魔理沙のタイムトラベル   作:MMLL

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多くの最高評価と高評価ありがとうございます。
とてもうれしいです

投稿が遅くなってすみませんでした。
今回の話は文字数7000こえてるので普段より多めの文章量となっております




第152話 魔理沙の結末(前編)

 

(……長いな)

 

 いつまでも終わる気配のないタイムトラベル。そこはかとない違和感と既視感を覚えつつ目を開けると。

 

「な、なんだこれ!?」

 

 ほんの数メートル先に広がる果てしなく深い暗闇のカーテン。それは地上から空のてっぺんまで、左右を見渡せば地平線の果てまで続いていた。 

 夜になった訳ではない。タイムトラベル先の時間は正午に設定していたし、もし何らかの理由で夜に跳んでしまっていたとしても、昼と夜が同時に存在することは有り得ないからだ。

 そのように現状を把握する過程で、私の立っている場所が魔法の森ではなく時の回廊であることに気付く。回廊の外に映る四季を象徴した光景も、秋と春の景色が暗闇に呑み込まれて消えていた。

 

(何がどうなってるんだ?)

 

 私は暗闇と明るみの境界線手前まで歩いていき、その真暗な世界を改めて観察する。魔女の目をもってしても中を見通せず、弱めのマスタースパークを撃ってみても、暗闇を照らすどころか、光線そのものが闇に呑まれ、かき消されてしまった。

 ならばと右腕を伸ばし、肘まで突っ込んでみたものの、ちょうど暗闇に浸かっている部分――肘から先――の感覚がなくなってしまい、慌てて手を引っ込める。明るみの中、右手を握ったり開いたりして確かめれば、感覚は正常に戻っていた。

 

(あ~何ともなくて良かった。しっかし、どうしたもんかな)

 

 先程までの実験で、これがただの暗闇でないことは実証済みだ。考えなしに飛び込んでいけば帰ってこれなくなる予感がする。

 

(……ん~むこの先には行くなってことか? というか咲夜はどこなんだ? いつもなら真っ先に声をかけてくるのに)

 

 目の前の暗闇から離れ、改めて周辺を見渡してみたものの彼女の姿は見当たらない。どこに行ってしまったのだろうか。

 

「おーい咲夜~!」

 

 私の叫びがこだまのように響き渡るものの、返事はない。

 回廊の両端に一定間隔で並ぶ石柱、そこを隔てた向こう側に見える夏と冬の景色の中にいるのかと思いつつ回廊を引き返していくと、遥か前方に何かを見つけ、急行する。やがてその〝何か″に近づくにつれて、その全貌が見えて来た。

 

「これは……」

 

 前方には向こう側が透けて見える巨大なスクリーンが道を塞ぐようにして宙に浮かび、奥の画面全体がちょうど良い感じに見渡せる位置には、柔らかい素材で作られた背もたれ付きの座席が地面から5㎜程浮いていた。

 私はスクリーンをすり抜け、これらの周囲を歩き回りながら新たな発見がないかどうか探していく。

 

(この座席には何の仕掛けもなさそうだな。そしてこの透過ディスプレイ、画面に何も映ってないみたいだけど、どこにもボタンやスイッチの類がないな。それに……) 

 

『時空変動により、現在この歴史を観測できません。霧雨魔理沙の行動が確定するまでしばらくお待ちください』

 

 画面の中央部から繰り返し流される機械的なメッセージ。

 

(……私がここにいると駄目ってことなのか?)

 

 そもそもなんでこんなところにいるんだろう。元々ここに来るつもりはなかったのに。

 

(……色々と気になるけど、霊夢とマリサがどうなったか知りたいし、元の時代に戻らないとな)

「タイムジャンプ! 行先は西暦215X年9月22日正午!」

 

 しかし何も起こらない。

 

(あ、あれ? なんでだ?)

