Fate/effortful spirit   作:車輪軸

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正義の参戦

 「遠坂っ!?」

 

 訳が分からない、いったいなんだっていうんだ。変な槍を持ったやつ殺されそうになったと思えば、光の中から騎士のような女の子が現れて槍の男と戦い始めて、そこに白い学ランを来た男が参戦してきたら、何故か遠坂まで出てきた。

 

 「マスター危険です、下がっていて下さい」

 「マ、マスターって俺のことか?」

 

 騎士の女の子が俺を守るように前に出てきた。俺のことをマスターとか呼んでいるし、さっきの槍の男を退けたから多分敵ではないんだろうけど、いったいこの子は誰なんだ。

 

 「待ってくれ! さっきから訳が訳が分からない、いったい何が起こっているんだ!」

 

 女の子と白い学ラン男の間に入り、二人を止めようとした。

 

 「マスター!」

 「遠坂頼む説明してくれ、君も少し待ってくれ」

 

 今一番状況を理解してそうな遠坂に説明を求めると、一瞬怒ったような顔をしたがすぐに呆れたように溜め息をもらした。

 

 「いいわ、削板も下がりなさい」

 「いいのか凛?」

 「いいのよ、この馬鹿は何にも分かってないだろうしね、多分セイバーだとおもうけどあなたもいいわね?」

 

 遠坂が白い学ランを下がらせて、俺を越えて女の子のほうにも確認をとる。

 

 「よろしいのですかマスター?」

 「ああ、とにかく剣を収めてくれ」

 「いいかしら衛宮くん?」

 「ああ頼む」

 「そうねえどこから説明したらいいのか……まあ簡単に言ってしまえばあなたは戦争に巻き込まれた……いえ参戦したと言ったほうがいいわね」

 

 戦争だって? この平和な日本でいったい誰が戦争を起こそうとするんだ? それに巻き込まれたんじゃなくて参戦した?

 

 「戦争って……」

 「別に何かの比喩や例えでそう言ってる訳じゃないわ、文字通りの戦争よ。」

 「俺が参戦したって言うのは?」

 「それは……まず衛宮くんは魔法の存在を信じる?」

 

 魔法の言葉に思わず反応してしまう、もしかしたら魔術のことだろうか、でも遠坂は魔法と言った、なら違うものなのかもしれない。

 

 「それって何もないとこから呪文だけで火を出したりするようなものか?」

 「まあそんなところよ、本当は魔法じゃなくて魔術なんだけどね」

 

 ああ理解した、つまり遠坂は魔術を知らない人間にも分かりやすくするために魔法と呼称したんだ。まるで子どもに空が青い理由を曲解して説明するかのように、そんな態度を俺は知っていた、初めて爺さんが自分のことを魔法使いだと言った時と同じだ。

 

 「それでその魔術によって……」

 「遠坂」

 「何よ?」

 「俺は魔術を知っている」

 

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 「はあ、まさかあなたが魔術師だったなんて、おかげで説明が省略出来て助かるけど……」

 

 おれは遠坂に一通り説明した。爺さんが魔術師であったことその爺さんに頼み込んで魔術を習ったこと、その爺さんももう死んでしまったこと、使えるのは出来損ないの『強化』と『投影』だけであること。

 

 「それにしてもあんたの父親はどこのどいつよ冬木の管理者を無視して勝手にこの地に居座っていたなんて」

 「管理者とかなんとかは分からないけどオヤジは自由な人だったからなあ」

 

 思い出すとしみじみする、爺さんはしょっちゅう出かけては何日も帰ってこないことがよくあったからなあ。

 

 「まあその話は後にしましょう、それで今回の戦争っていうのはつまり聖杯戦争のことよ」

 

 いやことよっていわれてもさっぱり分からない、聖杯ってなんだっけ?

 

 「なあ遠坂、その聖杯戦争っていうのは何なんだ?」

 「普通の魔術師なら聞いたことくらいあるでしょ?」

 「悪い、そんなこと聞いたこともない」

 「!? そんなはずないでしょ、初代ならまだしも父親が魔術師ならそれくらい知ってて当然でしょ!?」

 「いや当然って言われても……俺がオヤジから習ったのは魔術の使い方だけだから……」

 

 遠坂は俺の言葉に頭を抑えて溜め息をもらした。

 

 「もういいわ頭痛くなってきた……そうね教会に行きましょうマスターが決まったことも伝えないといけないし」

 「なんでさ?」

 「あそこの神父が今回の聖杯戦争の監督役になってるのよ、面倒だからあいつにまとめて説明してもらいましょう」

 「今からか?」

 「大丈夫よ今からなら夜が明ける前には帰れるでしょ」

 

