「ほら、起きなさい」
「んむぅ…あにゃ?」
「そう、朝よ。起きて」
「にゃ~~」
いつもの朝。マヨヒガへ行った藍は
半ば無理矢理橙を布団から引っ張り出し、着替えを渡し、布団を畳む。
「ほら着替えて。朝御飯作るから早くしなさいね?」
「にゃあ」
橙を部屋に残して台所へ行く藍。
橙はノロノロと着替える。
「ちぇーーん! 速くしなさい!」
「はーい」
着替え終わる橙。トッタッタッタッと足音を鳴らして食卓へ。
机の上には少し冷めたご飯に小松菜と油揚げのごま和え、藍用においなりさんが置いてあった。
「にゃ~!? また油揚げ~!?」
「ちゃんと野菜も入ってるわよ。はい、ご飯に掛ける鮭フレーク」
「ふにゃあ!」
「ちゃんと全部食べるのよ。後返事は『はい』でしょう?」
「はーい」
「うん、いい子ね。それじゃあ」
「「いただきます」」
~○~○~○~○~○~
「あぁ、藍はちゃんとちぇんをしつけられてるかしら。ちぇんは藍の言うこと聞いてるかしら。ねぇ、大丈夫かしら」
「あーはいはい。大丈夫大丈夫。昨日も大丈夫だったし一昨日も大丈夫だったわ。だから今日も大丈夫だしついでに言うと明日も大丈夫だから毎日毎日うちに来ないでくれる~?」
場所は飛んで、ついでに時間軸も飛んで、白玉楼。
家庭的な大妖怪と困り顔の亡霊姫が話し合っていた。
「何よぅ幽々子。私は真面目に相談してるのよ!」
「本気だったら私に相談しないで自分で見に行ったら良いじゃない」
「うっ。そ、それは……そう! あんまり私がでしゃばると藍が怒っちゃうかも知れないでしょ!?」
「……ふーん」
大妖怪をジト目で見る亡霊姫。
と、後ろに控えていた半人前が半人前らしく失言する。
「……つまり一度見に行ったことがあると」
「!? な、な、な、ななな何を言うのよぅむ!? そ、そんなミスを私が、大妖怪であるこの八雲 紫がするわけ無いでしょう!?」
「そうよーよーむ。一度じゃなくて何回もやってるわよ」
「幽々子ぉ!?」
「成る程、大妖怪様は大妖怪らしく行動も大人びてますね」
「ゴフゥッ!? わ、わた、私は、永遠の、じゅ、じゅう」
「○○○○○歳よね」
「フム、五桁……?」
「バカァ~~!!!」
亡霊姫とその手先の半人前による言葉のラッシュの前ではさしもの大妖怪も逃げ出すのであった。
「はぁ、やれやれ。よーむ、程々にしてあげてね? あの子はなんだかんだで甘えん坊何だから」
「分かりました」
亡霊姫は大妖怪を慰め機嫌を治す為に逃げていった大妖怪を追い掛ける。
「……何だかんだで、幽々子様もお節介ですよね」
ここは、そんな平和な世界。未だ博霊 霊夢は存在しない時代。