 

 もう1度魔法式を頭の中で練り直し、跳びたい先の時刻を一字一句なぞるように再び宣言するも、やはり何も起こらなかった。

 これまで、外の世界で魔力が足りずにタイムジャンプが不発に終わったことはあったけど、時の回廊の中では魔力は充分に満たされている。だとすると……。

 

(まさかとは思うが、未来そのものが無くなっているのか?)

 

 暗闇のカーテンに遮られ不自然に途切れた時の回廊。これがもし未来の消滅だと考えればこの異常な状況にも説明がつく。存在しない時間には行く事が出来ないのだから。

 

(ううむ、何が原因なんだ? さっきまでは確かに行けてたのに)

 

 こんな非常事態に直面しても不思議と私の心は落ち着いていた。もしかしたらまだ事の重大さを理解しきれていないだけかもしれないが。

 

(直近の歴史改変といえば、マリサを私と同じ魔女にするよう仕向けたことだが……。いや、まさかな)

 

 同じ人間同士が出会ってしまうことによる、世界の矛盾による因果律の崩壊なんてとんでも理論が頭に思い浮かぶ。私とマリサは似てるけど別人だし、200X年から連れ出した時もこんなことにはならなかった。けれども現状を見れば完全には否定できず――。

 

『時空変動により、現在この歴史を観測できません。霧雨魔理沙の行動が確定するまでしばらくお待ちください』

『時空変動により、現在この歴史を観測できません。霧雨魔理沙の行動が確定するまでしばらくお待ちください』

「……つーかさっきからうるさいな! 考え事してんだから静かにしてくれよ!」

 

 一定間隔で延々と繰り返される耳障りなメッセージに向けて怒鳴りつける。ノイローゼになりそうな私の気持ちが伝わったのか、壊れたスピーカーのように繰り返されていたメッセージは停止した。

 

『……』

(お、静かになった)

 

 私は再び目の前の透過スクリーンを見上げる。

 

「うーん……」

 

 行方不明の咲夜に半分真っ暗な時の回廊。このおかしな事態にこいつが何か関係していそうな気もするんだが……。

 分からないことだらけの中、スクリーンを睨みながら考えていると、何の前触れもなく画面が光り始めた。

 

(お?)

 

 その画面に注目していくと、眩い光は形を変え、映像となっていった。

 

 

 

 

 ――――――

 

 ――――――――――――

 

 ――――――――――――――――――

 

 

 

 映し出された場所は博麗神社の生活感溢れる畳部屋。部屋の中央にはちゃぶ台と湯呑が置かれ、座布団に正座する霊夢の横姿が見える。

 

『はぁ……』

 

 霊夢はちゃぶ台に肘をついたまま憂いた顔でため息を吐き、じっと縁側の外を見つめている。

 

『どうしたらいいんだろう……。マリサになんて謝ったらいいのかな』

『お~い霊夢!』

 

 そんな時箒に乗ったマリサが現れ、着地と同時に靴を脱ぎ捨て、ちゃぶ台を挟んだ向かい側に座った。

 

『あ、マリサ……。その、えっと……』

 

 気まずそうにしている霊夢をよそに、マリサは開口一番『霊夢、昨日はすまなかった』と頭を下げた。

 

『えっ?』

 

 面食らっている霊夢をよそに、マリサは言葉を紡いでいく。

                               

『あの後未来から来たもう1人の〝私″に会ってさ、色々と話を聞いたよ。昨晩の話は本当だったんだな。霊夢や未来の〝私″の気持ちも知らず酷い事言ってごめん』

『マリサ……』

『それを踏まえて私は決めた。未来の〝私″同様、私も真の魔法使いになるってさ』

『本当に!?』

『ああ。つまんない意地を張っても不幸な未来が待ってるだけだからな。未来の〝私″を見習って、自分も少しは素直に生きようって決めたんだ』

『ありがとうマリサ。貴女がそう言ってくれてとても嬉しいわ』

『改めてこれからもよろしくな霊夢』

『ええ!』

 

