呪われし血統と黒き竜   作:流星彗

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34話

 

 

 朝になり、朝食を戴くと部屋のソファーに4人が着席する。ライムは獅鬼の治療の甲斐あって動けるくらいには回復したようだ。傷跡も残らずに済むようである。

 そして獅鬼の口から昨日の続きが語られることになる。

 魔族。

 遥か昔より存在する人間、竜人族に続く第三の人の種族のことだ。

 

「話を始める前に問おう。少年少女は魔族についてどこまで知っている?」

「え、と……自然に適応して独特の進化をした人族?」

 

 首をかしげて頬に手を当てながら答えると、獅鬼は小さくうなずいた。

 

「……まぁ、大体あっているな。少年、お前は?」

 

 仮面の下からライムへと視線を向ける。

 

「自然に適応すると同時に自然に干渉する力、魔法を習得した種族、ですね」

「……それでも足りないな。それでだいたい60点だ」

 

 小さく首を振って採点する。

 一間を置いて獅鬼がゆっくりと話し始めた。

 

 遥か昔、世界には人間と竜人族が繁栄していた。長い歴史の中で竜人族は少しずつ変化していく。厳しい自然に適応し、独自の進化を遂げていく。身体能力、外見の変化など、実に様々な変化を始めたのだ。

 それが最初の魔族の誕生である。

 高い山、海、深い森の中など、モンスターたちのように独自の進化を遂げていく。竜人族の名残として尖った耳と、人間と竜人族の中間に当たる寿命を残したまま。

 最初のうちはそれだけだった。これらの変化はしたが、彼らはまだ竜人族だった。

 しかし時が流れるにつれて第二の変化が訪れる。

 それはモンスターに近しい体を持つものの登場だ。

 始まりは不明。学者の中にはモンスターとの交配によるものか、あるいはモンスターの血や因子が体の中で何らかの影響を与えたのか。様々な説が出ているが、真実は明らかになっていない。

 外見的な特徴としては角が生えてきた、水かきやヒレが生えてきた、翼が生えてきたなどだ。また内部の変化としては野生の力が目覚めてきた、闘争心が強くなってきた、などが挙げられる。

 さらに時が流れて第三の変化が訪れる。

 それが魔法。

 自然に長く触れ合ってくることで、世界に満ちる自然の力や粒子を感じることが出来るようになったのだ。またこれを操ることで自然に干渉し、様々な現象を引き起こすことが可能になった。

 当時の人々にとってそれは神秘の技術であり、神の奇跡と称えられることとなった。

 火を起こす、風を吹かせる、水や雷を操る、氷を形成する、などが主だった。しかし粒子や力について知り尽くすうちに実に様々な現象を引き起こすようになった。そしてモンスターの特性を理解し、それに似た現象も会得した。

 例を挙げると、オオナズチのように人の視界から身を隠す、クシャルダオラのように強風や吹雪を巻き起こすに始まり、人の精神に干渉して意識を逸らす人払い、人の目から逃れるために自らの姿を変える変化や、幻を見せる幻影などが主だ。

 だがそれも時が過ぎれば変化していく。その力は人間にも竜人族にも素質があれば使えるようになったが、それは魔族に比べれば劣化したものだった。

 しかし人間は己の持つ力でそれを有効利用した。

 それは人間の器用さを利用した何かを作る技術。

 魔法のもたらす力を利用した道具や、武具の開発が行われるようになった。例を挙げればモドリ玉や空間魔法とローブの融合などだ。

 だが過ぎたる力をもたらしすぎ、歴史に残るような国同士の激しい戦争が繰り広げられることになる。国や街だけでなく技術も失われ、ロストテクノロジーと呼ばれるものとなり、歴史の闇へと消えていった。

 それらだけでなく、ほとんどの魔族も姿を消し、人払いの結界の中で暮らしている。だがライムたちルシフェル一家のように、今もなお人の世に溶け込んでいる魔族も少なくはない。

 

「……つまりだ。魔族とは竜人族を祖とする人種である、ということだな」

「はぁ~……」

「な、なるほど……」

 

 魔族の歴史を語られ、二人は呆けた声を漏らしてしまった。少しは想像したが、そこまで長い歴史があったということなのだろう。

 

「人間が技術を扱う技の種族。竜人族が長い年月の間で高めてきた知識を扱う智の種族。魔族が代を重ねて力を高めていく力の種族、といってもいいだろう。ちなみに魔族という名は、モンスターに近しくなったもの、魔法を使える種族、という意味で魔族となったのだ」

 

 その説明に二人はなるほど、とうなずいた。

 そして獅鬼は説明を続ける。

 

 魔族の血にはそれだけ長い時を重ねて積み重ねられた力が備わっている。進化の証であるモノ、魔法を扱う才能、そしてモンスターに近しいモノ……。血やDNAに刻み付けられた因子が受け継がれていく。

