魔法少女リリカルなのは×銀魂~侍と魔法少女~   作:黒龍

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第七十六話:慰労会

 そして時間はあっという間に経ち、慰労会当日。

 

 次元航行艦アースラの食堂に集まったのは今回の事件に大なり小なり関わり、管理局と共に事件に解決に動いた者たちだ。

 テスタロッサ一家、江戸出身者達、地球出身の少女達、そしてはやてとヴォルケンリッター、更には懸命に戦い働いた局員達。

 

 もちろん現在も捜査は継続せねばをならないので大半の局員は仕事中である。

 だがやはり局員でないのに戦った者達と局員として戦った者達を労う場が必要とリンディは判断したようで、このような小さな慰労会は開かれたのである。

 

 様々な料理が置かれた机を立って囲み、一堂に会する席。

 そんな彼らの前に立ち、視線を集めるのはコップを手に持ったアースラ艦長であるリンディ・ハラオウン提督。

 

「今回の事件解決の為に尽力していただいた方々に対する労いを込め、今日は忙しい中みなさんに集まってもらいました」

 

 とリンディが話す中、既に神楽がハムスターのようにウィンナーを口に突っ込んでいるので、新八が「食うのはェよ! 話聞けよ!」とツッコミ入れるがチャイナ娘の口も手も止まらない。

 チラリとその光景を見たリンディはクスリと笑みを浮かべた後、

 

「あまり長い話をしていては折角の料理も冷めてしまいますね。では……」

 

 リンディは姿勢をあらため、非管理局員の者たちが集まる席へと体を向ける。

 

「危険を顧みずに我々へ惜しみない協力をしていただき、本当に感謝しています。アースラを代表して、心よりお礼申し上げます」

 

 そして頭を上げたリンディは柔らかな笑みを浮かべて告げる。

 

「今回の席で少しでも皆さんの英気が養えれば幸いです。どうぞ、召し上がってください」

 

 と言ってリンディが乾杯の音頭を取った直後にみんな食べ、飲み、話し始める。

 こういう席だと特に江戸出身の万事屋三人組が凄まじく食べると読者の方々は予想しているかもしれないが、神楽はともかく銀時も新八も異世界に来てからは特に食に不自由することはなかったので、そこまで切羽詰まった食べ方はしてない。

 とは言え、やはり集まったメンツの中に江戸の人間がいるだけに、問題が起こらないワケはなく。

 

 まず真選組の沖田。

 

「おい総悟。お前なに俺の取ったスパゲッティにタバスコぶっかけてんだよ」

 

 土方の目も気にせず、沖田が土方の皿の上に乗せたパスタにぶんぶんと小瓶を振って赤い液体をぶっ掛ける。

 

「安心してくだせェ土方さん。スパゲッティに辛味の効いた調味料を掛けるのは定番じゃありませんか」

「まー、俺はマヨネーズ派だが、一応は理解できる」

「土方さん。スパゲッティにマヨネーズは少数派だと思いますぜェ」

「とは言えだ。もう麺全体が真っ赤なんだけど? どう考えても味付け足すってレベルじゃないんだけど?」

「ささ、ズズッと景気よく啜って下せェ」

「うん。お前こんだけ人の麺台無しにした上にコレよく勧められるな? 無駄にしたくねェからお前の顔面に叩きつけてもいい?」

 

 そんな上司たちのやり取りを横目で見ながら苦笑する山崎。彼は大皿に乗ったスパゲッティをトングを使って掴み、トレイに乗せた五枚の小皿によそる。

 そして、ヴォルケンリッターたちと談笑するはやてに手を軽く上げながら近づく。

 

「やぁ、八神……はやてちゃんだっけ? 今回ははやてちゃんやヴォルケンリッターさん達のお陰で助かったよ、ありがとう」

 

 山崎はトレイに乗せた小皿を一枚、はやての前に差し出すのだが、

 

「わッ! ビックリした!」

 

 とはやては差し出された皿を見てビックリし、「いや今気づいたの!?」と山崎はツッコミ入れる。

 

「俺、一応驚かせないように視線に入りながら話しかけたつもりなんだけど!」

「うっわッ!? ビックリした!?」

 

 と驚き少し仰け反るのはヴィータ。

 

「なんではやてちゃんより一拍遅れて驚くの!?」

 

 またまたツッコム山崎に、ヴィータはビシッと指を突きつける。

 

「お前いつ現れた!? さてはニンジャか!」

「いやニンジャじゃなくて一応はサムライなんだけどね……」

 

 やんわり訂正する山崎。

 

「「…………」」

 

 するとシグナムとシャマルが影が薄い男の顔を見た。

 最初こそ真顔で山崎の顔を見ていたのだが、

 

「「ッ……!?」」

 

 再び山崎の顔を二度見して、ビックリ顔。少女二人のように声こそ出さないが、目を見開いている。

 

「どんだけ俺の存在感薄いの!! ここまでくると俺の方がビックリなんだけど!!」

 

 と嘆く山崎の肩をザフィーラがポンと叩く。

 

「安心しろ。私は気付いていた」

「……うん。ありがとう」

 

 とフォローされながら山崎は涙を袖で吹き、はやてにもう一度スパゲッティが乗った小皿を渡す。

 

「……あの、はやてちゃん。コレ、俺からのほんのささやかなお礼の気持ち……」

「ど、どうも……」

 

 少し申し訳なそう表情で小皿を受け取るはやて。

 そして山崎は半泣きになりながらもヴォルケンリッターの面々にも小皿を次々と渡していく。

 

「あの時は助けて頂きありがとうございました」

「すまない」「あんがと」「いただこう」「ありがとうございます」

 

 シグナム、ヴィータ、ザフィーラ、シャマルはちゃんとお礼を言ってから小皿を受け取る。

 一回存在を認知されなかったとは言え、素直な彼女たちの対応に満足したのかトレイを脇に抱えて「じゃあまた」と言って手を軽く振る山崎。彼はまだ言い合いをしている土方と沖田の方に向かいながら自分の分のスパゲッティを一口すする。

 

 そして一方の土方と沖田の言い合いは白熱し、

 

「つうかお前ワンパターンなんだよ。前もタバスコ入りの差し入れ食わそうとしたらしいじゃねェか」

「なに言ってんですか土方さん。今回はタバスコじゃなくて――」

 

 と言って沖田は赤いドクロの絵柄が付いた瓶を見せる。

 

「『沖田スペシャル』ですぜ」

「……なんだそれ?」

 

 土方は怪訝な表情を浮かべる。

 

「ブート・ジョロキア、キャロライナ・リーパー、ペッパーXを初めとした名だたる香辛料たちを混ぜ込んだ特性ソースですぜェ」

「???」

 

 聞きなれない香辛料たちに土方の頭の中は『?』で埋め尽くされる。

 

「……まー、オメェの食わせるモンだ。ロクなモンじゃないのはわかる」

 

 と言いながら土方は新しいスパゲッティを小皿によそろうとするのだが、ある事に気付きトングを止める。なんかよくよく見ると皿に乗ったスパゲッティに赤色が付着している。

 土方はゆっくりと沖田へと顔を向ける。

 

「……おい総悟。もしかしてお前……〝大皿の方〟にもその沖田スペシャル入れただろ?」

「あり? バレまし――」

「おんぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 沖田の声を遮っての山崎の天をも貫くほどの絶叫。

 沖田スペシャル入りのスパゲッティを口にした山崎は壮絶な表情でもんどりうち、喉を掻きむしりながら汗を滝のように流している。

 

(いだいいだいいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだぢあぢあだいがもがじょばのがおのええおがごあおなおはおほあごあごあじゃ!!)

