Mr.Eにとって忘れられない人物が敵となって登場!!
最大の敵に、どう立ち向かう?
月の眠り花 前編
包帯の男――シュバルツバルトは世界を渡り"転生派"と接触し、ボスであるジョーカーと会話していた。
「それで、Mr.Eが管理していた世界を渡って、私たちと接触した理由とは?」
「君たちが煩わせている神獄神とその眷属、Mr.Eと処刑人たちを始末するにうってつけの相手を用意してね」
興味深い話を聞き、ジョーカーは片眉を上げる。
それほどの実力者を連れてきた事に、興味があるようだ。
「それが、この娘だ」
現れたのは生気を感じない黒髪の女性だ。
ジョーカーは彼女を見て、頷く。
「彼女は一度、死んでいるようですね。どうやって甦らせたので?」
「それは企業秘密……と言いたいが、教えよう。
かつて、花弁と魂を集めて彼女を再構築させたのだよ。
もっとも……記憶は封印してあるがね」
再構築という事に、驚く。
神滅具の中に、命を甦らせるものがあるが使い過ぎれば精神汚染の危険性も兼ねている。
それなのに、このシュバルツバルトは如何にして、あの女を再構築という魔法を見せたのだ。
「彼女は君たちにあげるよ。Mr.Eや処刑人にぶつけて見るといい。面白いショーが見れるからな」
シュバルツバルトはそう言い残し、闇へと消え去った。
残された女性は頭を下げて、口を開く
「初めまして……私の名前はアヤナといいます」
◆◆◆◆
一方の神獄界。
ここ最近、はぐれ悪魔が急激に減っていく現象が起きていた。
現場には目を覆いたくなるほどの惨状だった。
血を抜き取られていたかのように干からびていたり、胴体を真っ二つにされていたり、原形を留めないほどと様々だ。
「一体何が起きているのだろうか……?」
何か嫌な予感がする零夜。
聖剣事件、三大勢力の会談にて現れた転生派の仕業ではないかと思う。
キリカが現れて、お客人を通すと其処に現れたのは――――。
「Mr.E。それに……処刑人たちを連れてどうしたんだ?」
訪問してきたのはMr.E、ヴィルゴやジュノ、神崎姉弟などの処刑人を引き連れていた。
「零夜さん、突然の訪問に申し訳ありません。……今回の事件、シュバルツバルトが絡んでいるのです」
シュバルツバルトは報告でしか聞いてないが、世界の遺跡を探して災厄を調べているという男だ。
Mr.Eが監視している世界で様々なテロ活動を起こしていることも。
「その男に今回の事件と何かあるのか?」
「考えたくはありませんが……おそらく、彼女が……」
そう言いかけた時、冥界から救難信号が出た。
映像を見ると、ひとりの女性が悪魔の軍団を相手に蹂躪していた。
Mr.Eはその女性を見ると手で口を覆い目を瞑り、首を横に振っていた。
「何か知っているのか?あの女性を」
「ええ……。急いで行きましょう。冥界の悪魔たちが喰われる前に」
◆◆◆◆
=冥界=
都市部で爆発が休む事無く巻き起こる。
上級悪魔たちが迎え撃つのだが――――瞬く間にやられていく。
そして、現実を受け入れられなかった。
悪魔が………たった一人の人間に勝てないのだ
アヤナが先頭に立ってゆっくりと歩き指先から閃光を放ち、悪魔たちを灰へと還る。
迎え撃つ者たちもいるが、彼女の背から植物の蔓が伸びて、締め上げると魔力が吸い取られていく。
魔力が使えないことに、驚く悪魔たちだが―――背中から異形な怪物が飛び出し、大顎で捕食されていく
「これは、凄い。たった一人でここまで破壊尽くすとは」
ジョーカーも彼女の力を見て、驚きつつ喜ぶ。
駆けつけた一誠、アナ、バイザー、Mr.Eと処刑人たち。
其処に広がる光景は冥界の悪魔たち次々とやられていた。
「ジョーカー、それとあいつが……事件の犯人か」
黒髪の女性を見たMr.Eは哀しげな顔になる。
「何故、貴女が……貴女はあの時……」
Mr.Eの脳裏に浮かぶは自分の手で殺さなくてはいけなかった女性の姿。
だが、あの時とは違うのは生気が感じられない殺戮マシーンと化している。
「現れたようですね。では、アヤナさん。ここは任せますよ」
ジョーカーはそう言って、消え去る。
残ったのはアヤナだけとなり、戦闘が始まる。
「待ってください、彼女と話をさせてください……」
Mr.Eが手で制止し、アヤナの方へ向かう。アヤナがほほ笑んで―――
「アヤナ……!!」
―――ザシュ!!
