人形は本を捲る。
医者はそれを逐一記録する。
無名の町の部屋の1室で・・・。
「・・・馬鹿ですぅ。なんでこんなに簡単なことを発見できねーですぅ!!」
翠星石が読んでいた本は最新の農業のカタログであり、遺伝子ツリーを読んでいた。
「・・・何が不愉快なのですか?」
「私がいた世界では西暦の1800年代にはこの遺伝子は組み立てることができたですぅ!!21世紀前半には火星環境下でも簡単に育つ芋の北農92号が完成してたですぅ!!なのになんでまだできてねーですぅ!!」
「芋・・・中々食べれない高級食材が翠星石様の世界では食べれたのですね。」
「捨てるほど生産して、バイオ燃料に加工してたですぅ。今の世界人口の2倍は養えていたですぅ。」
ドクは食料が足りない今の時代にいるのでそんなに安く食料が手に入ればどれだけ良いか・・・と呟いていた。
「まず水と空気を作らないといけねーですぅ。」
「は、はあ。」
「だからドクは私のかわりに実験結果を発表したりしてほしいですぅ。まぁ実証実験をしないとドクも信じられないと思うから二十日大根の品種改良からするですぅ。」
「し、しかしそんな機械ありませんよ。」
「なければ作るですぅ。なんのために興味もない無名の町の町工場のカタログなんて見るですぅ!!紙に書いたからさっさと買ってこいですぅ!!」
ドクは翠星石から英語で書かれた35枚にもなるメモ紙を渡された。
しぶしぶドクは周辺のジャンク屋から翠星石から言われた素材を集めるのだった。
「・・・メチャクチャ安い素材ばかりで大丈夫なのでしょうかね?」
《6:2 2週間で完成
100:93 相当凄いものが出来た》
「出来たですぅ!!」
ドクは茫然と立ち尽くしていた。
所有している物件の半分を埋め尽くした巨大な機械からは超電波振動装置から発せられる振動により水素と窒素を強制的に集め、それを酸素と水、窒素肥料に分離することができるというとんでもない機械であった。
付属として遺伝子操作装置もついていた。
「21世紀の大発明・・・今回はWTを作ったですぅ。」
「あ、あぁ・・・。」
「次は土を増やすですぅ。火星の栄養価0の土に窒素肥料や市販の安い栄養ドリンクから成分を抽出して地球の土に近くしたですぅ。まぁ今回は使わねーですが、水栽培をするですぅ!!」
翠星石は湿ったガーゼの上に改造された二十日大根の種を置いていった。
その数は300にもなる。
「ドク、野菜ができれば簡単な薬も自作できるですぅ!!」