 普段は押さえ込まれているものも、一定の条件を満たすことで解放されることがある。

 それが覚醒。

 血統に刻まれたものを解放された状態だ。

 第二の変化で訪れた変化はモンスターに近しいもの、と推測されたのはこれに当たる。覚醒した状態はほとんどの場合は野生に近しいものや、モンスターに近しいものが表に出てくる。

 その状態はまさしく人とモンスターの中間。人としての力と魔族としての力、そして人によってはモンスターの力までをも目覚めさせる。

 当然ながら引き出された力は制御できなければ暴走する。過去には自分の血や力に飲み込まれて自我を崩壊させたものも存在するのだ。記録によれば人としての姿を保てずにモンスターとなって暴れまわったものも存在する。それは『先祖返り』と呼ばれる現象だ。

 覚醒とはいつも以上の力を出せると引き換えに、そのような危険性を持ち合わせているのである。

 また魔族の力は積み重ねられた血と、刻み付けられていく因子や能力に比例する。同時にそれは一族ごとに特徴的な能力を持つことも意味する。

 優羅ならば視力の強化、脚力の強化、そして毒の無効化といった風だろう。

 それらは一族ごとに異なっており、それらは生きていくことに必要なものだから、と進化して得られたものだ。それに関してはモンスターと何ら変わることはない。

 

「……僕の場合はなんだか感覚が鋭くなったような……?」

「ほう? 『超感覚』か。……まぁ、第一段階といったところだが」

 

 あの瞬間、ライムは視界に映るものと聞こえてくるものがゆっくりと、そしてはっきりと、といった風に感覚が鋭くなっていた。人のキャパシティを超えたものを感じていたのである。

 とはいえ、この超感覚と呼ばれる普段の感覚よりも鋭くなる、といったものは覚醒においてはほとんどの場合において発動するものだ。つまり覚醒における第一歩といえるものに過ぎない。

 

「覚醒は人によってまちまちだ。発動における条件も人によって違う上に、目覚める力も人によって違う。……とはいえ、お前は覚醒した後目覚める力を有効には扱えないと思うがな」

「……え? どういうことですか?」

 

 思わぬ言葉だった。

 確かに自分は未熟だし、色々と問題があるかもしれない。でも自分なりに頑張っているつもりだ。魔族の覚醒も慣れていけば制御して自由に扱えるかもしれないじゃないか。

 そんな風に思っていると、獅鬼は小さく首を振る。

 

「お前の考えていることは何となくわかるが、そういうことではない」

「え? じゃあ、どういう……」

「お前では『ルシフェル』の血を完全に扱いきれるとは思えないからだ」

 

 ルシフェル。それはライムたちの血筋。

 この血筋が何か問題でもあるのだろうか。

 

「少年。お前は自分の家系のことは何か知っているのか?」

「……いえ」

「だろうな。……ふむ、いい機会だ。ルシフェルについても一応話しておくとしようか」

 

 ルシフェル一族は元々は別の名前を持っていた。

 シュヴァルツ一族。

 彼らの始まりはなんてことはない。深い森の中に集落を構え、至って普通に生活していた一族だった。次第に森に適応し、人と同じく狩りをして日々を過ごしていた。

 しかしそんな彼らも進化を始めていく。

 まずは視力の強化。

 森の中で暮らすうちに遠距離から獲物を見据えるように。そして夜になっても獲物が見えるように夜目も利くようになってきた。

 続いて脚力の強化。

 木々を飛びまわれるように素早く移動できるようになってきた。

 

「……普通ですね」

「ここまではな。他にも聴力強化のようなものも得られるようになってくる。まあわかりやすく言うならば、ナルガクルガのような進化をしてきたのだ。だが、彼らの進化はこのままでは留まることはない」

 

 その進化は外見的な変化ではない。内面的な変化だ。

 狩りを行う一族のため、その知識が血やDNAに刻まれていく。

 どのモンスターがどのような攻撃が効率がいいのか。また危険が迫った時はどのようにすればいいのか。

 そのような知識が本能として刻まれ始めたのだ。

 

 なぜ生まれたばかりの仔が立ち上がり、母親の乳へと向かっていくのか。

 なぜ渡り鳥は自分の向かうべき場所がわかるのか。

 なぜ蜘蛛は巣を作れるのか。

 

 それらは体に刻まれた本能に従っている。

 魔族もまた同じ。

 覚醒とは本能に刻まれたものを呼び覚ますもの、ともいえるのだ。

 そしてシュヴァルツの本能は実にこの世界にふさわしいもの。

 

 ――狩猟。

 

 狩る者としての知識が、体の使い方が体に刻まれているのだ。

 その結果として得られたもの。

 例を挙げるとするならば……。

 

