ソードアート・オンライン~桐ヶ谷和人の幼馴染~   作:隆斗

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は、初めて6000文字超えた——!
相変わらずの駄文かもしれませんがよろしくお願いします。
この作品には色々なオリジナル設定や独自解釈が含まれています。そこのところご了承ください。


ボス攻略会議と兄

ボス攻略会議と兄

 

 

 

 

 

 

あれから狩りを終えて戻って来たキリト達は、攻略会議が行われる場所に来ていた。女性陣は目立つ為、全員が麻色のフードケープを装備している。集まったメンバーは彼らも入れて四十八人。

 

(思ってたより少ないな)

 

それがキリトの感想だった。フロアボスを死者数ゼロで倒すつもりなら、レイドパーティー(一パーティー(六人)×八の計四十八人)を二つ作って交代制でやるのがベストなのだが、これではレイド一つしかできない。

 

「ちょっと少ないね」

 

カユラもキリトと同じ事を思ったらしく、ボソリと呟いた。

 

「そう? 初めてで不安もあるのにこれだけの人が来るのは多い方だと思うけど」

 

「そうだゾ二人とも。アーちゃんの言う通りダ。前向きに考えろヨ」

 

アルゴとアスナに言われて、二人はまあ確かにと納得した。

 

「はーい、皆静かに~。ちょっと早いけどこれから第一層ボス攻略会議を始めま~す」

 

石作りのステージに青髪で背中に盾を背負った片手剣の青年が、声を掛け注目を自分に集める。

 

「俺の名はディアベル。職業は……気持ち的には騎士(ナイト)やってます」

 

彼ディアベルのそんな自己紹介で場の雰囲気が和やかになる。

キリトとアスナとカユラとアルゴは、同じく石でできた扇形の客席の一番遠い所で話を聞いていた。逆に、エギルとリズベットとシリカとPoHとジョニーとザザはステージ付近の席に座っていた。ここら辺はやはり対人スキル(コミュ力)の違いだろう。

 

「昨日俺たちのパーティーが、最上階でボスの部屋を発見した」

 

先程とは打って変わって真剣な口調になったディアベルにつられて、場の雰囲気の真剣なものになり喋り声も無くなった。

 

「俺たちはボスを倒してこのデスゲームが攻略できるってことを、始まりの街で待ってる皆に教えなきゃいけない。そうだろ皆!」

 

ディアベルの声に賛同する意見が数多く上がる。それに気を良くしたディアベルは、話を進めようとするがそれに割り込む人物がいた。

 

「ちょっと待って貰おうかナイトはん」

 

茶髪のイガグリ頭で関西弁の背の低い青年?はステージに上がり、ディアベルの隣に立つ。

 

「君は?」

 

「ワイはキバオウってもんや」

 

イガグリ頭改めキバオウは名乗ると、客席に当たる位置の方を向いて集まったプレイヤーたちを見据える。

 

「会議を始める前に、この中に何人か死んでいったプレイヤーに詫びいれなああかん奴がおる筈や」

 

瞬間キリトの体が強張る。

右隣にいたアスナは気が付かなかったようだが、左隣にいた幼馴染のカユラはそれに気が付いた、いや幼馴染だからこそ気が付いたというべきだろう。そして強張った理由も。

だから彼女はそっと右手でキリトの左手を握る。彼が自虐しないように。自分ですべてを背負い込まないように……。

行き成り握られたことで驚いたキリトがカユラの方を向くと、彼女は隣にいる彼にしか聞こえないような声で————

 

「大丈夫、和君の所為じゃないし私も居るから」

 

リアルでの呼び方をしたのは何となくだったが、効果はあったらしくキリトの体からは力が抜けていた。

 

「ありがとう、優良」

 

優しく笑い掛けて手を握り返しながらお礼を言うキリト。その笑顔に見惚れた所為かはたまた別の理由化は分からないが、カユラも頬をほんのりと赤く染めて微笑み返す。

 

 

 

 

「ありがとう、優良」

 

また、助けられた。優良には何時も何時も助けられてきた。スグとの仲がギクシャクしてた時も、その所為で学校にあまり行かなくなった時も、色んな事で彼女には助けてもらってきた。そしてまた…………。

