プロローグ
魔法の国が弱々しい物だと感じるときは誰にだってある。
貧弱な監視体制、各部門の派閥争い、犯罪者の取り扱いなどといった様々な面でその弱味を見せていいる。最近になり、ようやく魔法少女に対する監視体制が整ってきたものの、それでも抜け道は多かった。
それらを変えようとする魔法少女は多くいる。プフレもその一人だ。
彼女は魔法の国の監視体制に疑問を抱き、彼女の地位、人事部部長という立場を利用して魔法の国上層幹部に働きかけたこともあった。
しかし、魔法の国はそれを黙殺し監視体制の改革があったにしても監視の緩さは変わらないも同然だった。
いくら「この監視体制を変えるべきだ」と主張しても無駄だということが身に染みるように感じ取れた。
彼女は護、魔法少女シャドウゲールに頼んで意地でも改革を行おうと彼女の能力『機械を改造してパワーアップできる』を利用して対魔法少女用兵器を作ろうとしたが、シャドウゲールが「武力で解決するべきではない』と主張し断念することとなった。
B市での一件で多数の魔法少女が犠牲になり、外交部門の切り札である魔王パムでさえも死んだ今、大きな改革が必要であるという思いがプフレの中では焦りに変わっていた。
そんな時、魔法の国から衝撃の通達があったのである。
『魔法少女統制改革の一環として新たに統制局を設立する。』
プフレはこのメールを見て困惑した。
確かに改革を実行することは嬉しい限りである。しかし、いきなり過ぎではしないか、統制局とはなんだ、といった疑問が頭を埋め尽くした。
それと同時に寒気がした。
何か得体の知れない大きな力がすぐそこまで差し迫っているように感じたのだ。
これは行動を起こさなければならない、そう確信したプフレはすぐにシャドウゲールを呼び出し、街に繰り出していった。
シャドウゲールが何があったのかを聞いてくるが今はそれどころではない。
プフレは自分が焦っていることに気がついた。普段は冷静に行動し、的確に考えていたが今は違う。考えることよりも先に足が動いている。そのことを考えると自分が馬鹿らしく感じた。それと同時に面白いとも感じ始めた。
『この私をここまで楽しませるとは』
そう心の中で思っていると口が緩んだのであろう、シャドウゲールに
「なんで笑っているんですか」
と言われてしまった。ハッとしたプフレは何時もの冷静な表情に戻りシャドウゲールに事情を説明した。
「なんだか今回も長くなりそうですね」
同感だ。今回もどうやら一筋縄では行かせてくれないらしい。