 武器や魔法を扱う技術。

 殺気やどこから攻撃してくるのか感じ取る第六感。

 どこがその相手の有効箇所、急所なのかを見抜く目。

 どこが弱った場所か、どれだけ負傷しているのかを見極める観察眼。

 どこに獲物がいるのかを感じ取る嗅覚やセンサー。

 

 ――などなど実に様々な能力を備えている。

 

 そして彼らはハンターの中で最高峰の一族と呼ばれるようになったのである。

 それはさながら狩猟世界の道を示す天使と呼ぶものが現れた。またはシュヴァルツ一族こそが、『ハンター』としての完成形とまで称えるものも現れた。

 人はかの一族を目標に己を高めていくようになった。

 しかしこれらの能力はただ狩猟を行うに当たってだけでなく、人にも有効的とも言える。狩猟とはなにもモンスターに対するものでは終わらない。人に関してまでも力を発揮するのだ。

 かの戦争時代では、シュヴァルツの戦士は何人かいた。そして彼らは何人もの敵を葬り去っていったという。

 しかし戦争が終わってからは彼らも姿を消していった。

 理由は簡単。

 

 彼らは人やモンスターを殺しすぎた。

 

 狩猟の血は濃ければ濃いほど相手に対して殺意を持ちやすい。ただ狩猟をするだけならば問題ないが、必要ない相手をも殺してしまうことがあったのだ。

 そういう記録が血に残され、そして重ねていくことで受け継がれる。

 かつてハンターとしては最高峰といわれた一族。だが、その失墜はシンプルすぎる理由だった。

 

 『狩る者』ではなく、『殺す者』に変化したのだった。

 

 戦争の際は殺して殺して、命令されて殺して、離反した者を殺して……。

 どれだけ殺したのかもわからないほど殺しつくしたという。

 戦争が終わった後、彼らは戦争に貢献した英雄ではなく、殺人鬼として自分たちを認識したのだ。

 それはさながら狩猟世界に舞い降りた悪魔のようだった。

 つまりは『ルシファー』。

 天使と呼ばれたものは悪魔に成り下がった、と彼らは自らの行いを悔やんだ。だから彼らは自分たちの罪を忘れぬようシュヴァルツの名前を捨て、名を変えた。

 

 堕天したルシファーの天使時代の名前、『ルシフェル』とこの時から名乗った。

 

 罪を自覚したが、本能に刻まれたものはそうそう消えることはない。だから彼らは自らに封印を施し、出来うる限りその力を解放しないようにしたのだ。

 こうしてかつては狩猟一族の最高峰と呼ばれた一族は表世界から消え去ったのだった。

 

「…………」

 

 ライムは沈黙してしまう。まさか自分の先祖がそれほど凄い一族だったなんて知らなかった。そんなこと、想像もしなかった。

 

「まあ、今ではシュヴァルツは過去の栄光だ。言ったように彼らは『狩る者』から『殺す者』へと堕ちてしまった。戦争の一件で己がどれだけ堕ちてしまったのかを自覚するまでは完全に『殺す者』として過ごしていたのだ」

「う……」

 

 『殺す者』と言われてライムの胸がざわついてしまう。思わず胸を押さえてしまい、顔色が少しずつ悪くなっていく。そんなライムをシアンが心配そうに支える。

 

「まあ安心しろ。今では落ち着いている。加えてルシフェル一族の数も少なくなっている。お前たち以外ではそんなに確認されていない」

「……そう、なんですか?」

「ああ。数年前にお前の母親の家系の片割れの一家も亡くなった、というのは知っているな?」

 

 それを言われてライムは少し思い出すようにしてみる。

 まだ一家が揃っていたころのこと。今よりもずっと昔に母親の妹の家族と一度だけ会ったことがあるような気がした。母親に似た美人の母親、そしてその夫。子供は娘二人だったか。

 その一家がとある飛竜に襲われて村ごと壊滅した、という話だった。この世界ではそんなに珍しいことではなかったが、やはり従姉妹の家族が亡くなったというのは悲しいものだったと記憶している。

 そういえばあの頃にライムと仲が良かった妹がいたっけ。たしか名前は……セルシウスといっただろうか。彼女もまた死んでしまったのだろうか。

 

「その他のルシフェル一族の者はうまく姿を隠しているようでな。把握していない。だが『殺す者』へと堕ちた者の話は聞いていない。それだけでもルシフェルが『殺す者』へと戻っていることはないとわかるだろう?」

「……はい」

 

 確かにそれだけはありがたい。自分としても『殺す者』にはなりたくない。普通にハンターとして普通の人生を送りたいのだ。

 先祖の話を聞いて多少はショックを受けてしまったが、色々と知れたのはよかった。

 

 ……かと思えば、獅鬼の話はまだ終わっていないようだ。

 

