時間軸的にはGGO編が終わった後のある日の現実世界べの話と仮想世界での話です。
出来るだけネタバレが無いようにしますが、あった場合はすいません。
それとタイトル替えました。
本当は他のシリーズのやつも書きたかったのですが、時間が無くできませんでした。次のイベントの時は他のシリーズも書きたいと思います。 では、駄文かと思いますが……どうぞ!
番外編 ポッキーの日
お昼休みに……
ガンゲイル・オンライン———通称GGOでのある事件が終わったある日の事。
俺———桐ヶ谷和人は恋人であり幼馴染でもある茅場優良と共にいつも通り学校へと向かっていた。
「なあ優良、今日の放課後はなんか予定あるか?」
「う~ん? 和君とイチャイチャする以外は特にないかな」
首を傾げながらそう言ってくる優良は彼氏である俺の贔屓目無しでもとても可愛いと思うし、そんな優良にそういう事言われると、自分の中から彼女に対する愛情があふれ出て来てあああ、俺は本当に彼女の事が好きなんだなぁって改めて実感する。でも時と場所くらいは弁えてほしかった。
「優良、そういうのは嬉しいが時と場所を考えてくれ」
「え? ……あっ!」
俺に言われて優良も気付いたらしい。途端に顔を朱に染めて俯いてしまった。
「クソッ、リア充がっ」
「爆発しろリア充」
「黒の双剣士のリア充だから……”黒のリア充”だ!」
『それだっ!』
なにやらいつの間にかまた不名誉な渾名がつけられたようだ。この学校に通っている生徒は、全員がSAO
「ほらっ、さっさと学校に行こうぜ」
何となく俺も気恥ずかしくなってしまったので、優良の手を握って早足で学校へ向かった。
「……フフ」
俺の後ろでは俺に引っ張られながらもちゃんと付いて来ている優良が、俺の手を握り返しながら小さく笑っていた。
「オーッス、カズ。朝から姫とイチャイチャしながら登校とは、流石”黒のリア充”様だ」
教室に入って自分の席に着くと、前の席の友人が今朝の事をからかってきた。それにしてもこいつ等、よく本人の前で姫とか言えるよな。……まあ、俺も優良の赤面顔が見たいがために(ちゃんと時と場所を選んだうえで)言ったりするけど。
「……見てたのか」
「いや、それを見てた友達から聞いた」
「うぅ~、やっぱり見られてたのかぁ」
「大丈夫! 姫はメッチャ可愛かったってその友達は言ってたから!」
友人が良く分からないフォロー(?)を優良にいれた。てか、ちょっと待て。その友達誰だ? 今すぐ連れてこい。
「フフフ、大丈夫だよ。もとより和君以外の評価は気にしてないから」
「おおぅ。どうしようカズ、俺姫が眩しすぎて直視できない」
「俺は普通に出来るから問題ない」
むしろ直視できなくなったら俺は死ねる。これだけは断言出来るな、うん。
ガラガラ
「お前ら、席に着け~。朝のホームルームを始めるぞ~」
先生が来たのでそれぞれが席に戻った。といっても皆席はすぐそこだけど。
そして俺はその際に優良の机に一つの紙切れを置いた。十一月十一日をいう今日だからこそやりたいことを優良とやる為に。
朝の時間に和君から渡された紙には、短く『昼休みに屋上に来て』とだけ書かれたいた。
色々と疑問に思う所はあったけど、どうせお昼を食べる為だろうと思ったので深くは考えなかった。
ところで話は変わるが、今日は十一月十一日だ。この日は別名”ポッキーの日”と呼ばれている。そしてポッキーと言えばポッキーゲーム。よって私は和君とポッキーゲームがしたい。朝起きて今日が十一月十一日だと分かった時からしたいと思っている。彼氏彼女のいる人ならこの気持ちが分かると思う。何より今日は”ポッキーの日”という大義名分(?)まであるのだからその気持ちは余計に強い。