 

 もう思考もままならい程の強烈な辛さが襲ってくる。それはもう辛いとかのレベルじゃなくて痛いのだ。

 

(水ゥゥゥウウウウウウウウウウウウウッ!! 死ぬゥゥゥウウウウウウウウウウウウウ!!)

 

 とにかく苦しみながらジタバタもがく山崎なのだが、

 

「おいおい危ねェな。おいクロノ。このスパゲッティは処分した方がいいぞ。総悟の悪意がブレンドされてやがる」

 

 冷静な表情の土方はクロノへ顔を向ける。

 

「まったく……。始まって早々に折角の料理を無駄にしないでほしいんだが……」

 

 やれやれ顔のクロノは大皿を運び出す。

 

(つうか誰か気付けよッ!!)

 

 まさかここまで騒いでおきながら誰も自分に見向きもしない現状に心の底からツッコミ入れる山崎。

 

「――って、山崎さんどうしたんですか!!」

 

 とここで気付いたのは新八。苦しんでいる山崎に駆け寄り、心配そうな表情を浮かべる。

 

(いや気付くのおせェよ!! つうかコレもう俺の影が薄いんじゃなくてみんな難聴なんじゃねェの!?)

 

 心の中でツッコミ入れながら苦しむ山崎にやっと周辺の者たちが気付き始め、沖田が山崎の近くに落ちたスパゲッティに気付く。

 

「あ~あ、ギネス認定入り唐辛子スパゲッティを食っちまったんだな。不運な事だ」

(そもそもあんたのせいだろうが!!)

「ぎ、ギネス認定!?」

 

 はやてはギョッと驚きの表情を浮かべる。

 

「世界一辛い唐辛子を香辛料感覚で入れちゃアカン!」

 

 はやての言葉を聞いて、ヴォルケンリッターの面々は自然な動作で手に持った皿を机の上に置く。

 アリサは沖田を睨み付ける。

 

「ちょっとあんた! あたしたちになんてもん食わせようとしてんのよ!」

「そうアル!! 食べ物を粗末にするとはなんて外道ネ!!」

 

 と神楽も憤慨し、すずかも沖田を注意する。

 

「沖田さんダメですよ。折角リンディさんたちが私たちの為に用意してくれた料理なんですから」

 

 銀時はなのはに声を掛ける。

 

「おいなのは。お前よくあのドS少年と一緒で大丈夫だったな」

「ニャハハ、大丈夫です。一緒に活動してきたので、沖田さんの性格はそれなりに把握してますから」

 

 と余裕のコメントを笑顔で返すなのは。

 いつの間にか山崎ではなく原因たる沖田に注目集まっているので被害者は心の中で嘆く。

 

(怒るのはいいから誰か俺を助けてくんない!?)

 

 口で文句言いたいのだが、喉が焼けるように痛いのでまったく言葉が発せない。

 

「とにかく彼を医務室に運ぼう」

 

 とクロノは局員に指示を飛ばし、山崎は担架で運ばれることになった。

 

「アハハ……まさか退場者が出るなんて……」

 

 その光景にエイミィは苦笑し、

 

「おいおい、こんな時くらいお前らは騒ぎを起こさずにいられねェのか?」

 

 と呆れた声を漏らしながら唐揚げを口に入れるのは元御庭番衆筆頭――服部全蔵。

 

「全蔵の言葉に賛同するのは癪だけどまったくその通りね」

 

 と同調するのはこれまた元御庭番衆が一人、猿飛あやめ――通称さっちゃん。

 

「私みたいに静かに行儀よく食べれないものかしら」

 

 そう言って猿飛は納豆かけご飯を箸で食べる。

 

「「「「「………………」」」」」

 

 傍観者気取りながら呑気に料理を咀嚼する忍者共を見て、江戸の出身者たちとアルフはジト目向ける。

 

「…………つうか、お前らなんでここに居んの?」

 

 開口一番、銀時の質問を聞いて服部は平然とした声で。

 

「なに言ってんだ。事件解決に尽力した連中を労う会なんだろ? だからこうやって飯食いに来てんじゃねーか」

 

 次に新八がジト目向けながら冷めた声で言う。

 

「いや、そもそもあんたらジュエルシード事件で何したんですか? クロノくんから聞きましたけど、あんたらクリミナルの連中捕まった挙句にいいように使われて海鳴市の森に捨てられてた、ただの被害者AとBですよね?」

 

 新八の言葉に続きアルフが腕を組みながら呆れた声で。

 

「しかもあんだけ銀時に意味深な発言しといて、蓋を開けてみたらただ単に上司の命令で仲間たちを迎えに来ただけ。しかも帰れなくなったただの間抜けコンビだって話じゃないか」

「しょうがないでしょ」

 

 と猿飛が眼鏡をクイッと上げながら毅然と応じる。

 

「松平殿に言われて仕方なく私たちも瞬間移動したら、まさかいきなり怪物たちの根城に送り込まれるとは思わなかったんだから」

 

 実はこの二人、アースラの局員が海鳴市周辺の森林を捜査している時にたまたま発見されそのまま保護されたと言うなんとも情けない忍者共なのである。

 保護した後は銀時や真選組の協力の元にクロノが尋問すれば、こいつらはいつまでも帰ってこない真選組&新八たちの様子を松平の命により見に来ただけらしい。

 

 そもそも銀時への意味深な発言は時の庭園に瞬間移動した挙句にクリミナルたちに捕まったという情けない失態を隠す為だった、と渋々自白した。

 

 服部が銀時に渡したキーホルダーの正体なのだが、どうやらいくつか持っていた発信機の一つらしく持っているだけで松平たちの装置が位置を特定し、いつでもどこでも瞬間移動させてもらえる代物らしい。

 とまぁ、インパクトある登場した割にはそれほど事件に関わりはなく、しかも保護されてたのが事件が終わってから一日立った後なのでパッとした活躍もほとんどないという、なんの為にこの世界来たの? レベルの二人だったのだ。

 

「オメーら活躍らしい活躍もせず、役に立つ情報一つ持ってなかった癖してよくまー、そんな堂々と飯食えんな?」

 

 片眉上げながら銀時が呆れた顔を向ければ、服部は唐揚げをまた一つ食べながら悪びれずに言う。

 

「こっちは今の今まで森ん中でサバイバル生活だぞ? 一つ言っとくがな、オメェらと同じように俺らも結構苦労してたんだからな?」 

「熊、猪、鹿、山菜、たまにマツタケなどを使って飢えを凌いでいたの。自然が良かったのか、どれも中々に美味であったわ」

 

 と猿飛は言ってジュース飲むと新八は冷たい視線を浴びせる。

 

「いや、あんま苦労してる感が伝わって来ないんですけど? むしろ森の恵み味わい尽くしてるじゃないですか。マツタケとかちょっとどころかかなり羨ましいんですけど」

 