「さて、そんなルシフェルの誕生の数十年後に一つの一族が生れ落ちる。後に東方において有名な一族となったもの。わかるな?」

「神倉一族、ですか?」

「そうだ」

 

 東方において有名な一族といえばそれくらいしか思いつかない。

 

「神倉一族の誕生は実にシンプルだ。竜人族の中で力を求めた者たちが集まって作られた。目標は黒龍を討伐できるハンターを誕生させること。だが、彼らが最初に作り上げようとしたものは別のものだ」

 

 別のものとはいったいどういうことなのだろうか。あの時月が話してくれたこと以外にもなにかあるのだろうか。

 

「彼らが一体なぜ黒龍を討伐しようとしたのか。始まりは戦争の終結の原因が黒龍の襲来に他ならない」

 

 その話も何となく本や歴史で知っている。

 シュレイド城に現れ、両軍に多大なる被害をもたらしていったという。人同士の戦いから黒龍を撤退させるための戦いに切り替わったものの、かの存在は強大すぎた。シュヴァルツの戦士たちと人の兵器が活躍したことで何とか黒龍を撤退させることに成功したが、討伐に至ることは出来なかった。

 だから神倉一族は黒龍を討伐できるほどのハンターを生み出そうとした。同時にシュヴァルツに出来なかった黒龍を討伐することで彼らを越えようとしたのである。

 魔族は竜人族から派生した人種。遠い昔に派生していった彼らを超えることで竜人族としての誇りを保とうとしたのだろう。

 またハンターたちの道を示す天使と呼ばれた彼らを超えるという名目でも、『神』という名が神倉に使われたともいわれている。それだけ彼らはシュヴァルツ一族を意識していたとみれる。

 だからこそ目標達成の到達点の一つに、シュヴァルツ一族をハンターのモデルとして選んだのである。

 

「……え?」

「先ほども言ったようにシュヴァルツは『狩る者』だ。力を求めた神倉一族がルシフェルに目をつけないはずはないだろう?」

 

 確かにそうだ。

 彼らが目指すものとしてシュヴァルツは一番の目標に成り得るだろう。ましてやハンターとしての最高峰と呼ばれた者たちだ。充分理由に成り得る。

 

「そして血だけでなく因子にも目を付けた。血の中から因子を抜き出す術まで編み出してしまうほどに注目した。それをブラッド・ルーツというのだが……まあ、これは置いておくとしよう。様々な交配を重ね。誕生したのが神倉羅刹だ。しかし、奴は失敗した」

「「……」」

 

 そこは月の話でも聞いていた。再び現れた黒龍討伐戦に参加するものの、多大な被害を出してほぼ相打ち状態に終わらせた。そして神倉一族はその失敗を受け、また交配を重ねることになる。

 

「羅刹の失敗から数百年後に、長年待ち望んだシュヴァルツの血を取り入れることに成功した。狩猟世界の最高峰と呼ばれた血は、神倉一族をさらに高めることになる。そして後に誕生したのが二代目の最高傑作、月だ。つまり少年、お前と月は遠縁の親戚ともいえる」

「……え?」

「ええぇぇぇ!?」

 

 またも衝撃の事実だ。どれだけ衝撃を受ければいいのかわからないほどの衝撃の連発。

 あの月と自分が遠縁の親戚なんて、そんな恐れ多い。ライムだけでなくシアンも驚いた表情のまま固まってしまう。

 だがなんとなくわかってしまう。

 確かに力を求める神倉一族がシュヴァルツの血を取り入れようとしないはずはないだろう。少し考えればわかることだ。

 

「月が少年少女、特に少年を気に入っているのは知っているか?」

「え? そうなんですか?」

 

 小首を傾げるシアンにうなずいた。

 

「新米とはいえクエストについて行ったり、無料で治療を施したり高級品であるローブをプレゼントしたり……。いくらあいつが人がいいとはいえ、そこまでは普通はしないぞ?」

 

 それもそうだ。

 それなりに時間を共にしたならまだしも、自分たちはたった一回クエストに一緒に行っただけにすぎない。

 

「……まああいつほどの友好的でお人よしならやるかもしれんが、普通はまずない。少年、お前がルシフェルの名を持つに加え、お前という個人を気に入ったから色々と気をまわしたとオレは思っている。……ああ、もちろん少女も同様だろう」

「わたし、ですか?」

「ああ。お前ほど天真爛漫な少女は貴重だ。そんなお前が少年と共にいるというのはあいつにとっては喜ばしいことなんだろうな。だからお前も気に入り、お前にもローブを手渡した。そういうことなんだろう」

 

 自分の遠縁であるライムと、そんなライムをずっと支えてくれたシアン。思い返せば彼女の眼差しは新米ハンターを見守るもの、というだけでは納まらない色があったと思う。

 それは成長を見守る兄や姉のような眼差しだった昴と紅葉に近いものだったような気がする。挙げるとするならば姉、あるいは母のような温かな眼差し。それが彼女にあったと思う。

