大海原の小さな島 ~アルダブラ島奮戦記~   作:VSBR

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あとがき

 お付き合いいただき、ありがとうございます。

 この作品は、以前の二作品と同じ舞台設定を使ったお話で、平和になろうとしているコズミック・イラを描こうと思って書きました。

 

 現実の戦争がますます非対称型の対テロ戦争になっている事もあり、そういった事例を参考にしながら物語の設定を作っていくと、こういう形に落ち着かざるを得なかった面はあります。当初の考えでは、もっと緊迫感のある街で物語を展開しようと考えていたのですが。(やる気が出れば、何かそういう物語も描けるだろうか)

 

 また、もう少しブルーコスモスの側のキャラクターも描くべきだったとは思います。特に島の住民からテロに参加した人は、きっちりと掘り下げて描くべきだったのかもしれない。

 しかし、現在ヨーロッパで発生しているいくつかのテロ事件で、容疑者として拘束されている人物についての詳しい情報(生い立ちや背後関係など)というのが中々見つからず、一見安定した社会の中で閉塞感を募らせる人物というものを描き抜くには材料が不十分だった。

 そのため、テロリストの側を描く事無く終わってしまった。特にプルーコスモスについては、もう少し考察と掘り下げが必要と反省しています。

 

 キャラクターとして最初の時点で固まっていたのはルシエンテス姉妹とその関係で、実は書きかけてやめてしまった作品の中に登場させていたキャラクターでした。この姉妹の関係性は、プラントのコーディネーターのあり方を描く上で非常に重要だと思い、サルベージしてでも使いたかった。

 逆をいうと、この二人を使いやすくするために、少しお気楽な舞台を用意しようと思ったという面もあります。

 コーディネーターという設定は、アニメでもそれほど深く掘り下げられていなかった設定ですが、この設定は社会や文化、人間の価値観や倫理観をどのように変容させていくのかといった考察がもっとなされても良い設定ではないだろうかと思っています。

 

 あと、行った事もないインド洋の島なので(そもそも「島」としては存在しない架空の島だし)食べ物とか、獲れる海産物の種類とか、気温や湿度の感覚とかがいまいち掴みづらかったのが書いている時に困った。

 食事のシーンを結構活用したのだけど、何を食べているかをきっちり描けた方が書いている方としても面白かったとは思う。ただ、マダガスカルとかコモロ諸島とかセーシェルの地元料理なんて、何を調べればいいのかまったく分からん。

 

 反省点は多々ありますが、こういう明るい雰囲気のお話を描けたというのは一つの収穫でした。

 最近は、キーボードの前に長い事座っているのも億劫になってきたけど、また何か新しいお話が描ければいいかなと思っています。


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