Mr.Eの腹部にダブルレイピアが突き刺さり、引き抜く。
Mr.Eは後ろによろめき、出血した部分を抑える。
「マスター!!」
「姉さん、治療を!!」
アオイはMr.Eを治療する。
もはや、アヤナは昔の記憶も無く躊躇なくMr.Eを傷つけた。
(BGM:Dirty & Beauty)
「あんたが、敵となるなら……刈らせてもらう」
ホムラは両腕の腕輪をはめて、力を解放する。
一誠は仮面ライダークリムゾンに変身し、ドラグブレードを構える。
アヤナはダブルレイピアを切り払いながら進む。
細身でありながらも、一撃一撃が重く速い。
「くっ!!本当に女性かよ!?」
ヴィルゴ、ジュノ、幽斬も飛び掛かるが、背中から無数の黒手が伸びて薙ぎ払う。
「ちっ……!!全身が武器なのか!!」
アナは紫色の刃の大鎌を構えて、アヤナを斬りにかかるがテレポートして、背後に出現して振り下ろす。
「えっ!?キャアアアアアッ!!」
咄嗟に結界を張って防いだが威力が桁違いで吹き飛ばされた。
無数の魔法陣を描くとアリの頭を持つ兵士――アントラーを召喚する。
一誠たちに襲い掛かり、対処するが数が多すぎて終わりが見えない。
アヤナは宙に浮かび、両手を広げると巨大な金色のリングを生み出す。
それを連続で投擲し、部下たちも巻き添えに喰らうが、なんとか脱出した。
「召喚した奴らも巻き添えにして攻撃とは……恐ろしいものだ」
両手をバチバチと光らせて地面に叩くと、赤結晶の波を生み出し襲ってくる。
逃げ場がなく、追いつかれてしまう。
「はあああっ!!」
腕輪を身に着けたアオイは氷の壁を張り巡らせて防ぐ。
Mr.Eの治療が終わり、参戦したようだ。
アヤナは黒雷を放ち、金色のリングを連続で飛ばすという総力を放つ。
しかし、アナたちが攻撃を弾いて、道を作る。
ホムラと一誠は一気に走って―――。
「ジェリャアアアアアッ!!」
炎の連続回し蹴りがアヤナにクリティカルヒットして吹き飛ばされる。
「ウォオオオオオオッ!!」
追撃に一誠は剣を構えて、斬り捨てる。
よろめいて、片膝をつくが……思わぬ異変が起きた。
アヤナから糸が出てきて、自信を覆い尽くす。
「これは……!?」
「何が起きようとしてんだ!?」
遠くから見ていたシュバルツバルトはニヤリッと笑っていた。
「フフフフッ。生前の彼女は悪意ある転生者たちから能力を強奪し続けた。
その結果……自身の命に危険が起きた時に変異したのだろう。
それが―――――世界を飲みこみ、"滅花(めっか)"となったのだ」
それは――――天にも届くほどの大きさを誇る巨大花。
蒼い蕾がゆっくりと、五枚の花弁が咲き誇る。
その中心に、蛾の頭を持った怪物が産声を上げ、幾憶の花弁ビットが浮かび上がる。
後半に続きます。