 

 再び話が戻される。

 今より500年前に神倉一族が滅び、そして月は再度現れた黒龍討伐戦に赴いた。

 その結果は勝利。

 彼女を始めとする討伐隊は生き残りは彼女を含めて数人しかいない。だがその戦いは人が黒龍に勝利したという歴史的な記録を残したのだ。

 だが黒龍はまだ存在している。

 話によればその黒龍は今まで現れた黒龍に比べれば弱かったという。恐らく昔現れた黒龍の子孫だと思われたのだ。

 つまり、親である黒龍がまだどこかにいる。

 次に現れるのは不明だが、その時は勝利を収められるのかわからない。

 神倉のハンターが月しかいない以上、彼女こそが人に残された希望といえる。

 

 そんな彼女と自分が……。

 またも恐れ多い気分になってきてライムが小さくため息をついた。

 

「……さて、魔族に関してはこれくらいでいいか?」

「あ、はい……そうですね」

 

 獅鬼の言葉にシアンがうなずくと、ライムもまた小さくうなずいた。そして彼の視線は獅鬼の隣に座っている雷河に移される。

 彼もまた人ではない。そしてライムの目にはどこか妙な気配が視えていた。

 外見的には明らかに人ではない。そして竜人族、というわけでもない。ならば魔族という結論に至るだろうが、それでも何かが……。

 

「おっと、少年。俺のことは何も言うなよ?」

「え?」

「胸の中にしまっておいてくれや」

 

 うっすらと微笑しながら言うと、ライムはこくりとうなずいた。

 ライムの視界に映るもの。

 それはその人やモンスターの気質。人、竜人族、魔族なのかを見極める目。

 これもまたルシフェルの血によるものだ。

 それがどんな種族なのかを見抜き、気の動きや色でどんな攻撃をするのか、気分なのかを見極める。

 しかしライムはまだ種族の判別しかできない。

 まだまだ魔族の血が目覚めてないので、それくらいしか出来ないのだ。

 

「さて、親父のなげぇ話はこれで終わりさ。他に何か聞きたい事や言いたい事はあるか?」

 

 お茶をすすりながらじっと二人を見つめる。

 魔族に関して知りたい事は充分だ。

 他に何か聞く事はあるだろうか、とライムが考えていると、隣に座っていたシアンが何かを言いたそうにうつむいていた。じっと自分の両腕を見つめて見たこともないような真剣な表情をしている。

 いったいどうしたのだろうかと思っていると、ぐっと顔を上げて獅鬼を見つめる。

 

「あのっ!」

「ん?」

「この腕、すぐに治せますか?」

 

 ギプスが巻かれている腕を上げてそんな事を言った。

 ヒビが入っているその両腕が完治するのは最低でも一週間はかかる。それをすぐに治す、なんてとんでもないことだ。

 案の定獅鬼が仮面の下からじっとシアンを見つめている。

 

「……自分が何を言っているのか、わかっていて言っているのか?」

「はい」

「こういうのは自然治癒に任せた方がいいというのはわかってるだろう?」

「はい。でも、時間がないと思うんです」

 

 揺るがない視線で獅鬼を見つめながらそう言った。

 その答えに何か思うところがあったのだろう。獅鬼は小さくうなずき、腕を組んでシアンを見つめる。

 

「何かあるというのか?」

「紅葉さんはあの状態。わたしは腕が使えず戦えない。戦えるのはライムだけですけど、それでも本調子じゃない。それじゃあわたしたちの身が守れません。それを昨日嫌というほど思い知ってしまいました」

 

 スノーに斬られているのをただ後ろで見ているだけ。傷を負うたびにシアンもまた心に刃を入れられたような痛みを感じたのだ。

 何とかしたいのに、何もできないもどかしさ。無力感がシアンを圧迫していく痛みは、彼女に悲しみと同時に決意をもたらしたのである。

 

「だから、両腕を治してください。おねがいしますっ!」

「……治して、どうする? それから先はどうするのだ?」

「修行します」

「ほう?」

 

 どこか面白そうな声色だった。隣に座っている雷河も口笛を鳴らして興味深そうにシアンを見つめている。

 

「力がないなら、力を得るために修行をする。力がないって泣くくらいなら、力を求めて自分を鍛えろ。これがこの世界の理ですよね?」

「然り」

「だからわたしは、今度は自分を、ライムと紅葉さんを守れるように力がほしいです。わたしには昴さんのように皆を指揮することはできない。紅葉さんのようにすごい力があるわけでもない。ライムのようにアイテムを作り出す器用さを持っているわけでもない。優羅さんのように遠くから標的を狙える目を持っているわけでもない。ましてや、みんなのように魔法の才能すらありません」