だが私の恋人である和君は基本的に鈍い。”基本的に”という枕詞を付けたのは、和君が変な所で鋭いからだ。恋人としては、その鋭さがもっと他の事に向いてくれればと思う。例えば、十一月十一日(今日)私が和君としたい事を察知する、とか。
そして当の和君だが、彼は購買で買いたいものがあると言って購買に向かってしまった。
どうせポッキーゲームをしてくれないのだから少しでも一緒に居たい、という私の気持ちを無視して。
「はぁ~、和君とポッキーゲームがしたい……」
思わず呟いてしまったが、それは誰の耳に入ることも無く風に融けて消えた。
ガチャ
「お待たせ。待ったか?」
「うんん、全然ま……」
そして和君が屋上に入って来た。のだが私は和君が手に持っているものを見て思わず固まってしまった。
「……それ、どうしたの?」
和君が持っているそれ———ポッキーに向けて指を刺しながら私は問いかけた。
「食べたくなったからさっき購買で買ってきた」
そう言われただけなのにもしかしたら、と思ってしまっていた私は少し落ち込む。
そして私達は搭屋の上に登った。私はそのまま屋上でもよかったのだが、和君がここがいいといったのでここになった。
「ん」
座っていた私に向かって和君が、ポッキーのチョコのついていない部分を口にくわえて此方に突き出してきた。
「えっと………これは?」
これから何をするのかは予想できた。そして和君からこうしてくれたのも嬉しかったのだが、一応本人に聞いてみることにした。
落とされまくったんだから、言わせるくらいいいよね?
「あれ? 優良はポッキーゲーム知らなかった?」
「うんん、知ってる。私が聞きたいのは何で今なのかって話」
「いやだって……」
私の問いかけに和君は照れ臭そうにした。
そして次の和君の言葉を聞いて私は、身体の奥からいろんなものが込み上げてきた。
「……優良がポッキーゲームをやりたそうにしてたから」
「……⁉」
聞いた瞬間、分かっててくれたんだととてもうれしくなった。
だが朝からさんざんガッカリさせられてきた私は、その意趣返しと少しの悪戯心を含めてもう少し質問を続ける。
「どうしてそう思ったのか、聞いてもいい?」
「……それ、俺に言わすのかよ」
呆れたように呟かれた言葉を私は無視した。だって散々待たされましたし。
「……」
「……」
「……」
「……う」
「……」
「分かった、分かった! 言うから無言で見つめて来るのをやめてくれ」
睨めっこは和君の方が先に音を上げた。まあ、昔からこうすると必ずと言っていいほど和君が、音を上げるんだけどね。
「今朝優良がカレンダーを見たのと、よく俺の口の当たりをチラチラ見て来たので分かったんだよ」
「え? ……‼」
前半のは良く分かった。だって本当の事だし。でも後半の事は完全に無自覚だった。そしてそこを突かれたことで私の顔が真っ赤に染まった。
見てみると和君も私ほどではないと思うけど顔が赤い。
『………』
お互いが赤面して俯いてしまったので自然と無言になる。
「優良っ!」
「は、はいっ!」
大声で和君に呼ばれたので、そちらに体と顔を向ける。
「ん」
座っている私に対して和君は膝立ちの状態になり、先程銜えていたポッキーをもう一度銜え直して私の方に突き出してきた。
「うん」
先程とは違い今の私にそれを断る理由などなく(と言うより一度断った事で、断らないという理由の方がいっぱいある)、素直に和君が銜えている側とは反対側を銜えた。
ポキン……パキン……パキン パキン
おかしい。明らかに和君の進むスピードが私より遅い。そう思った私は閉じていた眼を開く。
するとニヤっと笑う和君と目が合った。そこで私は和君の狙いに気づく。
恐らく和君は私から行かせることによって私の羞恥心を煽っているのだろう。和君、私に対してSなところあるし。まあ、私も和君に対してMなところあるけど……。