 満面の笑みを浮かべる霊夢とマリサが手を握り合う姿が映った所で、映像は徐々に消えていく。

 

『ふふ、150年後が楽しみだわ。ねえ、未来の魔理沙と他にはどんな話をしたの?』

『いいぜ。じっくり話してやるよ。私が昨晩と今日、どんな体験をしたか』

『え? 今日はまだ始まったばかりじゃないの?』

『ふっふっふ、聞いて驚け。実はな、150年後に行ってきたんだ――』

 

 

 

 ――――――――――――――――――

 

 ――――――――――――

 

 ――――――

 

 

「今のはいったい……」

 

 五分も経たなかったであろう短い映像に映し出されていたのは、博麗神社で霊夢と〝私″――身に覚えがないので新しい歴史の方だと思う――が、仲直りするシーンだった。

 

「それは貴女が去った直後の時間、西暦200X年9月5日午前9時25分以降に起きた出来事を映したものよ」

「うわぁっ!」

 

 咄嗟に振り返った先には、女神咲夜の姿が。

 

「お、脅かすなよ!」

「あらごめんなさい。普通に声をかけたつもりなのだけれど」

「ずっと気配を消していた癖に何を言う……まあいい。それより咲夜、何処へ行ってたんだ?」

「悪いけどそれは話せないわ。私がどこで何をしているのか、それは永遠の秘密であって、必ず0で無ければならないの」

 

 まるっきり意味が分からない。

 

「……はぁ。なら別の質問だ。この状況はなんだ? 何故あんなことになっている?」

 

 時の回廊の半分を埋め尽くす暗闇を指さしながら問いかけると、彼女は呆気らかんとした態度でこのように答えた。

 

「では結論から話しましょう。ここからの観測で貴女が元の時間に戻った際、貴女自身が世界の上書きに巻き込まれ、消滅する可能性が視えたわ。だから私の権限で貴女を時の回廊に留め、一時的に未来を封鎖しているのよ」

「!?」

「過去から未来まで、全宇宙の時間は停止しているわ。動いているのは私と貴女だけ」

 

 軽々しく口にしてはいるけど、ものすごくとんでもないことをやってのけている。彼女のあまりに並外れた力に只々ため息が出るだけだった。

 

「もう少し詳しい説明を頼む」

「これまで幾多の歴史改変を起こしても貴女が無事だったのは、特異点となっていたことで貴女の歴史が保護されていたからなの。けれどマリサを真の魔法使いになるよう仕向けたことで、その特異点に揺らぎが生じ始めた。貴女と、霊夢が自殺しなかった歴史の霧雨魔理沙(マリサ)。元々名前、性別、生い立ちから人間関係、そして取り巻く環境も非常に酷似していた。そんな2人の決定的な違いは、霊夢の自殺という理由を除けば〝人であるかどうか″だったわ。それが解消された今、一つの歴史に同じ歴史を持った人が二人存在し続けるのは異常――と歴史の修正力が働き始めたのよ」

「なんてこった……」

 

 私の仮説が半分当たっていた事もそうだが、知らない間にとんでもない事態になっていたことに動揺を隠せない。

 

「もしかしてマリサの歴史だけは変えちゃいけなかったのか?」

「そうではないの。既に歴史の修正力の誤作動については調整を終えた所だし、今回のような〝不測の事態″はもう起こりえないわ」

「そ、そうか。なんというか、手間をかけさせちまったみたいだな」

「ふふ、言ったでしょ? 『私はいつだって貴女の味方よ』と」

 

 何度繰り返したか分からないが、此方の咲夜には本当に感謝しかない。

 

「しっかしまあ、物騒な話だよな。どうせ消えるんだったら今までの歴史改変みたく、新たな〝私″に再構成されれば良かったのに」

「!!」

 

 冗談混じりに発した言葉だったが、先程までのムードから一転、咲夜の目の色が明らかに変化し、真剣な表情になった。

 