 

 ぽつぽつと話していくシアンを三人は黙って見つめていた。

 彼女の言うように、彼女は他の皆が持っているようなモノはない。両親はハンターだが、特出した能力があるわけじゃない。至って普通のハンターであり、ただそれだけの力で上へと上っていったハンター。

 だからシアンもまた普通のハンターとしての能力を持っているのだ。

 

 すなわち、凡人。

 

 特出した能力がない故に、ただただ己を磨き、経験を重ねることで上へと上がっていくタイプなのだ。

 

「わたしに出来るのは走って走って、走り回って手数で攻めるだけ。他に何かがあるのかもしれない。今は眠っているだけかもしれない。でも、わたしが今出来るのはこれくらいしかないんです。だからそれを高めていきたいと思ってます」

「……ふ、さまざまなものに手を出すのではなく一つを極めようというか。なるほどな」

 

 それに何か思うところがあるのだろうか。仮面の下でくつくつと低い声で笑いを漏らしている。

 そういえば彼は魔法の才能があまりない、と言っていた。世の中ではそれが普通なのだろうが、もしかするとこの二人の一族もそれなりに体術と魔法を両方高めていく一族なのかもしれない。

 

「だがお前たちは命を狙われている身。それはどうするつもりだ?」

「……雷河さんにお願いしたいと思います」

「お? 俺か? ほうほう。でもここにいるあの姉ちゃんはどうするんだ?」

「それはレインさんたちに護衛をお願いしたいかと」

 

 それを聞いたとき、獅鬼と雷河が沈黙した。

 その反応に「あれ?」と首をかしげる。何かマズイ事言ってしまったのだろうか、と思っていると、雷河が腕を組んだまま首を振った。

 

「それはやめておいた方がいいと思うけどな」

「どうしてですか?」

「それはな、坊主。あの三人の中に敵がいる可能性があるからさ」

 

 またもや衝撃の爆弾が投下されてしまった。

 あの三人の中に敵がいる。敵とはつまり、狂化竜を生み出している一派ということなのだろう。その一員があの三人に混ざっているだなんて、誰が想像しただろう。

 とても信じられるものではないが、雷河は真面目な表情をしている。その顔に嘘の色は見えない。

 

「……そういう考えに至る理由でもあるのでしょうか?」

「あるな」

 

 間髪いれずに雷河がうなずいた。

 

「まずスカーレットの兄妹。あの二人はハーフだって知ってるよな?」

「ええ。東方とスカーレットのハーフだとか」

「スカーレットは由緒正しきギルドナイトの一家。その血統に重きを置いている年寄り連中はその結婚に反対だったんだな。で、生まれた兄妹はハーフであるが故に、色々と辛い幼少時代をすごしてきたらしい。加えて今も一部のギルドの連中からは色々と言われ続けているようだわ」

 

 なるほど。ギルドナイトは色々と規律などが厳しそうな印象がある。規律だけでなく、中の人々にも様々な思惑が飛び交っているのだろう。

 そして由緒正しきスカーレットの子供が純潔ではなく混じり物であれば、エリートたちからすれば嘲笑ものだろう。もしかすると、同じスカーレットの子供たちからも色々と問題があったのかもしれない。

 

「そしてゲイル・カーマイン。あいつは両親が優秀でな。重要な任務に色々と出向いていった程の実力者だった。あいつ自身は気弱だが、実力は確かに受け継がれている。しかしある日両親は任務の途中に死亡した」

 

 それくらいならば問題なかっただろう。この世界では何も不思議なことではない。任務中の殉職として片付けられることだ。

 しかし、普通ではなかった。

 

「確かな証拠はないが、暗殺という噂が流れているのさ」

「「あ、暗殺っ!?」」

 

 もうこれ以上の衝撃は御免被りたいが、もう今日の朝だけでどれだけの衝撃を受ければいいのだろうか。

 

「優秀な奴が組織にいるってことは結構色々とやばいんだぜ? 下に付くものたちからは羨望の眼差しは向けられる。それは確かさ。だが同時に、妬みの視線も向けられるのさ。で、あの少年の両親は妬みが募り、任務の途中に暗殺された、という話が一時期出回っていたのさ」

「……」

「それが確かなのかは俺たちにはわからん。だが火のないところに煙は立たぬ、ってな。その可能性があるのさ。しかしギルドの上層部は殉職、で片付けた。だからゲイルはギルドを、そして殺した連中を恨む理由がある」

「……『復讐者(アヴェンジャー)』、ですね?」

 

 つまり雷河はアヴェンジャー=ゲイルと言いたいようだ。いや、もしかするとスカーレット兄妹のどちらかも復讐する理由がある、ということでアヴェンジャーと結びつけることが出来る、とも言いたいらしい。