 服部は「あ~、そう言えば」と言って、思い出したように指を立てる。

 

「夜なんか暇だから火を囲んで歌うったり怪談話で盛り上がったりしたな」

「ただのキャンプじゃねーか!! どこがサバイバル生活だ!!」

 

 と銀時はツッコミ入れる。

 

「オメェらはターザンになって森で一生暮らしてろ!!」

 

 銀時の怒声を聞いて猿飛は鼻息を荒くさせる。

 

「なら銀さん!! 私とこれから一緒にジャングルで暮らしましょう!! そして二人であーああー!! して子作りを――!!」

「なぁ、銀時。あいつ黙らせようか?」

「私も手伝うよ?」

 

 と言うのは、ジト目のアルフとフェイト。

 

「もうほっとけ。相手にするだけイライラが増えるだけだ」

 

 というワケで、終始役に立たなった忍者共は放って置くことにする銀時たち。

 山崎はぶっ倒れたり、忍者共はずけずけと参加してくるが親睦会は続ていく。

 

「――坂田銀時、だったな」

 

 と言って腕を組みながら銀時へと近づくのはピンク色の長い髪を後ろで一括りに纏めた女性。

 少し切れ長の目をした女性の声に銀時は気付き、唐揚げを口に放ってから話す。

 

「え~っと……マグナムだっけ?」

「シグナムだ」

 

 と律儀に訂正してからシグナムは銀時の体――特に二の腕の筋肉をマジマジと見てから告げる。

 

「……中々鍛えているようだな」

 

 すると銀時はシグナムの豊満なバストをマジマジと見た後に告げる。

 

「……中々育っているようだな」

 

 と言う銀時のどてっぱらにアルフの鉄拳が炸裂し、セクハラ侍の口から唐揚げが飛び出る。

 腹を抑えて蹲る銀時を見ながらクロノが冷静に言う。

 

「彼にも問題があるが、いちいち負傷者を出さないでくれ。時間が来る前にお開きになってしまいそうだ」

 

 銀時は腹を抑えながらふらふらと立ち上がり、脂汗を流しながらボディブローを放った狼の使い魔に告げる。

 

「な、なんで……お、お前が殴るの……? むしろシグナムさんの役じゃね?」

「なんかイラっとしたから。あと一つ言っとくけど……」

 

 アルフは親指をある少女に向ける。

 

「アレにやられるよりマシだろ?」

 

 銀時の視線が親指の先には――手には鎌が握られ、金色の刃はバチバチと電気を帯電させ、目はハイライトが消えているフェイトちゃんがいた。

 

 さっきまで楽しく談笑していたはずのなのは、アリサ、すずかは顔を青くさせながら一歩後ろに下がっているが、アリシアだけは平然とした表情でジュースを飲みながら静観している。

 そしてフェイトはちょっと首を傾けながら抑揚のない声で。

 

「ちょっと胸がムカムカする……。なんでだろうね? バルディッシュ」

《………………》

 

 相棒のデバイスは一切答えない。

 そんな死神少女よろしくな姿に銀時は顔面蒼白となる。

 

(こェェェェエエエエエエエエ!? なにアレ死神!? ブリーチより死神っぽいんですけど!)

 

 銀時の様子を見てアルフはため息を吐く。

 

「たく……女口説にしても場を考えなよ……」

「いや、俺が言うのもなんだけどアレただのセクハラ発言ですけど!?」

 

 とりあえずあのおっかないモンに視線を合わせるはヤバいと思った銀時は話しかけてきたシグナムへと顔を向ける。

 

「し、シグナムさんでしたっけ? そ、それで? お、俺に何か用なの?」

「……えッ? あ、あぁ……」

 

 フェイトを見てか若干顔を青くさせているシグナムは銀時の問いかけに気付いて慌てて頷き、話を再開する。

 

「剣の腕が立つのであれば、一度手合わせを願いたいと思ってな」

「……あぁ……手合わせねェ……」

 

 銀時は顎を撫でながら視線を彷徨わせた後、チラリとシグナムの顔へ視線を戻す。

 

「おたくも魔法が使えんだよな?」

「あぁ。ミッドではなくベルカの魔法ではあるが」

「いや、魔法の種類なんて俺知らねェからどっちでもいいけどよ……おたくはそれ込みで戦うのか?」

 

 シグナムは首を横に振る。

 

「いや、木剣などの、真剣以外を使っての剣術勝負で臨みたい。もちろん魔法による模擬戦も望むとこではあるが、魔法の使用はあなた達と剣を交えてから考えようと思ってな」

「達?」

 

 と銀時は訝し気に片眉を上げ、尋ねる。

 

「さっきもチンピラ警察やら柳生の連中やら新八とかにもなんか話してたけど、もしかしてお前……他の連中にも試合申し込んでんの?」

「あぁ。剣に覚えるある武人たちがこんなにも揃っているのだ。私もベルカの騎士としての血が騒いでしまってな」

 

 目を若干輝かせながら子供のようにワクワクしてそうなシグナムを見て、コイツもしかして戦闘狂か? と勘繰る銀時。

 だが、すぐにその考えを改め、目の前のポニテ剣術娘は根っからの剣士なだけなのだろう、と考えた。ぶっちゃけ、もっと性質の悪い正真正銘の戦闘狂を知っているから、シグナムはその枠に入らないと考えての事だ。

 

 頭の中で色々と考えた後、銀時はやんわり断る事にする。

 

「いや、俺は遠慮とくわ」

「……そうか」

 

 シグナムは少し残念そうな表情で踵を返し、気落ちした背中を見て銀時はめんどくさそうに頭を掻く。

 

「わかった、わかりました」

 

 言葉を聞いてシグナムはパッと顔を後ろに向け、銀時は気だるげな声で。

 

「いつか手合わせしてやるよ。ただしいつかな」

「五日だな?」

「五日じゃねェ何時かだ! 古典的なボケすんな!」

 

 ツッコミ入れる銀時にシグナムは薄く微笑を浮かべる。

 

「待っているぞ」

 

 と満足したようにはやての元へと向かうシグナムを見て銀時はボリボリと頭を掻く。

 

「なんかめんどうなのに目を付けられちまったな……」

 

 まぁ本当に暇で気が向いた時にでも相手してやるか、と考えて席を立ちあがる。

 

「そんじゃま、俺ちょっとトイレに行くわ」

「「「「「えッ?」」」」」

 

 すると突如として全員の視線が一斉に向くので、銀時は思わず目を白黒させ、開口一番になのはが心配そうな声を上げる。

 

「銀さん大丈夫なんですか?」

「はッ? なにが?」

「だって銀さんて『トイレに入るとたまに寝ちゃう』んですよね?」

「………………えッ?」

 

 いきなりワケわからん事言い出すなのはに銀時は呆けた声を出し、次にアリサが。

 

「えッ? 私は銀時が『トイレで寝るのが趣味』って聞いたわよ?」

「はッ?」

 

 と銀時が鳩が豆鉄砲受けたような顔をする中、今度はすずかが。

 

「あれ? 銀時さんは『トイレじゃないと寝られない』って聞いたよ?」

「はァ!?」

 

