人間兵器の逆襲   作:ごっほん

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寝取っていいのは寝取られる覚悟があるものだけか?

 武道大会の目的はいくつかある。

 クローン娘の戦闘欲を満たすため。修行のやる気を高めるため。住民の娯楽のため。住民へ俺達の圧倒的強さを知らしめ、憧れや尊敬を抱かせるため。などなど。

 大会は毎月開催。成績に応じて賞金を出す。優勝者は賞金以外に俺の傘下の人間に対するデート権が与えられる。

 

 大会に戦力の全てを使うと見張りがいなくなるので、俺と娘達の代表格であるマツ、タカコ、ココアの4人とその直属の部下がローテーションで休む。他にも重要な交渉があったりすると俺が休む。

 その休みを除き、俺は出場した大会全てで優勝していた。優勝の度にお気に入りの娘をデートに指名し、パコパコやっていた。これでクローン娘を全員コンプリートした。

 俺が欠場した大会では全てクローン娘が優勝した。彼女達は「恥」と言ってデート権を使わないので寝取られる心配はなかった。

 大会はよそ者の参加も認めていた。主に付近の島の力自慢が参加した。アラバスタのペル、ツメゲリ部隊、ドラム王国のドルトンが常連組である。海兵も多く参加したが、大佐クラスが最高。元海賊を除いて海賊の参加はなかった。参加する前に俺達が捕まえてしまうからだ。

 たいていの大会は俺とクローン娘がベスト8を独占するのだが、よそ者が入ってくることもあった。最高は自称格闘世界チャンピオンのジーザス・バージェスで、準優勝。俺は勝ったから世界チャンピオンを名乗ってもいいのだろうか? ノロノロビームを操るフォクシーと魚人空手の達人ハックはベスト4に入った。

 

 大会の度にハーレムを増やしたので、子どもも続々と生まれていった。クローン娘のみならず、他の元海賊や元海兵の娘の子どもも生まれた。妊娠中や出産から1年は仕事から外したので、自然と傭兵家業や貿易も縮小することになった。

 

 

 しかし第51回大会、異常事態が起こる。

 仮面をつけた謎の男が、クローン娘を次々と倒し、決勝まで勝ち上がってきたのだ。

 クローン娘に対する勝ち方も問題だった。俺のように、相手をわざと傷つけないように、場外に投げて終わらせた。それだけ余裕があるということ。

 

「なんと決勝はマスクをつけた男同士の戦い! そしてどちらも圧倒的な力で三大娘を屠ってきた! 紹介しましょう! ”マットの亡霊”オイルゥウウウウ! そして謎の鉄仮面、ルフィィイイイイイイ!」

 

 ルフィを名乗る謎の男。一体誰なんだ?

 シャンクスか? ドラゴンか? ガープか? いや、ガープにしては小さい。

 

「へへへ。よろしくな」

 

 軽い口調だ。シャンクスか?

 

「ああ。よろしく」

 

 俺達は武舞台の中央で握手を交える。

 手が触れた瞬間、相手から漲るような覇気を感じた。

 只者ではない。本気でやっても勝てるかどうか。

 

「ルールは簡単! 場外、気絶、10カウント、いずれかで負け。またセコンドがいる場合はセコンドによる降参でも負け。目潰し金的は禁止。武器の使用も禁止。相手を殺してしまった場合も負けとみなす! では、イッツゴォオオオオオヌ!」

 

 ゴングがなる。

 

「ふんぬううううう!」

 

 開始早々、俺は全力で覇気を漲らせる。

 全身が服の上から黒光りに包まれる。

 

「早くも出たぁあああああ! オイル選手のオイルモード! オイルを塗ったボディビル選手のように、盛り上がった筋肉がテッカテカに黒光りしております!」

 

 実況が叫び、観客達は盛り上がる。

 

「へえ。だけど、戦いは力だけじゃねえぞ!」

 

 相手は呟いた瞬間、フッとブレた。

 

 速っ!

 

 気付いた時には目の前に拳。

 

「ぐっ」

 

 反応し切れず殴られる。

 痛ェ! 何が力だけじゃないだ! 俺並みのパワーじゃねえか!

 

 一撃で勢いよく吹き飛ばされる身体。このままでは場外。

 

 俺は咄嗟に足を振り落とし、かかとから武舞台に突き刺す。

 

 身体は嵌った足にグッと引っ張られ、後ろ向きに回転し武舞台に叩きつけられる。が、それで勢いは止まった。場外まであと50センチほどの所だった。危ないな。

 

 と、敵から殺気が。

 

「くっ」

 

 慌てて横へ飛び込む。

 俺が先ほどまでいた場所に、男のかかと落としが叩き込まれる。武舞台は激しく陥没し、陥没を中心に亀裂が縦横無尽に伸びる。

 

「へえ。いい反応だ」

「わざと殺気を漏らした癖に」

「バレてたか」

 

 仮面の男は照れるように後頭部を掻く仕草をする。

 どうやら敵はまだまだ本気ではないらしい。しかし俺の方が明らかに劣っている。

 頭を使わなければ勝てないな。その上で覇気も身体能力も今までの自分の限界を超えなければならない。

 

 殺気に気付け。相手の攻撃に気付け。感性を研ぎ済ませろ。

 

 俺は見聞色の覇気が得意じゃない。だが、今はそんなことを言っていられない。見聞色が使えなければ負ける。

 

 来た! 右か!