 だがその推察には問題がある。そこをシアンが突いてみた。

 

「でも、あの時雷河さんとアヴェンジャーが戦ってて、あの三人もあそこにいましたよね?」

「……そうなんだよな」

 

 そうだ。あの時全てが出揃っている。シアンたち、アヴェンジャーにスノー、そしてレインたちの三人。間違いなく役者は揃っていた。

 もしアヴェンジャー=ギルドナイトの三人の誰か、とするならば三人のうち誰かが欠けていなくてはならない。

 

「でも、一人足りないな」

「一人?」

「『名無し(ロスト)()幻影(ファントム)』さ」

「あ……」

 

 確かにあの現場には最後まで『名無し(ロスト)()幻影(ファントム)』は姿を現さなかった。

 いや、もしかしたら現れていたのかもしれない。

 それを雷河が説明する。

 

「『名無し(ロスト)()幻影(ファントム)』。すなわち三人のうちの誰かが幻影だったら?」

 『名無し(ロスト)()幻影(ファントム)』が文字通り『幻影』の魔法の使い手だとすれば説明がつく。

 幻影とは魔族が自分たちの集落に侵入者を近づけさせないようにするために会得した魔法だ。文字通り幻を見せることで道に迷わせ、元の場所に戻す、といった用法で使用される。

 

「ま、色々と推察はあるんだが、俺たちはあの三人が怪しいと睨んでいる。だから、あいつらに護衛をさせるのはやめておけ」

「む~……」

 

 あの三人が怪しいというのはまだ信じられないが、本当にそうだったとすれば紅葉が危険だ。どっちを信じればいいのかわからないが、二人は一応雷河の言うことを信じてみることにした。

 もし雷河と獅鬼が敵だとすれば、昨日の夜、眠っている間に殺しに来ている。それをしなかったということは、二人は信用してもいいだろう。

 

「じゃあ……どうすれば……」

「……安心しな。お二人さんの修行と護衛は俺に任せておけ」

 

 安心させるように笑いかけながらどん、と胸を叩いた。

 

「元より昨日の夜、親父と話し合って二人を鍛えようと決めていたからな。まさか嬢ちゃんが言い出すとは思いもしなかったけどな」

 

 その言葉に二人は呆然としている。まさかシアンが言わなくてもそうしようとしていたとは。もしかすると獅鬼はシアンを試そうとしていたのだろうか。

 でも二人のことはいい。紅葉はどうするのだろう。

 

「あの姉ちゃんは親父と助っ人に頼めば問題ねえ」

「助っ人?」

「おう。そろそろ来るんじゃ……」

 

 そこまで言った時、玄関の扉がノックされた。

 誰だろうと思ったが、一応応えておくことにする。

 

「はーい、どちらさまです?」

「私だ」

「…………え?」

 

 その声は予想外の人物の声だった。呆然としているとゆっくりと扉が開かれ、その人物がゆっくりと入ってくる。

 

「おはよう、シアン」

 

 蒼いローブに身を纏った長身の女性。

 神倉月が微笑を浮かべてフードを取り払った。

 

「つ、月さんっ!? え? ええ? 旅に出たんじゃ……」

「ああ、そうだったんだけどね。獅鬼から手紙が来てね、内容が内容だったもので急遽引き返してきたのさ。……大変だったね」

 

 優しく頭を撫でてくる月を見上げていると、翡翠の瞳が少しずつ潤み始めた。その暖かな手に撫でられていると、今まで押さえ込んできたものが溶かされるような感覚に包まれていく。

 

「う、うぅ……うわぁぁぁああああん!!」

 

 感極まって月の胸へと顔をうずめて泣き出してしまった。しかし月はそれを引き離さずに抱きしめて頭を撫でていく。そんな二人にライムが立ち上がって近づいていく。

 

「……月さん」

「やあ、ライム。君も頑張ったみたいだね」

「はい……。すみません、わざわざ来ていただいて……」

 

 その言葉に月はまた微笑を浮かべた。

 

「いや、気にすることはないよ。私としても君たちの事は心配だったからね」

「……ありがとうございます」

 

 本当に彼女は二人の事を案じてくれたようだ。とてもありがたいことだったので、ライムは頭を下げる。

 しばらくシアンが泣き続けていると、開いている扉が軽くノックされた。見ればそこには炎の柄が描かれたローブを纏った小さな影がいた。

 

「呼ばれたから来たけど、なに? さっきからうるさいんだけど、帰っていい?」

「いやいや、帰るなって。ほら、入って来いよ」

 

 一体誰だろうか。人にしては小さすぎる。

 雷河が手招きすると、溜息ついてローブを取り払い、その影が入ってきた。

 そこにいたのはアイルーだった。茶色い地毛に、黒いぶちがついた種類。そして頭や肩の毛が跳ね回っており、なかなか快活な性格であると窺える。

 その赤い目がどこか不機嫌そうにシアンとライムを見上げている。

 