 すると次にユーノが。

 

「えッ! 僕は銀時さんが『トイレに入るとたまに意識失う謎の持病がある』って聞きましたよ?」

「はァァァッ!?」

 

 いきなりグレードアップした事に驚く銀時。すると次に九兵衛が。

 

「なに? 君は『トイレに入るとたまに臨死体験する』と聞いたんだが?」

「ええええええええ!?」

 

 次にクロノが、

 

「ん? あなたは『トイレに入ってたまに霊体を憑依させている』んだろ?」

「ウェェェェエエエエ!?」

 

 どんどん酷くなっていく身に覚えのない情報に驚く銀時。

 すると集まった者たちは次々に言い出す。

 

 まずリンディが、

 

「あら? 銀時さんは『トイレを住処にしている』のでは?」

「ちげぇよ!!」

 

 続いて土方と東城が、

 

「ん? 俺は『トイレと一体化を図っている』と聞いたぞ」

「なぜトイレと合体しないのですか?」

「合体してなんの意味があんだよ!!」

 

 次にシグナムが、

 

「私は『トイレと結婚の準備をしている』と聞いたが?」

「相手無機物だろうが!!」

 

 次にシャマルとヴィータが、

 

「私は特に聞いてないわ」

「あたしはえ~っと……わり。特に思いつかねぇ」

「じゅあオメーらは無理に話に入ってくんな!! 鬱陶しい!!」

 

 エイミィが「はいはい!」と手を上げて、

 

「私は銀時さんが『トイレで宇宙の神秘解き明かそうとしている』って聞いたよ!!」

「おィィ!! それもうトイレって単語いらねェだろ!! しかもなんで嬉しそうに語るんだよ!! 悪意あんなお前!!」

 

 アリシアが元気に、

 

「みんなすっごいね! 私はお兄さんが『トイレこそ我が人生の全て』と語っているって聞いたよ!!」

「もはやトイレにすら入ってねェぞ!!」

 

 近藤はデカい声で、

 

「なに! 万事屋は用を足すかの如く常に性欲解消しているのではないのか!!」

「それはおめェだろゴリラ!! つうかもうトイレほぼ関係ねェし!!」

「いやいや、ちげェだろ。ここはスタンダードに考えて痔だろ」

「それもおめェだろうが!! いぼ痔忍者!!」

「なに言ってるの。銀さんは私を考えてオナ――」

「黙れ変態発情忍者!! テキトー抜かすんじゃねェ!!」

 

 そんでもってはやては銀時の旧友である桂に問いかける。

 

「ねぇ桂さん。銀時さんが結局トイレで何してはるか知ってるんですか?」

「うむ。あいつは時折呪われたようにドラクエ、ゼルダ、マリオとついでに精神と時の部屋に行けないかと苦心していてな。そんな時、トイレを使って――」

「黙れヅラァァァァァァ!! 話をこれ以上ややこしくすんじゃねェェェェェェ!!」

 

 叫び、銀時はバン!! と両手で机を思いっきり叩く。

 

「つうかマジいい加減にしろォォォォォ!! 誰だこんな噂流した奴!! 人様にとんでもねー風評被害与えやがって!!」

 

 銀時が怒鳴りつけるながら顔を左右へとぐいぐい動かし、親睦会に集まった面々を見渡す。

 すると銀時の目に映るのは、平然とした顔で場を静観しているフェイトとアルフ。オレンジジュースをちびち飲む二人を見て、思い出す――時の庭園のトイレでおもっくそ怖い光景を見た挙句に気絶した忌まわしい記憶を。(第十四話参照)

 銀時は速足でフェイトとアルフに近づき、腕を組みながら。

 

「おい、アルフ、フェイト。お前ら、『銀時がトイレで気絶した』って言いふらしだろ? 先生怒りませんから、ちゃんと答えなさい」

 

 もうぶっちゃけ、こんだけひでぇ噂が飛び交ってしまっているのだから、銀時は包み隠すなんて事はしなかった。

 

「言ってない言ってない」

「ううん。知らない」

 

 アルフはオレンジジュースを飲みながら冷静に返し、フェイトはしっかりと見つめながら首を横にふる。

 なんか嘘を言っているようにも思えないので、あれ? 思い過ごしか? と銀時は眉間に皺を寄せて首を傾げるとフェイトが。

 

「でも銀時がトイレで気絶した時の事を思い出して、ちょっと心配だったから新八と神楽に相談したよ」

「やっぱオメーらじゃねェか発信源!!」

「でも言いふらしてないよ?」

 

 フェイトは小首を傾げて言い、銀時はため息混じりに告げる。

 

「言いふらすのも相談すんのも一緒なんだよ。覚えとけ」

 

 こくりと頷くフェイトを見た後、銀時は首をグイッと新八と神楽へと向け、血走った眼光を向けながら近づく。

 

「つう事はオメェらが変な噂ばら撒きやがったんだな?」

「ち、違います! 違います!! しかも僕はちゃんとフェイトちゃんに『気にする事のほどじゃないよ』ってフォローまで入れたんですよ!!」

 

 と新八は汗を流しながら必死に否定し、神楽も抗議する。

 

「そうアル! 私らが銀ちゃんの名を貶める事するワケないアル!!」

「そうですぜ旦那ァ。こいつらは噂を流したりしてやせん」

「沖田さん!」

 

 まさかの援護に新八は嬉しそうな声を出し、沖田は新八と神楽に親指向けながら。

 

「そもそもそこの二人は旦那が『トイレで謎の奇病に(かか)ったー!!』と廊下で大笑いしてたのを聞いた俺と局員(モブ)の噂が広がっただけの話なんですから」

 

 沖田の言葉で場が静寂に包まれ、新八と神楽はお互いの顔を見合わせた後、バッと席を立って逃げ出し、目を赤く光らせた銀時はダッシュで追いかける。

 ようは結局、新八と神楽のお陰で銀時のトイレ伝説は広がってしまったと言うワケである。

 食堂内を新八は全力で逃げながら声を出す。

 

「そもそもあんたなんでトイレで気絶してんですか!! 噂云々の前にあんたの落ち度でしょ!!」

「そうアル!! どうせ怖いビデオでも見て、それで幻覚見た挙句気絶したとかそんなとこネ!!」

 

 と神楽も便乗。

 

「なんで知って――ってちげェェェエエエエよ!! そのォ! あのォ! アレだッ!! とにかく口の軽いテメェらが制裁受ければいい話なんだよ!!」

 

 銀時の苦しい言い訳に新八は逃げながら青筋浮かべる。

 

「思いっきり真相当てられて図星じゃねェか!! しかもなんて情けな――!!」

「うるせェェェェエエエエエエエ!! 誰だってなぁ、天井に目玉が見えたら気絶すんだよ!!」

「勝手に幻覚見といて逆切れすんなこのビビり天パ!!」

「いったなロリコン眼鏡ェェェェエエエエエッ!! 覚悟しろォォォォオオオオオッ!!」

「誰がロリコンじゃああああああああああああああッ!!」

 

 ああだこうだ食堂で追い掛けっこ始める銀時、新八、神楽を眺めながらリニスは汗を流していた。

 

(その目玉……〝私〟なんですよねー……)