「ど、どうしたんだ咲夜? 何かまずいこと言っちまったか?」

「……」

 

 幾ばくかの焦りを持ちつつ尋ねても咲夜は険しい顔で黙り込むばかり。何か大切な話をしようとして踏みとどまっているような、迷っているような、そんな風に感じ取れる。

 

「……聞きたい?」

「え?」

「この話を聞いたら、貴女の人生に大きな変化が及ぶ可能性があるわ。それでも聞きたい?」

「もちろんだ。つーかそんな言われ方したら気になってしょうがないだろ」

 

 そう言うと、咲夜は何度か迷う素振りを見せてから、意を決したように口を開いた。

 

「……実はね、これから時間を動かすにあたって、私の力で新たな歴史改変を起こせるのよ」

「へぇ、どんな?」

「もし貴女が望むのなら、西暦300X年の妹紅みたく〝新しい歴史の霧雨マリサと同一化″できるわ」

 

 

 

「そ、そんなことが有り得るのか!?」

 

 思ってもみなかった咲夜の提案に、無意識のうちに声が大きくなっていた。

 

「仮に私が何の根拠もなしに力を振るえば、緻密に設計された宇宙の法則の崩壊を招くことになってしまうけど、今回は〝マリサの魔女化″という因果が発生したからね。この範囲に限るのなら宇宙に影響は及ばないわ」

「も、もしその提案を受けたらどうなるんだ?」声のトーンを落として質問する。

「貴女がタイムジャンプしようとした先の時刻の、〝新しい歴史の霧雨マリサ″へ、これまでのタイムトラベルの経験をした貴女の〝記録″が追加されることになる」

「そうなったら私が今まで行ってきた歴史改変が無効にならないのか? 因果もおかしくなるだろ」

「貴女が唯一無二の霧雨魔理沙として存在した最初の歴史を消すわけではなく、タイムトラベラーとしての貴女がここまで歩んできた痕跡を残したまま、現在の歴史のマリサと同一化するの。貴女の歴史の結末として、『マリサの歴史改変の影響によって、特異点化が解消され、世界の上書きを受け付けた』と記されるだけ」

「……なるほどな、それなら矛盾も生じない。しかし、それだけ聞いていると随分と都合の良い話に思えるんだが、何か裏があるんじゃないのか?」

「慌てないで。これからちゃんと話すから」そう前置きして、女神咲夜は語って行く。

 

「代償――なんて表現は大袈裟かもしれないけど、デメリットとしては今の貴女の思考や人格は新しい歴史のマリサがベースとなるから、モノの感じ方や、今まで見えていたものが違って見えるかもしれないわ。加えて貴女はタイムトラベラーだから、これまでの対象よりも色濃く〝記録″が残るでしょう。ひょっとしたら同一化した後に記憶のギャップに苦しむかもしれない」

 

 咲夜の口からスラスラと語られる言葉はまだまだ続いていく。

 

「後はね、これまでのようなタイムトラベルは一切出来なくなるわ。頭の中に知識と法則があっても魔法は不発に終わるし、さとりのような読心能力者であっても引き出せなくなるの」

「理由を聞いてもいいか?」

「『〝親友の死を大いに悔やみ、人の道を捨てて時間移動の研究に励み、次元シフト法による時間移動を完成させた魔理沙″だからこそ私は応援しているのよ。〝それに例外はないわ″』」

「その言葉は……!」

「私は他でもない〝貴女″に価値を見出したから。例え同じ霧雨魔理沙であっても、複数の貴女に権限を与えるつもりはないの」

 

 咲夜の答えは、幻想郷存続の未来となった西暦300X年から帰って来る時に発したものだった。まさか彼女はこの時の事を見越して……?

