――紀元前38億9999万9999年8月18日午後11時50分(協定世界時)――
「待っていた……だと?」
「ククッ、現実を見せてやろう」
レオンが指を弾いた瞬間、屋上が急に薄暗くなり、周囲の様子は一変する。
「これは……!」
ここから見渡せる空と、屋上の一部分が浮かび上がったかと思えば、カメレオンのように溶け込んでいたその姿を現し、私は絶句する。
屋上には私達を取り囲む二十名のリュンガルト兵。上空には空を埋め尽くすほどの宇宙船が空中浮揚しており、頭上には一際巨大な宇宙船が鎮座していた。
それは船のように細長く尖った形をしていて、機体の側面からはおびただしい数の砲塔が飛び出している。
宇宙船というよりは、空を飛ぶ要塞のような硬い印象を受けるものだった。
そして船底には螺旋に渦巻く大穴が開き、この超高層マンションすら呑み込んでしまう程の大砲が伸びていた。
にとりの宇宙飛行機を粉々に分解したのは十中八九あの兵器だろう。
「そんな……待ち伏せされていたなんて……」
「おいおい、リュンガルトってこんなに沢山いたのかよ!?」
「ステルス迷彩で隠れていたとは、厄介だな」
「この数はまずいわね……」
「馬鹿な! 旗艦と主力艦隊がこんな短時間で到着するなんて有り得ない!」
「時間移動を操る
「……何故私達がこの場所に来ることが分かった?」
「歴史改変は強力な反面、タイムトラベラーを大きく縛り付ける。仮想化と時間移動を封じられた貴様が改変前の歴史をなぞるように行動する事は読めていた。まあもっとも、そうせざるを得ないように誘導したのだがね」
傲慢な態度のレオンは非常に憎たらしいものだったが、自身の感情を表に出さず更に問い詰める。
「……お前はどこまで知っている? その口ぶりだと、やはり時間移動や魔法を封印したのはお前らの仕業なのか?」
「クククッ、答える義理はない――と言いたいところだが、今の私は非常に気分が良い。特別に教えてやろう」
レオンは眼鏡のブリッジを持ち上げ、得意げに語りだす。
「我々は貴様をこの時間に留める為に二つの手を打った。その一つは時の回廊へのアクセス制限だ」
「!」
フィーネには話していなかったのに、まさかその名が出るとは……!
「フィーネ捜査官から送られてきた映像で、貴様の時間移動は、時が不順に流れる高次元世界――『時の回廊』を利用した理論であることは歴然だった」
レオンは更に続けて「原理さえ分かってしまえば対策も容易い。『時の回廊』の〝
「まさか、そんなことが可能なのか!?」
「
認めたくはないことだが、彼らが時間について深く研究し、タイムトラベルの一歩手前まで来ているのは事実なようだ。
「とはいえこの理論はあくまで仮説にすぎない。時の回廊については未だに謎が多く、アクセス手段や安全な移動方法に加え、正確な時空座標の指定方法すら解明できていない現状では、我々の計算が間違っている可能性も否定できなかった。そこで我々は、タイムトラベラーが用いた〝
短くてごめんなさい