 

 リニスは思い起こす。

 

 当初、銀時をクリミナルの回し者かもしれないと疑っていたプレシア。

 なにかしら隙が出そうなトイレタイムの銀時を観察しろとプレシアに命令(たのまれ)。用を足すついでに天井裏を少し開けたら、バッチリなタイミングで彼が天井に顔を向けていたのだ。

 しかも自分は猫の姿だったからか、暗い天井裏では目が光っていたらしく、それ見た銀時が気絶した、ついでに気絶した銀時にリニスもビックリした――と言うのが、実はトイレの件の真相だったりする。

 

 リニスはジュースに口を付けながら、新八と神楽を追いかける銀時を見る。

 

(黙っておこう……)

 

 たぶん本当の事バラしたら後でめっちゃ怒るだろうなぁ、と考えてこの秘密は永遠に黙っておこうと決意するリニスであった。

 

 ちなみに時の庭園にいる間、リニスの極秘の観察のおかげで、銀時がクリミナルのスパイであるという可能性が、リニスとプレシアたちの中から限りなく低くなっていたのはここだけの話。

 

 

 色々とあったものの親睦会は滞りなく進み、今は机の上には数種のデザードが載せられている。

 リンディはところどころでグループを作っては楽しそうに会話をしている食堂に集まった一同を見て頬を綻ばせ、隣でジュースに口を付ける息子に声をかける。

 

「クロノ。どうやら、この会を開いて正解のようですね」

「完全に事件が解決したワケでありませんから、僕も最初は気乗りしませんでたけど、局員にとっては良いガス抜きなったかもしれませんね」

「それもありますが、テスタロッサの方々やヴォルケンリッター達にとってもこの場を開いたのは良い傾向ではありませんか?」

「…………」

 

 ヴォルケンリッターの名前が出た途端にクロノは口を閉ざしてしまうがリンディは構わずにはやてやシグナムたちを見ながら言葉を続ける。

 

「彼女らだって決して悪いだけの存在ではない。あなたが一番それを理解しているはずですよ」

「…………母さん。僕は――」

「よくもやりやがったなテメェェェエエエエエエエエエエエエエエッ!!」

 

 突然の怒鳴り声にクロノは言葉を止め、声のした方に顔を向ければ、ヴィータがハンマーを構えながら吠えている姿が目に映る。

 そして慌てた様子で二人の元に新八がやって来る。

 

「リンディさんクロノくん大変です!」

 

 クロノは焦る新八を見て、やれやれと首を振りながら思考を切り替える。

 

「新八。今度はなんの騒ぎだ?」

「実は出て来たデザートに小豆がてんこ盛り乗ったアイスが出て来てヴィータちゃんが――」

「もしかして気に入りませんでしたか? 私と銀時さんが考案したモノなんですが……」

 

 リンディは少し残念そうに言うがクロノはジト目を向ける。

 

「だから僕は止めた方が良いと言ったんですよ。豆が山盛り乗ったアイスなんて」

「違います!」

 

 と新八はぶんぶんと首を横に振って言う。

 

「むしろヴィータちゃんは『こんなアイスみたことねェ!』と目を輝かせていたんですが、その後が問題だったんです」

 

 首を傾げるリンディとクロノに新八は簡単に説明する。

 

『銀時とリンディ考案のアイスを見てヴィータが喜ぶ』

『すると沖田に焚きつけられた土方が対抗してヴィータのアイスにマヨネーズぶっ掛ける』

『マヨラー絶対許さねェ!!』

 

 そこまでざっくり説明した新八は困ったように頬を掻く。

 

「それでヴィータちゃん今にも暴れそうな上に沖田さんは沖田さんで土方さん羽交い絞めして動きを封じてますし、銀さんに至っては煽っちゃうし、神楽ちゃんはもぐもぐ食べてるし」

「いや、最後の神楽だけ思いっきり無関係だよな?」

 

 とクロノはツッコム。

 

「とにかく、アイスをお願いします! はやてちゃんの話だとアイスの怒りはアイスで鎮めるのが一番だと聞いたので!」

「なるほど。怒りの熱をアイスで冷やすのですね」

 

 とリンディは真剣な表情で言う。

 

「あの、うまいこと言った、みたいな顔やめてください。ぶっちゃけ、うまくありませんからね?」

 

 とクロノは呆れた声を出し、「わかった」と言いながらため息を吐き、リンディへと顔を向ける。

 

「では僕が新しいアイスを用意して場を治めて来ますので、母さんはゆっくり食べててください」

 

 リンディはきょとんした顔で尋ねる。

 

「いいんですか? 折角の無礼講なんですから、あなたばかりが動く必要はないんですし、今度は私が――」

「いえ。折角ですから、事態を収拾するついでにヴォルケンリッターたちとも会話の一つか二つでもして、少しは彼女たちの事を理解してこようと思います」

 

 と意味深に薄く笑みを浮かべるクロノを見てリンディは「まぁ」と言ってニコリと笑みを浮かべる。

 一方、真っ赤なオーラ出すヴィータが羽交い絞めにされた土方の顎にハンマー叩きつけそうな場面を見て、新八は焦りを浮かべる。

 

「なんかよく分かりませんけど、とにかくヴィータちゃん鎮静化の為に新しいアイスを!!」

「わかったわかった。土方さんは手遅れかもしれないが、アイスは用意しよう。確か厨房にまだアイスがあったはずだ」

「クロノくん冷たくない!? アイスだけに!」

「いや、言っとくけど君の言葉もうまくないからな?」

 

 クロノと新八は新しいアイスを用意する為に厨房に向かい、そんな執務官の姿をリンディはニコニコと見ていた。

 結局土方はヴィータのハンマーにぶっ飛ばされて天井に頭がぶっ刺さって宙吊り状態になっていた。しかしヴィータの怒りは収まらず、

 

「チクショオオオオオオ!! あたしの一日の楽しみがスライムの出来損ないみたいになっちまったァァァアアアアアアアア!!」

 

 とブチ切れまくるのでクロノが宥めようと。

 

「そんなに怒るな。たかがアイスくらいで」

「だとコラァァァアアアアア!! 『アイスをバカにする者はアイスに泣く』ってベルカの諺にあんだぞコノヤロー!!」

「そんな諺たぶんないだろ? 新しいアイスやるから」

「なに!? お前良い奴だな!」

 

 そんなこんなでヴィータは笑顔でアイスを食し、天井に刺さった土方は近藤、新八、なのは、すずかの協力でなんとか助けられるのだった。

 

 

 アースラの廊下に設置された男子トイレの入り口から銀時が濡れた手を払いながら出てくる。

 さっきまで新八と神楽を追いかけ、更にはぶっ飛ばされる土方見てゲラゲラ笑っていた銀時だったが、トイレ行きたいこと思い出して慌てて便所に直行しただけに、出した後は中々にスッキリした。

 そのまま食堂へと向かおうとした時、

 

「――ちょっといいかしら?」

 

 と言う声が死角から耳に入り、銀時は咄嗟に顔を右に向ければ笑み携えたプレシアの顔が映る。

 

「おわァーッ!」

 

 娘命の大魔導師のご尊顔を拝見したせいで銀時は咄嗟に後ろへと飛び退き、プレシアはジト目向ける。

 