おそらくキバオウが言いたいのは、βテスターの事だろう。βテスターがビギナーを見捨てたから、ビギナーが沢山死んだ。そう暗に言っているのだろう。そして俺もその一人だ。アスナ達を見捨てなかったという見方もできるが、それはただ単にキバオウのような奴に詰(なじ)られるのが嫌だったから保身のために過ぎない。カユラは違うと言うだろうが、あの時の俺は確かにそう思っていた。

隣に座っている彼女に目を向ける。フードの所為で顔は見えないが、おそらく真剣にキバオウとディアベルと先程加わったエギルの話を聞いているのだろう。

彼女には借りが増えるばかりで、何も返せていない。出来る事なら、彼女の隣に彼女にふさわしい男が立つまで俺が守ろうと思った。だからこの世界からは彼女を絶対に返したいと思う。例え自分が死んでも。例えその一回しか借りが返せないとしても……。彼女の為になるなら俺は………。

 

 

 

 

「分かった、今回はこれまでにしといたる」

 

そう言ってキバオウはステージ近くの席に座り、エギルも元居た場所に戻った。

 

「それでは会議を再開したいと思う。つい先程例の攻略本の最新版が更新された」

 

彼はそう言って先程のキバオウとエギルとの話にも出て来た、攻略本(MIDE INアルゴ)の最新版を取り出す。

その光景を見ていたアルゴは、密かに気分を良くし小さな音で鼻歌を歌っていた。

 

「攻略本によるとボスの名はイルファング・ザ・コボルドロード。取り巻きには、ルインコボルド・センチネルが出て来る。取り巻きの数はボスのHPバー一本に付き三体とのことだ」

 

そこで一先ず言葉を区切ったディアベルは、集まったプレイヤーを見渡し告げた。

 

「取り敢えず皆はパーティーを作ってくれ」

 

ディアベルがそう言うと、彼らはパーティーごとに集まり始めた。キリトが目でエギル達の方を見てみると、元からメンバーが決まっていたエギル、PoH、ジョニー、ザザ、シリカ、リズベットはすでに連携などの話をしていた。

 

「キリ君、私たちも残り二人を探さないと」

 

この広場には四十八人いる為、レイドからあぶられることもパーティーからあぶられる事も無い。しかしキリト達のパーティーメンバーは、キリトとカユラとアスナとアルゴの四人しか居ない為、何処かに二人余っているのだ。

余っている二人は何処かとキリトが視線を巡らすと、少し離れた所にディアベルとはまた違った感じの騎士風の男と、アスナ達と同じようなフードケープを被った人物がいた。おそらくフードケープを被った人物は女性だろうとアタリを付けつつ、アスナにその二人をパーティーに誘うように言った。

 

「何で自分で誘わないのよ?」

 

「いや……俺若干コミュ障だから」

 

あながち間違いでは無い。カユラのお蔭で少しはまともになったとはいえ、まだまだ人と接するのは苦手だ。親しい人物ならまた話は違うだろうが、騎士風のグレーの長髪を首元で束ねた男は記憶にないし、女性? の方は顔すら見えない。

アスナは情けないと呆れつつもその二人の元に行き、うまくパーティー申請をした様だ。

カユラ達の他に新たなHPゲージが追加され、キリトは二人の名前を確認する。

 

「(ひ…い…す…く…り…ふ。ヒースクリフか? もう一人は、る…る。ルルか?)」

 

取り敢えず挨拶は必要だろうと思い、アスナと共にこちらに来た二人に挨拶する。

 

「俺はキリト。こっちはアルゴとカユラ。これからよろしくヒールクリフとルル」

 

「……ああ、よろしく頼むよキリト君」

 

「よろしくお願いします。キリトちゃん」

 

ヒースクリフがキリトとカユラの顔を見た時、ピクリと眉が動いたのを二人は見逃さなかった。

ヒースクリフとルルも挨拶をしてきたが、ルルの最後の一言を聞いたせいでキリトが落ち込んだ。

行き成り落ち込んだキリトに、訳が分からないといった表情で首を傾げているルル。

その後、キリトは男だと説明し何とか誤解は解けたものの、キリトが男だと分かった時のルルの驚き様にまたキリトが落ち込んだ。

会議の結果、キリト達のパーティーは取り巻きのセンチネルの相手だった。この事にアスナが不満を漏らしていたが、それはカユラが抑えた。

 

