――アルエリア・インサウラム。
施設で保護されている子供たちをまとめる母のような存在である。
そんな中……処刑人の一人であるジュノが部屋に入ってきたのである。
子供たちはジュノの姿を見ると一斉に集まり出す。人気者のようだ。
ジュノはニッと笑い頭を撫でている。
「おー、元気があっていいね。……アル、Mr.Eがお呼びだ」
「は、はい……」
アルエリアは少し不安な気持ちになりながらもMr.Eの執務室へと入る。
部屋に入ると……六人の聖魔人と神崎姉弟が控えていた。
心臓が張り裂けそうになる気持ちになるが、部屋に入り、ソファーに座る。
「やぁ、アルエリア・インサウラム。元気にしてたかな」
「は、はい……」
「ああ、緊張しなくてもいいですよ。
とは言っても、これから話すことは重要な事になるね」
「重要な話ですか……?」
一呼吸おいて、Mr.Eは口を開く。
「アルエリア・インサウラム。君に転生者を刈る者……処刑人として任命する」
「私が……ですか……?」
処刑人と言えばMr.Eの手となり脚となる役職。
それが……自分になれるとは思いもよらなかったアルエリア。
「ただし……君にはある装備を付ける。ヨハン」
「はーい。これがアルエリアのだよ。いやー……最高傑作がまた一つできたよ」
それは、集音マイクユニットの形をとったペンダントである。
手に持つと、太陽の様な温もり、月の様な優しさ、星々の命を感じる。
「それは、シンフォギア世界の武器を再現し、我々の世界で創りだした聖遺物―――エクスカリバーだ」
「何故、私に?」
「一つ目が―――君の血筋にアーサー王の血が流れている。
おそらく、君の家系は本家の方で意図的に隠されているようでね。
二つ目が―――君には聖なる武器に関してのシンクロ律が高いという点だ」
Mr.Eの答えに彼女は驚くが知っていたのかという表情になる。
いや、神崎姉弟と聖魔人ならば、簡単に調べはつくのだろう。
イージスが彼女の前に立ち、問いかける。
「単刀直入に言おう。アルエリア・インサウラム。戦う覚悟は有るか?否か?」
「……!!」
「イージス、ちょいと強引じゃないか?」
「ニコラス、彼女は大事な局面だ。戦う意志と覚悟がなければ邪魔になる」
酷な事を言うイージスだが正しい事である。
戦う覚悟がなければいざという時に、邪魔にもなるし周りにも被害が及ぶ。
仲間が助けるのだろうが、最後は自分で守らなければいけない。
「勿論、最後に決めるのは君自身だ。断っても責めはしない。平穏な日常を送っても構わないよ」
甘い誘惑の言葉だ。
しかし、それは……弱い自分を認めるようなものだ。
「私にしかできないことならば……お願いします!!」
頭を下げて、懇願した。
Mr.Eは一瞬だが……悲しい顔をするが戦うことに決意した者を拒むつもりはない。
「解った……。アルエリア・インサウラム、今日から処刑人としてこれからも頑張ってくれ」
◆◆◆◆
=施設地下=
首にシンフォギアのペンダントを装着し、コロシアムに立つ。
ノイズ討伐はもちろん、対悪魔・対怪物にも応用しているので問題は無い。
アルエリアは両目を瞑り、唱える。
「Undying excalibur tron」
聖詠すると着ていた服がはじけ飛び、記号、詠唱の文字が舞う。
アメジストのラインが入った蒼海のコスチューム、穢れが無き純白の籠手、具足、肩を装着。
腰部分にスカートが展開、背には紅のマントを羽織い、王冠を模したバイザーを装着。
両目を開眼し、マントを翻して、後姿のポーズを決める。
「………完璧」
シオンが親指を立ててムフーッとする、あれこれと研究して伝授させたのだ。
「アーマーはそれに似合うモノを色んな作品から参考にして作ってみたよー。テスト開始」
【アヴァロンの王冠(アルエリアver.)】
ヨハンが操作すると、牢の奥から現れたのは……紫色のワイバーンだ。
雄たけびが響き渡り、アルエリアに狙いを定める。
アルエリアの武装(アームドギア)は銀色の両刃剣を呼び出し、構える。
ワイバーンが動き出し、喰らいつこうと大口を開けるが、アルエリアは擦れ違いざまに牙を数本斬る。
持ち構えて、フルスイングしてワイバーンを吹き飛ばす。
【ギャオオオオオオオオオオオオオオン!!】
ワイバーンは翼で体勢を立て直してから火炎ブレスを吐く。
避けようとはせず、アルエリアは盾を出現させて火炎を防いだ。
「いまの盾は……!?」
「アーサー王が所持していた船にもなる盾――プリドゥエン。副産物なのか……?」
考察するがアルエリアは盾を消し、再び構える。
(ただ、闇雲にはダメ……。相手をよろけさせて……!!)
刀身に風が集まり、構える。
「はあああっ!!」
-ワールウィンド-
突風を巻き起こし、ワイバーンに直撃するとよろけだす。
「奔れ!!」
-ホーリートリップ-
剣に聖なる力が宿り、それを横に回転させながら投擲しワイバーンを切り裂く
ブーメランのように戻ってきて、再び手に取る。
最後の一撃に構えて、駆け出す。
「一刀両断!!」
-セイントスラッシュ-
跳躍し、ワイバーンを縦から一刀両断。
大きく横に振り地に指すと同時に、ワイバーンは真っ二つに切られて轟音を立てて崩れた。
解除し、元の姿へと戻るが息が上がっている。
「うーん……。もっと使いこなさないとこの先は厳しいかもね」
纏えることに成功できたが、課題は多く残っている。
「だが、よく纏えた。頑張ったねアルエリア」
Mr.Eは彼女の頭を優しく撫でる。
アルエリアは感謝の気持ちで一杯だった。
だからこそ、彼女は誓う。
この身が滅びるまで……マスターの為に剣を振るう、と
"Undying"というのは不滅という意味。