「ちょっと、なんで声かけた時じゃなくて私の顔を見てから驚くの? 失礼ね」

「い、いや~……だってその~……」

 

 頬を引きつらせながら銀時は体を少し仰け反らせながら一歩二歩後ろへと後退し、プレシアは不満げに目を細める。

 

「なんで脊髄反射の如く後ろに下がるの? 少し前から、人のこと避けるし、あなたホントに失礼よ?」

 

 プレシアは不満げな表情で告げるが、ぶっちゃけ銀時は目の前の大魔導師には会いたくなかったのである。

 依頼料請求とかフェイトとの親子の進展とか聞きたい事もあるにはあったが、フェイトの唇奪ったとか(のたま)うこのおっかなくてしゃあない大魔導師にいつか抹殺されるんじゃないかと思って気が気ではなかった。

 銀時の態度でなにかを察してかプレシアはやれやれとため息を吐く。

 

「別にあなたを黒焦げにしようなんて思ってないわよ」

「つまり俺を肉片が残らないほど跡形もなく消滅させる気だな?」

「ちッッがうわよ! あなたが私に抱くイメージは魔王かなにかなの! 失礼極まりないわね!」

「むしろ娘に対するお前の言動見せられたら、ビビらねェ方がおかしいんだよ」

「うッ……!」

 

 銀時の反射的な反論にプレシアは図星つかれたのかバツが悪そうな表情を浮かべるが、若干気疲れした顔で。

 

「とにかく何もしないから。ちょっとだけ話をしない?」

「ここで?」

 

 と銀時はチラリとトイレの入り口に目を向ける。

 

「もちろん別の場所よ。なるべく人が来ないところがいいのだけれど」

「人目がないところで俺を抹殺する気だな?」

「あんたもしつこいわね。ただ単に内容によっては人に聞かれたくない話に発展するかもしれないから、人目を避けたいってだけ」

「…………わかった」

 

 渋々と言った具合に銀時は頷き、廊下を歩くプレシアの後に続く。

 二人がある程度まで歩いたところで。

 

「まぁ、ここら辺でいいかしら」

 

 と言ってプレシアが後ろ振りむけば、銀時は長方形の金属の盾――ライオットシールドを構えている。

 

「………………」

 

 思いっきり防御態勢に入る銀髪にプレシアは青筋浮かべる。

 

「いい加減にしないとホントに消し炭にするわよ?」

 

 そんなこんなで銀時とプレシアはゆっくりと会話をすることになったが、やはりまともに会話などした事ない間柄だけに最初は無言がいくばくが続く。

 だがやがてプレシアはうんと頷き、廊下の壁に背中を預けた銀時へと真剣な顔を向ける。

 

「――まず、お礼を言わせて」

 

 プレシアは深々と頭を下げる。

 

「娘を救ってくれて……本当にありがとう」

「その言い方だと俺がお前の娘を救った大層な人間に聞こえるが、トドメ刺したのはなのはだ。俺がやった事と言えば、トドメの手伝いして、必要だったかどうかも分からねェ死体蹴りぐらいだがな」

「でも実際あなたがいたからあのふざけたデバイスを倒す事ができたのも事実よ。それにデバイスを起動できないほどに破損させたのだから、あなたの功績だって大したものよ」

 

 プレシアの言葉を聞いて銀時はめんどくさそうに人差し指で頭をポリポリと掻く。

 

「それなら俺だけじゃなくて他の連中にでも礼を言っとけよ」

「もうとっくに言ってるわ。言ってないのは私を避けてたあなただけ」

「あー……うん……そっか。……なんかすんません」

 

 ジトッとした目を向けてくるプレシアの言葉を聞いてバツが悪くなった銀時は顔を逸らしてから別の話題を振る。

 

「……それよりもお前はこれからどうすんだ? 娘たちと一緒にまたあの魔王城で暮らすのか?」

「紛いなりにも人が住んでた家を魔王城呼ばわりしないで欲しいとは言いたいけど、あの見た目じゃ否定できないわね……」

 

 疲れたようにため息を吐いた後、プレシアは若干憂いを帯びた表情で少しの間、口を閉ざす。そしていくばくかしてから、言う。

 

「……私は……あの子たちと暮らして良いと……思う?」

「……なんだ、急に」

 

 銀時は声を低くし目を細めれば、プレシアは視線を逸らしながら弱々しく告げる。

 

「だって……そうでしょ? 私は娘の為とはいえ、禁忌とされる技術を完成させ、人造生命を生み出してしまったのだから」

「つっても、証拠は全部消えちまったんだろ?」

「それは……そうだけど……」

 

 と声音を弱めつつ話すプレシアに、銀時は平坦な声で告げる。

 

「罪に問われねェから無問題――ってワケでもねェってか?」

 

 プレシアは小さく頷き、銀時はため息を吐く。

 

「結局、オメェは娘救う方法を必死に探しただけだろ。そもそもテメェの願望を通すためだけに、今まで誰かを苦しめたワケでもあるめェに。フェイト含めてな」

「でも当時は……連中の提案を受け入れたあげく、禁忌に手を出す自分を止められなかったわ。アリシアを助けるためって、甘い汁に誘われる自分を……」

 

 プレシアの懺悔にも似た告白を聞いて銀時は目を細める。

 

「ならなんだ? アリシアは見捨てて死んでいた方が良かった、ってオメーは言いたいのか?」

「そんな事言ってないでしょ! 私の行いそのものが罪であると言っているの! アリシアを助けた事に後悔はないわ!!」

 

 プレシアはキッと銀時を睨む。

 

「ならその禁断の技術とやらで生まれたフェイトの存在そのもの罪って事か?」

「いい加減にして!!」

 

 プレシアは銀時の胸倉を掴み上げ、吠えるように怒気を飛ばす。

 

「私の娘たちはなんの罪もないの!! 罪があるのは私!! そんな私がのうのうとあの子たちと幸せに暮らす権利があるかって事よ!!」

 

 そこまで吐き出し、プレシアは手の力を徐々に弱めながら胸倉を離して、右手で目を覆い、壁に背中を預けて弱々しい声を漏らす。

 

「……私ね……プロジェクトFを完成させてフェイトを生み出すまで……アリシアの事しか考えてなかった……。生まれてるくる命に……目なんて向けてなかった……」

 

 認識の甘さから生まれた命の一つがリニスだしね、とプレシアは言葉を漏らす。

 

「…………」

 

 プレシアの独白を聞いて銀時は口を開かず、ただ黙って彼女の感情の吐露を聞き続ける。

 プレシアは顔から手を離し、自虐的に自嘲を零す。

 

「こんな……娘を免罪符にして簡単に犯罪者に手を貸そうとする奴が……母親だとか……」

 

 自身を愚かしい人物とでも言いたげなプレシアは右手で頭を抑え、髪をたくし上げる。

 

「とは言え、わざわざ私の浅はかな行いの為に裁判を起こしてまであの子たちを苦しめたくない……。でも、罪を犯したと思う度に……あの子たちの笑顔を見る度に……どうしたらいいのか……」

「だったら、オメーはどうしたいんだ?」

「……分からない。だから悩んでるの」

 