 もう夜も遅いしあまり気が進まなかったが、遠坂に半ば無理矢理連れて行かれることになった。

 

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 教会がある隣町まで向かう中、セイバーと呼ばれた女の子は黙って俺たちの後ろについてきてくれた。なんで俺の言うことを聞いてくれるのか、俺のことを守ろうとしてくれたのかさっぱりわからないけど、それもこれから行く教会にいる言峰綺礼というらしい神父が説明してくれるのだろうか。

 

 「なあ凛、あいつは敵じゃないのか? 戦わないのか?」

 「いいのよ今は一時休戦よ、私は何も知らない見習い以下の魔術師をいきなり痛めつけるような外道じゃないのよ」

 「……遠坂、その物騒なこと言ってるのがお前のサーヴァントってやつなのか?」

 

 後ろでそんなこといわれると正直言って怖いんだが……さっきの槍の男、遠坂曰くランサーらしい、みたいに目に見える凶器を持ってないぶんまだましだけど、さっきはそのランサーを素手で殴り飛ばしてたしなあ……

 

 「そうよ、心配しなくてもこいつはいきなり手を出すようなことはしないわよ、なんかこいつにはこいつなりの意地があるらしいから」

 「その通りだ! 女子供に不意打ちで手を出すなんて俺の根性が許さないからな!」

 

 完全に安心できたわけじゃないけど、こいつはどこか信頼できそうな気がした。俺も女の子が戦いの場に立つなんてことは無ければいいと思う。

 

 「あれ? じゃあ俺はいつ戦えばいいんだ?」

 「……またランサーが襲って来るのでも待ってなさい」

 

 なんというかやっぱり物騒なやつだな、こういうのを戦闘狂とか脳筋とか呼ぶんだろうなあ。

 

 「敵ではあるがあなたの精神には私も敬意を払おう」

 

 今までずっと黙っていたセイバーが口を開いた。セイバーも相手のサーヴァントのことを多少認めているみたいだ。

 

 「なあ名前を教えてくれとは言わないけどなんて呼んだらいいか教えてくれよ」

 

 俺のサーヴァントはセイバー、槍の男はランサー、どちらもきっと本名じゃない、ならきっと遠坂のサーヴァントにもそれにふさわしい呼び名があるはずだ。

 

 「別に名前でもいいわよ、そいつはサーヴァントしては無名だし、きっと本名聞いても誰も分かんないから。 教えてあげなさい」

 「よし! よく聞け! 俺は学園都市の超能力者(レベル5)その第七位! 念動砲弾(アタッククラッシュ)の削板軍覇だ!」

 

 びしっと腕を掲げて決めた削板の後ろから爆発と共にカラフルな煙が発生した。それにしも学園都市なんて聞いたこと無いし、レベル5やらアタッククラッシュやら言われてもさっぱりだ。

 

 「だそうよ、正直私もこいつのことはよく分かってないから」

 「なるほどよく分からないけどよろしくな削板」

 「おお、よろしく!」

 

 俺が削板とあいさつを交わしている間、何故か遠坂が期待しているような顔をして削板の背後の煙と俺の顔を交互に見ていた。

 

 「ん、どうした遠坂?」

 「……あんた何も思わないの?」

 「なんのことだ?」

 「ああもういいわなんでもない!」

 

 俺は削板の自己紹介を聞いていただけなのに何か遠坂を怒らせるようなことをしただろうか?

 

 「マスター! 今のはいったい!?」

 「……セイバー、あなただけよ分かってくれるのは……なんだか知らないけど気にしたら負けらしいわ」

 

 何故かセイバーまで削板のほうを睨みつけていた、なんでさ?

 

 「なあ削板、あの二人は何を驚いているんだ?」

 「さあ俺にも分からん」

 

 あの爆発と煙は削板の力ではないのですか。心配しなくても攻撃とかじゃないからそんなに警戒しないでもらえるかしらセイバー。しかし……。私にもよく分からないけどなんか男の約束?らしいわよ。そんな訳のわからない言葉で……。見てみなさいセイバーあの二人のお前ら何言ってんだっていう表情を……。いったい何だというのですか……。言ったでしょ気にしたら負けよ。

 

 セイバーと遠坂が後ろでこそこそなんか話してるけど本当に何なんだ? 爆発とか男の約束とか?

 

 「さあ無駄話はここまでよ」

 

 そんな話をしている内にいつの間にか教会の前まで来ていた。

 

 「なあ結局なんだったんだ?」

 「男の子にはわからない話よ、いいから少しは緊張感を持ちなさい!」

 

 どこかもやもやするものが残りつつも教会の中に足を踏み入れた。

 




話がなかなか進まない・・・
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