「……で? この(ほむら)が護衛するってのがこの二人?」

「おう、そうさ」

「……ねえ? 帰っていい? かなりやる気が削がれたんだけど? ねえ、焔帰っていいよね?」

 かなり不機嫌そうに腕を組んで雷河を睨み上げている。何だろうか、このアイルーは。突然現れたと思ったら不機嫌オーラを惜しげもなく撒き散らしている。

 

「え、えと……、雷河さん、このアイルーは……?」

「ああんっ!?」

「ひっ!?」

 

 恐る恐る指を指して雷河に聞いてみると、赤い目が見開かれてギロリとライムを見上げてきた。

 正直言って怖い。アイルーなのに怖い。というかオーラからして違う。

 

「ああ、こいつはアイルーの焔さ。俺たちの知り合いで、ハンターとして戦えるアイルーだな」

「え? ハンターとして?」

「ああ。オトモアイルーってしらねえか? 焔はその免許を持ってるんだが、見ての通り、かなり性格が悪くてな」

「あんっ!? 喧嘩売ってんの? 喧嘩売ってんだろ? いいよ? 受けるよ?」

 

 今度は雷河にガンを飛ばしている。

 なるほど、かなり性格が悪い。見てくれ通りの快活さ、ではなく荒々しい性格のようだ。

 

「……まあ、こんな感じでやべえから、オトモするハンターがいない野良なんだわ。ってかこいつの目に適うハンターがいねえとか、こいつが選ばないとか、色々あってな。で、そんな中で俺たちと知り合ったんだ」

「そして今回、私と共に君たちの護衛をすることにしたのさ。私は紅葉を、焔は君たち二人を護衛することになった」

 

 そう説明すると、焔が腕を組んでそっぽ向く。

 ライムだけでなく、泣きやんだシアンも月の胸から顔を離し、じっと焔を見つめている。

 

「……ま、不本意ながら、この焔がお前たちの護衛をすることになった。感謝しろ」

「「……」」

 

 その上から視線に二人は固まるしかない。

 月と雷河はもう苦笑するしかなかったが、獅鬼は溜息をついて焔へと近づいていく。

 

「やれやれ。おい焔。もう少し砕けてはどうだ?」

「あん? 焔がどうしようが焔の勝手」

「雌なら雌らしくもう少し柔らかくなったらいいと思うがな。最初に出会ったときはなかなかいじらしかったが」

「「っ!?」」

 

 雌、という単語にライムとシアンが勢いよく焔を見つめる。どうやらこの焔、雌だったようだ。とてもそうは見えない。

 だが当の本人は何か思うところがあったのか、耳と尻尾を立てて獅鬼を見上げた。

 

「な、な、ななななにゃにゃ、にゃにを言っとるかッ!? あれはさっさと忘れろと前々から言ってるだろうがッ!! 忘れろ! 忘れろッ! 忘却の海の彼方へと葬り去るにゃぁぁああ!!」

 

 気を逆立てて獅鬼へと襲い掛かる。手足を動かして空中で連続して格闘術を叩き込んでいるが、全て捌かれている。だがその動きは素人のものではない。熟練された戦士の動きだった。それだけでも焔の実力が窺える。

 その様子を見守っていた月がそっとライムに近寄ってこっそりと耳打ちする。

 

「まあ少々気難しいけど、そんなに悪い子じゃないから。仲良くしてやってくれ」

「あ、はぁ……。わかりました」

 

 微笑しながら言う月に、こくりとうなずくと、軽く頭を撫でてくれる。

 あちらではまだ焔が獅鬼へと殴りかかったり、蹴り飛ばそうとしている。どうやらまだ綺麗に一発も当たっていないようだ。「シャーッ!」と声を鳴らして着地しては飛び掛るを繰り返している。

 

「くく、お前のその口調に慣れたとはいえ、やはりしおらしくしているのが忘れられんのだよ。どうだ? 今からでもあの時のようになってみるというのは」

「ふざけるにゃぁぁあああ!! あの時のニャーは色々とあったのだッ! ニャーとしてもあれは猫生の汚点ッ! 汚物ッ! そうなっただけでも忘れたいというのに、おみゃえらが現れたというだけでも屈辱的だッ! だからとっとと忘れろや、ゴルァァァアアアアアッッ!!」

「「…………」」

 

 なんというか、アイルーだというのに、今まで出会った人たちの中でも一番個性的じゃないだろうか? 

 まあ仲良くやる分には問題ない。気難しいだけで悪い人、いや猫ではないようだ。

 これから始まる修行に、ライムとシアンは少しずつ胸に火を灯らせていくのだった。

 

 

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