 とプレシアは小さく告げて、そのまま口を閉ざしてしまう。そのまま両者にいくばくかの沈黙が訪れるが、やがてプレシアは(かぶり)を振る。

 

「……ごめんなさい。ちょっと……感情的になり過ぎてたわ……。娘を救った恩人にみっともなく愚痴零して……ホントに……ごめんなさい……」

 

 さきほどの自分の行いを悔いるようにプレシアは頭をカリカリと掻きむしる。

 

「私自身が決着を付けなきゃいけない事なのに……あなたに当たり散らして……しまって……」

「俺はよ、オメーに罪があんのかもわかんねェし、オメーがどう罪を償えば正解かっても分からねェ」

 

 銀時がしゃべり始めた事でプレシアは言葉を止め、彼の言葉に耳を傾ける。

 

「でもよ、悩むだけ悩んで罪の償い方ってのが分かんねェってんなら俺が思いつく贖罪の仕方ってヤツは一つだけだ」

 

 それは? と言いたげな表情で言葉を待つプレシアに、銀時は小さな、だがはっきり聞こえる声で。

 

「――フェイトの母親を続けろ」

 

 銀時の言葉にプレシアは「えッ?」と声を漏らし、銀時は更に言葉を続ける。

 

「オメェが罪の意識って奴が消えて納得するまであいつらが幸せになるように全身全霊で育ててやればいい。生んだ(モン)のメンドーを最後まで見るってのが、生んだ親の筋ってモンじゃねェのか? わざわざ法に従って、娘を育てる時間を取られるよりもよ」

 

 銀時の言葉を聞いて若干だがプレシアは憑き物が落ちたようにフッと笑みを零す。

 

「ならまず、やる事は……地球への移住ってところかしら」

 

 思いついたように発したプレシアの言葉を聞いて彼女の考えをすぐに理解した銀時もまた笑みを零す。

 

「よくまー、知らねェ土地どころか異世界に住もうって言い出せんな。ホント、娘に対するオメーの胆力には感服するよ」

「強い娘を持つ母親も、強くあり続けなきゃいけないって事よ」

 

 どうやらなんの戸惑いもなくこの母親は娘の為だけに海鳴市に移り住むと決めたようだ。少しでも新しくできた友人たちと暮らせるように配慮したいのであろう。

 

「俺もお前みたいにガキこさえればちょっとは理解できんのかねェ……その気持ち」

 

 銀時の言葉を聞いてプレシアは口に折り曲げた指を当ててクスクス笑う。

 

「あなたが子煩悩になる姿は想像できないわね」

「うっせーよ」

 

 銀時自身、自分が子供の為にあくせく頭悩ます姿が想像できなかった為に何も言い返せなかった。そもそも子供を作る相手なんぞこれから一生できるか怪しい。そして悲しくなった。

 なんか癪なので銀時は考えを別の方向へとシフトさせる。

 

「とりあえずなのはの街にあの魔王城を降臨させなら、まずは上空に移動させた城を雲で覆って竜の巣作ってだな――」

「しないわよそんな事。ちゃんと現地の家を探して買い取るわ」

「金あんの?」

「研究者として奔走しているうちに大魔導師とまで呼ばれたのよ? 備蓄なら求めなくても十二分にあるわ。ただまぁ、地球で住めるように一回ミットチルダに戻ってもろもろの手続きやら、メンドーな事を済ませなきゃならないけど」

 

 これから先の準備を考えてか、プレシアは顎に手を当てて思案し始める。すると銀時はある疑問が浮上し問いかける。

 

「そんじゃ、娘たちと一緒にミッドなんちゃらに戻んのか?」

「私もそれは一度考えたけど、知り合いが誰もいないあっちに宿泊させるよりもあの子の新しい友達の家に一時的だけど泊まらせようかとも考えたわ」

「まッ、いいんじゃねェか? なのはなら満面の笑顔で親に了承取って来るだろうしな」

「ホントに娘たちには良い友達ができたわ。しかも、あの歳の割に出来た子だしね」

「つうか、俺はこの世界きてからお前の娘含めてガキっぽくないガキに会ってばっかだけどな」

 

 不可解とばかりに頭を掻く銀時の言葉を聞いてプレシアはクスリと笑みを零す。

 

「まぁ、あの子たちの頭の回転の速さはともかく、精神的な年齢の高さは確かに不思議に思うくらい高いわね」

 

 銀時はふっと思いついたように顎を親指と人差し指で持ちながら口を開く。

 

「しっかし見た目はああだが、あんなすげェ家手放すとは惜しい事すんな」

「なら折角だし依頼料としてあなたにあげましょうか? 管理局の徹底調査が終わり次第、昔の友人に返すつもりでいたけど」

「いや、確かにある意味アレ豪邸かもしないけど、もらっても万年金欠のこっちからしたら掃除が大変なだけの物件にしかならねェからぶっちゃけ貰っても困る」

「それもそうね。なら、初めてあなたに会って言ったようにあなたにとって何か高価のある物品で――」

「いや、別にいいわ」

 

 右手を軽く横に振る銀時の言葉にプレシアは「えッ?」と言って目を白黒させる。

 

「……あなたさっき万年金欠だって言ったばかりじゃない」

「安心しな。管理局から謝礼がっぽり貰うから」

 

 銀時は親指と人差し指をくっ付けて丸を作り、プレシアはジト目向ける。

 

「一つ言っとけど、金一封なんてたかが知れてるわよ? あんまり度が過ぎたやせ我慢や強がりは美徳とは言いづらいわ」

「つってもよ……お前ら、突然降って湧いてきた俺の衣食住をなんやかんやで結構な期間面倒みてくれたろ? ぶっちゃけ俺、最初っからすんげェ恩をお前らに受けてたんだよな」

「それはそうだけど……」

「それによ。まだ十になってんだかなってないんだか分かんねェ娘が二人もいんのに、すぐに散財しちまうようなプー太郎に大金払っちまうか?」

 

 「ガキの世話ってなんやかんやで金がめちゃくちゃく掛かるのになー」と言いながらニヤリと笑みを浮かべる銀時の顔を見てプレシアはやれやれと首を横に振る。

 

「……あなた本当に損な性格してるわね。それじゃあ万年金欠になるのも頷けるわ」

 

 プレシアは「なら」と言って意地の悪い笑みを浮かべる。

 

「バカなあなたに免じて、フェイトがプー太郎にキスした事も不問にしてあげる」

「うん。ホントあの時の事だけは掘り下げん止めて。ロリコンじゃねェ身としてはマジで複雑な心境だから。心が抉られるから」

 

 マジなトーンで言う銀時の言葉を聞いてプレシアはクスクス笑みを浮かべる。

 本当に周りに誰もいなくて良かったと思う銀時。

 やがて、プレシアは微笑を浮かべる。

 

「なにか困った事があったら言ってちょうだい。力になってあげるわ」

「そうかい。こりゃ、心強い味方ができたもんだ」

 

 と半笑いで言い、銀時は壁から背を離す。

 

「とりあえずフェイトにはせめてもうちょっとマシな男見つけるように言っとけ。一時の感情に身を任せんのはバカするこだってな」

 

