見回した。
「なんだこれは! お前の家か!」
「そうよ!」
「いったいどこのどいつだ! 人の家を吹っ飛ばすような根性無しは!」
その言葉で凛の中で何かが切れた音がした。
「あんたがやったんでしょうが!」
「なにぃ! これは俺がやったのか!」
「だからさっきから片付けろって言ってるんでしょうが!」
そして今度はちりとりを投げつけた。
「いい! 朝までに絶対どうにかしておくのよ!」
「よし分かった任せろ!」
そう言うと凛はなんとか形を保っている部屋見つけて入っていった。あれだけ倒壊していたにも関わらずその部屋は奇跡的に無傷だった。そのままベットに倒れこんだ。眠りに落ちる寸前になってようやく、サーヴァントの名前を聞いていないことに気がついた。
「根性おおぉぉ!!!!」
外では一晩中叫び声がしていた。
削板さんでクロスオーバーを書いて見たかった、反省も後悔もしていない!
か、感想なんて別に欲しくないんだからね!