十年前、この冬木の街を大災害が襲った。火災によっていくつもの建物が消失し、たくさん人たちが死んだ。俺はその火災の中で唯一生き残った、生き残ってしまった、みんなが死んでいった中で俺だけが助けられた。衛宮切嗣、俺をあの地獄から救い出し、その後俺の俺の養父となってくれた『正義の味方』。
ある日爺さん、衛宮切嗣は俺に向かって自分は魔法使いだ、と言った、本当は『魔法』なんて使えないただの『魔術師』だったけど、それに僕は正義の味方になりたかった、とも言った。俺にとって衛宮切嗣という男は間違いなく『正義の味方』だった、そんな男が正義の味方になりたかった、つまりなれなかったのなら俺が正義の味方になってやろうと思った、爺さんに出来なかったことを俺がやってやる、それが生き残ってしまった俺の義務だ。そのために俺は切嗣から『魔術』を習うことに決めた、でも結局切嗣は亡くなってしまい俺に残されたの出来損ないの『強化』と『投影』だけだった。
そんな出来損ないでも機械の修理にはすごく役立っている、切嗣にいつも言われていたことだが、俺は他の魔術はからっきしでも物の構造を把握することにだけは長けている、それを使ってあらかじめ故障箇所を調べておき、そこだけを分解してピンポイントで直すことができた。そうすることでわざわざ全部ばらしてしまう必要がなくなり楽に出来た。
「衛宮、他の部屋のも点検しておきたいんだが……頼めるか?」
「ああ、悪いけどちょっと待ってくれもう少しで終わるから」
一成の声にはっとなる、集中しすぎていたせいで一成が戻っていたことに気がつかなかった。仕上げにネジを締めて修理を終わらせ、工具箱をつかんで外にでる。
「あいかわらず仕事がはやいな」
「たいしたことじゃないよ、俺が出来ることをしているだけだよ」
「衛宮は謙虚だな」
「そうか? それよりどこから見てまわるんだ」
「うむ、そうだなまずはどこかの部室から……」
その後他の部屋のストーブを見てまわったが、特に異常はなかった。途中ちょっとした知り合いの遠坂と会って、何故か遠坂のことを嫌っている一成と遠坂が言い合いになったりした、俺としては二人には仲良くして欲しいと思っているんだが、一成が言うには「あんな女狐には近寄らないほうがいい」らしくどうもうまくいきそうにはない。それにしても今日の遠坂はなんであんなにピリピリしていたんだろうか。
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キーンコーンカーンコーンと授業の終わりつげるチャイムがなり響く。授業から開放された生徒達で教室が賑わう。
「おい衛宮」
「慎二?」
そんなざわついた教室でクラスメートであり、桜の兄でもある間桐慎二が俺の机を訊ねてきた。
「お前は……」
「悪い慎二、俺このあとバイトで急いでるんだ。話ならまた今度聞くから」
慎二には悪いがバイトに遅刻するわけにもいかないので急いで教室を飛び出した。
「……くそっ、お前はそうやっていつも僕をバカにして!」
みんな大好きワカメ登場です。関係ないけど増えるワカメってかなり増えますよね。
削板さんはまだか早く出せよ皆さん思っているでしょう、作者も思っているくらいですから。
というわけで次回は削板さんの出番です。