閑話休題。
確かに和君の狙いは間違いじゃない。下から見上げている所為で雛鳥が親鳥に餌をもらう様な構図になっているのと、自分からそういう事を強請りに行くような感覚になってしまって羞恥心が沸くのは確かだ。
が、それがどうした。
今の私は、和君とポッキーゲームが出来ている嬉しさやら恥ずかしさやらで既に顔は真っ赤だ。だったらそこに別の羞恥心が追加されようとも、これ以上に赤くなることはないので今更だ。
パキン……パキン……パキン
最早和君は完全に食べるのをやめて”待ち”の姿勢になっている。
私は食べ進めながらも、薄目を開けて和君の顔を覗いてみると加虐心からくる笑みを浮かべていた。だがその笑みには私とこういう事ができる”嬉しさ”と早く私とキスがしたいという”期待”が含まれている様な気がした(早くキスがしたいなら自分から行けばいいというツッコミは無しで)。
そしてついに、
「……ん」
「……ちゅ」
私と和君の距離はゼロになった。
優良が顔を真っ赤にしながらポッキーを食べ進めるのを俺は間近で見ている。
恥ずかしさやら嬉しさやらで顔を朱に染め、体勢がきついのかプルプル震えている彼女を見ていると加虐心が沸いてくる。まあ、だから俺は今止まっている訳だが……。
「……ん」
「……ちゅ」
遂に優良がポッキーを全部食べ終え俺と彼女の距離がゼロになる。俺の予想通りキスの味はチョコとプリッツの味がした。
「……んぅ……ぅぁ」
「はぁ………ぁぁ」
先程沸いていた加虐心の所為かはたまた別の要因か、俺は普段以上に優良と触れ合っていたいと思った。だから空いていた両手で彼女の両頬を優しく押さえ、彼女と俺の唇が離れないようにする。
鼻呼吸だけでは苦しくなった彼女は、俺のネクタイを持つ手の力を強くする。
そしてたっぷり三十秒程キスをした後、俺と優良は唇を離した。
「はぁ……はぁ……。もう、長すぎ」
「ごめんごめん」
頬が上気し上目遣いで艶めかしく見て来ながら抗議する優良に、あんまり心の籠っていない謝罪をしながら優しく抱きしめる。これにはただ単に優良と触れていたいって気持ちもあったけど、それと同時に今の艶やかな優良を見ていると、色々とヤバかったので彼女を見ない為、といった目的もあった。
「フフフ」
「? どうした?」
「和君は分かりやすいな~って思って……」
考えていたことを当てられた俺は苦笑した。
最近優良が俺の考えている事を的確に分かるようになってきているのは驚きを隠せない。以前はもっと漠然とした感じだったのに、どうして此処まで精度が上がったのだろう?
「愛のなせる業だよ」
「また分かったのか……」
「まあね。でも、和君も私の考えている事が分かるでしょう?」
此処は彼氏として絶対に当てないとな、と思い真剣に考え始める。
「……次の授業をサボって、もっとここでイチャイチャしていたい……かな?」
「………」
「優良?」
真面目に考えた結果、自分の欲望が詰まった答えになってしまった。そして俺の考えを聞いて優良が黙ってしまったので間違っていたのか、と不安になる。
「……あってる?」
コク
恐る恐る聞いてみると、小さく頷かれた。
どうやら優良は、自分の考えを当てられたことにより照れているらしい。抱き合ってるから顔は見えないけど……。
「……どうする? サボる?」
「……うん。もっとこうして和君とイチャイチャしていたいかな」
「じゃあ……そうするか」
「うん!」
そして俺と優良はお昼休みが終わる鐘が鳴り、次の授業が始まっても搭屋の上で心行くまでイチャイチャしていた。
だんだんと定期考査が近づいてきたので更新が遅くなります。そこの所はご了承ください。
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