 

 

〰〰〰〰〰〰閑話休題〰〰〰〰〰〰

 

 

 

攻略会議が行われた日の夜。会議に出ていた人たちは決戦前という事で軽い宴会状態になっていた。そんな中、キリトとカユラそしてアスナとアルゴの四人は宴会(仮)に参加していなかった。キリトとカユラはエギル達とで貸切状態になっている宿に、明日の準備があるからと言って戻り。アルゴは情報収集に出ていて、アスナはアルゴだけでは心配だから、とその付添だ。

キリト達が泊まっている宿は二人部屋が全五部屋。部屋割りはPoHとザザ、エギルとジョニー、アルゴとアスナ、リズベットとシリカそしてキリトとカユラだ。最後に二人の部屋割りに女性陣は猛反対し、男性陣はニヤニヤ笑っていた。だがカユラが強く希望したことと、二人が幼馴染だという事等の理由により渋々女性陣は納得した。

そして今二人はベットに座って向かい合っている。

 

「で、どうしたの? カユラ」

 

部屋で二人だけで話があると誘ったのはカユラの方だった。

 

「……ねえ、和君。私たちの事みんなに話さない?」

 

「俺たちの事って……SAOの開発に関わった事?」

 

「それと、私が茅場晶彦の妹だってことも」

 

キリトだけでなくカユラも耐えられなかったのだった。このゲスゲームを引き起こしたことに自身が関わっている事に。

その証拠にキリトは彼女が震えているのが分かった。

きっと彼女も怖いのだろう。茅場晶彦の妹と知られることによって、他の人たちから誹謗中傷を受けることが……。いくらゲーム制作できるとは言っても彼女は普通の中学生の女の子なのだ。

そこまで考えたキリトの行動は早かった。

 

「ッ!!?」

 

「分かった、優良の意見に従うよ。でも、エギル、PoH、ジョニー、ザザ、アスナ、シリカ、リズ、アルゴ、ヒースクリフ、ルルだけにしよう。彼らは信頼できる。きっと君の力になってくれる筈だ。それに信用ならない人が君の事を利用するかもしれない、だから彼らだけにしよう。いい?」

 

これ以上彼女が壊れてしまわないように震えているカユラを抱きしめる。少し強めに、自分の存在が分かるように。最初は驚いたカユラだったが、次第に落ち着いていき、キリトの提案に頷いた。

 

「……もう大丈夫だな」

 

そう言って離れようとするキリトを、今度はカユラが彼の背中に手を回して抱き着き後ろに倒れる。そしてそのままキリトがカユラを押し倒す様な形で二人でベットに倒れこむ。その際キリトの顔がベットに突っ込んで息苦しくなった(SAO内で息をする必要はないが)が、そんな事も気にならない程にキリトはテンパっていた。

 

「ゆ、優良!」

 

「……もうちょっとだけこのままでいい?」

 

行き成りの状況にテンパるキリトだが、彼女の消え入りそうな声に何も言えなくなってしまう。そしてそれと同時にカユラと抱き合っている事により落ち付いて来てもいた。

仕方がないので暫くそのままでいることにする。しかし流石に体制がキツイので、横向きにして向かい合うようにする。二人は向かい合うような形になったわけだが、そんな事は二人とも気にならなかった。そしてカユラはニコニコ笑顔で物凄い嬉しそうだったが、キリトはその理由が分からなかった。

 

「なあ、優良」

 

「何和君」

 

暫くするとキリトが口を開いた。

 

「あのヒースクリフって人さ、どう思う?」

 

「どうって、兄さんかどうかってこと?」

 

「そう、妹の優良から見てどう思った? 俺は何となくあの人が晶彦さんだと思うんだけど」

 

「私もそう思う、何より仕草が兄さんと似てたから」

 

その問いに間髪入れずに答えるカユラを見て、キリトはやっぱりかと言って納得顔になる。そりと同時に僅かな仕草だけで身内と分かるカユラに関心もしていた。キリトなら恐らく身内を仕草だけで分かるのは無理だろう。今回もヒースクリフが晶彦かもしれないと思ったのは一〇〇パーセント勘だ。