 

 サッと首を左に避けようとするが、避けきれず頬を打つ。

 次は左、次は足、次は突き。

 俺は避け切れないまでもなんとかダメージを減らそうとする。

 

「どうしたどうした! 逃げるだけが取り柄か!」

 

 そんなこと言われたって速すぎて当てられる気がしないのだもの。

 とも言っていられない。俺は理系の人間だ。理系には理系のやり方がある。

 俺は逃げながら、武舞台の割れ目付近に転がる破片を手に取る。武器の使用は禁止だが、ここでは俺がルールだ。

 俺はタイミングを見計らい、相手が地面を踏む直前、武舞台をカカトで踏みつける。

 

「うおっ?」

 

 俺の踏みつけで武舞台が陥没し、相手の足並みが狂う。つんのめるような隙だらけになる。

 

「つえええい!」

 

 そこへ、先ほどの破片を投げつける。と同時に目の前にある破片(俺が武舞台を陥没させた時に反動で飛び上がった小片)を握り、投げつける。

 

「うっ、がっ」

 

 両方命中する。ダメージはあるようだ。この隙に決める。

 

 俺は全力で男へ飛び込む。胸から下へタックルを仕掛ける形で。

 相手は反応し、俺の顔を蹴飛ばそうとする。俺は若干体を捻るが、タックル自体はやめない。

 

「こんにゃろ!」

「ふんぐぅっ」

 

 痛ええええええ! 頭が割れる割れる割れる! 意識も消えちゃいそう。

 ヴィンスモークで地獄の訓練をしていた頃を思い出すようなダメージ。しかし気絶寸前で踏ん張るということには慣れているとも言える。

 

「ふんぬぅううう!」

 

 俺は歯を食いしばり、なんとか足を動かす。

 強引にタックルを決めにいく。

 

「おいコラ! 武器は反則だろ!」

 

 相手はさせじとフックや膝蹴りを繰り出す。それでも俺は止まらない。

 そして、とうとう相手の足に手が絡む。顔もその足に押し付け、顔と手で足を固定する。そのまま低い姿勢で相手を押し、転ばせようとする。

 

「離せ! 汚えやつ!」

 

 俺の顔は血まみれになっていただろう。なおももがく相手の膝やフックが俺の顔を打つ。しかし離さない。

 気が遠くなるが、ヴィンスモークの日々を思い出して頑張る。

 

 相手が足を武舞台の割れ目に引っ掛ける。そしてとうとう倒れた。

 

「く、くあああああああああ!」

 

 急いでマウントポジションを取り、ここぞとばかりにタコ殴り。タコ殴り。

 

「んにゃろ!」

 

 相手は見聞色の覇気を持っているようで、ほとんど当たらない。当たる10回に一回くらいだろうか。その間にカウンターを2回くらい食らう。意識がまた薄れる。

 

 マウントポジションですら俺が不利なのか。どうなってやがる畜生!

 

 作戦変更。相手の手を取り腕十字を狙う。が、自分の血と汗で濡れて滑る。ただでさえ見聞色で避けられるのに滑る。全然握れない。クソッ!

 その間にも相手のフックが顔に当たる。

 

 やばい。このままでは負ける。本気で負ける。意識もそろそろヤバい。

 

「あ、赤髪ぃいいいいい!」

「海賊だ! そいつ赤髪のシャンクスだぁああああああ!」

 

 その時、観客の誰かが叫んだ。

 

「捕まえろ! そいつ海賊だ!」

「金づるだ!」

 

 見ると、戦闘の中で男の仮面が割れて素顔が露になっている。焦ってそんなことにも気付かなかった。

 相手はやはりシャンクスだったようだ。原作で見た顔だ。

 

 シャンクスはやべえという反応を見せて若干力を抜いた。俺はその隙にシャンクスの襟元をつかむ。

 

「うおおおおおおおおおおお!」

「な、なんだ!?」

 

 腕十字は諦める。だが、勝利は諦めない。

 右手でシャンクスの襟を掴み、左手で服を掴む。そして起き上がりながら、勢いよく振り回す。相手の服が破れないように覇気を流して強化する。

 

「ぬおおおああああああああ!」

「うおっ」

 

 ありったけの力を込める。シャンクスをハンマー投げのように大きく振り回す。

 そして、大遠投。

 

「うおおおっ!」

 

 シャンクスは遥かかなたへ飛んでいった。

 勝った。のか? そこでフッと頭が真っ白になった。

 

 次に目覚めた時、俺は医務室にいた。

 そこで、勝負は俺の勝ちになったこととシャンクスは逃げたこと等を聞かされたが、もっと重要なニュースもあった。

 

「任務、だと……!?」

「はい」

 

 手塩にかけて育ててきた娘達。子どもも生まれたしいまさら逃げることはないと思っていた。しかし、ある者は任務のため、ある者は最強を目指すためと言って、赤髪海賊団の船に乗って行ってしまったという。

 アマゾンリリークローンから一人、ワノ国クローンから一人、その他から2人。

 

「ぐぬっ、ぐぬぬぬぬっ」

 

 俺は娘達を育ててきたから分かる。シャンクスについていったのは単に任務のためや最強を目指すためではない。

 あいつらは、シャンクスに惹かれたのだ。俺を上回る強さ、気前の良さ、そしてかっこよさに。だから出て行ったのだ。

 

「ぐぬぬぬぬっ。この俺から離れていくとは……。特にマツ! お前子どもいるだろうに!」

 

 理由は分かる。自分よりシャンクスが魅力的だということも認める。だが、怒りが沸く。散々他人の女を奪ってきたので、こういうことが起こりうるのは分かっていたが、落ち着くには時間がかかった。

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