魔法少女育成計画 Contention   作:シャル・ベル

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第一章 新しいお仕事
第1話


第一章 新しいお仕事

 

 

○ジュリー

 新山夢は平凡な高校生だった。学業、運動ともに普通。可もなく不可もなくとても平凡であることは間違いなかった。

 他にも平凡な子は沢山いる。だからこそ彼女は平凡に呑まれ目立つことも周りから遠ざけられることもなかった。

 確かにそれが生活していく上では一番楽かもしれない。常にトップにいつという圧力や虐めの対象なる、といったストレスはかかりにくいのだ。

 だが、彼女はそれ嫌だった。彼女は昔から夢見がちで目立ちたがりやだった。

 確かに幼稚園、小学生までは比較的周りと違った行動をとり一際浮いていたのは間違いない。

 しかし、中学校に入学すると周り雰囲気に呑まれてしまい少しずつ大人しくなってしまった。

 高校生になってからはすでに物語で言うところの"モブ"的な立場になってしまった。

 夢自身、この状況を打破しようと試みるも結局は周りの雰囲気があまりにも強すぎて失敗に終わってしまう事が落ちだ。

 そうこうしているうちに高校二年生になったある日、自分の机の上に不思議な便箋が置いてあった。

 中には『魔法少女選抜試験のご案内』という題名で場所と日付のみが書いてある手紙が入っていた。

 不思議に思った夢は友人にその手紙を見せるも

 「なにいってるの、何も書いてないじゃない」

と言われてしまう。どうやら私にしか内容が読めないらしい。

 結局、私は警戒しながらもその手紙に書いてあった場所に行った。

 そして、新山夢は魔法少女ジュリーになった。

 彼女も最初は驚いていたが自然と嬉しさが驚きに勝っていた。

 これで私も目立てる、そう確信したのだ。長年思い続けてきた誰よりも目立つ夢が少しずつ近づいているように感じたのだ。

 だが、そう思えたのもつかの間、実際には魔法少女の姿では人前で派手には行動できず、魔法少女自体も数が多くその上ジュリーよりも派手な衣装の人が沢山いたのだ。

 その事でかなり落胆したもののそれでも人間と比べれば比にならないほどの美貌と超人的な身体能力は、確かに彼女の望みを叶えてくれるものであった。

 

 ただ、実際に魔法少女としての活動を始めてみると、それは想像以上に厳しいものだった。

 超人的な身体能力を手に入れたものの、あまりにも強すぎる力にジュリーは振り回され教官との戦闘演習では無惨な姿を晒してしまった。

 他の魔法少女達の戦いを見ていると自分の劣等感をより強く叩きつけられた。

 だが、幸いなことに彼女の能力『何もない所に物を作り出せる』は人助けや戦闘(護身)などに役に立つ便利な魔法だった。そう考えると自分よりも不利な状況の魔法少女だっているんだ、と少しは前向きに考えることができるようになってきた。

 彼女が魔法少女として一人立ちし、担当地区がJ市全域というそれなりに信用に置かれているような感じになった。

 彼女の働きぶりは確かなものだった。人助けでは彼女に右に出る者はJ市には居らず、魔法の国の人事部からも絶賛の声を頂いた。まさに彼女が求めていた目立つ夢を少し叶えることができたのだった。

 ただ、なぜ上手くいく日々は長くは続かないのか。

 ジュリーがJ市の平和を何時ものように守っていたある日、魔法の国から異動の命令があった。

 異動先は今までに見たことのない魔法の国直轄の部門『統制局』。

 これを見たとき真っ先に魔法の国へ異動反対のメールを送った。

 だが、返ってきたのは「異動の取り消しは不可能」という一文だけだった。

 幸せに魔法少女として長年の夢を叶えてきたジュリーだったが、その夢は惜しくも魔法の国によって取り消されたのだった。

 確かに夢を一度諦めなくてはいけないことは悔しい、だが一つ気がかりなことがあった。

 そもそも統制局とは一体何なのか、何をする部門なのか、なぜ自分が呼ばれたのか、そのすべての質問の答えは全く検討もつかなかった。

 

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