 

「でもどうするの? その事とさっきの事」

 

「さっきの事は第一層のボス戦が終わってからかこのメンバーでギルドを作る時でいいと思う。まあ大まかにしか説明しないけどそれで良いよな」

 

「うん。じゃあボス戦は死なないようにしなくちゃね」

 

「ああ」

 

「それで兄さんの事は?」

 

「今ここに晶彦さんを呼ぼう。それで話をする」

 

「なんて言って呼び出すの?」

 

カユラの問いにキリトは、抱擁を解いてメニュー画面を出す。抱擁を解いた時にカユラが残念そうな顔をしたのをキリトは気づかない。

暫くするとキリトは可視モードにした画面を彼女にも見せる。そこにはこう書いてあった。

 

『晶彦さんへ

 

 今空いていたら、俺と優良のいる所まで来て下さい。会って話したい事があります

 

                            和人より』

 

「これで来るの?」

 

「……多分」

 

「…………」

 

「と、取り敢えず待ってみよう」

 

自信なさげな自分を見てくるカユラのジト目に耐えられなくなったキリトはそっぽを向きながら言った。

 

〰〰〰〰〰〰〰十分後〰〰〰〰〰〰〰

 

コンコン

 

「私だ、ヒースクリフだ」

 

部屋の扉がノックされると同時にそんな声が聞こえた。

キリトが扉を開けると、そこには予想道理ヒースクリフが立っていた。

 

「……一人か?」

 

キリとの問いに無言で頷くヒースクリフ。

彼を部屋に入れると、予め用意していたメッセージをヒースクリフに飛ばすキリト。

その内容は『GM権限でこの部屋の中の事を外に漏れないようにしろ』と言ったものだった。普通なら、どういう意味だ? と首を傾げるだろうが彼ヒースクリフはそんな事はせず、無言で左手を(・・・)振った。それから色々やった後、彼から口を開いた。

 

「もう喋っても大丈夫だ。和人君、優良」

 

「やっぱり晶彦さんだったんですね」

 

「ああ」

 

「兄さんどうしてこんな事になったの?」

 

カユラの問いに、顔を伏せるヒースクリフだったが少しした後顔を上げた。

 

「……そうだな、君たち二人には知る権利があるだろう。だがこの事は他言無用だ」

 

そう言うとヒースクリフ否茅場晶彦は自分の知っている事を話し始めた。

彼曰はく、仕事が一段落したのでGM兼プレイヤーとしてSAOにログインしたところ、ハッキングを受けたという訳らしい。

 

「中からは対抗できなかったんですか?」

 

「それは無理だ。中からやれる事は外からやれる事程多くは無い。恐らくハッキングした者は私がログインするのを待っていたのだろう」

 

「犯人は誰だかわからないの?」

 

「…………ああ、まだ分からない」

 

少しの間があったものの茅場晶彦はそう答えた。

その後彼らは何気ない雑談をして時間を潰した。その際先程キリトとカユラが話していた自分たちの正体をみんなに明かすかどうかの話も晶彦に話した。

 

「君達二人が決めたなら私は口出ししない。だが、今の私にできる精一杯のサポートはする。だから遠慮なく私を頼って来なさい」

 

成人した大人らしく又二人の頼れる兄として晶彦はそう言った。

その後ヒースクリフに戻った茅場晶彦は、キリトとカユラが一緒の部屋に泊まるのは反対だといったシスコンっぷりを発揮してから自分の宿へと戻って行った。

ヒースクリフが戻った後、二人は同じベットで横になっていた。キリトは別々のベットでと言ったのだが、カユラが必死に説得(上目遣いのおねだりとも言う)をした為こうなった。今二人はお互いに向か会って寝ている。

 

「和君」

 

「何?」

 

「明日のボス攻略頑張ろうね」

 

「ああ」

 

そうして二人は深い眠りについた。

 




最近スランプなので更新速度が今まで以上に遅くなります。出来るだけ早くするつもりですのでこれからもよろしくお願いします。
あと誰かスランプの脱出方法知りませんか? 知ってたら教えて下さい。
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