 食堂に戻ろうと背を向ける銀時にプレシアは毅然とした態度で告げる。

 

「悪いけど、そこはあの子を惚れさせたあなたのやるべき事よ。撒いた火種はちゃんと責任もって自分で消しなさい」

 

 まさかの返答を聞いて銀時は「えッ?」驚きながら立ち止まり、後ろへと顔を向ける。するとフェイトの母はキッパリと告げる。

 

「私は相手がロクデナシでもない限りは娘の色恋沙汰に口を出すつもりはないわ」

「……万年金欠のプー太郎ですが? 俺」

「ただの万年金欠のクソ野郎ならフェイトは恋心抱かないし、そもそも今頃生きてないわよ」

「サラッと怖い発言すんのやめてくれません?」

 

 口元引きつらせる銀時。どうやらフェイトの恋の相手がロクデナシと分かった時点でこの母親は相手を瞬殺するらしい。

 

 プレシアは「まぁ、なんにせよ」と言って言葉を続ける。

 

「今はフェイトの気持ちをどうこうしようなんて野暮な事はしない。だけど、今後あなたがあの子を泣かせたなら地獄の果てまで追いかけて死ぬまで殴るの止めないから」

「つまり俺近い未来死ぬってことじゃありません? だっておたくの娘さん色んな意味で叶わぬ恋してるんですけど?」

 

 という言葉を聞いてプレシアは少し目を鋭くする。

 

「あら? 私の娘じゃ不満なのかしら? 将来あの子は間違いなく美の女神も裸足で逃げ出す美人になるわよ?」

 

 まぁ、現時点でそうだけど、とかなり親バカな発言をかますプレシアに銀時は「なに言ってんのこの人?」と言う視線を向ける。

 

「……お前、俺とあいつの年齢の差分かってんのか?」

「あら? 歳の差恋愛なんて良くある話じゃない」

「歳の差あり過ぎな気がしますが?」

 

 そこまで言ってことごとく反論してくるプレシアに体を向けて銀時は頭を掻きむしる。

 

「つうかよ……俺はあいつがデカくなるまで『大人になるまで待て』とかし言えねぇぞ。つうか大人になったらとっくに恋心なんて消えて新しい恋見つけてんだろ。恋心なんざ、突発的なヤツも結構多いんだし。いくら娘の恋心応援したいからって無理やり俺みてェなとくっ付ける必要ねぇだろうが」

「別に私はあなたにフェイトと付き合えなんて無理強いしているつもりわないわ。寧ろ否の部分の方が強いから」

「だったらなんでそこまで頑なに――」

「泣かせて欲しくないの」

 

 とプレシアは娘への思いを伝えるかのように、若干悲しげだが、慈愛を含んだ表情で、視線を下へと向ける。

 

「今後あの子が自分の気持ちにどう向き合ってどんな答えを出すかは分からない。だけど、歳の差があり過ぎるとか、そんな当たり前の理由であの子に悲しんで欲しくはないの。もしあの子の気持ちが揺るがず、あなたに面と向かって気持ちを伝える時があったのなら、取り繕った言葉ではなく、ちゃんと〝あなたの気持ち〟を言葉にして返して欲しい」

 

 プレシアは胸の前に拳を持っていき、親身に母の言葉を伝える。

 

「これから悲しんで泣くとしても、無為に涙を流して欲しくない――時がきたら一人の女性として扱ってほしい。ただそれだけ」

 

 娘を思うゆえの真剣な母の言葉を聞いて銀時は軽く息を吐き「わかった」と告げ、踵を返す。そして手を軽くぶらぶら振りながら。

 

「――まぁ、おたくの自慢の娘がちょっとは良い恋ができた、と思えるくらいの男の意地は見せてやるよ」

 

 銀時の言葉を聞いてプレシアは満足げに笑みを浮かべながら小さく、

 

「――期待してるわよ」

 

 と呟くのだった。

 

 

【おまけ】

 

 食堂に帰る前、銀時はふと思い出してあることに気づき、プレシアに尋ねた。

 

「そう言えばよ……俺って最初、お前とフェイトの前に割と結構怪しい登場してたけどよ、クリミナルの回しもんと思わなかったのか?」

「もちろん最初は当然疑ったわ。だからまず、あなたに気付かれないようにした身体検査で限りなく人間ではあるって確認をしたの。魔法で殺しやすい相手かどうか」

「……いつしたんだよそんなの?」

「まぁ、全部教えると長くなるし――」

「そんなに色々俺の体調べたのか……」

「最初はスキャンサーとかあなたの身体能力チェックとかあったでしょ?」

「あー……」

 

 銀時は納得したように首を縦に振りつつ、あの時の検査はそういう意味も兼ねていたのかと納得する。

 更にプレシアは説明する。

 

「あとは寝ている間に検査するためにまずは麻酔薬を吸わせた後、服を脱がせて――」

「うん。もういいや、言わなくて。心すり減りそう」

「まぁ、色々調べてあなたが人間とは分かったけど、まさかあなたが人間なのに人間やめたバケモノだとは私も思わなかったわ」

「なにそれ哲学? つうか褒めてんの?」

 

 銀時はツッコミを入れてから、残った疑問を投げかける。

 

「でも、人間って分かっても俺が連中のスパイだって疑ってたんだろ?」

「まぁ、さすがにね。私、自分で自覚してるより疑り深いみたいだし」

「ふーん。なのに俺をフェイトとの地球降下作戦に同行させたんだな」

「そんなSF映画みたいな大仰なもんじゃないでしょ。まぁ、地球に向かわせる前にあなたに発信機や盗聴器を仕込んでおいたから、地球に行ったあとに本性を表したら、即落雷で仕留めるつもりだったわ」

「おい今なんつった?」

 

 凄まじく聞き捨てならないセリフに銀時は食い気味に問いかけると、プレシアは平然とした声で返す。

 

「ほら。あなたの頭を掴んだことあるでしょ? あの時に、盗聴器を頭皮に付けたわ」

「なんつうことしてんだテメェ!? どこだどこだ!? あッ! 後ろの方になんか四角おできが出来たと思ったら発信機かコレ!? クソッ!! すぐに取っていでででででッ!!」

 

 銀時は涙目になりながら強引に機器をぶん取る。

 

「あッ、簡単に取れないように接着部分がかなり強いから気を付けてね」

「早く言えやァァァァアアアア!」

 

 怒鳴りながら取った機器を見れば、ソレはダニのように小さな四角い機器。裏の接着面には髪が割とえげつない数くっ付いている。

 

「いってェェッ!! 頭皮が取れるかと思ったぞおい!!」

 

 後頭部を摩る銀時にプレシアは平然とした顔で告げる。

 

「あと頭のがダメになった時に備えて、服にもいくつか――」

「マジかよおい!!」

 

 そんなこんなで、銀時は食堂に戻る前に、プレシアが服に仕掛けた発信機やら盗聴器を仕掛けた本人に場所を教えてもらいながら、四苦八苦しつつ取るのだった。

 ちなみにほとんどの機器は壊れていたらしい。たぶん操られたフェイトの電撃やスターライトブレイカーが原因だろうとプレシアに言われた。




第七十六話の質問コーナー:https://syosetu.org/novel/253452/86.html
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