 

「で、どうするのかしら? このタイミングを逃してしまうと次のチャンスはもう巡ってこないかもしれない。有機生命体の生死ほど大きな事象の改変はそう起きるものではないし、時の回廊においての事象は貴女の力ではやり直しが利かないからね」

 

 淡々と語る咲夜だったが、少し冷静になって考えてみればこの話に違和感を覚える。

 

「返事をする前に一つだけ聞かせてくれ。咲夜は全ての可能性が見通せる、いわばアカシックレコードを具現化したような存在なんだろ? だったら私の答えに意味はあるのか?」

「何が言いたいの?」

「以前『魔理沙に未来を教えても、その知識を元に多かれ少なかれ行動を変えてしまうから未来を事細かに伝えられない』と言ってたじゃないか。なのに咲夜がそんな事を言い出すってことはさ、任意に選ばせているようで、その実予め定められた運命的必然になるんじゃないか?」

                            

 彼女はこれまで地球の消滅やマリサの死の事実を知っていながらも、敢えて何も言わず、歴史の観測に徹し続けて来た。それも逆に言えば私のタイムトラベルで、今のようになると知っていたからだ。

 結果論的に未来を知る程絶大な力を誇る彼女が歴史改変を促すような行動を取るということは、私の自由意志が介在する余地なく、結末が決まっていることになる。釈迦の手の平を飛び回る孫悟空のような気分だ。

 

「自らの行動が自らの意思の元に行われているのか、それとも超常的な第三者の意思によるものか。随分と面白い話ね。でもそれって貴女の歴史改変と同じじゃないの?」

「……」

 

 咲夜はあくまで笑みを崩さず、余裕の態度で在り続けている。ひょっとしたらこの質問すらも予測の範囲内だったのか……。

 

「まあ良いわ。差し支えのない範囲内で答えてあげましょう。確かに貴女の言う通り、どちらの選択を選んだとしても、その両方の歴史の行く末を予測可能よ」

(本当にでたらめな奴だな……)

「だけどね、何年、何十年と先の歴史を見渡しても、結局は貴女がこの場でYESかNOで答えるかに集約される。私にはその肝心要の二択が分からないから、貴女の心配は杞憂に終わるわ」

「……ちょっと待て。未来を知っているのなら、私がどっちの答えを出すのか自ずと分かるもんじゃないのか? 言ってることが矛盾している気がするんだが」

「時の回廊は過去も未来も存在しない特殊な空間だから、貴女の未来を読むにはここを出て三次元宇宙に戻った時の歴史を観測する必要があるわ。でも今は宇宙全ての時間が停止し、未来が封鎖されているでしょ? 時間を動かしてしまった時点で、貴女はマリサと同一化しなかったという歴史になるの」

「ふむふむ」

「歴史がどのような進化を遂げるか、可能性は刻々と変化し続けている。そして今の貴女はどちらの道を選んでも不自然ではない。だから私は〝分からない″と答えたわ」

「う~ん、そういうもんなのか?」

「そもそも0%を100%にできるタイムトラベラーの行動を予測するのは大変なのよ? 人だった頃の私の記憶が貴女を良く知っているから目途が付くだけでね」

 

 そんな言葉とは裏腹に、咲夜は楽しそうに語っている。

 

「まあ長々と理屈を説明したけどね、私はただ貴女に新しい可能性を与えたかっただけ。時の神としてではなく、十六夜咲夜としての好意だと思って欲しいわ」

「咲夜……」

「ただ勘違いしないで欲しいんだけどね、【この選択が必ずしも正しいとは限らない】の。幸せの形は人それぞれだから、自分にとってなにが最善かよく考えなさい」

「……そうか。悪かったな、変な事を聞いて」

「私の方こそ誤解を招く言い方でごめんなさいね」

「咲夜の好意は有難く受け取ったよ。少し考える時間を貰ってもいいか?」  

「気にしないで。貴女の歴史の分岐点ですもの、結論が出るまで待っているわ」

 

 一通りの疑問が払拭された私は先程見かけた座席まで移動し、そこで考えることにした。


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